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「茶の湯の美学ー利休・織部・遠州の茶道具ー」展 三井記念美術館
三越前
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日本橋の三井記念美術館では「茶の湯の美学ー利休・織部・遠州の茶道具ー」展が
開かれています。
会期は6月16日(日)までです。
所蔵する茶道具による展覧会で、一部の展示室は撮影可能です。

茶の湯img270


千利休、古田織部、小堀遠州の3人の茶人に焦点を合わせた展覧会です。
それぞれの美学は、利休のわび・さび、織部の破調、遠州の綺麗さびとして
まとめられています。

千利休

「黒楽平茶碗」 長次郎 桃山時代 16世紀
茶の湯img457 (5)

楽茶碗とは楽焼の祖、長次郎(?-1589)が千利休の侘び茶の好みに応じて
作り始めた、手捏ねの茶碗です。
京都の町屋の小規模な窯によって低温で焼かれています。

「黒楽茶碗 銘 俊寛」 長次郎 安土桃山時代 16世紀 重要文化財
室町三井004

楽茶碗としては薄手に作られ、見込みには枯れた味わいがあります。
千利休が薩摩の門人の求めで送った三つの茶碗のうち、これだけが
送り返されなかったので、この名が付けられました。
俊寛ら三人が平家への謀反の罪で薩摩の鬼界ヶ島に流され時、
他の者は赦免されて都に帰れたのに俊寛だけ島に残された故事による
ものです。
箱の蓋に「俊寛」と書かれた利休自筆の紙が貼ってあります。

「三島茶碗 二徳三島」 朝鮮時代 16世紀
高麗img005 (3)

三島茶碗は細かい模様が伊豆の三嶋大社の配布していた三島暦に似ている茶碗です。
千利休が所持し、後に二徳という袋師が所持したことからこの名があります。
見込みには模様が入っていますが、胴の外側には横線が一本入っているだけです。

「姥口霰釜」 伝千利休所持 与次郎 桃山時代 16世紀
茶の湯img457 (4)

姥口釜は、口の周囲が盛り上がり、内に少し落ち込んだ形の釜をいいます。
辻与次郎(生没年不詳)は鋳物師で、千利休の釜師となり、利休の好みの茶釜を
制作しています。

「唐物肩衝茶入 北野肩衝」 南宋時代 12 ~ 13世紀 重要文化財
茶器2

足利義政所持の東山御物にの一つで、烏丸大納言家に伝わりました。
豊臣秀吉が開いた北野大茶湯で烏丸家から出され、秀吉は一度通り過ぎた後、
利休からそれを伝えられ、立ち返って見たことから、この名があります。

「黄瀬戸立鼓花入」 桃山時代 16~17世紀
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鼓の胴のような面白い形をしています。
利休が所持していた同じ形の花入、「旅枕」を久保惣記念美術館が所蔵しており、
サントリー美術館も同じ形のを所蔵して、現在開かれているコレクション展でも
展示されています。

「雲紙和漢朗詠集切」 伝千利休所持 伝藤原行成筆 平安~鎌倉時代 12~13世紀
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和漢朗詠集の雲の段で、雲形を漉き込んだ雲紙に書かれています。

  よそにのみみてややみなんかつらぎのたかまのやまのみねのしらくも


古田織部

「織部砂金袋香合」 桃山時代 17世紀
茶の湯img457 (6)

古田織部(1543~1615)は戦国時代の武将で、利休の高弟ですが、利休の侘茶と違って、
織部焼など織部好みと呼ばれる豪放なスタイルを生み出しています。

「大井戸茶碗 銘 須弥(別銘 十文字)」 高麗茶碗 朝鮮時代 16世紀
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古田織部の所持とされる茶碗で、寸法を縮めるためか、縦横十文字に切って、
漆で継いであります
古田織部は芸術家気質の強かった人のようで、わざわざ茶碗を割って継ぐことで、
自分の美意識を持ち込んだりしていて、そのことは司馬遼太郎の短編小説、
「割って、城を」にも書かれています。

