本郷三丁目
東京大学本郷キャンパスにある東京大学総合研究博物館本館では、「鰻博覧会
この不可思議なるもの」が開かれています。
会期は10月16日(日)までです。
入場は無料で、月曜日は休館です。

『ウナギの自然科学』
ウナギは東アジアに広く生息していますが、ウナギの産卵場所は長い間不明でした。
東京大学では研究船「白鳳丸」による40年にわたる海洋調査で、黒潮を遡りながら
より小さな仔魚を発見して行きました。
ついに2009年にマリアナ諸島の西の海底山脈の海域で31個の天然卵を発見し、
産卵場所を特定しました。
「白鳳丸」における大型プランクトンネットの曳網作業の様子です。

展示室には2011年に発見された百数十個の卵のうちの7個が展示されています。
このような発見の経緯を知ると、小さなガラス器に入った卵も宝石のように
見えてきます。
ウナギの卵からレプトセファルスへの生育過程です。

ウナギは夏の新月の時に産卵し、半透明の扁平な形のレプトセファルスに成長して、
ただように泳いで陸に向かいます。
生きたレプトセファルスは水槽の中で、ひらひらと泳いでいました。
陸に近づくと細長いシラスウナギになります。
川を遡って黄ウナギとなり、数年間棲み付きます。
秋の増水期に暗褐色の銀ウナギとなって川を下り、産卵場所に向かいます。
長い旅の後、夏の新月の夜を待って産卵すると、その生を終えます。
産卵期のウナギは餌を食べずに旅を続けるので、標本を見ると骨と皮ばかりの
干物のような姿をしています。
世界に分布する19種・亜種のウナギ属魚類の標本です。

ウナギ、オオウナギ、ヨーロッパウナギ、アメリカウナギなどがあります。
オオウナギは巨大で、長さ140cm、重さ12.5kgという標本も展示されていました。
『ウナギの社会科学』
日本人の消費しているウナギのほとんどは河口周辺で採集した天然のシラスウナギを
養殖したものです。
最近はシラスウナギが激減し、ウナギ養殖も危機的な状況にあります。
現在、卵の段階から人の手で育てた人口シラスウナギの生産についての研究が
進められており、成功すれば天然資源の保全に役立つと期待されています。
天然ウナギを引っ掛けて獲る、ウナギ掻きの道具です。

歌舞伎の「四谷怪談」の砂村穏亡堀の場で、鰻掻きに身をやつした直助権兵衛の
「どうせ終いは身を裂かれ」の言葉に、伊右衛門が「首が飛んでも動いて見せらあ」と
答える場面は有名です。
ウナギの生命力に掛けた名せりふです。
『ウナギの人文科学』
「見立五行 火 かがり火」(部分) 歌川国芳

かがり火漁で獲ったのでしょうか、ナマズやウナギが盥に入っています。
江戸時代末期、嘉永年間に刷られた鰻の蒲焼の相撲番付が展示されていました。
行事は大和田で、東の大関は糀町の丹波屋、西の大関は霊岸島の大黒屋です。
東前頭に浅草の前川、西前頭に明神下の神田川の名が見えます。
落語にも鰻はよく登場します。
士族の商法で失敗する「素人鰻」や、さえない太鼓持ちが鰻屋で客にだまされる
「鰻の幇間(たいこ)」などが有名です。
「鰻の幇間」は、流行らない鰻屋の二階の描写に味のある噺です。
展示室には8代目桂文楽の口座の録音が流されていました。
規模は小さいですが、日本人の生活に馴染みの深いウナギについて少し詳しくなれる、
いろいろと興味の湧く「博覧会」です。
「博覧会」のHPです。
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東京大学本郷キャンパスにある東京大学総合研究博物館本館では、「鰻博覧会
この不可思議なるもの」が開かれています。
会期は10月16日(日)までです。
入場は無料で、月曜日は休館です。

『ウナギの自然科学』
ウナギは東アジアに広く生息していますが、ウナギの産卵場所は長い間不明でした。
東京大学では研究船「白鳳丸」による40年にわたる海洋調査で、黒潮を遡りながら
より小さな仔魚を発見して行きました。
ついに2009年にマリアナ諸島の西の海底山脈の海域で31個の天然卵を発見し、
産卵場所を特定しました。
「白鳳丸」における大型プランクトンネットの曳網作業の様子です。

展示室には2011年に発見された百数十個の卵のうちの7個が展示されています。
このような発見の経緯を知ると、小さなガラス器に入った卵も宝石のように
見えてきます。
ウナギの卵からレプトセファルスへの生育過程です。

ウナギは夏の新月の時に産卵し、半透明の扁平な形のレプトセファルスに成長して、
ただように泳いで陸に向かいます。
生きたレプトセファルスは水槽の中で、ひらひらと泳いでいました。
陸に近づくと細長いシラスウナギになります。
川を遡って黄ウナギとなり、数年間棲み付きます。
秋の増水期に暗褐色の銀ウナギとなって川を下り、産卵場所に向かいます。
長い旅の後、夏の新月の夜を待って産卵すると、その生を終えます。
産卵期のウナギは餌を食べずに旅を続けるので、標本を見ると骨と皮ばかりの
干物のような姿をしています。
世界に分布する19種・亜種のウナギ属魚類の標本です。

ウナギ、オオウナギ、ヨーロッパウナギ、アメリカウナギなどがあります。
オオウナギは巨大で、長さ140cm、重さ12.5kgという標本も展示されていました。
『ウナギの社会科学』
日本人の消費しているウナギのほとんどは河口周辺で採集した天然のシラスウナギを
養殖したものです。
最近はシラスウナギが激減し、ウナギ養殖も危機的な状況にあります。
現在、卵の段階から人の手で育てた人口シラスウナギの生産についての研究が
進められており、成功すれば天然資源の保全に役立つと期待されています。
天然ウナギを引っ掛けて獲る、ウナギ掻きの道具です。

