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古代オリエント博物館の常設展「タイムスリップ!古代オリエントの世界」 池袋
池袋
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この記事は地震の前に行った時のものですが、古代オリエント博物館は
4月1日(金)まで臨時休館し、4月2日(土)から「栄光のペルシャ展」が
開催されます。

***


古代オリエント博物館の常設展「タイムスリップ!古代オリエントの世界」に
行ってきました。
古代オリエント博物館は池袋サンシャインシティの中の文化会館7階にあります。

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オリ0005


入口にはロゼッタ・ストーンのレプリカが置いてあります。
エジプト・プトレマイオス王朝の紀元前196年の布告文で、神聖エジプト文字、
民衆エジプト文字、ギリシャ文字で書かれています。
エジプト文字の解読の鍵となったプトレマイオス5世の名前の場所に印が
付いています。

また、出口近くにはパルミラ遺跡の1/400模型が置いてあります。
パルミラはシリアにあるローマ帝国時代の都市遺跡です。
古代オリエント博物館はシリアでの発掘調査を行なっているので、シリア関係の
資料が多く展示されています。

展示は6つのコーナーに分かれています。

1.シリアの発掘

シリアのテル・ルメイラ遺跡の紀元前1600年頃の家屋の一部が復元されています。
壁は日干し煉瓦で、木製の扉は引越しの時には持ち運びしたそうです。

神殿模型 紀元前1600年頃
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テル・ルメイラ遺跡から出土したルーフバルコニーのある神殿の模型です。
家の中でお祀りしていたらしく、日本の神棚のような物です。

2.最古のオリエント

世界で最初に農業の始まった場所で、鎌や石臼などが展示されています。

金製耳飾り シリア 1~3世紀
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ブドウを象った金製の耳飾りです。
ブドウは豊穣多産のシンボルで、神聖な果実とされているそうです。

3.古代メソポタミア

粘土板などが展示されています。

異教の神として聖書で排撃されているバアル神の像もありました。
シリアで出土した紀元前1500年頃の青銅製の人物像で、頭に帽子のような物を被り、
腕を振り上げています。

4.古代エジプト

小神像、土器、青銅製の猫などが展示されています。
ナマズのミイラもあります。

彩色人物浮彫 紀元前1400年頃
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横向きの顔に正面を向いた目という、エジプト絵画の特徴が表れています。

5.イラン高原の文化

金製の装飾品や青銅製の剣などが展示されています。
紀元前1000~800年の青銅製の取っ手の付いた携帯砥石もありました。
兵士が身に着けていたのでしょう。

こぶ牛形土器 紀元前1000年頃
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墓に副葬品として納められていました。
シンプルで面白い形をしています。

6.東西文化の交流

アトラス神坐像 パキスタン 紀元2~4世紀

アトラスはギリシャ神話に出てくる、天を支えている神です。
ガンダーラでは仏塔の基壇を支える形で彫られています。

ヘラクレスが仏教世界で執金剛神になったのと似ています。

紀元前2300年頃にメソポタミアで発明され、各地に広まったというガラスの
製品が展示されています。
正倉院に納めてあるのと同じデザインのササン朝ペルシャ時代のカットグラスの
碗もあります。

マーブル文ガラス小壷 シリア 紀元前1世紀
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縞模様を作り出しています。

コインも展示されています。
世界で最初にコインを作ったとされるリュディア王国の紀元前6世紀の金貨も展示
されています。
リュディア王国は今のトルコにあります。

アレクサンドロス大王銀貨 マケドニア 紀元前4世紀
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4ドラクマ銀貨で、ヘラクレスの象徴であるライオンの毛皮を被った大王の姿が
刻まれています。
アレクサンドロス大王は自分をギリシャ神話のヘラクレスの血族と称していた
そうです。

会場にはテーマ毎に分かりやすい解説の書かれている小さなパンフレットが
何種類も売られています。
1部10円で、料金は古代の壷に入れるので、古代人になって神殿にお賽銭を
上げているような気分です。


【2011/03/19 07:12】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(1) |
「ブルディガラ エクスプレス グランスタ店」 東京駅
東京
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以下の記事は地震の前に書いたものなので、現在は営業時間や商品に
変更があるかもしれません。

***

「ブルディガラ エクスプレス グランスタ店」は東京駅改札内地下1階の
グランスタにあります。

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イートインの出来る大きなパン屋さんで、ブルディガラとはラテン語で
ボルドーという意味とのことです。
サンドイッチや菓子パンなど色々な種類のパンが並んでいます。
上の棚には、表面にBと彫られた鏡餅ほどの大きさのパンも並んでいます。