「御所丸茶碗」 朝鮮時代 17世紀
三002

御所丸とは桃山時代から江戸時代初期に掛けての朝鮮との御用貿易船のことで、
対馬藩宗氏が仲介しています。
日本の茶人の注文により朝鮮で焼かれ、朝鮮貿易船で運ばれた品と思われ、
古田織部の好みを反映した意匠です。

楕円形で白釉と黒釉の掛かった片身替りと呼ばれる色合いになっています。
えぐるようなへらの削り跡も付いていて、個性の強い姿をしています。

「伊賀耳付花入 銘 業平」 桃山時代 17世紀
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飄然とした姿を世を捨てた風のある在原業平になぞらえています。

「伊賀耳付水指 銘 閑居」 桃山時代 17世紀  
茶湯img911 (5)

大きく歪ませた形で、その佇まいから閑居と名付けていますが、閑居というには
ふてぶてしい姿をしています。 


小堀遠州

小堀遠州(1579~1647)は名を政一と云い、江戸時代初期の大名で、茶人、造園家、
建築家として知られています。
茶を古田織部に学び、その好みは「綺麗さび」と呼ばれています。
綺麗さびとは利休以来のわび茶に、華を添えた感じでしょうか。

「薩摩甫十瓢箪茶入 銘 十寸鏡」 江戸時代 17世紀
茶湯img911 (2)

小堀遠州が焼かせた薩摩焼の十個の瓢箪茶入の一つで、遠州の号の宗甫にちなんで
甫十瓢箪と呼ばれています。
十寸鏡(真澄鏡、ますかがみ)とはよく澄んだ鏡のことで、胴の釉の丸い掛け残しを
鏡に見立てています。

「玳皮盞 鸞天目」 南宋時代 13世紀 重要文化財
室町三井010

玳皮盞(たいひさん)とは天目茶碗の一種で、外側にタイマイの甲羅(べっ甲)のような
模様の出ている物を言います。
この茶碗は見込に二羽の尾長鳥と蝶、底に梅花が描かれ、鸞天目(らんてんもく)
とも呼ばれています。
見込の細かい地模様の華やかな茶碗です。
君台観左右帳記にも玳皮盞についての記載があります。
小堀遠州の所持していた品で、堀田相模守、朽木家、赤星家、益田栄作、室町三井家
と続いています。

「瀬戸二見手茶入 銘 二見」 金華山窯
 小堀遠州箱書・挽家字形 桃山~江戸時代 17世紀
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景色が伊勢二見ケ浦になぞらえての命名です。
元は茶人大名の朽木稙昌の所持でした。
中興名物です。
茶人大名の松平不昧は茶道具の名品の格付けを行ない、雲州名物帳(雲州蔵帳)に
まとめていて、小堀遠州を高く評価し、雲州名物帳では遠州の選んだ茶道具を
中興名物と呼んでいます。

「高取面取茶碗」 小堀遠州箱書  江戸時代 17世紀
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筑前の高取焼の茶碗で、腰に面取りがされ、内側の見込の周囲にも
面白い景色があります。
遠州の好みで焼かれた遠州高取の代表作とされ、緻密で艶やかな肌合いは
綺麗さびというものをよく表しています。
箱書の「高取面」は遠州筆とされています。

「瀬戸面取手茶入 佐久間面取」 江戸時代 17世紀
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中興名物です。
佐久間将監実勝(1570-1642)の所蔵で、茶入の肩が面取りされていることから
この名があります。
面取りによって肩衝茶入より印象が柔らかくなっています。

「菊蒔絵面取茶箱」 茶器伝遠州所持・蓋裏和歌直書 江戸時代 17 ~ 18世紀
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茶器の蓋の裏に和歌が書かれています。

  かたふくもよしやさもあれわか庵のすとの竹かきいはさるのとし

茶人の系統は村田珠光、村田宗珠、武野紹鷗、千利休、古田織部、小堀遠州と連なります。

「珠光青磁茶碗 銘 波瀾」 南宋~元時代 12 ~ 14世紀
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青磁といっても、格式の高い青磁ではなく、薄緑色をしています。
村田珠光がこの系統の器を抹茶茶碗に採用したことによる命名で、利休の侘茶に
つながるものがあります。