歌舞伎の「四谷怪談」の砂村穏亡堀の場で、鰻掻きに身をやつした直助権兵衛の
「どうせ終いは身を裂かれ」の言葉に、伊右衛門が「首が飛んでも動いて見せらあ」と
答える場面は有名です。
ウナギの生命力に掛けた名せりふです。
『ウナギの人文科学』
「見立五行 火 かがり火」(部分) 歌川国芳

かがり火漁で獲ったのでしょうか、ナマズやウナギが盥に入っています。
江戸時代末期、嘉永年間に刷られた鰻の蒲焼の相撲番付が展示されていました。
行事は大和田で、東の大関は糀町の丹波屋、西の大関は霊岸島の大黒屋です。
東前頭に浅草の前川、西前頭に明神下の神田川の名が見えます。
落語にも鰻はよく登場します。
士族の商法で失敗する「素人鰻」や、さえない太鼓持ちが鰻屋で客にだまされる
「鰻の幇間(たいこ)」などが有名です。
「鰻の幇間」は、流行らない鰻屋の二階の描写に味のある噺です。
展示室には8代目桂文楽の口座の録音が流されていました。
規模は小さいですが、日本人の生活に馴染みの深いウナギについて少し詳しくなれる、
いろいろと興味の湧く「博覧会」です。
「博覧会」のHPです。
高田馬場
「カフェ コットンクラブ」はJR高田馬場駅から早稲田通りを東に少し行った所にあります。
場所は新宿区高田馬場1-17-14です。



ラテン風の拵えで、吹き抜けになっていて、テラス席もあります。
1階の奥側と2階が禁煙席です。

お店の中には木も生えています。

店員さんによると、昔は地下のお店で、5、6年前に1階、2階部分を始めたそうです。
BGMはスローなジャズでした。
ランチは1000円です。

サラダが付きます。

スープ、ドリンク、デザートはカフェテリア方式で自分で取ります。

ぺペロンチーノSサイズです。

私にはSサイズでちょうど良い量で、ガーリックが効いています。
デザートはキャラメルプリンです。

お昼時で、お客さんが次々入って来ていました。
値段も手頃で、なかなか楽しいお店です。
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「カフェ コットンクラブ」はJR高田馬場駅から早稲田通りを東に少し行った所にあります。
場所は新宿区高田馬場1-17-14です。



ラテン風の拵えで、吹き抜けになっていて、テラス席もあります。
1階の奥側と2階が禁煙席です。

お店の中には木も生えています。

店員さんによると、昔は地下のお店で、5、6年前に1階、2階部分を始めたそうです。
BGMはスローなジャズでした。
ランチは1000円です。

サラダが付きます。

スープ、ドリンク、デザートはカフェテリア方式で自分で取ります。

ぺペロンチーノSサイズです。

私にはSサイズでちょうど良い量で、ガーリックが効いています。
デザートはキャラメルプリンです。

お昼時で、お客さんが次々入って来ていました。
値段も手頃で、なかなか楽しいお店です。
竹橋
竹橋の東京国立近代美術館では「イケムラレイコ うつりゆくもの」展が
開かれています。
会期は10月23日(日)までです。

イケムラレイコさん(1951~)は三重県出身で、1972年にスペインにわたり、
現在はケルンとベルリンを拠点に制作活動をしています。
日本では初の回顧展で、油彩画、彫刻、ドローイングなど、約145点の作品が
展示されています。
会場デザインはイケムラさんの展覧会を担当してきたフィリップ・フォン・マットです。
展示会場は以下の15の部屋に区切られています。
最近の作品から始まり、過去にさかのぼるように展示されていて、
少しずつイケムラさんの世界に入っていくようになっています。
作品の題名は掲示されておらず、制作年順の番号が付いているので、
目録を参照します。
会場では時々小さく音楽も聞こえてきます。
1:イントロダクション
2:新作:山水画
3:インターヴァル
4:横たわる人物像
5:写真
6:うみのけしき
7:樹
8:成長
9:本
10:ブラック・ペインティング
11:出現
12:アルプスのインディアン
13:80年代の作品
14:インターヴァル(これまでの展覧会)
15:新作:人物風景
1:イントロダクション
会場入口に油彩画とテラコッタを1点ずつ置いて、イントロダクションとしています。
2:新作:山水画
198 「真珠の女」 20010-11年 油彩、ジュート

イケムラさんと一緒に写って、チケットの写真になっています。
若い女性が真珠のような物を持っていますが、全身は青ざめ、肩には老婆、
あるいは死の顔を担いでいます。
若さと老い、生と死の重なりです。
展示されているイケムラさんの油彩画では一番新しい作品ですが、テーマは
”メメント・モリ(死を想え)”になっています。
イケムラさんの最近の作品は目の粗いジュートによく描かれています。
生地が透けて見えて、画面をぼんやりと不確かなものにしています。
また、額縁に入っていない作品がほとんどです。
タブローと周りとの境目を作らないためでしょうか。
207-211 「山水」 2010年 油彩、ジュート
鈍い金地に墨絵のような画面ですが、風景の一部は人や動物の姿になっています。
風景と生き物の境も不確かです。
3:インターヴァル
油彩画とテラコッタを1点ずつ展示しています。
4:横たわる人物像
この部屋の展示は印象的です。
照明を暗くし、壁を真黒にした部屋に6体のテラコッタの作品と2枚の油彩画が
展示されています。
赤が基調の油彩画は黒い壁に浮かび上がって見えます。
5体は横たわる少女の形で、スポットライトが当たっています。
120 「二羽の鳥をかかえた黄色い服」 1996年 テラコッタ、施釉

土偶のような素朴な姿で、肩に鳥を止まらせています。
133 「ミコに支えられて横たわる」 1998年 テラコッタ、施釉

テラコッタの像はどれも中が空ろに作られています。
部屋にはイケムラさんの言葉も掲示されています。
少女たちよ、大地に触れなさい
からだを横たえると
こちらの世界とあのよを
いききできるのです
5:写真
イケムラさん自身の撮った写真です。
6:うみのけしき
うみを描いた作品、4点の展示です。
143 「みずうみ」 2004年 油彩、キャンバス

