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日比谷 Little Miss耕一路
日比谷・有楽町
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日比谷の帝国劇場のある国際ビルの地下商店街に無農薬玄米料理とカフェ
「Little Miss 耕一路」はあります。

東京駅から丸ビルを通って、日比谷まで歩くことにします。

丸ビルでは「ちよだ江戸祭」の行事として、関東各地のお祭りの山車人形が
展示されていました。

ちよだ祭


日比谷に向かう丸ノ内仲通りはハロウィーンの飾り付けがされていました。

丸ノ内ハロウィーン


地上にある帝国劇場や出光美術館の行き帰りの折に利用するのにも便利です。

帝劇


とても小さなお店ですが、朝7時30分から開いています。
カウンターの棚の上には色紙が何枚も飾ってあります。

耕店内


モーニングはハムエッグサンドイッチとコーヒーか紅茶で400円です。

耕モーニング1


注文して待っていると、フライパンで卵を料理する音が聞こえてきます。

トーストのサンドイッチはていねいに作ってあって、味付けも良く、
あっという間に食べてしまいました。
コーヒーも苦味と酸味のほどが良く、美味しいです。
これは食事も期待できそうです。

常連らしいお客さんが何人か、コーヒーを飲みながら新聞を読んだり、
携帯を見たりしていました。
早めに出勤してきて、ここで時間をつぶしているのでしょう。
店の外を眺めていると、時間の経つうちに通路を通る人が増えていくのが
分かります。

「Little Miss 耕一路」という変わった名前の由来をお店の人に訊こうかと
思ったのですが、キャベツ刻みに忙しそうだったので、遠慮しました。


【2008/10/29 08:00】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
神保町 ラドリオ
神保町
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「ラドリオ」は神保町の書泉グランデの裏に、「ミロンガ・ヌオーバ」」と
向かい合ってあります。
小宮山書店の横の道を入って、すぐ左側の細い路地にあります。

小宮山書店


ラドリオ外2


ラドリオ看板


近くの「さぼうる」」と並んで、神保町では昔から大変有名な喫茶店です。
雰囲気もよく似ていて、黒い板壁、低いテーブルとソファ、暗い照明は
山小屋のようです。
ラドリオとはスペイン語でレンガのことだそうで、床はレンガ張りです。

ラドリオ店内


ウインナコーヒーを日本で始めたのはこちらとのことで、今も名物です。

ラドリオメニュー


ランチのパスタセットです。

ラドリオパスタ

パスタは細麺で、懐かしい味のナポリタンです。
カレーセットもあります。


ラドリオコーヒー

コーヒーかウインナコーヒーが付いて950円です。


お客さんが一人入ってきて、「あーいらっしゃい」と、間投詞付きで
挨拶されていました。
きっと常連さんなのでしょう。
カレーを、メニューには書いてない大盛りで注文していました。

BGMはシャンソンでした。
映画「巴里の空の下セーヌは流れる」の主題歌もありました。

それにしても、ラドリオ(スペイン)、ウインナコーヒー(オーストリア)、
ナポリタン(イタリア)、シャンソン(フランス)と、EU勢揃いです。
支払いもユーロで出来そうです。

昔のラドリオは今よりずっと広く、北と西に向いたL字型をしていました。
その頃の正面は喫茶店の「神田伯剌西爾(ぶらじる)」の前の通りに面した
西側にありました。
大勢の学生の客が入っていて、ワイワイと訳もなくにぎやかでした。
小さなロッキングチェアもあり、それに座ってユラユラさせるのが楽しみでした。

ある時に何かの事情で店が二つに分割され、片方は別の喫茶店になり、
やがて、その店も無くなりました。
人の姿も変わり、時は流れるようです。
今のラドリオは静かな、落ち着いた雰囲気の店になりましたが、
あの頃の熱気を懐かしく思うことがあります。


【2008/10/26 08:45】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
根津 カフェ・ノマド
根津
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「カフェ・ノマド」は根津にある、スタイルを持ったカフェです。

ノマド外


地下鉄千代田線根津駅を出て、不忍通りを千駄木方向に進み、
言問通りとの交差点を過ぎてすぐ右側の横丁を入って右側です。

店の正面は大きく窓を取り、床は打ちっぱなしで、テーブルと椅子もシンプルです。

ノマド窓


カウンターの前には本や雑誌が並べられています。
一段高くなった奥側の壁には鏡が張ってあって、店内を広く見せています。
壁はミニ画廊になっているようで、同じ人の絵が何枚か掛けられていました。
入口側は喫煙席、奥側は禁煙席ですが、仕切りはありません。