小倉色紙 「うかりける…」 藤原定家筆 鎌倉時代 13世紀
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前田利家、伊達政宗が所持していたことがあります。
定家特有の書風で、源俊頼の歌が書かれています。
武野紹鷗は茶室の床に初めて小倉色紙を掛けた茶人です。

  うかりける人を初瀬の山おろしよはげしかれとは祈らぬものを


展覧会のHPです。


【2024/05/11 19:37】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「キリスト教交流史ー宣教師の見た日本、アジアー」展 駒込 東洋文庫ミュージアム
駒込・千石
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駒込の東洋文庫ミュージアムでは「キリスト教交流史ー宣教師の見た日本、アジアー」展が
開かれています。
会期は5月12日(日)までです。
休館日は火曜日です。

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キリスト教のアジア各地への伝播の様子を宣教師の資料などから見ていく展覧会で、
布教や弾圧の歴史を示す貴重な文献が揃って展示されています。

「大秦景教流行中国碑」 原碑:781年(唐時代)建立 拓本
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431年のエフェソス公会議で異端とされたキリスト教ネストリウス派はペルシャや
モンゴル・中国で布教を続けていました。
碑文には教義や唐の玄宗皇帝に保護されたことなどが書かれています。

「東方見聞録」 ジョバンニ・ラムージオ編 1583年
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東洋文庫はマルコ・ポーロのアジアでの見聞を口述した「東方見聞録」の、
言語や出版地の違う約80種類を所蔵しています。

「聖イグナチオ・デ・ロヨラ伝」 ダニエッロ・バルトリ 1650年 ローマ刊
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16世紀に宗教改革に対抗して設立された修道士会であるイエズス会の創設の一人、
イグナチオ・デ・ロヨラの伝記です。

「ザビエルの生涯」 ホラティウス・トゥルセリヌス 1600年 ヴァリャドリッド刊
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イエズス会の創設者の一人で、日本にキリスト教を伝えた宣教師、フランシスコ・ザビエルの
伝記です。
イエズス会は現在も活動し、上智大学もイエズス会が運営しています。

「エヴォラ版日本イエズス会書簡集」 イエズス会 1598年 エヴォラ刊
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九州のキリシタン大名たちがローマに派遣した天正遣欧少年使節と面会した
ポルトガルのエヴォラの大司教が感激して、発行費用を負担した書簡集です。
4人の少年使節は後に、1名は国外追放され、1名は殉教し、1名は棄教しています。

「日本の歴史」 シャルルヴォア 1754年 パリ刊
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日本でのイエズス会の活動を記述し、日本人の生活や習慣を解説しています。
図版は安土城ですが、実際とはかなり違います。
織田信長はキリスト教の布教を許し、教会(南蛮寺)の建設も認めています。

「伊達政宗遣欧使節記」 シピオーネ・アマーティ 1617年 インゴルシュタット(ドイツ)刊
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伊達政宗が欧州に派遣した使節の支倉常長にスペインからローマまで同行した
通訳の記録です。

「ドチリーナ・キリシタン」 1592年 国指定重要文化財
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ローマ字表記の日本語で書かれたキリスト教布教のための問答集で、宣教師の
日本語教材として使われたと思われます。
遣欧少年使節の帰国時に宣教師ヴァリニャーノが持ち込んだ活版印刷機を使い、
木版印刷されています。

「サクラメンタ提要」 ルイス・セルケイラ編 1605(慶長10)年 長崎刊
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遣欧少年使節の持ち帰った印刷機で印刷されたカトリックの儀式の二色刷りの手引書で、
五線譜に書かれたグレゴリオ聖歌も19曲納められています。

「日本・中国迫害報告」 ペドロ・モレホン 1621年 リスボン刊
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豊臣秀吉はキリスト教に危険を感じて宣教師を追放し、徳川幕府もキリスト教を
禁止しています。
日本各地でのキリシタンの弾圧の他、大坂の陣、徳川家康の死などについても
書かれています。

