恵比寿
山種美術館では、「ボストン美術館浮世絵名品展 錦絵の黄金時代-
清長、歌麿、写楽」が開かれています。
会期は4月17日(日)までです。
その後、千葉市、仙台市を巡回します。

ボストン美術館は日本美術のコレクションが豊富で、浮世絵は5万点の版画、
700点以上の肉筆画などを保存しています。
今回はそのうち天明・寛政期に活躍した鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽を
中心にした約140点の展示です。
錦絵とは多色刷りの浮世絵のことで、鈴木春信(1725?-1770)などにより
盛んになります。
[第1章 鳥居清長]
鳥居清長(1752-1815)は役者絵を得意とする鳥居派の絵師ですが、すらりとした
八頭身の美人画で有名です。
初期の美人画は鈴木春信風で、まだ八頭身ではありませんが、やがて独自の
画風を確立しています。
鳥居清長 「美南見十二候 九月」 天明4(1784)年頃

品川宿の遊女が一人、窓越しに月を眺め、行灯の下では二人が手紙らしいものを
読んでいます。
格子の桟の向こうに夜の月と品川沖の漁り火が見えるという、凝った趣向です。
遠くの月には手前の行灯が照応しています。
立姿の遊女と格子の作る縦の線が印象的で、流れるような線には何となく気だるい
雰囲気も感じます。
美南見(みなみ)とは吉原の北に対して、同じ遊里でも南にある品川を
指しています。
十二候は十二ヶ月のことですが、実際に出版されたのは三月から九月までの
分とのことです。
[第2章 喜多川歌麿]
喜多川歌麿(1753-1806)は顔を大きく描く大首絵などで有名な、代表的な
美人画の絵師です。
喜多川歌麿 「歌撰恋之部 稀ニ逢恋」 寛政5-6(1793-1794)年頃

大首絵によって、恋する若い娘の一瞬の表情を捉えています。
少しあごを引いた姿は初々しさと気持ちの張りを見せています。
袖の間からのぞく指にも表情があります。
喜多川歌麿 「覗き」 寛政11-12(1799-1800)年頃
腹掛けをした幼児が腹ばいになって若い女性を見上げていて、母親が笑い顔を
袂で隠しながら子供の腹掛けの紐を掴んでいます。
鏡の前に座った女性はあかんべえをした顔を鏡に映して子供に見せています。
喜多川歌麿はこのようなお茶っぴいな雰囲気を捉えるのが得意です。
喜多川歌麿 「金魚」 寛政11-12(1799-1800)年頃

金魚をつかまえようとする少女を団扇を持った若い女性が見ています。
着物の模様は夏らしく紫陽花でしょうか。
団扇には三升の紋と俳句が描いてあります。
御ひさもと我ははなれぬ団扇哉 団三郎書
団三郎とは後の五代目市川団蔵で、三升は歌舞伎の市川家の紋です。
[第3章 東洲斎写楽]
東洲斎写楽は背景を雲母摺にした大首絵の役者絵で知られていますが、
活動期間は僅か10ヶ月と短く、その素性もはっきりしていません。
最近では阿波蜂須賀家お抱えの能役者、斎藤十郎兵衛という説が有力に
なっています。
東洲斎写楽 「中山富三郎の宮城野」 寛政6(1794)年

歌舞伎の「敵討乗合噺」という演目に取材した作品です。
雲母摺の中に浮かぶ役者の顔はデフォルメの効いたというか、効きすぎたと
いうほどの迫力で、いわゆるブロマイド的な役者絵とはかけ離れています。
そのため写楽の大首絵はあまり売れ行きが良くなかったということです。
確かに芸術的価値は高いでしょうが、江戸の庶民がこのような絵を買う気に
なるだろうかとは思います。
版元の蔦屋重三郎は時代の先を見る目がありすぎたということでしょうか。
歌舞伎は役者が表情豊かに演じる演劇ですが、能は能面を着けて演じ、
着けない時も表情を出しません。
もし写楽が能役者の斎藤十郎兵衛だとすれば、歌舞伎のそういうところに
特に注目して、表情を誇張して描いたのかもしれません。
[第4章 黄金期の三大絵師をとりまく大家たち]
勝川春省、鳥文斎栄之、北尾重政、歌川豊国などが展示されています。
鳥文斎栄之 「茶屋娘見立雁金五人男」 寛政5(1793)年頃

美人で有名な水茶屋の五人の娘を歌舞伎の「雁金五人男」に見立て、
手拭いを肩に尺八を持たせています。
暖簾と前掛けにそれぞれの店の紋が描かれています。
すらりとした姿の五人の並ぶ様は整然として、品の良さを感じます。
前垂れの紅、小袖の露草、暖簾の藍といった染料の色も良く残っています。
露草は色が褪せやすいのですが、今も鮮やかな色彩が観られます。
鳥文斎栄之(1756-1829)は直参の旗本で、十代将軍徳川家治に仕えた
こともある異色の絵師です。
隅田川を題材にした版画や浮世絵も多く描いています。
[第5章 版本と肉筆画」
第2会場には肉筆画と本になった浮世絵10点が展示されています。
肉筆画には版画には無い濃密な味わいがあります。
ボストン美術館の浮世絵コレクションはとても保存状態が良いのが特徴で、
今回展示された後も規定により今後5年間は展示されないとのことです。
この機会を逃さずご覧になることをお奨めします。
展覧会のHPです。
chariot
山種美術館では、「ボストン美術館浮世絵名品展 錦絵の黄金時代-
清長、歌麿、写楽」が開かれています。
会期は4月17日(日)までです。
その後、千葉市、仙台市を巡回します。

ボストン美術館は日本美術のコレクションが豊富で、浮世絵は5万点の版画、
700点以上の肉筆画などを保存しています。
今回はそのうち天明・寛政期に活躍した鳥居清長、喜多川歌麿、東洲斎写楽を
中心にした約140点の展示です。
錦絵とは多色刷りの浮世絵のことで、鈴木春信(1725?-1770)などにより
盛んになります。
[第1章 鳥居清長]
鳥居清長(1752-1815)は役者絵を得意とする鳥居派の絵師ですが、すらりとした
八頭身の美人画で有名です。
初期の美人画は鈴木春信風で、まだ八頭身ではありませんが、やがて独自の
画風を確立しています。
鳥居清長 「美南見十二候 九月」 天明4(1784)年頃