エスプレッソシングル580円、フレンチトースト600円です。

フレンチトースト

クリームのかかったフレンチトーストはシロップがたっぷりしみて、とても美味しく、
エスプレッソとよく合います。

BGMはジャズでもクラシックでもなく、モダンで心地よい曲でした。

開店時間は午後2時からと遅いですが、深夜まで開いていて、
水曜と第1・第3火曜日が定休です。
ノマド(NOMAD)とは英語で遊牧民、放浪者ですが、お店の人に店名の意味を
訊いたら放浪者とのことでした。
7年前に開店した店だそうです。
マスターは黒のTシャツ姿で、カウンターの中で忙しく働いていました。

このあたりは谷中、根津、千駄木のいわゆる谷根千地域の一角で、
下町情緒の残る町ですが、その中で「カフェ・ノマド」のような個性的な店があると、
散歩の楽しみが増えます。

私の行った日は「根津・千駄木下町まつり」の日で、不忍通りは人出も多く、
店の前の横丁を観光人力車が通っていきました。

言問通りとの交差点付近の不忍通りです。
人力車も見えます。

根津


お囃子も賑やかです。
うしろは不忍通りふれあい館です。

下町まつり


【2008/10/25 09:22】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
上野 古城
上野・稲荷町
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上野には、今は少なくなった純喫茶系のお店が何店か残っています。
その名も「王城」「古城」「丘」という、懐かしい響きです。

その中の「高級喫茶 古城」は上野駅近く、浅草通りの上野警察署向かいの道を
入ってすぐ右側にあります。

入口から地下への階段です。

古城入口


古城階段


店内は広く、席の仕切りは岩の板、ソファーの席は低くて大きく、四角く太い柱の上に
ギリシャの柱頭装飾、壁は大理石の板を積み上げ、奥の壁にはステンドグラス、
天井には太い梁とシャンデリア、花型のランプが何十も灯り、さながら地下宮殿です。
内装はかなりのお金を掛けて作ったということですが、納得できる豪華さです。

古城店内


古城ステンドグラス


古城時計


モーニングセット600円です。

古城モーニング

バタートースト、サラダ、ゆで卵が付きます。
トーストにはバターがよくしみ込んでいて、サラダにはゴマドレッシングが掛かっています。
カップはNIKKO社製で、面白い模様です。
Real Old Willowという、中国由来の絵柄のようです。

セットは他にも幾つかあります。
コーヒーはしっかり濃くて美味しく、これは「王城」や「丘」と同じです。
長くお店が続いている理由の一つだと思います。

開店は1963年とのことで、東京オリンピックの前年です。
高度成長期で日本中が元気一杯の頃で、このような豪華な雰囲気の喫茶店も
繁盛していたことでしょう。

BGMはピアノで、ショパンの「英雄ポロネーズ」やドビュッシーの「月の光」のさわりでした。

初代店主の娘さんの二代目店主と昔話をしたことがあります。
ナポレオンとコーヒーのこと、携帯電話の普及で、喫茶店を待ち合わせの場所に
使う客が減ったこと、チェーン店の進出で、個人経営の店がやめていったこと、
昔あったジャズ喫茶の「イトウ」のこと。
「イトウ」と聞いて、大音量で掛かるレコード盤のジャズを、客が教室の生徒のように、
かしこまって聴いていた店を思い出しました。
あれからもう何年も月日が過ぎていたのです。

月やあらぬ春や昔の春ならぬ我が身一つはもとの身にして 在原業平

春ならぬ秋桜(コスモス)です。
上野駅の横断歩道橋の花壇に咲いていました。

上野コスモス2


【2008/10/23 22:00】 お店 | トラックバック(0) | コメント(2) |
上野御徒町 純喫茶「丘」
上野・御徒町
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「丘」はJR御徒町駅近く、上野アメ横のガードの隣にある純喫茶です。

朝のアメ横はまだ人通りがありません。
右側のガードは山手線です。

アメ横2

同じ上野の丘の上にある、モダニズム建築のル・コルビュジエの設計した
国立西洋美術館本館を世界遺産に登録しようという運動が進められていて、
アメ横の看板の下にもその横断幕が張ってあります。