水と空の境のあいまいな、茫々とした景色です。
7:樹
木を描いた油彩画1点と、赤いクレパスのドローイング17点です。
153 「red trees」 2009年 油彩、ジュート

緑の木を火のように赤く描いて、生命の力を見せています。
手前には水の景色も見えます。
8:成長
細長い部屋に2体のブロンズ像と9体のテラコッタ像が並んでいます。
どれもテラコッタの柔らかさ、温かさを感じます。
111 「キャベツ頭」 1994年 テラコッタ、施釉

頭がキャベツのような人物ですが、白菜に目鼻が付いているようにも見えます。
反対側の壁には大きく詩が書かれています。
遥かな過去から未来への時間、生成と死、夢と現実などについて語っています。
9:本
イケムラさんの作品集や詩集などの本が置かれていて、手に取って座って
見ることが出来ます。
「赤の中の青い人物像」 2007年 油彩、ジュート

人物たちが赤と青と黄で構成された画面におぼろげに浮かんでいます。
イケムラさんの作品は色彩を抑えて、画面に落着きと静けさを見せています。
10:ブラック・ペインティング
油彩画6点とブロンズ1点の展示です。
「4:横たわる人物像」と同じような系統の作品で、黒い画面の中に横たわっている
少女の姿がぼんやりと見えます。
125 「黒に浮かぶ」 1998-99年 油彩、キャンバス

題名の通り、この少女は浮かんでいるようにも見えます。
深い静けさを感じる作品です。
11:出現
木炭ドローイング、テンペラなどの作品です。
ユーモラスな雰囲気です。
12:アルプスのインディアン
1990年前後の風景画など、6点が展示されています。
アルプスのインディアンとは、ヨーロッパでのイケムラさん自身の存在を指すらしい
とのことです。
89 「滝」 1990年 アクリリック、キャンバス

艶を消した色彩で、滝と岩が荒々しく描かれています。
「山水」と同じく、やはり人の顔らしきものも見えます。
他の作品には雪舟の「秋冬山水図」の崖のようなものも描かれたりしています。
13:1980年代の作品
その頃欧米で盛んだった新表現主義の影響を受けている作品とのことで、
力強い野生的な描き方です。
13 「さかな」 1985年 アクリリック、キャンバス

木の実のような物を口にしている魚は白い絵具でぐいぐいと描かれています。
目鼻もしっかり付いて表情があり、物語的です。
14:インターヴァル(これまでの展覧会)
イケムラさんの作品を展示した展覧会の写真です。
15:新作:人物風景
2004年以降のテラコッタ、木炭ドローイング、油彩画の展示です。
199 「マンダリン」 2010年 油彩、キャンバス

マンダリンオレンジ色の画面で、山水画風ですが、風景の一部のような
女性の姿が見えます。
イケムラレイコさんは初期の表現主義的な画風から、物や時の「あわい」を見せる
独特のものに変わっています。
物の存在を明確に主張する風土の西洋にあって、東洋的、日本的な思想を
感じさせる作品が高い評価を得ているというのも興味深いことです。
展覧会のHPです。
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竹橋の東京国立近代美術館では「イケムラレイコ うつりゆくもの」展が
開かれています。
会期は10月23日(日)までです。

イケムラレイコさん(1951~)は三重県出身で、1972年にスペインにわたり、
現在はケルンとベルリンを拠点に制作活動をしています。
日本では初の回顧展で、油彩画、彫刻、ドローイングなど、約145点の作品が
展示されています。
会場デザインはイケムラさんの展覧会を担当してきたフィリップ・フォン・マットです。
展示会場は以下の15の部屋に区切られています。
最近の作品から始まり、過去にさかのぼるように展示されていて、
少しずつイケムラさんの世界に入っていくようになっています。
作品の題名は掲示されておらず、制作年順の番号が付いているので、
目録を参照します。
会場では時々小さく音楽も聞こえてきます。
1:イントロダクション
2:新作:山水画
3:インターヴァル
4:横たわる人物像
5:写真
6:うみのけしき
7:樹
8:成長
9:本
10:ブラック・ペインティング
11:出現
12:アルプスのインディアン
13:80年代の作品
14:インターヴァル(これまでの展覧会)
15:新作:人物風景
1:イントロダクション
会場入口に油彩画とテラコッタを1点ずつ置いて、イントロダクションとしています。
2:新作:山水画
198 「真珠の女」 20010-11年 油彩、ジュート

イケムラさんと一緒に写って、チケットの写真になっています。
若い女性が真珠のような物を持っていますが、全身は青ざめ、肩には老婆、
あるいは死の顔を担いでいます。
若さと老い、生と死の重なりです。
展示されているイケムラさんの油彩画では一番新しい作品ですが、テーマは
”メメント・モリ(死を想え)”になっています。
イケムラさんの最近の作品は目の粗いジュートによく描かれています。
生地が透けて見えて、画面をぼんやりと不確かなものにしています。
また、額縁に入っていない作品がほとんどです。
タブローと周りとの境目を作らないためでしょうか。
207-211 「山水」 2010年 油彩、ジュート
鈍い金地に墨絵のような画面ですが、風景の一部は人や動物の姿になっています。
風景と生き物の境も不確かです。
3:インターヴァル
油彩画とテラコッタを1点ずつ展示しています。
4:横たわる人物像
この部屋の展示は印象的です。
照明を暗くし、壁を真黒にした部屋に6体のテラコッタの作品と2枚の油彩画が
展示されています。
赤が基調の油彩画は黒い壁に浮かび上がって見えます。
5体は横たわる少女の形で、スポットライトが当たっています。
120 「二羽の鳥をかかえた黄色い服」 1996年 テラコッタ、施釉

土偶のような素朴な姿で、肩に鳥を止まらせています。
133 「ミコに支えられて横たわる」 1998年 テラコッタ、施釉

テラコッタの像はどれも中が空ろに作られています。
部屋にはイケムラさんの言葉も掲示されています。
少女たちよ、大地に触れなさい
からだを横たえると
こちらの世界とあのよを
いききできるのです
5:写真
イケムラさん自身の撮った写真です。
6:うみのけしき
うみを描いた作品、4点の展示です。
143 「みずうみ」 2004年 油彩、キャンバス