60席ほどの店内はセルフ式で全席禁煙です。

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人気のある店で、朝7時の開店前から待っているお客さんもいます。
開店と同時に席はどんどん埋まっていき、テイクアウトのお客さんも
次々買っていきます。
コーヒー片手にパソコンのキーを叩いているビジネスマンや、
大きなキャスターを転がしてきた人もいます。

コーヒーSサイズ330円とパンオレザン240円です。

ブ0020

パンオレザンはさくさくとして味も良く、コーヒーはあっさりして
飲みやすいです。

東京駅の中のお店らしく、とても活気のあるお店です。


【2011/03/18 07:39】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「伊藤直 油絵展」 大丸東京店
東京
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大丸東京店アートギャラリーでは3月22日(火)まで、「伊藤直 油絵展」が
開かれています。

伊藤直さん(1950~)は三重県出身で、おもにヨーロッパの風景を描いています。
今回はパリやヴェネツィアなどの風景画を中心に約30点が展示されています。

「リアルト橋とゴンドラ」 8号
伊藤002


「PARIS」 20号
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コントラストの強い明快な色調と勢いのある筆遣いです。
空や川の青色に特徴があります。


【2011/03/17 07:08】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ファンタジー-松岡コレクションの幻想世界-」展 松岡美術館 白金台
白金台
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白金台の松岡美術館では、「ファンタジー-松岡コレクションの幻想世界-」展が
開かれています。
会期は4月17日(日)までです。

なお、今度の地震の後の節電などのため、3月17日(木)まで休館するとのことです。
(3月15日現在のHPの情報です。)

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美術館の正面です。
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玄関ホールから庭を眺めます。
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松岡美術館の創設者、松岡清次郎の蒐集した約1800点の美術品のうち、
ファンタジーをテーマとする日本の絵画や中国の銅器、陶磁器の展示です。
こちらは撮影自由です。

絵画は約40点の展示です。

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橋本龍美 「里噺」 1973年 紙本着色
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お爺さんの夜話につれて、妖怪、化け物が画面一杯に湧き出しています。
古代中国の青銅器のような怪異さと日本の妖怪の懐かしさがあります。

須藤初雄 「蝶道」 1972年 油彩・カンヴァス
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春を表す鮮やかな緑の世界の中で蝶が遊んでいます。
蝶には人を夢の世界に誘うはたらきがあります。

松崎守 「鳥」 1975年 油彩・カンヴァス
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三角形に単純化された森の木々に鳥の姿が重なっています。
造形的な感覚の作品です。

ファンタジーにも、空想、幻視、懐旧などさまざまあって、多様な傾向の
作品を楽しめます。


中国銅器、陶磁器は約40点の展示です。
龍や鳳凰をあしらっています。

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「饕餮(とうてつ)き龍文壷」 商晩期 紀元前13~11世紀初期
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「緑釉鳳凰多枝燈」 後漢時代 1~3世紀
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「白磁龍耳瓶」 唐時代 7世紀
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「三彩鳳首瓶」 唐時代 8世紀
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「青白地紅釉鳳凰文瓶」 景徳鎮窯 元時代 14世紀
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「青磁龍文盤」 龍泉窯 南宋/元時代
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「青花龍唐草文天球瓶」 明時代 15世紀
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常設展には古代オリエント美術、現代彫刻、古代東洋彫刻の3つの
部門があります。

「ミネルヴァ像」 ローマ近郊出土 ヘレニズム期 紀元前100年頃
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玄関ホールに展示されています。

[古代オリエント美術]

エジプト彫刻が並んでいます。
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「エネヘイ像」 エジプト第18王朝末期/第19王朝初期 
          紀元前1300-1200年頃

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エネヘイという名の、神官の娘の像ということです。
プリーツの線がすらりとした姿を際立たせています。

「彩色木棺」 エジプト第21王朝 紀元前1069-945年頃
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[現代彫刻]

アントワーヌ・ブールデル 「ペネロープ」
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玄関ホールを入ったところに展示されています。

ディエゴ・ジャコメッティ 「猫の給仕頭」
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猫が自分の猫皿を抱えているようにも見えます。
ディエゴ・ジャコメッティは棒のように細い彫刻で有名なアルベルト・
ジャコメッティの弟です。

