三越前
日本橋の三井記念美術館では「日本美術にみる橋ものがたり」展が開かれています。
日本橋架橋百年記念特別展で、副題は「天橋立から日本橋まで」となっています。
会期は9月4日(日)までです。

約120点が以下の部門別に展示されています。
会期中かなりの展示替えがありますので、展覧会のHPに載っている出展目録を
ご参照下さい。
1.工芸に見る 橋の意匠
2.橋にちなんだ茶道具の取り合わせ
3-1.神仏の橋 この世とあの世の架け橋
3-2.神仏の橋 聖俗境界の橋
3-3.名所・文学の橋
4.諸国の橋
5.橋の番付 日本大橋尽くし
6.京の橋
7.江戸の橋
1.工芸に見る 橋の意匠
「色絵柳橋図水指」 野々村仁清作 江戸時代・17世紀 湯木美術館

丸亀京極家に伝わった品です。
赤と緑の縞になった橋桁は面白い意匠です。
丸亀京極家はやはり仁清作の重要文化財、「色絵鳳凰文共蓋壷」も
所蔵していました。
「志野茶碗 銘 住吉」 桃山時代・16-17世紀
浅い茶碗で、胴に軽く反橋のようなものが描かれています。
反橋の描かれた志野茶碗は大阪の住吉大社の太鼓橋にちなんで
住吉手と呼ばれています。
この展覧会では3点が展示されています。
「八橋蒔絵硯箱」 桃山時代・16世紀 サントリー美術館

8月7日までの展示です。
八橋と杜若が描かれ、伊勢物語の在原業平の東下りの段を想像させます。
「志野茶碗 銘 橋姫」 桃山時代・16-17世紀 東京国立博物館

「住吉」に比べ、かなり背の高い茶碗です。
片側に橋、片側に屋形のようなものがあっさりと描かれています。
橋姫は橋の守り神で、宇治橋などに祀られていました。
古今集の詠み人知らずの歌に橋姫を詠った歌があります。
さむしろに衣かたしき今宵もや 我をまつらん宇治の橋姫
2.橋にちなんだ茶道具の取り合わせ
美術館の中に再現した茶室、如庵に置かれています。
「寸松庵色紙」 平安時代・11世紀 三井記念美術館
小さな色紙で、紀友則の歌が書かれています。
あまのかはあさせしらなみたとりつゝ わたりはてぬにあけそしにける
「志野茶碗 銘 宇治橋」 桃山時代・16-17世紀
こちらは橋姫の祀られている宇治橋を銘にしています。
3-1.神仏の橋 天界・浄土とこの世の架け橋
「天橋立図」 雪舟筆 室町時代・15-16世紀 京都国立博物館 国宝

展示は7月21日まででした。
高い視点から見下ろした、ほぼ実景に近い景色ですが、一部は実景と
異なる加工もされているそうです。
部分的に朱も入った水墨で、広々とした空間を感じる画面です。
3-2.神仏の橋 聖俗境界の橋
「八坂法観寺塔絵図(八坂法観寺参詣曼荼羅)」 室町時代・15-16世紀
法観寺 重要文化財
8月7日までの展示です。
大きな掛け軸で、八坂の塔を中心とした東山の絵図です。
市中から霊地である東山に渡る鴨川に四条の橋、五条の橋が架かっています。
橋のたもとでは勧進聖が柄杓やざるを差し出して、渡る人から銭を取っています。
こうして集めた銭で橋を架けたり、修理していたそうです。
3-3.名所・文学の橋
「乗興舟(じょうきょうしゅう)」 伊藤若冲筆 江戸時代・18世紀 三井文庫

版木に紙を乗せ、墨を含んだたんぽで叩いて刷り出す、拓版画という技法に
よっています。
京都から大坂まで下る淀川の風景を墨で描いた版画絵巻です。
墨の黒によって川沿いの林、家並み、橋、などの情景がゆったりと大らかに
広がっています。
大倉集古館にも別の版が所蔵されています。
4.諸国の橋
諸国名橋奇覧「かうつけ佐野ふなはしの古づ」 葛飾北斎画
江戸時代・19世紀 太田記念美術館

8月7日までの展示です。
この画像は2010年に日本橋の「はいばらギャラリー」で開かれていた、
「北斎復刻版画展」に展示されていたものです。
上野国(群馬県)佐野に昔あった舟橋の図、という意味の題で、実景に基く絵では
ありません。
一面の雪景色の中に掛かる舟橋を、蓑笠にも雪をかぶって、馬を曳いた馬方や人が
心細げに渡って行きます。
雪を戴いた山の向こうの灰色の空は寒々としています。
「裁断橋擬宝珠」 江戸時代・元和9年(1623) 名古屋市博物館 市文化財
名古屋の精進川に架かっていた裁断橋の擬宝珠で、円筒部分に銘文が
刻まれています。
小田原の役に出陣して18歳で亡くなった堀尾金助の三十三回忌の供養のため、
母親が橋を架け替え、追悼の文を遺したものです。
「てんしやう十八ねん二月十八日おだはらへの御ぢん」に始まり、
「此かきつけを見る人念仏申給へや卅三年のくやう也」と結ぶ銘文は有名です。
堀尾金助は松江藩初代藩主、堀尾吉晴の子とされています。
人の往来以外に橋の果たしていた役割を伝えてくれる銘文です。
5.橋の番付 日本大橋尽くし
「日本大橋尽番付」 江戸時代・19世紀 三井文庫
日本全国の橋の長さのランキング表です。
東の大関は岡崎の矢矧橋、西は岩国の錦帯橋です。
この頃は大関が最高位でした。
6.京の橋
「洛中洛外図屏風(歴博D本)」 6曲1双 江戸時代・17世紀
国立歴史民俗博物館

8月7日までの展示です。
洛中洛外図には欠かせない祇園祭りの山鉾巡行も描かれています。

五条の橋を渡った先には豊臣秀吉の建立した方広寺の大伽藍が建っています。
その下では喧嘩の場面も見えます。
五条の橋自体が方広寺への参詣のために豊臣秀吉によって場所を移動しています。

7.江戸の橋
「東海道五十三次 日本橋(狂歌入東海道)」 広重画
江戸時代・19世紀 和泉市久保惣記念美術館

8月9日からの展示です。
五街道の起点、お江戸日本橋です。
毛槍を立てた大名行列が渡るところで、向こうに江戸城、遠くに富士山も見えます。
両国の江戸東京博物館には日本橋の北半分が実物大の木造で再現して架けられ、
渡ることも出来るようになっています。
この絵の右側に当たる部分です。
「日本橋と旧帝国製麻kk」 堀潔画 昭和10年(1935) 和泉市久保惣記念美術館