水と空の境のあいまいな、茫々とした景色です。
7:樹
木を描いた油彩画1点と、赤いクレパスのドローイング17点です。
153 「red trees」 2009年 油彩、ジュート

緑の木を火のように赤く描いて、生命の力を見せています。
手前には水の景色も見えます。
8:成長
細長い部屋に2体のブロンズ像と9体のテラコッタ像が並んでいます。
どれもテラコッタの柔らかさ、温かさを感じます。
111 「キャベツ頭」 1994年 テラコッタ、施釉

頭がキャベツのような人物ですが、白菜に目鼻が付いているようにも見えます。
反対側の壁には大きく詩が書かれています。
遥かな過去から未来への時間、生成と死、夢と現実などについて語っています。
9:本
イケムラさんの作品集や詩集などの本が置かれていて、手に取って座って
見ることが出来ます。
「赤の中の青い人物像」 2007年 油彩、ジュート

人物たちが赤と青と黄で構成された画面におぼろげに浮かんでいます。
イケムラさんの作品は色彩を抑えて、画面に落着きと静けさを見せています。
10:ブラック・ペインティング
油彩画6点とブロンズ1点の展示です。
「4:横たわる人物像」と同じような系統の作品で、黒い画面の中に横たわっている
少女の姿がぼんやりと見えます。
125 「黒に浮かぶ」 1998-99年 油彩、キャンバス

題名の通り、この少女は浮かんでいるようにも見えます。
深い静けさを感じる作品です。
11:出現
木炭ドローイング、テンペラなどの作品です。
ユーモラスな雰囲気です。
12:アルプスのインディアン
1990年前後の風景画など、6点が展示されています。
アルプスのインディアンとは、ヨーロッパでのイケムラさん自身の存在を指すらしい
とのことです。
89 「滝」 1990年 アクリリック、キャンバス

艶を消した色彩で、滝と岩が荒々しく描かれています。
「山水」と同じく、やはり人の顔らしきものも見えます。
他の作品には雪舟の「秋冬山水図」の崖のようなものも描かれたりしています。
13:1980年代の作品
その頃欧米で盛んだった新表現主義の影響を受けている作品とのことで、
力強い野生的な描き方です。
13 「さかな」 1985年 アクリリック、キャンバス

木の実のような物を口にしている魚は白い絵具でぐいぐいと描かれています。
目鼻もしっかり付いて表情があり、物語的です。
14:インターヴァル(これまでの展覧会)
イケムラさんの作品を展示した展覧会の写真です。
15:新作:人物風景
2004年以降のテラコッタ、木炭ドローイング、油彩画の展示です。
199 「マンダリン」 2010年 油彩、キャンバス

マンダリンオレンジ色の画面で、山水画風ですが、風景の一部のような
女性の姿が見えます。
イケムラレイコさんは初期の表現主義的な画風から、物や時の「あわい」を見せる
独特のものに変わっています。
物の存在を明確に主張する風土の西洋にあって、東洋的、日本的な思想を
感じさせる作品が高い評価を得ているというのも興味深いことです。
展覧会のHPです。
恵比寿
「ジャパニーズアイス櫻花(おうか)」はJR恵比寿駅を出て、駒沢通りの
恵比寿一丁目交差点を東に少し歩いた左側にあるアイスクリーム屋さんです。
場所は渋谷区恵比寿1-6-6です。

いろいろな種類のアイスクリームが並んでいます。

お店のカードにも輪違いの桜紋が描いてあります。

イートインはセルフ式で、カウンター席が10席ほどの小さなお店です。
BGMは陽気なカリブ音楽でした。

カップは380円、680円、1200円の3種類です。
1200円になるとさすがに巨大です。
380円のカップに、抹茶、かぼちゃ、かりんとうの3種類を入れてもらいました。

色の取り合わせが面白く、違った味を楽しめます。
かぼちゃは確かにかぼちゃの味がします。
口直しにウエハース代わりのお煎餅と塩昆布が付いていて、和風の気分です。
このお煎餅がなかなか良い味でした。
季節柄、お客さんが入れ替わりやって来て賑やかなお店です。
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「ジャパニーズアイス櫻花(おうか)」はJR恵比寿駅を出て、駒沢通りの
恵比寿一丁目交差点を東に少し歩いた左側にあるアイスクリーム屋さんです。
場所は渋谷区恵比寿1-6-6です。

いろいろな種類のアイスクリームが並んでいます。

お店のカードにも輪違いの桜紋が描いてあります。

イートインはセルフ式で、カウンター席が10席ほどの小さなお店です。
BGMは陽気なカリブ音楽でした。

カップは380円、680円、1200円の3種類です。
1200円になるとさすがに巨大です。
380円のカップに、抹茶、かぼちゃ、かりんとうの3種類を入れてもらいました。

色の取り合わせが面白く、違った味を楽しめます。
かぼちゃは確かにかぼちゃの味がします。
口直しにウエハース代わりのお煎餅と塩昆布が付いていて、和風の気分です。
このお煎餅がなかなか良い味でした。
季節柄、お客さんが入れ替わりやって来て賑やかなお店です。
東京
大丸東京店10階アートギャラリーでは、「梶田達二 海洋画展-希望の雄姿-」展が
8月30日(火)まで開かれています。
梶田達二さん(1936~)は航空機、汽車などのイラストで有名で、現在は帆船などを
描く海洋画家としても活躍しています。
会場には日本丸や海王丸などの帆船の他、蒸気機関車や風景を描いた作品も
展示されています。
「旭日満帆(初代日本丸)」 油彩 10号

初代日本丸は1930年に進水した航海練習船です。
朝日を受けて白い帆が輝いています。
1984年に退役し、現在は横浜ランドマークタワー横の日本丸メモリアルパークに
係留されています。
2010年に撮った写真です。
国際信号旗を掲げる満船飾がされています。