「丘」の外観もそれなりにモダンです。

丘外


いかにも純喫茶らしい、紫色を使っています。

丘看板


名前は「丘」ですが、地下にあるお店です。

丘階段


店内は広くてほの暗く、丸く開けた天井にシャンデリア、壁にステンドグラス、
低いソファーの席の典型的な純喫茶です。

丘シャンデリア


丘壁


丘ステンドグラス


今では純喫茶といわれる店も少なくなってしまいましたが、上野御徒町界隈では
「丘」、「古城」、「王城」などが健闘しています。

朝8時半の開店時間になると、さっそく常連の人たちが入ってきて、
思い思いの席に座ります。
大相撲の話をしている人もいます。

モーニングセット430円です。

丘モーニング

トーストと、殻付きゆで卵が付きます。
大振りカップのコーヒーは、ずっしりと濃い目で美味しいです。
サンドイッチのセットもあります。
日曜祝日はモーニングは無いそうです。

メニューにはスパゲティ・ナポリタンもあり、よく茹でた太い麺の、
昔ながらの懐かしい味です。
BGMはロックですが、厨房のラジオの音も聞こえてくる気楽さがあります。

このお店は1964年、東京オリンピックの年という覚えやすい年に
開店したそうです。
高度経済成長期真っ只中ということになります。
お店の女性の方は、話しぶりがくっきりとしていて、話していて心地良いです。
常連さんのお陰でお店を続けていけるのですと、軽く頭を下げて
感謝の気持ちを表しながら話していました。


【2008/10/19 11:56】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
デリフランス お茶の水店
御茶ノ水
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JR御茶ノ水駅の御茶ノ水橋口を出て、明大通りを下ってすぐ右側に
「Delifrance お茶の水店」はあります。

デリカフェ看板


明大通りは明治大学の前の道路で、両側には楽器店が何軒も集まっており、
人通りが多く活気があります。

山崎製パンの系統のお店で、1階はベーカリーとセルフ式のカフェ、
2階はイタリアンレストランです。
「デリフランス」という名前で、イタリアンという取り合わせも面白いです。

デリカ外


ベーカリー系のお店の特徴として、店内は明るく、白と木の色が基調です。

デリカ中

いろいろ並んでいるパンやサンドイッチを選んで、カウンターで飲物を注文します。

アフタヌーンコーヒー268円とチョコマフィン163円です。
コーヒーの味は苦味系です。

デリカコーヒー


喫煙席は奥にあって、仕切りがされています。
明るい雰囲気のベーカリーということで、お客の女性率はかなり高いです。
御茶ノ水という場所柄、教材をテーブルに広げて勉強中の母子が二組いました。
月曜から金曜は朝7時から、土・日・祝日は8時から開いているので、朝早い時に便利です。

御茶ノ水の東京医科歯科大学の校舎に夕陽が当たっていました。
右手前の建物は総合教育研究棟で、壁に医学の理念を表したレリーフが飾ってあります。

医科歯科


【2008/10/18 08:36】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
エクセルシオールカフェ秋葉原中央通り店
秋葉原 末広町
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エクセルシオールカフェ秋葉原中央通り店はJR秋葉原駅と地下鉄末広町駅の間の
秋葉原中央通り西側にあります。

エクセル外


エクセル中

間口が狭く、小さな店に見えますが、奥行きが深く、席数は100ほどある、
かなり大きな店です。
大通りに面した所がテラス席になっている分、店内は奥まった感じで、
賑やかな秋葉原の店の割には落ち着いた感じです。
奥の方が喫煙席で、仕切りがされています。

ナスとベーコンのパスタ760円とコーヒーS230円(セット価格)です。

パスタ

エクセルシオールの幾つかの店ではパスタメニューがあります。
量もしっかりあり、なかなか美味しいです。

休日だったこともあり、お客さんのアキハバラ率は高く、リュックを担いだ人が
盛んに出入りしていました。
席数の多い店ですから、たいていの時は座れると思うので、秋葉原めぐりの折は、
休憩に利用すると便利でしょう。


【2008/10/16 22:00】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
東京国立博物館 大琳派展
上野
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上野の東京国立博物館では「大琳派展-継承と変奏-」 が開かれていて、琳派を代表する
本阿弥光悦・俵屋宗達・尾形光琳・尾形乾山・酒井抱一・鈴木其一の作品が展示されています。
尾形光琳生誕350周年を記念する企画で、会期は10月7日(火)から11月16日(日)までです。