品川宿の遊女が一人、窓越しに月を眺め、行灯の下では二人が手紙らしいものを
読んでいます。
格子の桟の向こうに夜の月と品川沖の漁り火が見えるという、凝った趣向です。
遠くの月には手前の行灯が照応しています。
立姿の遊女と格子の作る縦の線が印象的で、流れるような線には何となく気だるい
雰囲気も感じます。
美南見(みなみ)とは吉原の北に対して、同じ遊里でも南にある品川を
指しています。
十二候は十二ヶ月のことですが、実際に出版されたのは三月から九月までの
分とのことです。
[第2章 喜多川歌麿]
喜多川歌麿(1753-1806)は顔を大きく描く大首絵などで有名な、代表的な
美人画の絵師です。
喜多川歌麿 「歌撰恋之部 稀ニ逢恋」 寛政5-6(1793-1794)年頃

大首絵によって、恋する若い娘の一瞬の表情を捉えています。
少しあごを引いた姿は初々しさと気持ちの張りを見せています。
袖の間からのぞく指にも表情があります。
喜多川歌麿 「覗き」 寛政11-12(1799-1800)年頃
腹掛けをした幼児が腹ばいになって若い女性を見上げていて、母親が笑い顔を
袂で隠しながら子供の腹掛けの紐を掴んでいます。
鏡の前に座った女性はあかんべえをした顔を鏡に映して子供に見せています。
喜多川歌麿はこのようなお茶っぴいな雰囲気を捉えるのが得意です。
喜多川歌麿 「金魚」 寛政11-12(1799-1800)年頃

金魚をつかまえようとする少女を団扇を持った若い女性が見ています。
着物の模様は夏らしく紫陽花でしょうか。
団扇には三升の紋と俳句が描いてあります。
御ひさもと我ははなれぬ団扇哉 団三郎書
団三郎とは後の五代目市川団蔵で、三升は歌舞伎の市川家の紋です。
[第3章 東洲斎写楽]
東洲斎写楽は背景を雲母摺にした大首絵の役者絵で知られていますが、
活動期間は僅か10ヶ月と短く、その素性もはっきりしていません。
最近では阿波蜂須賀家お抱えの能役者、斎藤十郎兵衛という説が有力に
なっています。
東洲斎写楽 「中山富三郎の宮城野」 寛政6(1794)年

歌舞伎の「敵討乗合噺」という演目に取材した作品です。
雲母摺の中に浮かぶ役者の顔はデフォルメの効いたというか、効きすぎたと
いうほどの迫力で、いわゆるブロマイド的な役者絵とはかけ離れています。
そのため写楽の大首絵はあまり売れ行きが良くなかったということです。
確かに芸術的価値は高いでしょうが、江戸の庶民がこのような絵を買う気に
なるだろうかとは思います。
版元の蔦屋重三郎は時代の先を見る目がありすぎたということでしょうか。
歌舞伎は役者が表情豊かに演じる演劇ですが、能は能面を着けて演じ、
着けない時も表情を出しません。
もし写楽が能役者の斎藤十郎兵衛だとすれば、歌舞伎のそういうところに
特に注目して、表情を誇張して描いたのかもしれません。
[第4章 黄金期の三大絵師をとりまく大家たち]
勝川春省、鳥文斎栄之、北尾重政、歌川豊国などが展示されています。
鳥文斎栄之 「茶屋娘見立雁金五人男」 寛政5(1793)年頃

美人で有名な水茶屋の五人の娘を歌舞伎の「雁金五人男」に見立て、
手拭いを肩に尺八を持たせています。
暖簾と前掛けにそれぞれの店の紋が描かれています。
すらりとした姿の五人の並ぶ様は整然として、品の良さを感じます。
前垂れの紅、小袖の露草、暖簾の藍といった染料の色も良く残っています。
露草は色が褪せやすいのですが、今も鮮やかな色彩が観られます。
鳥文斎栄之(1756-1829)は直参の旗本で、十代将軍徳川家治に仕えた
こともある異色の絵師です。
隅田川を題材にした版画や浮世絵も多く描いています。
[第5章 版本と肉筆画」
第2会場には肉筆画と本になった浮世絵10点が展示されています。
肉筆画には版画には無い濃密な味わいがあります。
ボストン美術館の浮世絵コレクションはとても保存状態が良いのが特徴で、
今回展示された後も規定により今後5年間は展示されないとのことです。
この機会を逃さずご覧になることをお奨めします。
展覧会のHPです。
有楽町・銀座
「ロンポワンカフェ」はプランタン銀座の地下1階にあります。
場所は中央区銀座3-2-1です。
札幌が本店の宮越屋珈琲店のお店です。

ロンポワンとはフランス語で放射状の交差点のことで、お店のロゴの形も
交差点を意識しています。
仕切りの造作はマロニエの並木です。

椅子もフランス風です。

分煙になっていて、奥のカウンター側の喫煙席とは完全に分けられています。
BGMは売場のハウスミュージックが聞こえてきます。
カプチーノ735円です。

量もたっぷりあり、ミルクもふわふわとして美味しいです。
カップはイギリスのPORTMEIRIONのBOTANIC GARDENです。
宮越屋系のお店はカップがいろいろあるので楽しめます。
chariot
「ロンポワンカフェ」はプランタン銀座の地下1階にあります。
場所は中央区銀座3-2-1です。
札幌が本店の宮越屋珈琲店のお店です。

ロンポワンとはフランス語で放射状の交差点のことで、お店のロゴの形も
交差点を意識しています。
仕切りの造作はマロニエの並木です。

椅子もフランス風です。

分煙になっていて、奥のカウンター側の喫煙席とは完全に分けられています。
BGMは売場のハウスミュージックが聞こえてきます。
カプチーノ735円です。

量もたっぷりあり、ミルクもふわふわとして美味しいです。
カップはイギリスのPORTMEIRIONのBOTANIC GARDENです。
宮越屋系のお店はカップがいろいろあるので楽しめます。
日本橋
日本橋高島屋で3月1日(火)まで開かれている、第37回春季創画展に
行ってきました。
175点が展示されていて、入場は無料です。
創画会は1948年設立の創造美術に始まる、日本画の美術団体です。
石本正 「ホホ赤トキ遊泳」