日本丸ではすべての帆を広げる総帆展帆や満船飾を定期的に行なっています。
スケジュールは帆船日本丸のHPに載っています。
「前途洋々(新日本丸)」 油彩 10号

新日本丸は1984年に就航しています。
総帆展帆した姿は青い空と白い雲に映えています。
2010年の5月に東京港の晴海埠頭で開かれた「第63回東京みなと祭」に参加した
新日本丸です。

空、海、太陽、雲、風、そしてその中を行く帆船を描く海洋画は観ていて清々しい
気持ちになります。
chariot
大丸東京店10階アートギャラリーでは、「梶田達二 海洋画展-希望の雄姿-」展が
8月30日(火)まで開かれています。
梶田達二さん(1936~)は航空機、汽車などのイラストで有名で、現在は帆船などを
描く海洋画家としても活躍しています。
会場には日本丸や海王丸などの帆船の他、蒸気機関車や風景を描いた作品も
展示されています。
「旭日満帆(初代日本丸)」 油彩 10号

初代日本丸は1930年に進水した航海練習船です。
朝日を受けて白い帆が輝いています。
1984年に退役し、現在は横浜ランドマークタワー横の日本丸メモリアルパークに
係留されています。
2010年に撮った写真です。
国際信号旗を掲げる満船飾がされています。

日本丸ではすべての帆を広げる総帆展帆や満船飾を定期的に行なっています。
スケジュールは帆船日本丸のHPに載っています。
「前途洋々(新日本丸)」 油彩 10号

新日本丸は1984年に就航しています。
総帆展帆した姿は青い空と白い雲に映えています。
2010年の5月に東京港の晴海埠頭で開かれた「第63回東京みなと祭」に参加した
新日本丸です。

空、海、太陽、雲、風、そしてその中を行く帆船を描く海洋画は観ていて清々しい
気持ちになります。
秋葉原・末広町
「カフェ&ダイニング 月夜のサアカス」は秋葉原近くの昭和通りと蔵前橋通りの
交差点横のビルの地下1階にあります。
場所は台東区上野5-1-6です。



地下にあるお店で、30席ほどの店内は全席禁煙で広くてゆったりしています。

こちらではいろいろな作家のイラストの原画の展示も行なわれています。
8月31日までは誕生石をテーマにした、SAKIZOの水彩原画が展示されています。

ランチセットは900円で、グリーンカレー、ハヤシライス、パスタ、生姜焼があります。

スープカレーはミルクベースで辛さは少なく、穏やかな味です。
コーヒーはとても大きなカップにたっぷり入っていて、飲みやすい味です。
カップはSTACCATOです。

クラシックなメイド服姿の若いお店の方はオーナーとのことで、3年前の開店で、
静かな雰囲気のお店をつくりたいとの気持ちから、「月夜のサアカス」と名付けた
そうです。
たしかに、落着いた感じで、近くの秋葉原の雰囲気とは少し趣きの異なるお店です。
お店のHPです。
chariot
「カフェ&ダイニング 月夜のサアカス」は秋葉原近くの昭和通りと蔵前橋通りの
交差点横のビルの地下1階にあります。
場所は台東区上野5-1-6です。



地下にあるお店で、30席ほどの店内は全席禁煙で広くてゆったりしています。

こちらではいろいろな作家のイラストの原画の展示も行なわれています。
8月31日までは誕生石をテーマにした、SAKIZOの水彩原画が展示されています。

ランチセットは900円で、グリーンカレー、ハヤシライス、パスタ、生姜焼があります。

スープカレーはミルクベースで辛さは少なく、穏やかな味です。
コーヒーはとても大きなカップにたっぷり入っていて、飲みやすい味です。
カップはSTACCATOです。

クラシックなメイド服姿の若いお店の方はオーナーとのことで、3年前の開店で、
静かな雰囲気のお店をつくりたいとの気持ちから、「月夜のサアカス」と名付けた
そうです。
たしかに、落着いた感じで、近くの秋葉原の雰囲気とは少し趣きの異なるお店です。
お店のHPです。
東京
丸の内オアゾ内の丸善丸の内本店4階ギャラリーでは、『中原淳一と「青い鳥」』展が
開かれています。
会期は8月30日(火)までです。

今年はメーテルリンクの「青い鳥」が日本で刊行されて100年ということで、
日本では150種類近くの訳本や絵本が刊行されているそうです。
中原淳一(1913~1983)は若い女性を描いて高い人気を得た、イラストレーター、
デザイナーですが、この物語を愛し、多くの挿絵や舞台衣装を描いています。
その原画や資料などを中心にした展示です。
「青い鳥」の物語は、幸福は自分の周りにあるものという教訓で有名ですが、
チルチルとミチルがさまざまの国をめぐって、世界や生と死、幸福についての
認識を深めるという遍歴物語です。
そこに登場する精霊やさまざまな幸福な人物の舞台衣装の原画はよく考えられた
お洒落なデザインです。
1930年に上野広小路の高級洋品店に勤めていた時にマッチ箱の中に作ったという、
「青い鳥」の舞台も展示されていました。
よほど「青い鳥」に思い入れが深かったのでしょう。
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丸の内オアゾ内の丸善丸の内本店4階ギャラリーでは、『中原淳一と「青い鳥」』展が
開かれています。
会期は8月30日(火)までです。

今年はメーテルリンクの「青い鳥」が日本で刊行されて100年ということで、
日本では150種類近くの訳本や絵本が刊行されているそうです。
中原淳一(1913~1983)は若い女性を描いて高い人気を得た、イラストレーター、
デザイナーですが、この物語を愛し、多くの挿絵や舞台衣装を描いています。
その原画や資料などを中心にした展示です。
「青い鳥」の物語は、幸福は自分の周りにあるものという教訓で有名ですが、
チルチルとミチルがさまざまの国をめぐって、世界や生と死、幸福についての
認識を深めるという遍歴物語です。
そこに登場する精霊やさまざまな幸福な人物の舞台衣装の原画はよく考えられた
お洒落なデザインです。
1930年に上野広小路の高級洋品店に勤めていた時にマッチ箱の中に作ったという、
「青い鳥」の舞台も展示されていました。
よほど「青い鳥」に思い入れが深かったのでしょう。
六本木1丁目
六本木の泉屋博古館分館では、「書斎の美術-明・清の玉・硝子・金工を中心に」展が
開かれています。
会期は9月25日(日)までです。