8月7日までの展示です。
旧帝国製麻のビルは赤レンガと銅板葺きのドームで目を惹く建物でしたが、
残念ながら解体されてしまいました。
向こうに日本銀行本店も見えます。
橋は聖と俗を分ける境にあり、そこには橋姫が祀られていたりします。
出会いの場でもあり、物語では五条の橋で牛若丸と弁慶が、矢作川の橋で
木下藤吉郎と蜂須賀小六が出会ったりしています。
文芸や美術とも関係の深い橋というものについての興味深い展覧会でした。
展示替えの後にまた観に行こうと思います。
展覧会のHPです。
現在の日本橋は1911年(明治44年)に完成しています。


橋の銘は15代将軍だった徳川慶喜が書いています。

ひら仮名の銘もあります。

照明灯を守る獅子と麒麟です。


ビルのシャッターには川瀬巴水の「夜明け 日本橋」が描いてありました。

chariot
日本橋の三井記念美術館では「日本美術にみる橋ものがたり」展が開かれています。
日本橋架橋百年記念特別展で、副題は「天橋立から日本橋まで」となっています。
会期は9月4日(日)までです。

約120点が以下の部門別に展示されています。
会期中かなりの展示替えがありますので、展覧会のHPに載っている出展目録を
ご参照下さい。
1.工芸に見る 橋の意匠
2.橋にちなんだ茶道具の取り合わせ
3-1.神仏の橋 この世とあの世の架け橋
3-2.神仏の橋 聖俗境界の橋
3-3.名所・文学の橋
4.諸国の橋
5.橋の番付 日本大橋尽くし
6.京の橋
7.江戸の橋
1.工芸に見る 橋の意匠
「色絵柳橋図水指」 野々村仁清作 江戸時代・17世紀 湯木美術館

丸亀京極家に伝わった品です。
赤と緑の縞になった橋桁は面白い意匠です。
丸亀京極家はやはり仁清作の重要文化財、「色絵鳳凰文共蓋壷」も
所蔵していました。
「志野茶碗 銘 住吉」 桃山時代・16-17世紀
浅い茶碗で、胴に軽く反橋のようなものが描かれています。
反橋の描かれた志野茶碗は大阪の住吉大社の太鼓橋にちなんで
住吉手と呼ばれています。
この展覧会では3点が展示されています。
「八橋蒔絵硯箱」 桃山時代・16世紀 サントリー美術館

8月7日までの展示です。
八橋と杜若が描かれ、伊勢物語の在原業平の東下りの段を想像させます。
「志野茶碗 銘 橋姫」 桃山時代・16-17世紀 東京国立博物館

「住吉」に比べ、かなり背の高い茶碗です。
片側に橋、片側に屋形のようなものがあっさりと描かれています。
橋姫は橋の守り神で、宇治橋などに祀られていました。
古今集の詠み人知らずの歌に橋姫を詠った歌があります。
さむしろに衣かたしき今宵もや 我をまつらん宇治の橋姫
2.橋にちなんだ茶道具の取り合わせ
美術館の中に再現した茶室、如庵に置かれています。
「寸松庵色紙」 平安時代・11世紀 三井記念美術館
小さな色紙で、紀友則の歌が書かれています。
あまのかはあさせしらなみたとりつゝ わたりはてぬにあけそしにける
「志野茶碗 銘 宇治橋」 桃山時代・16-17世紀
こちらは橋姫の祀られている宇治橋を銘にしています。
3-1.神仏の橋 天界・浄土とこの世の架け橋
「天橋立図」 雪舟筆 室町時代・15-16世紀 京都国立博物館 国宝

展示は7月21日まででした。
高い視点から見下ろした、ほぼ実景に近い景色ですが、一部は実景と
異なる加工もされているそうです。
部分的に朱も入った水墨で、広々とした空間を感じる画面です。
3-2.神仏の橋 聖俗境界の橋
「八坂法観寺塔絵図(八坂法観寺参詣曼荼羅)」 室町時代・15-16世紀
法観寺 重要文化財
8月7日までの展示です。
大きな掛け軸で、八坂の塔を中心とした東山の絵図です。
市中から霊地である東山に渡る鴨川に四条の橋、五条の橋が架かっています。
橋のたもとでは勧進聖が柄杓やざるを差し出して、渡る人から銭を取っています。
こうして集めた銭で橋を架けたり、修理していたそうです。
3-3.名所・文学の橋
「乗興舟(じょうきょうしゅう)」 伊藤若冲筆 江戸時代・18世紀 三井文庫

版木に紙を乗せ、墨を含んだたんぽで叩いて刷り出す、拓版画という技法に
よっています。
京都から大坂まで下る淀川の風景を墨で描いた版画絵巻です。
墨の黒によって川沿いの林、家並み、橋、などの情景がゆったりと大らかに
広がっています。
大倉集古館にも別の版が所蔵されています。
4.諸国の橋
諸国名橋奇覧「かうつけ佐野ふなはしの古づ」 葛飾北斎画
江戸時代・19世紀 太田記念美術館

8月7日までの展示です。
この画像は2010年に日本橋の「はいばらギャラリー」で開かれていた、
「北斎復刻版画展」に展示されていたものです。
上野国(群馬県)佐野に昔あった舟橋の図、という意味の題で、実景に基く絵では
ありません。
一面の雪景色の中に掛かる舟橋を、蓑笠にも雪をかぶって、馬を曳いた馬方や人が
心細げに渡って行きます。
雪を戴いた山の向こうの灰色の空は寒々としています。
「裁断橋擬宝珠」 江戸時代・元和9年(1623) 名古屋市博物館 市文化財
名古屋の精進川に架かっていた裁断橋の擬宝珠で、円筒部分に銘文が
刻まれています。
小田原の役に出陣して18歳で亡くなった堀尾金助の三十三回忌の供養のため、
母親が橋を架け替え、追悼の文を遺したものです。
「てんしやう十八ねん二月十八日おだはらへの御ぢん」に始まり、
「此かきつけを見る人念仏申給へや卅三年のくやう也」と結ぶ銘文は有名です。
堀尾金助は松江藩初代藩主、堀尾吉晴の子とされています。
人の往来以外に橋の果たしていた役割を伝えてくれる銘文です。
5.橋の番付 日本大橋尽くし
「日本大橋尽番付」 江戸時代・19世紀 三井文庫
日本全国の橋の長さのランキング表です。
東の大関は岡崎の矢矧橋、西は岩国の錦帯橋です。
この頃は大関が最高位でした。
6.京の橋
「洛中洛外図屏風(歴博D本)」 6曲1双 江戸時代・17世紀
国立歴史民俗博物館