ホオアカトキはトルコやモロッコに僅かだけ生息している、
絶滅の心配のある鳥とのことです。
勢いのある筆遣いで野鳥の生命力を表していて、風格のある作品です。
上村淳之 「鵲」

雪の積もった柿の木に止まっているカササギです。
青、赤、白の対比です。
カササギは佐賀県などに生息する鳥とのことですが、
佐賀県というと有田焼の柿右衛門の赤を思い出します。
平山英樹 「曠野」

荒涼とした大地のはるか向こうに人家が点在しています。
大胆な構図は力強く、横に走っている道路が印象的です。
6階の美術画廊では、会員による小品展も開かれています。
chariot
日本橋高島屋で3月1日(火)まで開かれている、第37回春季創画展に
行ってきました。
175点が展示されていて、入場は無料です。
創画会は1948年設立の創造美術に始まる、日本画の美術団体です。
石本正 「ホホ赤トキ遊泳」

ホオアカトキはトルコやモロッコに僅かだけ生息している、
絶滅の心配のある鳥とのことです。
勢いのある筆遣いで野鳥の生命力を表していて、風格のある作品です。
上村淳之 「鵲」

雪の積もった柿の木に止まっているカササギです。
青、赤、白の対比です。
カササギは佐賀県などに生息する鳥とのことですが、
佐賀県というと有田焼の柿右衛門の赤を思い出します。
平山英樹 「曠野」

荒涼とした大地のはるか向こうに人家が点在しています。
大胆な構図は力強く、横に走っている道路が印象的です。
6階の美術画廊では、会員による小品展も開かれています。
三越前
千疋屋総本店日本橋本店にある、「カフェ・ディ・フェスタ(Caffe di FESTA)」に
行ってきました。
場所は中央区日本橋室町2-1-2の日本橋三井タワーの1階です。
同じビルの中にある三井記念美術館で開かれている、「三井家のおひなさま」展に
行った時に寄りました。
「三井家のおひなさま」展の記事はこちらです。


窓の向こうにYUITO日本橋室町ビルが見えます。

この前、「カフェ・ディ・フェスタ」に行った時の記事はこちらです。
この前はマンゴーカレーだったので、この日はポスターに写っていたトーストに
してみました。
厚切りシナモントーストにドリンクのセット600円です。

アイスクリームも載っていて、カラメルがかけられています。
セルフ式なので、出来上がるのを待って受け取りに行ったら、ポスターより
かなり分厚いので驚いてしまいました。
こんなに食べられるだろうかと思いましたが、結局全部美味しくいただきました。
chariot
千疋屋総本店日本橋本店にある、「カフェ・ディ・フェスタ(Caffe di FESTA)」に
行ってきました。
場所は中央区日本橋室町2-1-2の日本橋三井タワーの1階です。
同じビルの中にある三井記念美術館で開かれている、「三井家のおひなさま」展に
行った時に寄りました。
「三井家のおひなさま」展の記事はこちらです。


窓の向こうにYUITO日本橋室町ビルが見えます。

この前、「カフェ・ディ・フェスタ」に行った時の記事はこちらです。
この前はマンゴーカレーだったので、この日はポスターに写っていたトーストに
してみました。
厚切りシナモントーストにドリンクのセット600円です。

アイスクリームも載っていて、カラメルがかけられています。
セルフ式なので、出来上がるのを待って受け取りに行ったら、ポスターより
かなり分厚いので驚いてしまいました。
こんなに食べられるだろうかと思いましたが、結局全部美味しくいただきました。
三越前
日本橋の三井記念美術館では「三井家のおひなさま」展が開かれています。
特別展示として、「創業三百年 吉徳これくしょんの名品」もあります。
会期は4月3日(日)までです。

[展示室1]
茶道具や工芸品の展示です。
「信楽写兎耳付水指」 野々村仁清 江戸時代・17世紀
展示室の最初にあります。
釉薬を使わない信楽焼の作りですが、生地も明るい色で、すっきりと品の良い
姿をしています。
兎を象った耳が付いていて、洒落れた感じがします。
兎年にちなんだ展示でしょう。
[展示室2]
「青磁浮牡丹文不遊環耳付花入」 元時代・14世紀
牡丹の浮彫りがされた青磁の花入です。
越前松平家の旧蔵で、九代将軍就任に際して老中控の間に飾られたことも
あるそうです。
[展示室3]
茶室のしつらえです。
「蕨図」 掛軸 狩野養信画・小堀宗中書 江戸時代・19世紀
早春らしく、志貴皇子の歌が書かれています。
石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」
[展示室4]
「雛人形・雛道具段飾り」 五世大木平藏 昭和9年(1934年)
展示室の正面には赤い毛氈に人形、諸道具の段飾りがずらりと飾られています。
浅野久子氏(北三井家十一代・高公長女)の寄贈品です。
三人官女ならぬ五人官女という豪華さです。
「紫宸殿雛人形」 五世大木平藏 昭和9年(1934年)

久子氏の初節句に祖父の三井高棟より贈られた品です。
「次郎左衛門雛」 二代永徳齋 明治~大正時代
三井鋹子(北三井家十一代・高公夫人)旧蔵

他の人形、諸道具の段飾りとともに展示されています。
次郎左衛門雛は丸顔の引目鉤鼻が特徴で、幕府御用も勤めた京の人形師の
雛屋次郎左衛門が創めたとされています。
江戸後期に江戸で流行し、公家や諸大名家では雛人形の本流とされたそうです。
[展示室5]
「梅鉢紋・違鷹羽紋蒔絵雛道具」 江戸時代・19世紀
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵
三井苞子は旧富山藩主前田利声の長女です。
大きな箪笥、長持、駕籠などの調度品で、前田家の家紋である梅鉢紋とともに、
広島浅野家の家紋の違鷹羽紋が入っています。
祖母の久美が浅野家から輿入れの時に持参した品で、苞子に譲られたものです。
「立雛」 文化12年(1815年)
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵

災厄を託して海や川に流す人形(ひとがた)から発展した形です。
松は男、藤は女、撫子は子どもを表しています。
金地に緑と赤の華やかで上品な色彩です。
「享保雛」 江戸時代・19世紀
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵
享保雛は男雛の両袖が張り、女雛は綿の入った分厚い五衣(いつつぎぬ)を
着ています。
「内裏雛」 四世大木平藏 明治33 年(1900年)
三井興子(伊皿子三井家九代・高長夫人)旧蔵