「島原天草日記」 松平輝綱 1638(寛永15)年 書写年不明
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父の松平信綱に従って島原の乱の鎮圧に従軍した輝綱の日記です。
一揆の人たちが斬首される様子も記されています。

「日本殉教精華」 アントニオ・フランシスコ・カルディン 1650年 リスボン刊
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島原の乱の翌年の1639年に幕府がポルトガル船の来航を禁止したことに対し、マカオの
ポルトガル人は貿易の復活を求めて使節団を送りますが、ポルトガル人使節4名と
各国出身の随行者57名は斬首刑に処せられています。

「破提宇子」 景恵俊 1620年成立 1868年刊
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大徳寺の僧だった恵俊が洗礼を受けて修道士となった後に棄教し、キリスト教を
非難した書です。
提宇子(デウス)とはキリスト教の神のことです。

「破切支丹」 鈴木正三 1662年刊
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鈴木正三は元旗本の禅僧で、関ヶ原の戦い、大坂の陣に従軍して武功を挙げますが、
出家して仏教の興隆に務めています。
キリスト教を理論的に批判した書です。

「世界教会史」 コルネリウス・ハザード 1678年 ウィーン刊
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1623年の江戸の三田で宣教師や信徒50名が火あぶりで処刑された事件も書かれています。

「キリスト教中国遠征記」 マテオ・リッチ、ニコラ・トリゴー 1615年 アウグスブルク刊
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マテオ・リッチに続いて中国での布教に務めたトリゴ―が編集したリッチの手記で、
明の習慣、法律についても書かれています。

展覧会のHPです。


【2024/05/10 19:34】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「アートアワードトーキョー丸の内 2024」 丸の内 行幸地下ギャラリー
東京
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丸の内の行幸地下ギャラリーでは「アートアワードトーキョー丸の内 2024」が開かれています。
会期は5月12日(日)までです。

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「アートアワードトーキョー丸の内」は若手アーティストの発掘・育成を目的に
7人の審査員が日本の美術大学・大学院の卒業・終了制作展の中から選抜して、
ギャラリーで展示する展覧会です。

今回で18回目で、20作品が展示されています。

安齋茉由 「みどりの海」シリーズ 女子美術大学大学院
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磯崎海友 「依存症」シリーズ  多摩美術大学大学院
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ポテト依存症
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何の依存症かと思ったら、友達依存症でした。
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本岡景太 「Detach and Adhere」 東京藝術大学大学院
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李晟睿智  「Call me by my name」 東京藝術大学大学院
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力強い、重厚な表現です。



【2024/05/09 20:11】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品」 サントリー美術館 その2
六本木・乃木坂
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サントリー美術館で開かれている「サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品」の
記事、その2です。
会期は6月16日(日)まで、休館日は火曜日です。
会期中、かなりの展示替えがありますので、展覧会のHPでご確認下さい。
一部の作品は撮影可能です。

第3章 陶磁

「色絵花鳥文八角大壺」 江戸時代 17~18世紀 重要文化財
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金彩の入った中国風の壺の窓に柿右衛門様式の絵が描いてあります。
金襴手に似ていますが、染付の青が入っていません。

「色絵五艘船文独楽形大鉢」 江戸時代 18世紀 重要文化財
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こちらは国内向けの製品で、金襴手といわれる豪華な絵付けがされ、
中国風の模様にオランダ船やオランダ人を描き込んでいます。
縁が垂直になっていて、横から見ると独楽のような形をしています。
オランダ船には宝船のイメージがあり、吉祥文様と考えられるそうです。

「白泥染付金彩薄文蓋物」 尾形乾山 江戸時代・18世紀 重要文化財
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外側に薄の原を描き、内側は染付の花襷四葉文という、まったく違う図柄を
取り合わせています。

「色絵桜楓文透鉢」 仁阿弥道八 江戸時代・19世紀
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径40cmくらいはある大きな鉢で、桜と紅葉を同時に描いた雲錦模様です。
雲錦(うんきん)の語は、吉野山の桜は雲かとぞ見え、龍田川の紅葉は錦の如し、
という言葉から来ています。