8月7日までの展示です。
洛中洛外図には欠かせない祇園祭りの山鉾巡行も描かれています。

五条の橋を渡った先には豊臣秀吉の建立した方広寺の大伽藍が建っています。
その下では喧嘩の場面も見えます。
五条の橋自体が方広寺への参詣のために豊臣秀吉によって場所を移動しています。

7.江戸の橋
「東海道五十三次 日本橋(狂歌入東海道)」 広重画
江戸時代・19世紀 和泉市久保惣記念美術館

8月9日からの展示です。
五街道の起点、お江戸日本橋です。
毛槍を立てた大名行列が渡るところで、向こうに江戸城、遠くに富士山も見えます。
両国の江戸東京博物館には日本橋の北半分が実物大の木造で再現して架けられ、
渡ることも出来るようになっています。
この絵の右側に当たる部分です。
「日本橋と旧帝国製麻kk」 堀潔画 昭和10年(1935) 和泉市久保惣記念美術館

8月7日までの展示です。
旧帝国製麻のビルは赤レンガと銅板葺きのドームで目を惹く建物でしたが、
残念ながら解体されてしまいました。
向こうに日本銀行本店も見えます。
橋は聖と俗を分ける境にあり、そこには橋姫が祀られていたりします。
出会いの場でもあり、物語では五条の橋で牛若丸と弁慶が、矢作川の橋で
木下藤吉郎と蜂須賀小六が出会ったりしています。
文芸や美術とも関係の深い橋というものについての興味深い展覧会でした。
展示替えの後にまた観に行こうと思います。
展覧会のHPです。
現在の日本橋は1911年(明治44年)に完成しています。


橋の銘は15代将軍だった徳川慶喜が書いています。

ひら仮名の銘もあります。

照明灯を守る獅子と麒麟です。


ビルのシャッターには川瀬巴水の「夜明け 日本橋」が描いてありました。

三越前
日本橋三越向かいにある、「ミカド珈琲店日本橋本店」に行ってきました。
場所は中央区日本橋室町1-6-7です。

この前「ミカド」に行った時の記事はこちらです。
三井記念美術館で開かれている「日本美術にみる橋ものがたり」展に行った帰りに
寄りました。
お店には3階もあるので、初めて上がってみました。
2階より広く30席ほどで、ベランダ席もあります。


3階から2階を見たところです。

ケーキセット750円です。

シフォンケーキにはシロップが付いています。
こちらのお店の楽しみはBGMのビートルズの曲を聴くことです。
タックスマンが流れていました。
chariot
日本橋三越向かいにある、「ミカド珈琲店日本橋本店」に行ってきました。
場所は中央区日本橋室町1-6-7です。

この前「ミカド」に行った時の記事はこちらです。
三井記念美術館で開かれている「日本美術にみる橋ものがたり」展に行った帰りに
寄りました。
お店には3階もあるので、初めて上がってみました。
2階より広く30席ほどで、ベランダ席もあります。


3階から2階を見たところです。

ケーキセット750円です。

シフォンケーキにはシロップが付いています。
こちらのお店の楽しみはBGMのビートルズの曲を聴くことです。
タックスマンが流れていました。
上野
上野の東京国立博物館平成館では特別展、「空海と密教美術展」が開かれています。
会期は9月25日(日)までです。

弘法大師空海の伝えた真言密教の美術品、約100点の展示です。
展示品のほとんどが国宝、重要文化財という、信じられないような豪華な展覧会です。
展示品は以下の様に構成されています。
第一章 空海-日本密教の祖
第二章 入唐求法(にっとうぐほう)-密教受法と唐文化の吸収
第三章 密教胎動-神護寺・高野山・東寺
第四章 法灯-受け継がれる空海の息吹
仏像曼荼羅
第一章 空海-日本密教の祖
「聾瞽指帰(ろうごしいき)」 空海筆 平安時代 8~9世紀
和歌山・金剛峯寺 国宝

3人の人物の問答形式で、儒教、道教、仏教のうち、仏教が勝るとした論考で、
「三教指帰(さんごうしいき)」の原稿とされる文書です。
青年時代の空海が出家に当たっての決意を述べたものです。
全長12mのとても長い巻物になっていて、右肩上がりの書体で書かれています。
前から4行目に見える仮名乞児が仏教の優位を述べています。
脱字の加筆もあるとのことなので、弘法も筆の誤りは実際にあったようです。
第二章 入唐求法(にっとうぐほう)-密教受法と唐文化の吸収
空海は遣唐使に加わって唐に渡り、仏教の一派である密教を学んで日本に
もたらします。
「金念珠」 伝空海所持 唐時代 9世紀 和歌山・竜光院

7月30日までの展示です。
唐の順宗皇帝より賜ったとされ、細かい細工の金に瑪瑙、琥珀、珊瑚などを
あしらった、とても繊細で優美なお数珠です。
「密教法具」 空海請来 唐時代 9世紀 京都・東寺 国宝

密教の修法に欠かせない法具です。
五鈷杵(ごこしょ)と五鈷鈴(ごこれい)が金剛盤の上に置かれています。
空海の帰国に際し、師の恵果より授けられた品の一つとされています。
後醍醐天皇の有名な肖像画でも密教法具を手にしています。
「宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱(ほうそうげかりょうびんがまきえさっしばこ)」
平安時代 10世紀 京都・仁和寺 国宝

8月21日までの展示です。
乾漆製で、金銀の蒔絵で宝相華文と空想上の鳥の迦陵頻伽が描かれています。
空海の書写した密教法典を納める箱として醍醐天皇より下された品です。
とても優美な作りで、平安貴族の趣味が偲ばれます。
第三章 密教胎動-神護寺・高野山・東寺
密教を携え帰国した空海は神護寺に入って活動を始め、高野山に金剛峯寺を開き、
嵯峨天皇より東寺を賜ります。
「灌頂歴名(かんじょうれきめい)」 空海筆 平安時代 弘仁3年(812)
京都・神護寺 国宝
8月21日までの展示です。
密教入門の儀式である灌頂を授けた人たちの名前を記した空海自筆の手控えです。
天台宗を伝えた最澄も灌頂を受けており、名前が載っています。
泰範の名前も見えますが、泰範は最澄の弟子でありながらこの後は空海に従って
最澄の許に戻らず、最澄と空海の決別の原因の一つとなったとも言われています。
第四章 法灯-受け継がれる空海の息吹
空海没後の密教寺院の美術品です。
「両界曼荼羅図(西院曼荼羅図)」 平安時代 9世紀 京都・東寺 国宝
両界曼荼羅は密教の世界観を絵画化したもので、金剛界と胎蔵界から成っています。
金剛界