看板

宗達・光琳・抱一・其一の4人の風神雷神図が展示されるという大規模な展覧会です。
一部展示替があるので、展示作品一覧を参照してください。


本館横にキンモクセイが咲いていました。
ちょうど、良い香りがしていました。

キンモクセイ


ハナミズキです。
紅葉が始まったところでした。

落葉


琳派の名の元になった尾形光琳から見ると、本阿弥光悦と俵屋宗達は約100年前、
酒井抱一と鈴木其一は約100年後の人です。
光悦と宗達には共同製作の作品があり、光琳と乾山は兄弟、抱一と其一は
師弟ですが、この3グループの間には直接の師弟関係は無く、後のグループが
前のグループを学んでいます。

本阿弥光悦の「舟橋蒔絵硯箱(国宝)」は海苔を巻いたおむすびのような奇抜な形が
目を惹きます。 
海苔の部分は鉛の板で、橋板を表しています。
表面に散らされている和歌の文字は、
「東路の佐野の舟橋かけてのみ思い渡るを知る人ぞなき」を元に、
「東路乃 さ乃ゝ かけて濃三 思 わたる を知人そ なき」と書かれ、
「舟橋」の字を抜いています。
このように、王朝文化を生き生きと捉え直しているのが琳派の特徴です。
舟橋蒔絵硯箱は東京国立博物館所蔵なので、平常展でも時々観ることができます。

俵屋宗達の「蓮池水禽図(国宝、10月26日まで展示)」は水墨画ですが、墨をにじませて
濃淡を表現する「たらしこみ」の技法を使っています。
私が初めてこの絵を観たとき、蓮の花と葉の、墨で伸び伸びと描かれたさまに驚き、
それ以来、宗達に特別な思いを持つようになりました。
宗達の力量を示す傑作です。

尾形光琳の燕子花図屏風(国宝、10月19日まで展示)は伊勢物語の在原業平の
東下りの段に依っていますが、同じ型のかきつばたの群れを繰り返し使ってリズムを
持たせ、色も金地に緑と群青だけで、デザイン性の高い作品に仕上げています。
尾形光琳は装飾性、デザイン性の追求が自覚的で、尾形光琳によって琳派の画風は
確立したといえます。

尾形乾山の色絵定家詠十二ヶ月和歌花鳥図角皿は藤原定家の詠んだ12ヶ月24首の
歌を2首づつ選び、それにちなんだ絵柄を12枚の四角い皿に描いています。
観る人の想像力をかき立てる、意欲的な作品です。

酒井抱一は姫路藩酒井家の大名の子だけあって、その絵は洗練され、気品がありますが、
大きな特徴は叙情性にあります。

夏秋草図屏風 右隻 夏
抱一秋7-11-2010_002

夏秋草図屏風 左隻 秋
抱一夏7-11-2010_001

夏秋草図屏風は光琳が宗達を模して描いた風神雷神図屏風の裏に描いたもので、
風神図の裏に、風に晒されて揺れる秋草を、雷神図の裏に、雨に打たれてうなだれる
夏草を合わせています。
野の草のはかなさがよく表れていて、琳派の装飾性を超えた味わいがあります。
夏秋草図屏風も東京国立博物館所蔵なので、平常展でも時々観ることができます。

秋草鶉図屏風(10月19日まで展示)はすすきの穂や葉の線がリズミカルで、
うずらの姿も面白く、秋の図柄ながら華やいでいます。

鈴木其一の群鶴図屏風は、鶴の姿も色も大胆にデザイン化されて、きわめてモダンです。
没年は1858年ですから、明治維新はもう10年後に迫っています。
そして、今でも琳派の手法は日本画や日本のデザインの中にしばしば見ることができ、
日本美の中心の一つになっています。

展示作品全体を通して観ると、宗達、光琳、抱一と時代が進むにつれ、絵は繊細になり、
デザイン性も明確になってくるのが分かります。
先達が無意識にしてきたことを後輩は意識的に行なうので、どうしてもこの傾向が
強くなるのでしょう。
和歌の世界での、古今集のおおらかさから、新古今集の精密さへの変化と似ています。

会場の平成館の正面階段です。

階段


本館地下のミュージアムショップです。
尾形光琳の描いた秋草模様小袖のミニチュアも売っています。

ショップ


【2008/10/13 01:00】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
ブラッスリー・レカン (ティータイム)
上野
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JR上野駅のアトレ1階に「ブラッスリー・レカン」があります。