他の人形、諸道具の段飾りとともに展示されています。
今の人形に伝わる古今雛と呼ばれる面長の顔立ちです。
以下は、「吉徳これくしょん」の展示です。
[展示室6]
「天児(あまがつ)、這子(ほうこ)」 江戸時代・19世紀
幼時の枕元に置いて、災厄や病気を移し変えていた人形です。
[展示室7]
「花車に鶏」 大正2年(1913年)

北白川宮佐知子女王の初の参内の折に昭憲皇太后より戴いた御台人形です。
御台人形(おだいにんぎょう)は木の台に載った御所人形で、皇族の子女が
参内の折に頂戴しています。
「やまと人形」 二代平田郷陽 昭和初期

やまと人形とは市松人形のことで、昭和初期に市松人形が国際的贈答品として
使われるようになってから付けられた名です。
平田郷陽は人形を芸術として認めてもらうため努力を重ね、帝展への出品も
果たしています。
「礎」 野口光彦 昭和47年(1972年)

烏帽子を被り、運搬する材木の上に乗って音頭を取っている童子の姿です。
絵巻物でよく見る光景です。
野口光彦は御所人形の伝統に基いて新しい表現を行なっています。
平田郷陽と野口光彦の作品は竹橋の東京国立近代美術館工芸館で開かれていた、
「所蔵作品展 現代の人形-珠玉の人形コレクション」にも展示されていました。
「現代の人形-珠玉の人形コレクション」展の記事はこちらです。
各展示室に並んだ優美な雛人形の数々は、観ていてうっとりさせられます。
一年ぶりに箱から出され、行儀よく並んだお雛様は春の慶びに微笑んでいます。
この展覧会は毎年開かれますが、春の始まりにふさわしい年中行事です。
展覧会のHPです。
chariot
日本橋の三井記念美術館では「三井家のおひなさま」展が開かれています。
特別展示として、「創業三百年 吉徳これくしょんの名品」もあります。
会期は4月3日(日)までです。

[展示室1]
茶道具や工芸品の展示です。
「信楽写兎耳付水指」 野々村仁清 江戸時代・17世紀
展示室の最初にあります。
釉薬を使わない信楽焼の作りですが、生地も明るい色で、すっきりと品の良い
姿をしています。
兎を象った耳が付いていて、洒落れた感じがします。
兎年にちなんだ展示でしょう。
[展示室2]
「青磁浮牡丹文不遊環耳付花入」 元時代・14世紀
牡丹の浮彫りがされた青磁の花入です。
越前松平家の旧蔵で、九代将軍就任に際して老中控の間に飾られたことも
あるそうです。
[展示室3]
茶室のしつらえです。
「蕨図」 掛軸 狩野養信画・小堀宗中書 江戸時代・19世紀
早春らしく、志貴皇子の歌が書かれています。
石走る垂水の上のさわらびの萌え出づる春になりにけるかも」
[展示室4]
「雛人形・雛道具段飾り」 五世大木平藏 昭和9年(1934年)
展示室の正面には赤い毛氈に人形、諸道具の段飾りがずらりと飾られています。
浅野久子氏(北三井家十一代・高公長女)の寄贈品です。
三人官女ならぬ五人官女という豪華さです。
「紫宸殿雛人形」 五世大木平藏 昭和9年(1934年)

久子氏の初節句に祖父の三井高棟より贈られた品です。
「次郎左衛門雛」 二代永徳齋 明治~大正時代
三井鋹子(北三井家十一代・高公夫人)旧蔵

他の人形、諸道具の段飾りとともに展示されています。
次郎左衛門雛は丸顔の引目鉤鼻が特徴で、幕府御用も勤めた京の人形師の
雛屋次郎左衛門が創めたとされています。
江戸後期に江戸で流行し、公家や諸大名家では雛人形の本流とされたそうです。
[展示室5]
「梅鉢紋・違鷹羽紋蒔絵雛道具」 江戸時代・19世紀
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵
三井苞子は旧富山藩主前田利声の長女です。
大きな箪笥、長持、駕籠などの調度品で、前田家の家紋である梅鉢紋とともに、
広島浅野家の家紋の違鷹羽紋が入っています。
祖母の久美が浅野家から輿入れの時に持参した品で、苞子に譲られたものです。
「立雛」 文化12年(1815年)
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵

災厄を託して海や川に流す人形(ひとがた)から発展した形です。
松は男、藤は女、撫子は子どもを表しています。
金地に緑と赤の華やかで上品な色彩です。
「享保雛」 江戸時代・19世紀
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵
享保雛は男雛の両袖が張り、女雛は綿の入った分厚い五衣(いつつぎぬ)を
着ています。
「内裏雛」 四世大木平藏 明治33 年(1900年)
三井興子(伊皿子三井家九代・高長夫人)旧蔵

他の人形、諸道具の段飾りとともに展示されています。
今の人形に伝わる古今雛と呼ばれる面長の顔立ちです。
以下は、「吉徳これくしょん」の展示です。
[展示室6]
「天児(あまがつ)、這子(ほうこ)」 江戸時代・19世紀
幼時の枕元に置いて、災厄や病気を移し変えていた人形です。
[展示室7]
「花車に鶏」 大正2年(1913年)

北白川宮佐知子女王の初の参内の折に昭憲皇太后より戴いた御台人形です。
御台人形(おだいにんぎょう)は木の台に載った御所人形で、皇族の子女が
参内の折に頂戴しています。
「やまと人形」 二代平田郷陽 昭和初期

やまと人形とは市松人形のことで、昭和初期に市松人形が国際的贈答品として
使われるようになってから付けられた名です。
平田郷陽は人形を芸術として認めてもらうため努力を重ね、帝展への出品も
果たしています。
「礎」 野口光彦 昭和47年(1972年)