上部真中に描かれている大日如来です。

胎蔵界

中心部分は大日如来を中心に4体の如来、4体の菩薩が描かれています。

胎蔵界は8月21日まで、金剛界は8月23日から9月25日までの展示です。
東寺の西院で用いられていた曼荼羅で、彩色曼荼羅では日本最古です。
諸仏の描き方が異国風で、唐で制作されたとの説もあります。
「蓮華虚空蔵菩薩(五大虚空蔵菩薩のうち)」 平安時代 9世紀
京都・神護寺 国宝

神護寺多宝塔に安置されている5体のうちの1体です。
お口が小さく、上品な顔立ちです。
細かく彫った宝冠の金色がよく残っています。
「阿弥陀如来および両脇侍像」 平安時代 仁和4年(888)
京都・仁和寺 国宝

仁和寺創建時に金堂に祀られた三尊です。
柔らかな姿、表情はやがて11世紀に完成する和様彫刻に発展していくとのことです。
「五大明王像(大威徳)」 平安時代 10世紀 京都・醍醐寺 重要文化財

揃って展示されている五大明王のうちの1体です。
大威徳明王を乗せている水牛がとても可愛く作られているのも見所です。
水牛はヒンドゥー教の死の神、ヤマ神を表し、ヤマは閻魔大王ともなります。
通常は大威徳に調伏されて座っていますが、立っている姿は珍しいとのことです。
醍醐寺では毎年2月にこの五大明王を本尊にして、五大力尊仁王会(五大力さん)の
大法会が行なわれています。
「如意輪観音菩薩坐像」 平安時代 9世紀 京都・醍醐寺 重要文化財

元は水神を祀る上醍醐の清滝宮に安置されていました。
宝珠や法輪、蓮、数珠を持ったりと忙しくしながら、頬杖をついて安らかな表情です。
体をやや傾けた姿は柔らかく自然で、二つある光背の上の方も傾けてあるのが
目を惹きます。
仏像曼荼羅
東寺講堂には大日如来を中心にして21体の仏像が安置され、立体曼荼羅とも
呼ばれています。
空海没後間もない承和6年(839)の制作で、引き締まって堂々とした姿の諸仏です。
会場にはこのうち、国宝の8体が展示され、曼荼羅の世界を再現しています。
画像はチラシにも使われています。
この諸仏と比べると、同じ9世紀でも少し後の時期の他の仏像にすでに柔らかみが
表れているのは面白いところです。
国宝、重要文化財揃いとあってどの仏像、書跡、工芸品も興味深く、なかなか
全部観終わることが出来ませんでした。
とても人気のある展覧会で、休日の朝一番に行きましたが、もうかなりのお客さんが
入っていました。
会期中、頻繁に展示替えがありますので、展覧会のHPに載っている全展示作品の
リストを事前に確認しておかれると良いでしょう。
展覧会のHPです。
chariot
上野の東京国立博物館平成館では特別展、「空海と密教美術展」が開かれています。
会期は9月25日(日)までです。

弘法大師空海の伝えた真言密教の美術品、約100点の展示です。
展示品のほとんどが国宝、重要文化財という、信じられないような豪華な展覧会です。
展示品は以下の様に構成されています。
第一章 空海-日本密教の祖
第二章 入唐求法(にっとうぐほう)-密教受法と唐文化の吸収
第三章 密教胎動-神護寺・高野山・東寺
第四章 法灯-受け継がれる空海の息吹
仏像曼荼羅
第一章 空海-日本密教の祖
「聾瞽指帰(ろうごしいき)」 空海筆 平安時代 8~9世紀
和歌山・金剛峯寺 国宝

3人の人物の問答形式で、儒教、道教、仏教のうち、仏教が勝るとした論考で、
「三教指帰(さんごうしいき)」の原稿とされる文書です。
青年時代の空海が出家に当たっての決意を述べたものです。
全長12mのとても長い巻物になっていて、右肩上がりの書体で書かれています。
前から4行目に見える仮名乞児が仏教の優位を述べています。
脱字の加筆もあるとのことなので、弘法も筆の誤りは実際にあったようです。
第二章 入唐求法(にっとうぐほう)-密教受法と唐文化の吸収
空海は遣唐使に加わって唐に渡り、仏教の一派である密教を学んで日本に
もたらします。
「金念珠」 伝空海所持 唐時代 9世紀 和歌山・竜光院

7月30日までの展示です。
唐の順宗皇帝より賜ったとされ、細かい細工の金に瑪瑙、琥珀、珊瑚などを
あしらった、とても繊細で優美なお数珠です。
「密教法具」 空海請来 唐時代 9世紀 京都・東寺 国宝

密教の修法に欠かせない法具です。
五鈷杵(ごこしょ)と五鈷鈴(ごこれい)が金剛盤の上に置かれています。
空海の帰国に際し、師の恵果より授けられた品の一つとされています。
後醍醐天皇の有名な肖像画でも密教法具を手にしています。
「宝相華迦陵頻伽蒔絵冊子箱(ほうそうげかりょうびんがまきえさっしばこ)」
平安時代 10世紀 京都・仁和寺 国宝

8月21日までの展示です。
乾漆製で、金銀の蒔絵で宝相華文と空想上の鳥の迦陵頻伽が描かれています。
空海の書写した密教法典を納める箱として醍醐天皇より下された品です。
とても優美な作りで、平安貴族の趣味が偲ばれます。
第三章 密教胎動-神護寺・高野山・東寺
密教を携え帰国した空海は神護寺に入って活動を始め、高野山に金剛峯寺を開き、
嵯峨天皇より東寺を賜ります。
「灌頂歴名(かんじょうれきめい)」 空海筆 平安時代 弘仁3年(812)
京都・神護寺 国宝
8月21日までの展示です。
密教入門の儀式である灌頂を授けた人たちの名前を記した空海自筆の手控えです。
天台宗を伝えた最澄も灌頂を受けており、名前が載っています。
泰範の名前も見えますが、泰範は最澄の弟子でありながらこの後は空海に従って
最澄の許に戻らず、最澄と空海の決別の原因の一つとなったとも言われています。
第四章 法灯-受け継がれる空海の息吹
空海没後の密教寺院の美術品です。
「両界曼荼羅図(西院曼荼羅図)」 平安時代 9世紀 京都・東寺 国宝
両界曼荼羅は密教の世界観を絵画化したもので、金剛界と胎蔵界から成っています。
金剛界