エミリオ・グレコ 「腰かける女」
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ヘンリー・ムア 「横たわる女、肘」
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ヘンリー・ムア 「台に坐る母と子」
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[古代東洋彫刻]

ガンダーラの石像彫刻を中心に、ヒンズー教の神像やクメール彫刻など
多数が展示されています。
ずらりと並んで壮観です。
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「菩薩立像」 ガンダーラ 3世紀頃
彫りの深い、西方の顔立ちです。
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「菩薩坐像」 ガンダーラ 3世紀頃
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「男性像」 クメール 9-10世紀
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柔らかな顔立ちです。


展覧会のHPです。


【2011/03/16 00:09】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
街・駅の様子 2011/3
東京
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3月14日の街の様子です。

朝、コンビニに行ったら、パン類はほとんど売切れていました。

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ドラッグストアでは乾電池が売り切れていました。
ティッシュやトイレットペーパーも無くなっていました。
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義援金の受付も始まっています。
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高級自転車はまだ残っています。
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登下校する小学生も防災頭巾を被っていました。

地下鉄は動いていましたが、表示は「調整中」のままです。
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丸ビルの地下も普段より照明を暗くしていました。
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丸ビルのテレビでは原発の爆発を報じていました。
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【2011/03/15 08:29】 街歩き | トラックバック(0) | コメント(0) |
上野動物園 2011/3
上野
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3月13日(日)の上野です。
昨日の記事の続きです。

上0112


国立博物館や西洋美術館は休館していましたが、上野動物園は開園していました。

(3月17日追記)
3月17日より当面の間、上野動物園は休園になりました。
また、パンダの公開も中止になりました。

上0128

昨日も書きましたが、キリンはナーバスになっていて、展示は中止されています。
他の動物たちはどんな様子でしょうか。

パンダの公開も間近ですが、今度やって来たリーリーとシンシンは2008年の
四川大地震に遭っているそうです。
この地震にはきっとまた驚いていることでしょう。

上0138


アジアゾウは鼻で砂をかけていました。
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ライオンは寝ていました。
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スマトラトラは歩き回っていました。
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ツキノワグマです。
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ゴリラのピーコです。
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布を被るのが好きとのことです。

シロテナガザルです。
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長谷川等伯の「枯木猿猴図」のモデルと云われています。

園内の売店です。
上0140


日タイ修好120周年を記念してタイ政府から贈呈されたタイ風東屋です。
上0144


上野公園の様子です。
上0117


もう咲いている桜もあります。
上0115


【2011/03/14 16:40】 街歩き | トラックバック(0) | コメント(0) |
本郷、湯島、上野周辺 2011/3
本郷・湯島・上野
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3月13日(日)の本郷・湯島・上野辺りです。

新聞販売店に震災の記事が貼ってあります。
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東京大学では今日の第2次学力試験(後期日程)を2時間繰り下げて
実施しています。
地震後僅か2日のこのような状況で受験というのはさぞ大変なことでしょう。

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工学部前広場では早咲きの桜が咲いていました。
地0063

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上野公園です。
地0118


東京国立博物館も今日は休館です。
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上野動物園は開いていましたが、モノレールと一部の動物の展示も
中止していました。
キリンはナーバスになっているそうです。

地0131


湯島天神の梅は今が満開です。
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湯島天神の建物の屋根の一部が壊れて、裏側にある女坂が通行止めに
なっていました。

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湯島天神男坂下の関東大震災復興地蔵尊です。
大正12年の関東大震災からの復興を祈って町内会で建てたものです。

地0213


近くの喫茶店の方によれば、お店のカップが幾つか割れたとのことで、
地震の夜は家に帰れないお客さんが沢山来られたそうです。

歩いていると、建物の壁や窓ガラスにひびが入っていたり、屋根瓦が
ずれているのを何ヶ所か見かけました。
大きな余震の来るおそれもあるとのことなので、耐久力の弱くなった
建物の被害が広がらないか心配です。


【2011/03/13 18:53】 街歩き | トラックバック(0) | コメント(0) |
とりあえずのご報告です。
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私は昨晩は会社に泊まり、今日の午後電車で帰宅いたしました。
幸い、家族も自宅も被害はありませんでした。

昨日の地震は物凄く、揺れがおさまるまで会社の机の下に潜っていましたが、
その時間がとても長く感じました。
天井からはボードが落ちてきたりして、怖い思いをしました。

今度の地震での被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。
災害地域にお住まいの方でこのブログを訪問してくださる方もいらっしゃるので、
とても心配しています。
どうかご無事でありますように。