烏帽子を被り、運搬する材木の上に乗って音頭を取っている童子の姿です。
絵巻物でよく見る光景です。
野口光彦は御所人形の伝統に基いて新しい表現を行なっています。
平田郷陽と野口光彦の作品は竹橋の東京国立近代美術館工芸館で開かれていた、
「所蔵作品展 現代の人形-珠玉の人形コレクション」にも展示されていました。
「現代の人形-珠玉の人形コレクション」展の記事はこちらです。
各展示室に並んだ優美な雛人形の数々は、観ていてうっとりさせられます。
一年ぶりに箱から出され、行儀よく並んだお雛様は春の慶びに微笑んでいます。
この展覧会は毎年開かれますが、春の始まりにふさわしい年中行事です。
展覧会のHPです。
水天宮
地下鉄水天宮駅近くのミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで開かれている、
「南桂子生誕100年記念展 きのう小鳥にきいたこと」」に行ってきました。
会期は3月21日(月・祝)までです。
場所は中央区日本橋蛎殻町1-35-7です。


南桂子(1911 ~ 2004)は銅版画作家で、浜口陽三夫人でもあり、パリと
サンフランシスコで活躍していました。
作品は少女、動物、花、樹などをモチーフにしていて、福永武彦、谷川俊太郎、
吉行理恵、梨木香歩などの本の表紙絵にもなっています。
帝国ホテルの客室にも飾られています。
今回はエッチングを中心にして約70点が展示されています。
何点かの作品には谷川俊太郎、蜂飼耳、文月悠光の詩も添えて展示してあり、
作品と詩のコラボレーションを楽しめます。
「公園」 カラーエッチング 1956年

対象を図案化し、細い線を面のように使って描いています。
「平和の木」 カラーエッチング 1958年

ユニセフのグリーティングカードに採用された作品です。
「子供と花束と犬」 カラーエッチング 1963年

ユニセフの1966年のカレンダーに採用された作品です。
少女、鳥、子犬、花、樹といったモチーフが揃っています。
「赤い魚」 カラーエッチング 1964年

パンフレットに使われている作品です。
南桂子の優しい線と色彩による作品を観ていると、何かなつかしい物語を感じます。
2月20日には詩を寄せた3人を招いての朗読会が開かれました。
また、3月6日には南桂子のパリ時代を知る画家の野見山暁治氏と、
作家の堀江敏幸氏による対談も行なわれます。
chariot
地下鉄水天宮駅近くのミュゼ浜口陽三・ヤマサコレクションで開かれている、
「南桂子生誕100年記念展 きのう小鳥にきいたこと」」に行ってきました。
会期は3月21日(月・祝)までです。
場所は中央区日本橋蛎殻町1-35-7です。


南桂子(1911 ~ 2004)は銅版画作家で、浜口陽三夫人でもあり、パリと
サンフランシスコで活躍していました。
作品は少女、動物、花、樹などをモチーフにしていて、福永武彦、谷川俊太郎、
吉行理恵、梨木香歩などの本の表紙絵にもなっています。
帝国ホテルの客室にも飾られています。
今回はエッチングを中心にして約70点が展示されています。
何点かの作品には谷川俊太郎、蜂飼耳、文月悠光の詩も添えて展示してあり、
作品と詩のコラボレーションを楽しめます。
「公園」 カラーエッチング 1956年

対象を図案化し、細い線を面のように使って描いています。
「平和の木」 カラーエッチング 1958年

ユニセフのグリーティングカードに採用された作品です。
「子供と花束と犬」 カラーエッチング 1963年

ユニセフの1966年のカレンダーに採用された作品です。
少女、鳥、子犬、花、樹といったモチーフが揃っています。
「赤い魚」 カラーエッチング 1964年

パンフレットに使われている作品です。
南桂子の優しい線と色彩による作品を観ていると、何かなつかしい物語を感じます。
2月20日には詩を寄せた3人を招いての朗読会が開かれました。
また、3月6日には南桂子のパリ時代を知る画家の野見山暁治氏と、
作家の堀江敏幸氏による対談も行なわれます。
千駄ヶ谷
「ユーハイム千駄ヶ谷店」はJR千駄ヶ谷駅を出た向かいのビルにある
カフェレストランです。
場所は渋谷区千駄ヶ谷 1-18-24です。

駅の反対側にある佐藤美術館に行った帰りに寄りました。
かなり大きなお店で、全席禁煙です。
階段の下はテラス席です。


ユーハイムと言えばバウムクーヘンです。

名物のミートパイもあります。

地下にありますが、吹き抜けがあるので、明るい店内です。
BGMはクラシックでした。

バウムクーヘンセット880円です。

カップはドイツのDIBBERNです。
バウムクーヘンは目の前で切り分けてくれます。
甘さは控えめで美味しく、コーヒーも良いと思います。
ランチでパンにすると、カフェテリア方式で好きなパンを選ぶことが出来ます。
私の行った時は休日のランチを楽しむ家族連れなど、お客さんで
賑わっていました。
日本最初のバウムクーヘンは、1919年3月4日に広島市の広島県物産陳列館
(現在の原爆ドーム)で開かれたドイツ俘虜製作品展覧会に出品された
とのことです。
カール・ユーハイム氏の焼いたもので、ユーハイム氏はドイツの菓子職人で、
中国の青島に居た時に第一次大戦により民間人でありながら日本に捕えられ、
広島の収容所に送られました。
その後、ユーハイム氏は横浜に店を開いたところ、関東大震災の被害に遭って
今度は神戸で再出発しています。
これが現在の「ユーハイム」の始まりで、3月4日はバウムクーヘンの日として
認定されているとのことです。
「ユーハイム」のバウムクーヘンはそれだけの年輪を重ねている訳です。
「ユーハイム」のHPの中の「ユーハイム」の歴史を記したページです。
chariot
「ユーハイム千駄ヶ谷店」はJR千駄ヶ谷駅を出た向かいのビルにある
カフェレストランです。
場所は渋谷区千駄ヶ谷 1-18-24です。