上部真中に描かれている大日如来です。

胎蔵界

中心部分は大日如来を中心に4体の如来、4体の菩薩が描かれています。

胎蔵界は8月21日まで、金剛界は8月23日から9月25日までの展示です。
東寺の西院で用いられていた曼荼羅で、彩色曼荼羅では日本最古です。
諸仏の描き方が異国風で、唐で制作されたとの説もあります。
「蓮華虚空蔵菩薩(五大虚空蔵菩薩のうち)」 平安時代 9世紀
京都・神護寺 国宝

神護寺多宝塔に安置されている5体のうちの1体です。
お口が小さく、上品な顔立ちです。
細かく彫った宝冠の金色がよく残っています。
「阿弥陀如来および両脇侍像」 平安時代 仁和4年(888)
京都・仁和寺 国宝

仁和寺創建時に金堂に祀られた三尊です。
柔らかな姿、表情はやがて11世紀に完成する和様彫刻に発展していくとのことです。
「五大明王像(大威徳)」 平安時代 10世紀 京都・醍醐寺 重要文化財

揃って展示されている五大明王のうちの1体です。
大威徳明王を乗せている水牛がとても可愛く作られているのも見所です。
水牛はヒンドゥー教の死の神、ヤマ神を表し、ヤマは閻魔大王ともなります。
通常は大威徳に調伏されて座っていますが、立っている姿は珍しいとのことです。
醍醐寺では毎年2月にこの五大明王を本尊にして、五大力尊仁王会(五大力さん)の
大法会が行なわれています。
「如意輪観音菩薩坐像」 平安時代 9世紀 京都・醍醐寺 重要文化財

元は水神を祀る上醍醐の清滝宮に安置されていました。
宝珠や法輪、蓮、数珠を持ったりと忙しくしながら、頬杖をついて安らかな表情です。
体をやや傾けた姿は柔らかく自然で、二つある光背の上の方も傾けてあるのが
目を惹きます。
仏像曼荼羅
東寺講堂には大日如来を中心にして21体の仏像が安置され、立体曼荼羅とも
呼ばれています。
空海没後間もない承和6年(839)の制作で、引き締まって堂々とした姿の諸仏です。
会場にはこのうち、国宝の8体が展示され、曼荼羅の世界を再現しています。
画像はチラシにも使われています。
この諸仏と比べると、同じ9世紀でも少し後の時期の他の仏像にすでに柔らかみが
表れているのは面白いところです。
国宝、重要文化財揃いとあってどの仏像、書跡、工芸品も興味深く、なかなか
全部観終わることが出来ませんでした。
とても人気のある展覧会で、休日の朝一番に行きましたが、もうかなりのお客さんが
入っていました。
会期中、頻繁に展示替えがありますので、展覧会のHPに載っている全展示作品の
リストを事前に確認しておかれると良いでしょう。
展覧会のHPです。
横浜
カフェ「YUTORI NO KUKAN 横浜ベイクォーター店」は横浜ベイクォーターの
3階にあります。
場所は神奈川区金港町1-10です。

40席ほどの店内は全席禁煙で、白でまとめられてすっきりしています。

栗原はるみさんプロデュースのお店で、入口側には商品の販売コーナーもあります。

女性率のとても高いお店ですが、休日のお昼時に行ったので子供連れの
お客さんも多くいました。
すぐ満席状態になり、さすがにゆとりの空間とはいきませんでした。
ランチにはいろいろなセットがあり、どれも美味しそうです。

ハヤシライス卵のせセット1395円です。

ハヤシライスは穏やかな味で、卵はとろりとしています。
味噌汁はほんのり胡麻の香りがしました。
コーヒーはやや苦味系です。

皆さん、楽しそうに食事をしていて、見ているこちらも何だか心が浮き立ちます。
chariot
カフェ「YUTORI NO KUKAN 横浜ベイクォーター店」は横浜ベイクォーターの
3階にあります。
場所は神奈川区金港町1-10です。

40席ほどの店内は全席禁煙で、白でまとめられてすっきりしています。

栗原はるみさんプロデュースのお店で、入口側には商品の販売コーナーもあります。

女性率のとても高いお店ですが、休日のお昼時に行ったので子供連れの
お客さんも多くいました。
すぐ満席状態になり、さすがにゆとりの空間とはいきませんでした。
ランチにはいろいろなセットがあり、どれも美味しそうです。

ハヤシライス卵のせセット1395円です。

ハヤシライスは穏やかな味で、卵はとろりとしています。
味噌汁はほんのり胡麻の香りがしました。
コーヒーはやや苦味系です。

皆さん、楽しそうに食事をしていて、見ているこちらも何だか心が浮き立ちます。
銀座
銀座の日動画廊で8月4日(木)まで、「第5回 夏の会展」が開かれています。
夏の会は、日動画廊の主催する昭和会展の受賞作家の中の中堅、若手の
具象系画家による企画展です。
出展作家は以下の19名です。
有吉宏朗、伊東賢、今井充俊、小木曽誠、柏本龍太、木津文哉、坂田哲也、
砂川啓介、陶山充、立石真希子、平澤篤、福田建之、堀晃、百瀬智宏、
柳田昭、山本桂右、山本大貴、山本雄三、渡邊榮一
木津文哉 「バンダ」 6号

鮮やかな紫色のバンダを細密に描いています。
背景や花器が無いので、ボタニカルアートのようです。
陶山充 「鳥の巣」 20号

鳥の巣とトウモロコシかサトウキビの茎でしょうか。
色彩を省いて、快く乾いた画面です。
陶山さんは沖縄県の西表島に住んで制作しています。
福田建之 「春の彩り」 8号

福田建之さんは穏やかなフランスの農村風景を描いています。
日の光も強すぎず、柔らかです。
堀晃 「むかし話」
目が空ろになった化石のような魚が一匹、青い水の中を泳いでいます。
遠い時間を感じさせます。
堀さんの絵の特徴の小さな水滴も描き込まれています。
山本大貴 「明日への扉」 10号

昼の光と影が静かな雰囲気を生み出しています。
対象の質感も描き出し、銀のネックレス、ロウソクの光など細かい技も
見せています。
壁にかかっている絵はモンドリアンでしょうか、マーク・ロスコでしょうか。
絵の題名も気になります。
chariot
銀座の日動画廊で8月4日(木)まで、「第5回 夏の会展」が開かれています。
夏の会は、日動画廊の主催する昭和会展の受賞作家の中の中堅、若手の
具象系画家による企画展です。
出展作家は以下の19名です。
有吉宏朗、伊東賢、今井充俊、小木曽誠、柏本龍太、木津文哉、坂田哲也、
砂川啓介、陶山充、立石真希子、平澤篤、福田建之、堀晃、百瀬智宏、
柳田昭、山本桂右、山本大貴、山本雄三、渡邊榮一
木津文哉 「バンダ」 6号