【2011/03/12 19:11】 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「名古屋剛志 作品展」 大丸東京店
東京
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大丸東京店10階のアートギャラリーでは3月15日(火)まで、
「名古屋剛志 作品展」が開かれています。

名古屋剛志さん(1978~)は装飾的でモダンな感覚の日本画を描いています。
今回は花、金魚、女性などを描いた作品が展示されています。
どの作品も色彩に柔らかさと深みがあります。
特に「朝顔ノ図」の赤や「蛙ノ図」の緑は印象的でした。

「春めく」
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名古屋さんはよく金魚の絵を描いています。

名古屋剛志さんのHPです。


【2011/03/11 01:20】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「館蔵品展 煌きの近代~美術からみたその時代」 大倉集古館
神谷町・溜池山王
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虎ノ門の大倉集古館では、「館蔵品展 煌きの近代~美術からみたその時代」が
開かれています。
期間は3月21日(月・祝)までです。

大倉001


江戸時代から昭和初期にかけての日本画、書、彫刻、工芸品の展示です。

横山大観 「夜桜」 左隻・部分 1929年
大倉002

横山大観の代表作の一つで、1930年にローマで開かれた日本美術展覧会
(ローマ展)に出品された作品です。
ローマ展は大倉財閥2代目の大倉喜七郎の後援で開かれています。

篝火に浮かび上がる満開の山桜と山の端にかかる満月です。
豪華極まりない装飾画で、桜の花はおしべまで描き込んであります。
周辺を暗く描いているので、桜は吹き上がるように輝いて見えます。
この作品は冨田渓仙の「祇園山桜」に想を得ているとのことです。

橋本関雪 「猿猴図」 1929年
大倉004


こちらもローマ展に出品された作品です。
猿は東洋画によく描かれる題材ですが、この猿は写実的で毛の質感まで
表しています。

ローマ展には前田青邨の「洞窟の頼朝」も出品され、現在もこちらに
所蔵されています。

伊藤若冲 「乗興舟」 1767年
京都から大坂まで下る淀川の風景を墨で描いた版画絵巻です。
拓版画という、版木に紙を乗せ、墨を含んだたんぽで叩いて刷り出す、
拓本と同じ技法によっています。
墨の黒によって川沿いの林、家並み、橋、などの情景がゆったりと大らかに
広がっています。

展覧会のHPです。


【2011/03/10 05:51】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「カフェラウンジ ハイマート」 東京駅
東京
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「カフェラウンジ ハイマート」は東京駅八重洲中央口から外堀通りを渡った
左側にあります。
場所は中央区八重洲1-9-1です。

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ビジネスホテルのホテルハイマートの一部で、朝8時から開いています。
30席ほどの店内は改装されていて、明るいカフェ風ですが、昭和42年からの
お店とのことです。
BGMはポピュラーミュージックでした。

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斜め向かいはグラントウキョウノースタワーです。

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モーニングセット630円です。

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バターを添えた厚切りトーストと、目玉焼きにサラダです。
目玉焼きはほど良い半熟になっていて美味しいです。
コーヒーは穏やかな味です。

店内の写真を撮ってよいかお店の方に訊いたところ、一緒に撮りましょうかと
言われたので、丁重に辞退しました。
グラントウキョウノースタワーの場所は以前はホテル国際観光があったなどと
昔話もしました。

ランチのメニューには焼ソバもあったりで、昔ながらの喫茶店の
ホスピタリティーの残るお店です。


復元中の東京駅赤レンガ駅舎の南側のドームが八重洲側からも見えるように
なりました。

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【2011/03/09 07:28】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「フェルメール《地理学者》とオランダ・フランドル絵画展」 Bunkamuraザ・ミュージアム
渋谷
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渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは「フェルメール《地理学者》と
オランダ・フランドル絵画展」が開かれています。
期間は5月22日(日)までです。

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フランクフルトにあるシュテーデル美術館は特にオランダ・フランドル地方の
絵画のコレクションが充実しているとのことです。
今回、改築工事に伴い、その内レンブラントやフェルメールの活躍した
17世紀の作品を中心に、95点がまとめて日本で展示されるものです。