明清時代の工芸品は宮廷や文人の書斎で愛玩され、日本にも伝わって
明治大正時代の煎茶席では特に喜ばれています。
その後、抹茶が流行するとそれらの作品はやがて忘れられていったそうです。
その中から玉器・硝子器・金工品を中心にした作品の展示です。
鍍金魁星像 明時代

高さ29.1cmの、風神に似た姿の小像です。
魁の字は北斗七星の中の斗形をした四星を指すとのことです。
鬼が斗を持っていて、魁の字体を表しています。
持っている筆は文房の神を象徴しています。
魁(さきがけ)の意味から科挙試験を目指す者はその像を祀って、
一番の合格を祈願したそうです。
たしかに3本爪の足で雲の上を駆けています。
筆と斗を持つ姿は文房というより計量の神様のように見えます。
こんな面白い神様がいるのかと感心しました。
金錯花鳥文鉄小花瓶 明・宣徳年間

高さ約10cmの小さな花瓶で、チラシにも使われています。
唐草模様で囲った中に、鳳凰や牡丹が象嵌されています。
優美で、卓上に置いて愛でるのにふさわしい姿です。
金銀錯螭梁盉(ちりょうか) 清時代

中国戦国時代の、酒を入れる器の盉を写した作品です。
足は人面と鳥、注口は鳥、取っ手は獣と透かし彫りの蛇、
蓋にも鳥と猿といった、動物尽くしの造形です。
古代の形を写した明清時代の作品は怪異さが薄れて、
上品な仕上がりになっています。
文人の趣味を反映しているのでしょう。
花煙壷 清時代

花煙壷は中に煙草を詰めて香りを楽しむ、香水瓶のように小さな壷です。
いろいろの形をしていて、硝子、瑪瑙、琥珀、陶器、堆朱などで作られています。
日本には明治時代に入ってきて、煎茶席や書斎での鑑賞用に愛好されたそうです。
これは2種類の硝子を使った被せ硝子です。
花煙壷は50点、展示されています。
特別陳列として、内藤湖南旧蔵の明清時代の書跡5点も展示されています。
内藤湖南(1866-1934)は東洋学の著名な学者です。
乾隆帝 行書五言律詩 清・乾隆30年(1765年)
清の乾隆帝自詠の詩を書いたもので、チラシにも使われています。
老屋九秋静、の詩句で始まっていて、伸び伸びとした書風です。
書斎の道具は観ていて涼やかで、心も澄まされます。
このような品々に囲まれた書斎で静かに思索に耽ってみたいものです。
展覧会のHPです。
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六本木の泉屋博古館分館では、「書斎の美術-明・清の玉・硝子・金工を中心に」展が
開かれています。
会期は9月25日(日)までです。

明清時代の工芸品は宮廷や文人の書斎で愛玩され、日本にも伝わって
明治大正時代の煎茶席では特に喜ばれています。
その後、抹茶が流行するとそれらの作品はやがて忘れられていったそうです。
その中から玉器・硝子器・金工品を中心にした作品の展示です。
鍍金魁星像 明時代

高さ29.1cmの、風神に似た姿の小像です。
魁の字は北斗七星の中の斗形をした四星を指すとのことです。
鬼が斗を持っていて、魁の字体を表しています。
持っている筆は文房の神を象徴しています。
魁(さきがけ)の意味から科挙試験を目指す者はその像を祀って、
一番の合格を祈願したそうです。
たしかに3本爪の足で雲の上を駆けています。
筆と斗を持つ姿は文房というより計量の神様のように見えます。
こんな面白い神様がいるのかと感心しました。
金錯花鳥文鉄小花瓶 明・宣徳年間

高さ約10cmの小さな花瓶で、チラシにも使われています。
唐草模様で囲った中に、鳳凰や牡丹が象嵌されています。
優美で、卓上に置いて愛でるのにふさわしい姿です。
金銀錯螭梁盉(ちりょうか) 清時代

中国戦国時代の、酒を入れる器の盉を写した作品です。
足は人面と鳥、注口は鳥、取っ手は獣と透かし彫りの蛇、
蓋にも鳥と猿といった、動物尽くしの造形です。
古代の形を写した明清時代の作品は怪異さが薄れて、
上品な仕上がりになっています。
文人の趣味を反映しているのでしょう。
花煙壷 清時代

花煙壷は中に煙草を詰めて香りを楽しむ、香水瓶のように小さな壷です。
いろいろの形をしていて、硝子、瑪瑙、琥珀、陶器、堆朱などで作られています。
日本には明治時代に入ってきて、煎茶席や書斎での鑑賞用に愛好されたそうです。
これは2種類の硝子を使った被せ硝子です。
花煙壷は50点、展示されています。
特別陳列として、内藤湖南旧蔵の明清時代の書跡5点も展示されています。
内藤湖南(1866-1934)は東洋学の著名な学者です。
乾隆帝 行書五言律詩 清・乾隆30年(1765年)
清の乾隆帝自詠の詩を書いたもので、チラシにも使われています。
老屋九秋静、の詩句で始まっていて、伸び伸びとした書風です。
書斎の道具は観ていて涼やかで、心も澄まされます。
このような品々に囲まれた書斎で静かに思索に耽ってみたいものです。
展覧会のHPです。
元町・中華街 石川町
「ラ・テラス」は横浜のホテルニューグランドの本館1階にあるロビーラウンジです。

こじんまりとした広さのラウンジは青と茶でまとめられたクラシックな雰囲気で、
絨毯が敷いてあります。
案内された窓際の席からは明るい中庭を眺めることができます。


スコーンセット1680円です。

スコーンは温めてあり、割ってクリームや自家製のジャムを付けます。
フルーツも添えられていて、あれこれ楽しめました。
こちらは紅茶の美味しい所で、良い香りのする紅茶はお替りできます。
ケーキセット1312円のケーキです。