鮮やかな紫色のバンダを細密に描いています。
背景や花器が無いので、ボタニカルアートのようです。
陶山充 「鳥の巣」 20号

鳥の巣とトウモロコシかサトウキビの茎でしょうか。
色彩を省いて、快く乾いた画面です。
陶山さんは沖縄県の西表島に住んで制作しています。
福田建之 「春の彩り」 8号

福田建之さんは穏やかなフランスの農村風景を描いています。
日の光も強すぎず、柔らかです。
堀晃 「むかし話」
目が空ろになった化石のような魚が一匹、青い水の中を泳いでいます。
遠い時間を感じさせます。
堀さんの絵の特徴の小さな水滴も描き込まれています。
山本大貴 「明日への扉」 10号

昼の光と影が静かな雰囲気を生み出しています。
対象の質感も描き出し、銀のネックレス、ロウソクの光など細かい技も
見せています。
壁にかかっている絵はモンドリアンでしょうか、マーク・ロスコでしょうか。
絵の題名も気になります。
白金台
カフェ「アーヴィング プレイス(Irving Place)」は地下鉄白金台駅から
外苑西通り(プラチナ通り)を10分ほど進んだ右側にあります。
場所は港区白金台4-6-44です。
特徴のある形をした建物で、木のある所はベランダ席です。


1階が花屋さんのビルの3階にあって、階段で上がります。

初め、お店が開いているか分からなくて花屋の店員さんに訊いたら、
3階まで上がって確かめてくれました。
2010年の3月に開店したお店で、「Irving Place」とはニューヨークにある
通りの名前だそうです。

店内は広くゆったりとしていて、ずっしりした雰囲気があります。


並んでいるケーキも重厚な感じです。

奥の部屋には趣きのあるシャンデリアが下がっています。

テラス席は緑に包まれています。

BGMの音は少し大きかったです。
ジャムホイップショートケーキと丸山コーヒーのセット1000円です。

丸山コーヒーは軽井沢に本店のあるコーヒー豆屋さんのコーヒーで、
フレンチプレスで淹れます。
店員さんによればアメリカンに近い軽めの味とのことで、すっきりとして
飲みやすいです。
ケーキは穏やかな味です。
プラチナ通りにふさわしいおしゃれなお店で、松岡美術館にも近く、
帰りに寄るのに便利です。
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カフェ「アーヴィング プレイス(Irving Place)」は地下鉄白金台駅から
外苑西通り(プラチナ通り)を10分ほど進んだ右側にあります。
場所は港区白金台4-6-44です。
特徴のある形をした建物で、木のある所はベランダ席です。


1階が花屋さんのビルの3階にあって、階段で上がります。

初め、お店が開いているか分からなくて花屋の店員さんに訊いたら、
3階まで上がって確かめてくれました。
2010年の3月に開店したお店で、「Irving Place」とはニューヨークにある
通りの名前だそうです。

店内は広くゆったりとしていて、ずっしりした雰囲気があります。


並んでいるケーキも重厚な感じです。

奥の部屋には趣きのあるシャンデリアが下がっています。

テラス席は緑に包まれています。

BGMの音は少し大きかったです。
ジャムホイップショートケーキと丸山コーヒーのセット1000円です。

丸山コーヒーは軽井沢に本店のあるコーヒー豆屋さんのコーヒーで、
フレンチプレスで淹れます。
店員さんによればアメリカンに近い軽めの味とのことで、すっきりとして
飲みやすいです。
ケーキは穏やかな味です。
プラチナ通りにふさわしいおしゃれなお店で、松岡美術館にも近く、
帰りに寄るのに便利です。
御茶ノ水
駿河台の明治大学博物館では、「漆器展」が開かれています。
会期は7月31日(日)までです。



明治大学創立130周年記念博物館特別展ということで、「文理融合型研究から
見えてきた―漆の過去・現在・未来―」という副題が付いています。
会場入口には徳川家の紋所の入った長持が置いてあります。

展覧会では約130点が展示されています。
1.神秘の物質を科学する ―漆の科学分析―
漆の標本です。
2.人はなぜ漆を使うのか? ―縄文時代の漆文化―
漆の歴史は古く、9000年前には使われていたらしく、縄文前期、紀元前3000~
4000年には出土品が増えています。
漆の木の栽培、漆の加熱、精製、顔料添加、固化の時間や環境の考慮、
余剰分の貯蔵という作業は従来の狩猟・採集といった縄文時代のイメージと
かなり異なるということです。
「彩色浅鉢型土器」

土器の多くは漆で彩色されていました。
縄文後期には籠の粘土で目止めをして、漆をかける籃胎漆器も現れます。
3.歴史の中の漆器
法隆寺の玉虫厨子は伝世品では日本最古の漆器です。
平安時代は五位以上の者は黒塗り、三位以上は朱塗りの漆器と、身分によって
漆器の種類も違っていました。
安土桃山時代には城郭建築に漆が多用されます。
松本城などの黒い板壁は黒漆を塗ったものです。
高台寺蒔絵も制作されています。
「伝大坂城金箔桐文軒丸瓦」

豊臣家の桐紋の入った軒丸瓦に漆を塗り、金箔を貼っていました。
4.アジアに広がる漆文化
漆文化は東アジアに特有です。
それも地域によって漆の種類や性質が異なり、日本・朝鮮・中国、タイ・ミャンマー、
ベトナム、ラオスなどに分かれるそうです。
「朱漆花文堆起漆供物器」 ミャンマー

高さ70cmの大きな器で、パゴダの形をしています。
5.今われわれは? ―漆器の現在―
輪島塗、津軽塗、春慶塗などの伝統工芸や現代漆器、合成漆器の展示です。
現代漆器は伝統的な装飾から離れ、漆そのものを強調する傾向にあるそうです。
6.漆利用の可能性を拓く ―次世代高機能材料としての漆開発―
明治大学バイオ資源化学研究所の開発した漆です。
ケイ素化合物を添加して固化速度を上げたハイブリッド漆や粒子を細かくして
光沢、硬度、耐水性を高めたナノ漆の製品の展示です。
漆はJapanとも呼ばれ、漆工芸は特に日本で発達しています。
その漆の現在の状況も知ることの出来る面白い展覧会でした。
平常展には考古部門や刑事部門があり、興味深い展示もあるので、
一緒にご覧になるとよいでしょう。
平常展は撮影可能です。