駅の反対側にある佐藤美術館に行った帰りに寄りました。
かなり大きなお店で、全席禁煙です。
階段の下はテラス席です。


ユーハイムと言えばバウムクーヘンです。

名物のミートパイもあります。

地下にありますが、吹き抜けがあるので、明るい店内です。
BGMはクラシックでした。

バウムクーヘンセット880円です。

カップはドイツのDIBBERNです。
バウムクーヘンは目の前で切り分けてくれます。
甘さは控えめで美味しく、コーヒーも良いと思います。
ランチでパンにすると、カフェテリア方式で好きなパンを選ぶことが出来ます。
私の行った時は休日のランチを楽しむ家族連れなど、お客さんで
賑わっていました。
日本最初のバウムクーヘンは、1919年3月4日に広島市の広島県物産陳列館
(現在の原爆ドーム)で開かれたドイツ俘虜製作品展覧会に出品された
とのことです。
カール・ユーハイム氏の焼いたもので、ユーハイム氏はドイツの菓子職人で、
中国の青島に居た時に第一次大戦により民間人でありながら日本に捕えられ、
広島の収容所に送られました。
その後、ユーハイム氏は横浜に店を開いたところ、関東大震災の被害に遭って
今度は神戸で再出発しています。
これが現在の「ユーハイム」の始まりで、3月4日はバウムクーヘンの日として
認定されているとのことです。
「ユーハイム」のバウムクーヘンはそれだけの年輪を重ねている訳です。
「ユーハイム」のHPの中の「ユーハイム」の歴史を記したページです。
千駄ヶ谷
千駄ヶ谷の佐藤美術館では、「春の粧い~佐藤美術館20周年記念展~」が
開かれています。
会期は2月27日(日)までです。

新宿御苑の近くにある小さな美術館で、所蔵作品は1990年に大阪で開かれた、
「国際・花と緑の博覧会」の「花と緑・日本画美術館」に展示されていた
現代日本画家50人の作品を中心に構成されています。

3階、4階、5階と上がって観ていきます。
小倉遊亀、東山魁夷、加山又造など日本を代表する日本画家18人による、
花にちなんだ作品27点が展示されています。
上村松篁 「桃春」

桃の花にイカルがとまっています。
緑色の芽も見えます。
稗田一穂 「残照」

海辺の岩場の桜は花を着け、海面は夕日に輝いています。
稗田一穂さん独特の幻想的な世界です。
後藤純男 「古刹麗春」

奈良の法輪寺を元にした景色のようです。
背景の山の重なりに奥行きを感じます。
後藤純男さんは古寺の風景をよく描いています。
中島千波 「御車返の桜」

京都の常照皇寺にある桜の古木です。
御水尾天皇が美しさを愛で、乗っていた牛車を返させたという故事によって
名が付いています。
風格のある捩れたような太い幹を真中に据え、花を全面に並べています。
藤井聡子 「映翠」

苗の伸びた水田に畝の景色が映っています。
縦と横の線が交差しています。
5階は会議室で、藤井聡子さんの作品8点が展示されています。
6点は草花と和歌の短冊を組合わせた縦長の作品です。
「秋の譜-萩図-」 古今和歌集 巻四 秋歌上 藤原俊行
秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
「秋の譜-夕顔図-」 源氏物語 「夕顔」より
心あてにそれかとぞ見る白露の光そえたる夕顔の花
「冬の譜-花八手図-」 古今和歌集 巻十九 雑体 清原深養父
冬ながら春のとなりの近ければ中垣よりぞ花はちりくる
「冬の譜-南天図-」 古今和歌集 巻六 冬歌 春道列樹
昨日といひ今日とくらしてあすか河流れて早き月日なりけり
「春の譜-水仙梅花図-」 古今和歌集 巻二十 大歌所御歌 よみひとしらず
新しきとしの始めにかくしこそ千年をかねてたのしきを積め
「春の譜-椿図-」 万葉集 巻一 春日蔵首老
川上のつらつら椿つらつらに見れども飽かず巨勢の春野を
規模は小さいですが、春に先駆けてゆっくりと花を満喫できる展覧会でした。
展覧会のHPです。
chariot
千駄ヶ谷の佐藤美術館では、「春の粧い~佐藤美術館20周年記念展~」が
開かれています。
会期は2月27日(日)までです。

新宿御苑の近くにある小さな美術館で、所蔵作品は1990年に大阪で開かれた、
「国際・花と緑の博覧会」の「花と緑・日本画美術館」に展示されていた
現代日本画家50人の作品を中心に構成されています。

3階、4階、5階と上がって観ていきます。
小倉遊亀、東山魁夷、加山又造など日本を代表する日本画家18人による、
花にちなんだ作品27点が展示されています。
上村松篁 「桃春」

桃の花にイカルがとまっています。
緑色の芽も見えます。
稗田一穂 「残照」

海辺の岩場の桜は花を着け、海面は夕日に輝いています。
稗田一穂さん独特の幻想的な世界です。
後藤純男 「古刹麗春」

奈良の法輪寺を元にした景色のようです。
背景の山の重なりに奥行きを感じます。
後藤純男さんは古寺の風景をよく描いています。
中島千波 「御車返の桜」

京都の常照皇寺にある桜の古木です。
御水尾天皇が美しさを愛で、乗っていた牛車を返させたという故事によって
名が付いています。
風格のある捩れたような太い幹を真中に据え、花を全面に並べています。
藤井聡子 「映翠」

苗の伸びた水田に畝の景色が映っています。
縦と横の線が交差しています。
5階は会議室で、藤井聡子さんの作品8点が展示されています。
6点は草花と和歌の短冊を組合わせた縦長の作品です。
「秋の譜-萩図-」 古今和歌集 巻四 秋歌上 藤原俊行
秋きぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる
「秋の譜-夕顔図-」 源氏物語 「夕顔」より
心あてにそれかとぞ見る白露の光そえたる夕顔の花
「冬の譜-花八手図-」 古今和歌集 巻十九 雑体 清原深養父
冬ながら春のとなりの近ければ中垣よりぞ花はちりくる
「冬の譜-南天図-」 古今和歌集 巻六 冬歌 春道列樹
昨日といひ今日とくらしてあすか河流れて早き月日なりけり
「春の譜-水仙梅花図-」 古今和歌集 巻二十 大歌所御歌 よみひとしらず
新しきとしの始めにかくしこそ千年をかねてたのしきを積め
「春の譜-椿図-」 万葉集 巻一 春日蔵首老
川上のつらつら椿つらつらに見れども飽かず巨勢の春野を
規模は小さいですが、春に先駆けてゆっくりと花を満喫できる展覧会でした。
展覧会のHPです。
六本木・乃木坂
東京ミッドタウンの敷地の一角に「21_21 DESIGN SIGHT」があります。
トゥーワン・トゥーワン・デザインサイトと読みます。
三宅一生、佐藤 卓、深澤直人、川上典李子の4人がディレクターとして
企画を行なっています。