第4章 染織と装身具

「能装束 桐唐草紅白段模様厚板唐織」 江戸時代 19世紀
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重厚な菊水模様です。

第5章 茶の湯の美

壷 「銘 野分」 信楽 室町時代 15世紀
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以前の展覧会の時の写真です。
自然釉が垂れて艶光りしています。
対照的に反対側は荒々しい景色です。

「織部四方蓋物」 桃山時代~江戸時代 17世紀
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四角い箱形で、蓋も四角です。
外にも内にも伸び伸びとした豪快な絵付けがされています。

赤楽茶碗 銘「熟柿」 本阿弥光悦 江戸時代 17世紀前半
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熟した柿に見立てて銘が付いています。


第6章 ガラス

「船形水差」 イタリア 16~17世紀 サントリー美術館
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優美で繊細な細工の、ヴェネチアらしい造形です。
船体にふくらみを持たせ、マストもしんこ細工のように組み上げています。

「ダウメングラス」 ドイツ 17世紀末 
酒004

高さ50cm程あり、ダウメンとはドイツ語で親指という意味です。
回し飲みのためのグラスで、ワインやビールを入れると3~4kgにもなるので、
親指をかけて支えるためのリングが付いています。

「乳白色ツイスト脚付杯」 江戸時代 18世紀
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脚にツイスト(捩じり)が入っています。

「藍色ちろり」 江戸時代 18世紀
ベネ008

南蛮貿易で栄えた長崎にガラスの技術が伝わり、長崎ビードロを生んでいます。
冷酒を入れる酒器で、ひねりの付いた取っ手がとてもお洒落です。
幕末の薩摩切子のくっきりした形とは違った、丸い柔らかさがあります。

「薩摩切子 藍色被船形鉢」 江戸時代 19世紀中頃
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蝙蝠をあしらった斬新なデザインのカットグラスで、陰陽勾玉巴文も入っています。
澄んだ深みのある藍色も魅力です。
薩摩切子は幕末の一時期に島津藩によって興されたガラス製品です。
透明ガラスに色ガラスを貼り付ける被せ(きせ)ガラスの技法を発達させています。
輸出用や幕府や大名への贈答用に製作されました。

「飾枕(籠枕)」  江戸時代 18世紀
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展示室の最後に置かれています。
佐竹家より到来したとされる枕で、細密な花輪違い文様の縁飾りが施され、
佐竹家の紋の日の丸扇が付いています。 

サントリー美術館の所蔵する各分野の名品を一度に観ることが出来て、
とても見応えのある展覧会です。

展覧会のHPです。


【2024/05/07 19:30】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品」 サントリー美術館 その1
六本木・乃木坂
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六本木のサントリー美術館では「サントリー美術館コレクション展 名品ときたま迷品」が
開かれています。
会期は6月16日(日)まで、休館日は火曜日です。
会期中、かなりの展示替えがありますので、展覧会のHPでご確認下さい。
記事は2回に分け、今日はその1です。
一部の作品は撮影可能です。

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第1章 漆工

「鞠・鞠挟」 江戸時代 18~19世紀
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展示室の最初に置かれています。
蹴鞠の鞠を挟んでおく架台で、黒漆塗りに蒔絵が施されています。
このような形式の架台は類例が無く、このような綺麗な鞠も残っては
いないのだろうかということです。

「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」 鎌倉時代 13世紀 サントリー美術館 国宝
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一面に螺鈿の模様を施した手箱で、北条政子の所持とも伝えられています。
浮線綾文様は公家の用いた、花を象った文様で、1個の文様を作るために
13個もの貝のピースが使われています。
立派な装飾の手箱を玉手箱と呼ぶ訳が分かります。

「小倉山蒔絵硯箱」 室町時代・15世紀 サントリー美術館 重要文化財
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5月20日からの展示です。
蓋表には小倉山あるいは嵐山、蓋裏は住吉大社、見込(硯を置いてある所)には
龍田川あるいは大井川が描かれています。
どれも歌所として有名です。