考古部門の展示です。
石器や土器、埴輪や古墳の副葬品などが展示されています。


刑事部門の展示です。
手前は江戸幕府による武家の統制法である武家諸法度、奥は江戸幕府の
基本法である公事方御定書です。

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駿河台の明治大学博物館では、「漆器展」が開かれています。
会期は7月31日(日)までです。



明治大学創立130周年記念博物館特別展ということで、「文理融合型研究から
見えてきた―漆の過去・現在・未来―」という副題が付いています。
会場入口には徳川家の紋所の入った長持が置いてあります。

展覧会では約130点が展示されています。
1.神秘の物質を科学する ―漆の科学分析―
漆の標本です。
2.人はなぜ漆を使うのか? ―縄文時代の漆文化―
漆の歴史は古く、9000年前には使われていたらしく、縄文前期、紀元前3000~
4000年には出土品が増えています。
漆の木の栽培、漆の加熱、精製、顔料添加、固化の時間や環境の考慮、
余剰分の貯蔵という作業は従来の狩猟・採集といった縄文時代のイメージと
かなり異なるということです。
「彩色浅鉢型土器」

土器の多くは漆で彩色されていました。
縄文後期には籠の粘土で目止めをして、漆をかける籃胎漆器も現れます。
3.歴史の中の漆器
法隆寺の玉虫厨子は伝世品では日本最古の漆器です。
平安時代は五位以上の者は黒塗り、三位以上は朱塗りの漆器と、身分によって
漆器の種類も違っていました。
安土桃山時代には城郭建築に漆が多用されます。
松本城などの黒い板壁は黒漆を塗ったものです。
高台寺蒔絵も制作されています。
「伝大坂城金箔桐文軒丸瓦」

豊臣家の桐紋の入った軒丸瓦に漆を塗り、金箔を貼っていました。
4.アジアに広がる漆文化
漆文化は東アジアに特有です。
それも地域によって漆の種類や性質が異なり、日本・朝鮮・中国、タイ・ミャンマー、
ベトナム、ラオスなどに分かれるそうです。
「朱漆花文堆起漆供物器」 ミャンマー

高さ70cmの大きな器で、パゴダの形をしています。
5.今われわれは? ―漆器の現在―
輪島塗、津軽塗、春慶塗などの伝統工芸や現代漆器、合成漆器の展示です。
現代漆器は伝統的な装飾から離れ、漆そのものを強調する傾向にあるそうです。
6.漆利用の可能性を拓く ―次世代高機能材料としての漆開発―
明治大学バイオ資源化学研究所の開発した漆です。
ケイ素化合物を添加して固化速度を上げたハイブリッド漆や粒子を細かくして
光沢、硬度、耐水性を高めたナノ漆の製品の展示です。
漆はJapanとも呼ばれ、漆工芸は特に日本で発達しています。
その漆の現在の状況も知ることの出来る面白い展覧会でした。
平常展には考古部門や刑事部門があり、興味深い展示もあるので、
一緒にご覧になるとよいでしょう。
平常展は撮影可能です。

考古部門の展示です。
石器や土器、埴輪や古墳の副葬品などが展示されています。


刑事部門の展示です。
手前は江戸幕府による武家の統制法である武家諸法度、奥は江戸幕府の
基本法である公事方御定書です。

牛込神楽坂
「モスバーガークラシック神楽坂店」は地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅そばの
大久保通り沿いにあります。
場所は新宿区岩戸町7です。

本格的なハンバーガーレストランで、モスグループでこのタイプのお店は
こちらだけです。
活気のあるお店で、シート席20、カウンター席10ほど、セルフ式ではありません。
奥の大きなディスプレイでは、音楽のプロモーションビデオを映していました。
カウンターに座ると、せっせとハンバーグやパンを焼く様子がよく見えます。
メニューはほとんどこのお店のオリジナルで、国産ビーフ100%とのことです。


アボカドバーガー950円とコーヒー300円です。

かぶりつくのをためらう大きさなので、ナイフとフォークで
いただくことにします。
ハンバーガーらしい、しっかりした美味しさです。
もっと食べやすいトーストサンドもあります。
元気の良いマスターによれば、今のような大きなハンバーガーを作るように
なったのは1999年からとのことです。
2012年4月追記
「モスバーガークラシック神楽坂店」は5月6日(日)の営業をもって閉店するそうです。
入居している物件の賃貸契約が終了するためで、移転などの予定は未定とのことです。
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「モスバーガークラシック神楽坂店」は地下鉄大江戸線牛込神楽坂駅そばの
大久保通り沿いにあります。
場所は新宿区岩戸町7です。

本格的なハンバーガーレストランで、モスグループでこのタイプのお店は
こちらだけです。
活気のあるお店で、シート席20、カウンター席10ほど、セルフ式ではありません。
奥の大きなディスプレイでは、音楽のプロモーションビデオを映していました。
カウンターに座ると、せっせとハンバーグやパンを焼く様子がよく見えます。
メニューはほとんどこのお店のオリジナルで、国産ビーフ100%とのことです。


アボカドバーガー950円とコーヒー300円です。

かぶりつくのをためらう大きさなので、ナイフとフォークで
いただくことにします。
ハンバーガーらしい、しっかりした美味しさです。
もっと食べやすいトーストサンドもあります。
元気の良いマスターによれば、今のような大きなハンバーガーを作るように
なったのは1999年からとのことです。
2012年4月追記
「モスバーガークラシック神楽坂店」は5月6日(日)の営業をもって閉店するそうです。
入居している物件の賃貸契約が終了するためで、移転などの予定は未定とのことです。
東京
東京駅の行幸地下ギャラリーでは、「アートアワードトーキョー丸の内2011」が
開かれています。
会期は7月31日(日)までです。

行幸地下ギャラリーは内堀り通りと東京駅をつなぐ200mの地下通路の両側を
ギャラリースペースとしたものです。


「アートアワードトーキョー丸の内」は9人の審査員が日本の美術大学・大学院の
卒業制作展の中から選抜して、ギャラリーで展示するものです。
今回で5回目で、30人の作品が展示され、グランプリやその他の賞が授与されています。
通路を歩きながら気軽に現在のさまざまのアートを鑑賞できる、面白い企画です。
「わたしの荒野」 小山真徳 東京藝術大学大学院 美術研究科絵画専攻
グランプリ

旗やら土産物やら雑多な物の並ぶ中に作者と思われる人が立っています。
放浪の旅の途中で集めたガラクタといった感じで、不思議なインパクトがあります。
小山さんは絵画専攻なので、後ろには自筆らしい絵がかかっています。