展示は以下の4つのグループで構成されています。

1.歴史画と寓意画
2.肖像画
3.風俗画と肖像画
4.静物画
5.地誌と風景画

1.歴史画と寓意画
絵画の題題として伝統的な歴史画のグループです。

レンブラント・ファン・レイン 「サウル王の前で竪琴を弾くダヴィデ」
 1630-31年頃

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旧約聖書のサムエル記にある話で、サウル王はダヴィデの弾く竪琴を
よく聴いていましたが、ダヴィデがペリシテ人との戦いで巨人ゴリアテに
石を投げて殺し、名声が高まるとダヴィデを恐れ、妬み、遂には槍を
投げて殺そうとします。
豪華な衣装に身を包んだ老いたサウルが、竪琴を弾く若いダヴィデにまさに
槍を投げようとする直前の暗い怒りの瞬間を捉えています。

2.肖像画
市民階級の台頭したオランダでは、個人の肖像画の需要が盛んになります。

フランス・ハルス 「男の肖像」「女の肖像」 1638年
夫妻と思われる男女をそれぞれ描いています。
黒い服に白い襟飾りを着けた簡素な姿ですが、勢いのある筆遣いで活き活きと
人物を描き出しています。
フランス・ハルスの筆捌きを後の印象派の人たちは絶賛したということですが、
作品にはマネを思わせるものがあります。

3.風俗画と室内画

題材も聖書や歴史から離れて、世俗的なものが好まれます。

ヨハネス・フェルメール 「地理学者」 1669年
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この展覧会の一番の呼び物です。
窓からの淡い光に照らされた地理学者がディバイダーを手に地図を広げて、
窓の外を見やりながら何事か思索しています。
着ているのは日本の着物かそれをデザインしたもので、富裕層のお洒落として
流行していたそうです。
棚の上には地球儀、壁には地図、テーブルには直角定規もあって、学者の
仕事場であることを示しています。
着物の絹地、手前のゴブラン織の感触の対比も見せています。
オランダが海を越えて飛躍していた時代の気分を表しています。

会場には作品と同じ形の窓があったり、ベンチにゴブラン織を張ってあったりして、
雰囲気を盛り上げています。

ヘリット・ダウ 「夕食の食卓を片付ける女性」 1655-60年
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蝋燭の光で食卓の前に立つ女性のところにランタンを手にした女の子が手紙を
届けに来ます。
ヘリット・ダウはレンブラントの弟子で、細密な描写で光を効果的に使って
日常の情景を物語風に描いています。

4.静物画

静物画も富裕な市民に好まれる題材となります。

ヤン・ブリューゲル(父)の工房 「ガラスの花瓶に生けた花」 
1610-25年頃

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小品で、咲く季節の異なる花を集めているとのことです。
静物画を室内装飾として楽しんでいることが分かります。

5.地誌と風景画

フランドルではスペインからの独立戦争で逃れた人たちが故郷を振り返るための
風景画が描かれます。
地平線を高く取った、世界風景といわれるグループです。
オランダでは海への進出に伴い、水平線を低く取った広々とした海景が描かれます。

ルーカス・ファン・ファルケンボルヒ 「凍ったスヘルデ川とアントワープの景観」
 1593年

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真冬の川辺の情景で、遠くにアントワープの街並みが見えます。
氷の上で派手に転んでいる人もいます。
アントワープは独立戦争では1585年にスペイン軍に降伏しています。

ウィレム・ファン・デ・フェルデ(子)(工房共作) 「穏やかな海」 1660年頃
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風も凪いだ海に大きな外洋船が停泊しています。
いかにもオランダの海景画らしい、広々と空と雲の描かれた作品です。

ヤーコプ・ファン・ロイスダール 「滝のある森の風景と接近する嵐」 1655年頃
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滝は流れ、人家に灯が点り、木々はざわめき、雲が沸き起こっています。
劇的な雰囲気のある風景画です。
ヤーコプ・ファン・ロイスダールの作品は5点展示されています。

サロモン・ファン・ロイスダール 「渡し船のある川の風景」 1664年
牛を乗せた渡し船が川に浮かび、木々の向こうに教会の見える穏やかな風景です。
サロモン・ファン・ロイスダールはヤーコプ・ファン・ロイスダールの伯父で、
ともに風景画を得意としています。

17世紀オランダ・フランドル地方は市民階級の興隆と共に、現在の我々と
同じような画題が好まれるようになった時代なので、観ていて親しみが持てます。

私が行ったのは3月6日の日曜日の開館時間の少し後でしたが、会場はすでに
かなりのお客さんが入っていました。
人気の高い展覧会なので、早めに行かれることをお奨めします。


【2011/03/08 00:29】 美術館・博物館 | トラックバック(3) | コメント(0) |
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Author:chariot
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