設計は安藤忠雄で、三角形を基調にしたデザインです。
コンクリートの打ちっ放しで、地上部分を低くし、地下部分を広く取り、
採光のための空間を大きく開けるという、安藤忠雄の特徴が出ています。
現在、「倉俣史朗とエットレ・ソットサス展 夢見る人が、夢見たデザイン」が
開かれています。
会期は5月8日(日)までです。

入場料は一般1000円で、サントリー美術館で開催中の展覧会の半券を提示すると
100円割引になります。
開館時間は午前11時です。
倉俣史朗(1934~1991)とイタリアのデザイナー、エットレ・ソットサス
(1917~2007)はともにモダニズムのデザインに反発を感じる立場から、
ソットサスが中心となって発足した「メンフィス」プロジェクトを通じて、
交流を深めていたとのことです。
この展覧会では、倉俣の1981年から56歳で亡くなる1991年までの作品約60点と、
ソットサスの最晩年のドローイングをもとに新たに制作した作品約20点が
展示されています。
[倉俣史朗の作品]
「ミス・ブランチ」

倉俣史朗を代表する作品で、透明なアクリル樹脂を使った椅子です。
バラの花を透明な板に閉じ込め、肘掛や背もたれの曲線も柔らかく、華やかです。
椅子は陽の光に当たって明るく輝き、床にはバラの影が映っています。
透明なアクリル樹脂の作品は他にも何点かあり、淡く明るい色彩が虹のように
浮かんでいます。
「トウキョウ」

くずガラスを人工大理石に練り込めて作ったテーブルです。
様々の色のガラスのかけらは宝石のように輝いています。
「シング・シング・シング」

波を思わせる曲線で構成された椅子です。
他にも色々の面白い形の椅子が展示されています。
作品の名前によくジャズの曲名を付けています。
「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」
スチールメッシュで作られたソファです。
銀色に輝き、軽やかでありながら堂々としています。
東京都現代美術館には、「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」を使った
藤本由紀夫さんの作品が展示されています。
「ラピュタ」

亡くなった年の作品です。
細長く幅の狭いベッドで、横には曲がった棒の形をした
スタンドが並んでいます。
実用品ではなく、インテリアとして楽しめます。
[エットレ・ソットサスの作品]
ソットサスのドローイングと、立体化された作品です。
どれも微笑ましく、温かみがあります。






二人に共通して感じられるのは、面白さ、楽しさ、明るさ、温かさです。
それらはモダニズムのデザインには少ない要素であり、二人の目指したものが
何であるのかが分かります。
展覧会のHPです。
chariot
東京ミッドタウンの敷地の一角に「21_21 DESIGN SIGHT」があります。
トゥーワン・トゥーワン・デザインサイトと読みます。
三宅一生、佐藤 卓、深澤直人、川上典李子の4人がディレクターとして
企画を行なっています。


設計は安藤忠雄で、三角形を基調にしたデザインです。
コンクリートの打ちっ放しで、地上部分を低くし、地下部分を広く取り、
採光のための空間を大きく開けるという、安藤忠雄の特徴が出ています。
現在、「倉俣史朗とエットレ・ソットサス展 夢見る人が、夢見たデザイン」が
開かれています。
会期は5月8日(日)までです。

入場料は一般1000円で、サントリー美術館で開催中の展覧会の半券を提示すると
100円割引になります。
開館時間は午前11時です。
倉俣史朗(1934~1991)とイタリアのデザイナー、エットレ・ソットサス
(1917~2007)はともにモダニズムのデザインに反発を感じる立場から、
ソットサスが中心となって発足した「メンフィス」プロジェクトを通じて、
交流を深めていたとのことです。
この展覧会では、倉俣の1981年から56歳で亡くなる1991年までの作品約60点と、
ソットサスの最晩年のドローイングをもとに新たに制作した作品約20点が
展示されています。
[倉俣史朗の作品]
「ミス・ブランチ」

倉俣史朗を代表する作品で、透明なアクリル樹脂を使った椅子です。
バラの花を透明な板に閉じ込め、肘掛や背もたれの曲線も柔らかく、華やかです。
椅子は陽の光に当たって明るく輝き、床にはバラの影が映っています。
透明なアクリル樹脂の作品は他にも何点かあり、淡く明るい色彩が虹のように
浮かんでいます。
「トウキョウ」

くずガラスを人工大理石に練り込めて作ったテーブルです。
様々の色のガラスのかけらは宝石のように輝いています。
「シング・シング・シング」

波を思わせる曲線で構成された椅子です。
他にも色々の面白い形の椅子が展示されています。
作品の名前によくジャズの曲名を付けています。
「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」
スチールメッシュで作られたソファです。
銀色に輝き、軽やかでありながら堂々としています。
東京都現代美術館には、「ハウ・ハイ・ザ・ムーン」を使った
藤本由紀夫さんの作品が展示されています。
「ラピュタ」

亡くなった年の作品です。
細長く幅の狭いベッドで、横には曲がった棒の形をした
スタンドが並んでいます。
実用品ではなく、インテリアとして楽しめます。
[エットレ・ソットサスの作品]
ソットサスのドローイングと、立体化された作品です。
どれも微笑ましく、温かみがあります。






二人に共通して感じられるのは、面白さ、楽しさ、明るさ、温かさです。
それらはモダニズムのデザインには少ない要素であり、二人の目指したものが
何であるのかが分かります。
展覧会のHPです。
日比谷・有楽町
日比谷の出光美術館では、「酒井抱一生誕250年 琳派芸術 ―光悦・宗達から
江戸琳派―」展の第2部<転生する美の世界>が開かれています。
酒井抱一と鈴木其一の作品を中心にした江戸琳派の特集で、会期は3月21日(月)
までです。

「風神雷神図屏風」 酒井抱一 二曲一双
俵屋宗達の「風神雷神図屏風」を尾形光琳が模写し、さらに酒井抱一が
模写しています。
琳派の継承の流れを伝える作品です。
「八ツ橋図屏風」 酒井抱一 六曲一双

右隻(部分)です。
尾形光琳の「八橋図屏風」を写したものですが、燕子花の数を少なくして
すっきりとまとめられています。
紙ではなく絹地に金箔を貼り、さらに金泥を塗ってより輝くようにしている
とのことです。
こちらは尾形光琳の「八橋図屏風」の右隻です。