「朱漆塗湯桶」 室町時代 15世紀
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以前の展覧会の時の写真です。
5月13日までの展示です。
湯や茶を配る大きな朱塗りの桶で、お寺で使いそうなデザインです。

「椿彫木彩漆笈」 室町時代 16世紀
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椿は冬でも緑で花も咲かせるため、生命力の象徴とされていました。
これを担う修験者を守る意味があったようです。

第2章 絵画

「病草紙断簡 不眠の女」 平安時代・12世紀 重要文化財
絵巻1

5月15日からの展示です。
板張りの床の上に敷物を敷いて、女たちが眠っています。
他の三人が寝入っている中で、一人だけ眠れずに半身を起し、時を数えるように
指を折っています。
枕元には燭台も灯っています。
本人にとっては辛いでしょうが、この時代にも不眠症があったのかと思うと、
観ていて面白くなります。

「泰西王侯騎馬図屏風」 四曲一双 桃山~江戸時代初期・17世紀初期 
 サントリー美術館蔵 重要文化財

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5月13日までの展示です。
会津若松城にあった屏風で、日本人による初期洋風画の代表作とされ、旧会津藩主の
松平家の旧蔵品です。
右から、ペルシャ王、アビシニア王(エチオピア王)、フランス王アンリ4世、イギリス王
あるいはギーズ大公フランソワ・ド・ローランあるいはカール5世とされています。
異教徒のペルシャ王が中世の騎士の持つような槍を持つのに対し、キリスト教国の
3人の王は王笏を持ち、ペルシャ王の方を向いています。
アンリ4世(1553-1610)はブルボン朝最初の王で、ナントの勅令を発してカトリックと
プロテスタントの融和を図っています。

アンリ4世は美男だったそうですが、こちらも美男に描かれています。
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「南蛮屏風」(右隻) 六曲一双 伝狩野山楽筆 
 桃山時代・17世紀初期 重要文化財

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5月20日からの展示です。
右隻に入港する南蛮船と荷揚げで賑わう港町、左隻に南蛮人たちの出発地の様子が
表されています。
船の上では帆を巻く船員、パンを受け渡しする人、船室で寝ている人などが活き活きと
描かれています。
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港には黒いマントの宣教師たちも5人描かれています。
南014


「邸内遊楽図屛風」) 六曲一隻 寛永年間(1624~44)
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5月13日までの展示です。

宴会で盛り上がり、
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庭で輪になって踊り、
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蒸し風呂にも入っています。
サIMG_0748


「酒伝童子絵巻」 狩野元信 大永2年(1522) 重要文化財
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酒呑童子の説話には、舞台を大江山とするものと、近江伊吹山とするものがあり、
こちらは伊吹山です。
小田原の北条氏綱の注文により狩野元信と弟子が描いた絵巻で、源頼光と
家来たちが討っている場面では酒呑童子の首が源頼光に喰らい付いています。
戦国時代の好みを映して凄惨な光景ですが、他の場面では同じ日の出来事の中に、
季節の異なる紅白梅、藤、萩、菊が描かれ、目を楽しませてくれます。
私の行った時は頼光の一行が神々の導きで酒呑童子の屋敷に向かう場面が
展示されていました。

「おようのあま絵巻」 2巻 室町時代・16世紀
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おようのあま(お用の尼、雑貨を売り歩く尼さん)が侘び住まいする老僧を訪ねてきて、
若い娘を世話しようと持ちかけます。
僧は喜びますが、若い娘と思ったのは実はおようのあま自身だったという、
泣き笑いのお話です。
掛軸に南無阿弥陀仏と書いてあるので、妻帯を認めた浄土真宗の僧かもしれません。
梅や桜、椿なども咲いて、季節の風情もありますが、建物は透視図法を無視した、
乱暴この上ない描き方なのがご愛敬です。

第3章から第6章は、その2に載せます。

展覧会のHPです。


【2024/05/05 19:44】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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Author:chariot
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