「老生」 今井悠子 京都造形芸術大学 美術工芸科日本画コース
準グランプリ・フランス大使館賞

老いをテーマに淡々と描いています。
「SCAFFOLDMAN 他」 小室貴裕
東京藝術大学大学院 美術研究科彫刻専攻 アッシュ・ペー・フランス賞

奇妙な、宇宙人のような形の人物たちです。
大久保如彌 武蔵野美術大学


装飾の意味を考えて制作しているとのことですが、装飾の心地良さを感じる作品です。
藤本絢子 京都造形芸術大学

金魚の模様が画面いっぱいに広がり、金魚の形が不確かなものになっています。
展覧会のHPです。
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東京駅の行幸地下ギャラリーでは、「アートアワードトーキョー丸の内2011」が
開かれています。
会期は7月31日(日)までです。

行幸地下ギャラリーは内堀り通りと東京駅をつなぐ200mの地下通路の両側を
ギャラリースペースとしたものです。


「アートアワードトーキョー丸の内」は9人の審査員が日本の美術大学・大学院の
卒業制作展の中から選抜して、ギャラリーで展示するものです。
今回で5回目で、30人の作品が展示され、グランプリやその他の賞が授与されています。
通路を歩きながら気軽に現在のさまざまのアートを鑑賞できる、面白い企画です。
「わたしの荒野」 小山真徳 東京藝術大学大学院 美術研究科絵画専攻
グランプリ

旗やら土産物やら雑多な物の並ぶ中に作者と思われる人が立っています。
放浪の旅の途中で集めたガラクタといった感じで、不思議なインパクトがあります。
小山さんは絵画専攻なので、後ろには自筆らしい絵がかかっています。

「老生」 今井悠子 京都造形芸術大学 美術工芸科日本画コース
準グランプリ・フランス大使館賞

老いをテーマに淡々と描いています。
「SCAFFOLDMAN 他」 小室貴裕
東京藝術大学大学院 美術研究科彫刻専攻 アッシュ・ペー・フランス賞

奇妙な、宇宙人のような形の人物たちです。
大久保如彌 武蔵野美術大学


装飾の意味を考えて制作しているとのことですが、装飾の心地良さを感じる作品です。
藤本絢子 京都造形芸術大学

金魚の模様が画面いっぱいに広がり、金魚の形が不確かなものになっています。
展覧会のHPです。
東京
丸の内オアゾ内の丸善丸の内本店4階ギャラリーでは、「~アートで旅するヨーロッパ~
笹倉鉄平展」が開かれています。
会期は7月26日(火)までです。
笹倉鉄平さん(1954~)はヨーロッパの風景を描いて人気のある作家です。
作品は光にあふれて明るく、クリスマスのような楽しい情景です。
今回はイギリス、フランス、スイス、イタリア、スペインなどを描いた作品の版画、
約50点や小品のアクリル画も数点を展示しています。
「月の光に」

チェコのチェスキー・クルムロフという小さな町の広場です。
人びとの集う広場は明るく輝き、幸福な時間が流れています。
会場には、笹倉さんが東日本大震災後に描いた、盛岡の石割桜のパステル画も
展示されています。
地震に負けないようにとの思いで、大きな石を割って咲く桜を描いたとのことです。
24日(日)午後2時から3時まで笹倉さんのサイン会が開かれます。
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丸の内オアゾ内の丸善丸の内本店4階ギャラリーでは、「~アートで旅するヨーロッパ~
笹倉鉄平展」が開かれています。
会期は7月26日(火)までです。
笹倉鉄平さん(1954~)はヨーロッパの風景を描いて人気のある作家です。
作品は光にあふれて明るく、クリスマスのような楽しい情景です。
今回はイギリス、フランス、スイス、イタリア、スペインなどを描いた作品の版画、
約50点や小品のアクリル画も数点を展示しています。
「月の光に」

チェコのチェスキー・クルムロフという小さな町の広場です。
人びとの集う広場は明るく輝き、幸福な時間が流れています。
会場には、笹倉さんが東日本大震災後に描いた、盛岡の石割桜のパステル画も
展示されています。
地震に負けないようにとの思いで、大きな石を割って咲く桜を描いたとのことです。
24日(日)午後2時から3時まで笹倉さんのサイン会が開かれます。
六本木
「ハーブス(HARBS) 六本木ヒルズ店 」は六本木ヒルズ ヒルサイドの1階にあります。
場所は港区六本木6-10-2です。
エスカレーターを囲んでL字形のお店は40席ほどで、テラス席もあります。


全席禁煙で、茶色でまとめた店内は落着いた雰囲気です。
5年前の開店とのことで、六本木ヒルズよりは新しいそうです。
ハーブスの特徴の籐の椅子もあります。

ランチのサンドイッチにはエビバーグ、クロックムッシュ、オムレツ、B.L.T.があります。

B.L.T.サンドのランチセット1300円です。

そのままかぶりつくのが本来の食べ方ということですが、とても敵いそうにないので、
ナイフとフォークで美味しくいただきました。
ハーフサイズのケーキはミルクレープかチョコレートケーキを選べるので、
評判の良いというミルクレープにしました。
ハーブスのケーキは大きくて有名なので、ハーフサイズでも食べ応えがあります。
コーヒーはやや苦味系ですっきりしています。

カップはフランスのPILLIVUYT(ピルヴィ)です。
日曜日の昼少し過ぎに入りましたが、すぐに満席になりました。
六本木ヒルズは広くて迷ってしまいそうですが、こちらは覚えておくと便利なお店です。
chariot
「ハーブス(HARBS) 六本木ヒルズ店 」は六本木ヒルズ ヒルサイドの1階にあります。
場所は港区六本木6-10-2です。
エスカレーターを囲んでL字形のお店は40席ほどで、テラス席もあります。


全席禁煙で、茶色でまとめた店内は落着いた雰囲気です。
5年前の開店とのことで、六本木ヒルズよりは新しいそうです。
ハーブスの特徴の籐の椅子もあります。

ランチのサンドイッチにはエビバーグ、クロックムッシュ、オムレツ、B.L.T.があります。

B.L.T.サンドのランチセット1300円です。

そのままかぶりつくのが本来の食べ方ということですが、とても敵いそうにないので、
ナイフとフォークで美味しくいただきました。
ハーフサイズのケーキはミルクレープかチョコレートケーキを選べるので、
評判の良いというミルクレープにしました。
ハーブスのケーキは大きくて有名なので、ハーフサイズでも食べ応えがあります。
コーヒーはやや苦味系ですっきりしています。

カップはフランスのPILLIVUYT(ピルヴィ)です。
日曜日の昼少し過ぎに入りましたが、すぐに満席になりました。
六本木ヒルズは広くて迷ってしまいそうですが、こちらは覚えておくと便利なお店です。