初めは他に誰もいませんでしたが、やがてお客さんたちが入ってきました。
由緒あるホテルのティータイムというのは、やはり気持ちの良いものです。
「ラ・テラス」のHPです。
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「ラ・テラス」は横浜のホテルニューグランドの本館1階にあるロビーラウンジです。

こじんまりとした広さのラウンジは青と茶でまとめられたクラシックな雰囲気で、
絨毯が敷いてあります。
案内された窓際の席からは明るい中庭を眺めることができます。


スコーンセット1680円です。

スコーンは温めてあり、割ってクリームや自家製のジャムを付けます。
フルーツも添えられていて、あれこれ楽しめました。
こちらは紅茶の美味しい所で、良い香りのする紅茶はお替りできます。
ケーキセット1312円のケーキです。

初めは他に誰もいませんでしたが、やがてお客さんたちが入ってきました。
由緒あるホテルのティータイムというのは、やはり気持ちの良いものです。
「ラ・テラス」のHPです。
六本木一丁目・神谷町
虎ノ門の大倉集古館では特別展、「美術に視る音色-描かれた楽器たち-」展が
開かれています。
会期は9月25日(日)までです。

絵の中に楽器の描かれた作品を集めた展示です。
「松に琴図」 狩野常信 江戸時代・18世紀

2幅の掛け軸の片方です。
松と琴の組合せでは平安時代の歌人、齋宮女御の歌を思い出します。
琴の音に峰の松風かよふらしいづれのをよりしらべそめけむ
平家物語の中の小督の逸話にも、「峰の嵐か松風か、尋ぬる人の琴の音か」
というくだりがあります。
黒田節の歌詞にも取り入れられている一節です。
もう片方の軸は「紅葉に琵琶横笛図」です。
琵琶は琵琶法師の語る平家物語、紅葉は建礼門院の篭った大原寂光院、
横笛は笛の名手で能の演目にもなっている平清経を表しているのでしょうか。
「百鬼夜行図」 6曲1双 右隻 原在中 江戸時代・18世紀

お化けの行進で、付喪神(つくもがみ)という、古道具が化けた妖怪が中心に
なっています。
琵琶が琴に縄を付けて引っ張っていたり、鉦が歩いていたりしています。


百鬼夜行図は大徳寺真珠庵所蔵の室町時代の作が最も古く、これを元に多くの絵が
描かれているということです。
お化けたちに愛嬌があり、観ていて怖さより楽しさを感じます。
「宮女奏楽図」 鈴木其一 天保2年(1831年)

扇面画の形で、宮中の女性たちが集まり、琴、琵琶、鼓、笙などによって楽を
奏しています。
「七夕」 6曲1双 鏑木清方 昭和4年(1929年)
左隻

七夕の竹飾り、瓜、徳利、香炉、桔梗、女郎花と共に五色の糸巻き、琴、筆と柏葉の
模様の着物がお供えされています。
着物の柄は梶や柏の葉に字を書いて供える風習を表しています。
裁縫、音楽、書道の上達を願う行事です。
左上に金銀の砂子で描かれた天の川を見上げる女性の着物は秋草の裾模様です。
右隻

水葵と朝顔の模様の着物姿の洗い髪の女性が縁台に腰掛け、白い芙蓉を
眺めています。
網に笹の裾模様の着物の女性は、かがんで針に糸を通しながら水鏡に映る
織姫と彦星を視ているところです。
江戸情緒と季節感にあふれた作品で、大倉財閥2代目の大倉喜七郎の援助により
1930年にローマで開かれた日本美術展覧会に出品されています。
この時の出品作には横山大観の「夜桜」や前田青邨の「洞窟の頼朝」などもあります。
同時開催で、「大倉喜七郎と邦楽-”幻の竪笛”オークラウロを中心に-」展も
開かれています。

大倉喜七郎は音楽にも造詣が深く、尺八とフルートを組合わせたオークラウロを
開発しています。
また、三味線音楽に西洋音楽の歌唱法を取り入れた大和楽(やまとがく)を考案
していて、大和楽は現在も演奏されています。
このオークラウロや大和楽関係の資料の展示です。
会場にはオークラウロによる演奏も流されていましたが、基本はフルートで、
風の響きの混じったような、柔らか味のある音色です。
邦楽の世界にこのような西洋音楽との融合を目指すいろいろの試みのあったことは
知りませんでした。
絵画では、現在の日本画は洋画の要素をかなり取り入れていますが、邦楽の主流は
伝統をそのまま残しているように思います。
日本画と邦楽の行き方の違いは何によるものだったのでしょうか。
展覧会のHPです。
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虎ノ門の大倉集古館では特別展、「美術に視る音色-描かれた楽器たち-」展が
開かれています。
会期は9月25日(日)までです。

絵の中に楽器の描かれた作品を集めた展示です。
「松に琴図」 狩野常信 江戸時代・18世紀

2幅の掛け軸の片方です。
松と琴の組合せでは平安時代の歌人、齋宮女御の歌を思い出します。
琴の音に峰の松風かよふらしいづれのをよりしらべそめけむ
平家物語の中の小督の逸話にも、「峰の嵐か松風か、尋ぬる人の琴の音か」
というくだりがあります。
黒田節の歌詞にも取り入れられている一節です。
もう片方の軸は「紅葉に琵琶横笛図」です。
琵琶は琵琶法師の語る平家物語、紅葉は建礼門院の篭った大原寂光院、
横笛は笛の名手で能の演目にもなっている平清経を表しているのでしょうか。
「百鬼夜行図」 6曲1双 右隻 原在中 江戸時代・18世紀

お化けの行進で、付喪神(つくもがみ)という、古道具が化けた妖怪が中心に
なっています。
琵琶が琴に縄を付けて引っ張っていたり、鉦が歩いていたりしています。


百鬼夜行図は大徳寺真珠庵所蔵の室町時代の作が最も古く、これを元に多くの絵が
描かれているということです。
お化けたちに愛嬌があり、観ていて怖さより楽しさを感じます。
「宮女奏楽図」 鈴木其一 天保2年(1831年)