有名な銀座のフランス料理の「レカン」が上野アトレに出した姉妹店で、
上野駅正面玄関口から入って、右側の奥まった所です。

上野駅


レカンの紅い色の入口です。

レカン入口


店内は、明治時代、駅がステンションと呼ばれていたころの雰囲気に作ってあります。
中を進むと奥にもう一部屋ある間取りになっています。

レカン天井


レカン鏡

室内の天井は高く、奥の方の部屋にはシャンデリアが下がり、
暖炉の上には鏡もあって、広々と感じます。
威厳のあるあごひげのウエイター長も、何だか明治の元勲に見えてきます。

午後1時30分から4時30分まではティータイムで、790円でお茶とケーキの
セットを楽しめます。

クラシックショコラのセットです。

レカンケーキ

ケーキにはアイスクリームが付いています。
コーヒーはフレンチですが、味はソフトです。
お菓子といっしょに飲むので、もう少し量があるといいと思います。

BGMは、かすかにシャンソンが流れていました。
4時30分になると、照明を暗くしてディナータイムに移ります。
完全禁煙ということもあってか、お客さんの女性率は高いようです。

西洋文化(ハイカラ)は横浜の港から鉄道に乗って新橋駅に着き、上野駅などから
地方へ運ばれていきました。
そして、田舎からは石川啄木や室生犀星が憧れを胸に、汽車に揺られてやってきました。
こんなことを、高い天井を見上げながらぼんやり考えていると、アイスクリームが
溶けそうになります。

上野駅の中にあって、駅の混雑を忘れて、ゆったりした時間を過ごせる所なので、
覚えておくと便利でしょう。

お店のHPです。

入口横には、先日の記事に書いた、ブラッスリー・レカン・キャフェスペースがあります。


【2008/10/12 14:51】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
洋菓子舗ウエスト目黒店
目黒
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少し前ですが、洋菓子舗ウエスト目黒店に行ってきました。

東京都庭園美術館に行った帰りに寄りました。

白金台方向


ウエスト看板


目黒駅西口を出て、目黒通りの坂を少し下った右側にあります。
2階のお店には外階段で入ります。

広い店内は銀座本店と同じく、白いテーブルクロスが掛かり、スタッフは
黒と白の制服、とても上品で古典的な雰囲気です。
テーブルにはカトレアが飾ってあります。

ウエスト店内


銀座の本店にはベートーヴェンの巨大な胸像が鎮座し、レコード盤を収めた棚が
存在を誇っていますが、こちらにあるのは小さな像とオーディオセットです。

コンポ

BGMはベートーヴェンの「田園」でした。
いかにもウエストらしくて、うれしくなります。

コーヒーとインペリアルショコラセットの1155円です。

ケーキセット

その名もおごそかなインペルアルショコラは、材料を吟味しているからでしょうか、
味がとてもまろやかです。
カップやグラスには小さくウエストのマークが入っています。
コーヒーはお替りができます。
ちょうど飲み終わった頃、「お替り如何ですか」とポットを持って訊きにきてくれました。

テーブルには、週刊の投稿エッセイの「風の詩」が置いてあります。
昭和22年の創業以来続いているそうで、今では3000番台です。

最近、全席禁煙になったようですが、それ以外は昔のまま、「ドライケーキの
ウエストでございます」のTVコマーシャルも変わっていません。
この揺るぎない頑固さが魅力です。

ウエストのHPです。

「会社概要」に続く「会社の沿革」に書かれている裏話は面白いです。


【2008/10/09 22:12】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
練馬区立美術館 高山辰雄遺作展
中村橋
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練馬区立美術館では2007年に95歳で亡くなった高山辰雄の遺作展が
開かれています。

看板1


看板2


練馬区立美術館は西武池袋線中村橋駅のすぐ横にあります。

中村橋


美術館入口です。

練馬入口


前期は10月5日まで、後期は10月11日から11月3日までです。
約100点が出品されますが、7割は前期と後期で展示替えされます。
土曜日の午後2時からは学芸員による作品解説もあります。

1936年の「砂丘」(前期のみ)は東京美術学校の日本画科の卒業制作で、
砂丘にすわるセーラー服姿の女性を描いています。
後の高山辰雄夫人で、この頃は女子美術専門学校の生徒だったとのことです。
若々しい力作ですが、後の画風とはかなり違って、色も形もくっきりと描いています。
ただ、人物の顔が正面からこちらを見ているのは後の作品と同じです。
その、すっきりとした描線の顔には昭和モダンの雰囲気があります。