メトロポリタン美術館所蔵の尾形光琳の「八橋図屏風」は、根津美術館で
開かれる予定の「KORIN展」で、同館所蔵の「燕子花図屏風」とともに展示
されるとのことです。
会期は4月16日(土)から5月15日(月)までです。
「紅白梅図屏風」 酒井抱一 六曲一双

左隻(部分)で、右隻には紅梅が描かれています。
たらし込みを使った枝は伸びやかです。
元は金地屏風の裏側だったらしく、屏風を折りたたんだ時に裏の面同士の
当たる場所に紅梅の顔料が付着しているのが分かります。
酒井抱一は金地屏風の裏に使われる銀地の画面を好んでいたようです。
「燕子花図屏風」 酒井抱一 享和元年(1801年) 二曲一隻
二曲の無地の画面に水墨と群青の燕子花が弧を描くように並べられています。
葉にはたらし込みが使われ、金泥も混じっています。
枯れた葉もあり、蜻蛉が一匹とまっていて、繊細で叙情的な風景です。
「四季花木図屏風」 鈴木其一 六曲一双

右隻(部分)で、白牡丹を囲むように紅白梅、蒲公英、菫、燕子花が
描かれています。
左隻に描かれているのは楓、白菊、桔梗、水仙、薮柑子です。
鈴木其一は酒井抱一の弟子ですが、師の洗練された装飾性を更に進めて、
近代的とも言える作品を造り上げています。
「芒野図屏風」 鈴木其一 二曲一隻
銀地に一面すすきの穂が水墨で描かれていますが、風に揺れる風情ではなく、
整然と真っ直ぐ立っています。
霧の流れるようなぼかしも入っていて、画面に柔らかさを感じさせています。
すっきりとして、とてもデザイン性の高い作品です。
酒井抱一の「燕子花図屏風」と比べると二人の作風の違いが分かります。
「三十六歌仙図」 鈴木其一 弘化2年(1845年)

尾形光琳の描いた図柄を元にしています。
掛軸ですが、表装の扇面流しや錦の模様も鈴木其一が描いています。
軸も螺鈿を使っていて豪華です。
描かれているのは35人で1人足りないのは高貴な身分の斎宮女御(徽子女王)を
御簾によって暗示しているためとのことです。
右側の矢を背負った武官の装いの美男子は在原業平でしょう。

画面下の横向きの老人は柿本人麻呂でしょうか。
わいわいと賑やかで、皆楽しそうです。

尾形乾山の作品もかなり第1部と展示替えになっています。
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一と観てくると、流れは近代日本画にまで
つながっていることを感じます。
私の行った2月13日は第2部が始まって最初の日曜日でしたが、開館時間直後から
どんどんお客さんが増え、人気の高い展覧会であることが分かります。
展覧会のHPです。
chariot
日比谷の出光美術館では、「酒井抱一生誕250年 琳派芸術 ―光悦・宗達から
江戸琳派―」展の第2部<転生する美の世界>が開かれています。
酒井抱一と鈴木其一の作品を中心にした江戸琳派の特集で、会期は3月21日(月)
までです。

「風神雷神図屏風」 酒井抱一 二曲一双
俵屋宗達の「風神雷神図屏風」を尾形光琳が模写し、さらに酒井抱一が
模写しています。
琳派の継承の流れを伝える作品です。
「八ツ橋図屏風」 酒井抱一 六曲一双

右隻(部分)です。
尾形光琳の「八橋図屏風」を写したものですが、燕子花の数を少なくして
すっきりとまとめられています。
紙ではなく絹地に金箔を貼り、さらに金泥を塗ってより輝くようにしている
とのことです。
こちらは尾形光琳の「八橋図屏風」の右隻です。

メトロポリタン美術館所蔵の尾形光琳の「八橋図屏風」は、根津美術館で
開かれる予定の「KORIN展」で、同館所蔵の「燕子花図屏風」とともに展示
されるとのことです。
会期は4月16日(土)から5月15日(月)までです。
「紅白梅図屏風」 酒井抱一 六曲一双

左隻(部分)で、右隻には紅梅が描かれています。
たらし込みを使った枝は伸びやかです。
元は金地屏風の裏側だったらしく、屏風を折りたたんだ時に裏の面同士の
当たる場所に紅梅の顔料が付着しているのが分かります。
酒井抱一は金地屏風の裏に使われる銀地の画面を好んでいたようです。
「燕子花図屏風」 酒井抱一 享和元年(1801年) 二曲一隻
二曲の無地の画面に水墨と群青の燕子花が弧を描くように並べられています。
葉にはたらし込みが使われ、金泥も混じっています。
枯れた葉もあり、蜻蛉が一匹とまっていて、繊細で叙情的な風景です。
「四季花木図屏風」 鈴木其一 六曲一双

右隻(部分)で、白牡丹を囲むように紅白梅、蒲公英、菫、燕子花が
描かれています。
左隻に描かれているのは楓、白菊、桔梗、水仙、薮柑子です。
鈴木其一は酒井抱一の弟子ですが、師の洗練された装飾性を更に進めて、
近代的とも言える作品を造り上げています。
「芒野図屏風」 鈴木其一 二曲一隻
銀地に一面すすきの穂が水墨で描かれていますが、風に揺れる風情ではなく、
整然と真っ直ぐ立っています。
霧の流れるようなぼかしも入っていて、画面に柔らかさを感じさせています。
すっきりとして、とてもデザイン性の高い作品です。
酒井抱一の「燕子花図屏風」と比べると二人の作風の違いが分かります。
「三十六歌仙図」 鈴木其一 弘化2年(1845年)

尾形光琳の描いた図柄を元にしています。
掛軸ですが、表装の扇面流しや錦の模様も鈴木其一が描いています。
軸も螺鈿を使っていて豪華です。
描かれているのは35人で1人足りないのは高貴な身分の斎宮女御(徽子女王)を
御簾によって暗示しているためとのことです。
右側の矢を背負った武官の装いの美男子は在原業平でしょう。

画面下の横向きの老人は柿本人麻呂でしょうか。
わいわいと賑やかで、皆楽しそうです。

尾形乾山の作品もかなり第1部と展示替えになっています。
俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一、鈴木其一と観てくると、流れは近代日本画にまで
つながっていることを感じます。
私の行った2月13日は第2部が始まって最初の日曜日でしたが、開館時間直後から
どんどんお客さんが増え、人気の高い展覧会であることが分かります。
展覧会のHPです。