1940年頃の「春光」は寝そべっている大型の洋犬を描いていますが、体の輪郭を
なめらかな線で一気に描き切り、長い毛のふわふわした感触まで表しています。
竹内栖鳳の作品かと思うほど巧みで、伝統の日本画の技法を若い頃からしっかり
身につけていたことが分かります。
ところが、本人はこの作品を外に出したがらなかったそうです。
その後の高山辰雄が目指した絵の方向と違うためだったようです。

新しい絵の模索は、先輩の山本丘人に「お前の描いた鉄は叩くと鉄の音がするなあ」
と言われたのがきっかけだといいます。
在る物を在る通りに描いているだけではいけない、ということです。
普通の人は在る通りに描くだけで終わってしまいますが、高山辰雄は初めから
描くのがきわめて上手い人だったので、より高いものを探求することになった訳です。

やがて、自然、時間、人間の生というものをテーマとする絵を描き始めます。
1973年の「朝」「夕」は巨大な屏風絵ですが、抽象的で、寂しげな風景の中に立つ
人物を描いています。
得意の筈の線描は使わず、筆遣いや色数を抑えた絵は、いかにも意気込んで
描いたといった風があります。
ただ、目に見えない抽象的なものを絵画で表そうとすると、理屈っぽい、観念的な
絵になりがちで、難しいところです。

やがて、高山辰雄は点描を始めています。
この、緻密で練り込むような点描によって、奥深く神秘的な画面が生まれます。

1979年の「少女」では薄暗い背景の前に黄色い服の少女が横向きに立って、
こちらを向いています。
はだしの少女は棒のように立ち、肩の辺りに置いた左手は大きく、髪は伸びたままに
盛り上がり、真っ直ぐこちらを見た顔は謎めいた微笑を浮かべています。
不思議な雰囲気のただよう、印象深い作品です。
「少女」は、1949年に自分の娘さんを描いた作品と構図は同じですが、二つの作品を
見比べてみると、高山辰雄の作風の変化がよく分かります。

高山辰雄は人物画を多く描きますが、どの人物も静かに物思いに沈んでいるようで、
神秘的で気高さを感じます。
ジョットのようなイタリア宗教画にも似ています。

1985年の「地」はイヌタデの一株を描いています。
イヌタデという、地味で小さな雑草を高さ2メートルの画面いっぱいに描いて、
その生命の持つ力を伝えています。
下の方が葉が枯れかけていて、時間の流れ、生命の移ろいまで読み取れます。

1988~1989年の「牡丹」シリーズは活けられた数輪の牡丹を描いています。
高山辰雄は装飾的な絵も上手いのですが、一見地味な色使いの点描で、
牡丹の華麗さを存分に表しています。

最晩年に近い2004年の「牡丹 洛陽の朝」になると、朦朧と立ち上がる牡丹は
背景の中に半ば溶け込み、凄みさえ感じさせます。
「砂丘」から始まった画家はついにここまで来たのかと、感慨深いものがあります。
これが、画家の生涯にわたる画業を観ることのできる回顧展の面白さです。

他にも風景画や人物画など、興味深い作品が多く展示されていて、
とても見応えのある展覧会です。


【2008/10/07 20:00】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
池袋 皇琲亭
池袋
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池袋駅東口の29番出口を出て、池袋三越の左の小路を入った所に
喫茶店「皇琲亭」はあります。

看板


小さな3階建てビルの1階と地下のお店です。
窓ガラスの内側にはコーヒーカップが並んでいて、外から見ると
瀬戸物屋さんの棚のようです。

広くて暗い店内はシックな雰囲気で、こげ茶色の太い柱や梁がアクセントです。
あちこちに草花がセンス良く活けてあって、目を楽しませてくれます。

中


小部屋もあって、そこは禁煙室になっています。
色々のカップが並んだカウンターの後ろは、道に面した窓なので、
外を通る人たちがよく見えます。
中でのんびりしている人と対照的です。

BGMはモーツァルトの交響曲(多分)でした。

ブレンドコーヒー735円です。

コーヒー

ペーパードリップで淹れたコーヒーは、バランスが良く、コクもあって美味しいです。

カップは、同じ池袋の珈琲茶房の時と同じ、ロイヤルドルトンでした。
この型は Earlswood というようです。
このお店では、好きなカップを選ぶことができるそうです。
色々なカップを試してみると楽しいでしょう。

池袋駅のすぐ近くにいることを忘れるような、落ち着いた、気持ちの良いお店です。
池袋はいつも人であふれていますが、小路を少し入っただけで、このような店が
あるのは嬉しいことです。

池袋


【2008/10/05 00:36】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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Author:chariot
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