扇面画の形で、宮中の女性たちが集まり、琴、琵琶、鼓、笙などによって楽を
奏しています。
「七夕」 6曲1双 鏑木清方 昭和4年(1929年)
左隻

七夕の竹飾り、瓜、徳利、香炉、桔梗、女郎花と共に五色の糸巻き、琴、筆と柏葉の
模様の着物がお供えされています。
着物の柄は梶や柏の葉に字を書いて供える風習を表しています。
裁縫、音楽、書道の上達を願う行事です。
左上に金銀の砂子で描かれた天の川を見上げる女性の着物は秋草の裾模様です。
右隻

水葵と朝顔の模様の着物姿の洗い髪の女性が縁台に腰掛け、白い芙蓉を
眺めています。
網に笹の裾模様の着物の女性は、かがんで針に糸を通しながら水鏡に映る
織姫と彦星を視ているところです。
江戸情緒と季節感にあふれた作品で、大倉財閥2代目の大倉喜七郎の援助により
1930年にローマで開かれた日本美術展覧会に出品されています。
この時の出品作には横山大観の「夜桜」や前田青邨の「洞窟の頼朝」などもあります。
同時開催で、「大倉喜七郎と邦楽-”幻の竪笛”オークラウロを中心に-」展も
開かれています。

大倉喜七郎は音楽にも造詣が深く、尺八とフルートを組合わせたオークラウロを
開発しています。
また、三味線音楽に西洋音楽の歌唱法を取り入れた大和楽(やまとがく)を考案
していて、大和楽は現在も演奏されています。
このオークラウロや大和楽関係の資料の展示です。
会場にはオークラウロによる演奏も流されていましたが、基本はフルートで、
風の響きの混じったような、柔らか味のある音色です。
邦楽の世界にこのような西洋音楽との融合を目指すいろいろの試みのあったことは
知りませんでした。
絵画では、現在の日本画は洋画の要素をかなり取り入れていますが、邦楽の主流は
伝統をそのまま残しているように思います。
日本画と邦楽の行き方の違いは何によるものだったのでしょうか。
展覧会のHPです。
目白
喫茶店「伴茶夢 (ばんちゃむ)」はJR目白駅を出て、目白通りを渡った所の
地下1階にあります。


バンチャムとはアラビア語でコーヒーやコーヒーの木のことを云うそうです。
かなり古風でウッディな雰囲気のお店で、浅草の「アンヂェラス」や神保町の
「ラドリオ」、本郷の「ルオー」などと似ています。


入口には新聞がたくさん取り揃えてあって、次々取り替えては読んでいる
お客さんがいました。
BGMはショパンでした。
メニューは豊富で、あんみつ、うどん、小倉トーストまであります。
モーニングのトーストセット450円です。

コーヒーは濃い目のキングアーサーかソフトなゴールデンを選びます。
キングアーサーはデミタスカップで、ずっしりとコクのある味です。
トーストには塩味のあるバターが塗ってあります。
モーニングには他にホットサンド500円、チーズトースト580円などがあります。

目白という町の雰囲気に馴染んだ、ゆったり落着けるお店です。
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喫茶店「伴茶夢 (ばんちゃむ)」はJR目白駅を出て、目白通りを渡った所の
地下1階にあります。


バンチャムとはアラビア語でコーヒーやコーヒーの木のことを云うそうです。
かなり古風でウッディな雰囲気のお店で、浅草の「アンヂェラス」や神保町の
「ラドリオ」、本郷の「ルオー」などと似ています。


入口には新聞がたくさん取り揃えてあって、次々取り替えては読んでいる
お客さんがいました。
BGMはショパンでした。
メニューは豊富で、あんみつ、うどん、小倉トーストまであります。
モーニングのトーストセット450円です。

コーヒーは濃い目のキングアーサーかソフトなゴールデンを選びます。
キングアーサーはデミタスカップで、ずっしりとコクのある味です。
トーストには塩味のあるバターが塗ってあります。
モーニングには他にホットサンド500円、チーズトースト580円などがあります。

目白という町の雰囲気に馴染んだ、ゆったり落着けるお店です。
新橋
新橋のパナソニック電工汐留ミュージアムでは、「濱田庄司スタイル展」が
開かれています。
会期は9月25日(日)までです。

陶芸家で民藝運動の提唱者の一人、濱田庄司(1894-1978)の生活のスタイルに
焦点を当てた展覧会で、約140点が展示されています。
1.濱田庄司とイギリス
1920年にイギリスに渡り、セント・アイヴスにバーナード・リーチと共に窯を築きます。
ロンドンの南のディッチリング村を訪ね、そこに住む工芸家と会って、「田舎の健康で
自由な生活というものにますます強く惹かれるようになった」ということです。
1924年に帰国し、栃木県の益子町に居住し、沖縄にも滞在します。
また、柳宗悦、河井寛次郎らと共に、庶民の日常雑器に美を見出す、「民藝運動」を
展開します。
会場には古代からの技法のスリップウェアを再現した作品や、15世紀のドイツで
開発された塩釉による作品などが展示されています。
スリップウェアは粘土と水を混ぜた化粧土(スリップ)で文様を描く技法です。
塩釉は燃焼中の窯に投げ込んで、生地の表面にガラス状の皮膜を作る技法です。
2.濱田庄司のモダニズム
1930年には益子町の近所の農家を移築を始め、改装して自分の好みに合った
住居や作業場とします。
今で言う、リノベーションです。
会場には収集した各国の陶器などの民芸品などが展示されています。
また、濱田庄司の好んだウインザーチェアや、チャールズ・イームズのデザインによる
ラウンジチェア・オットマンも展示されています。
チラシの手前に写っているのがそれです。
イームズから直接贈られた品とのことです。
黒革張りで、武骨なほどに堅牢で堂々としています。
濱田庄司は椅子について、「グッドデザインとされる物は首から上の仕事が勝ちすぎて
冷たくてそっけない」と述べています。
「蓋付書き物机(ビューロー)、ウインザーチェア」 イギリス 17世紀

川崎生まれの濱田は少年の頃に横浜で見たウインザーチェアに憧れを
持っていたそうです。
3.濱田家の食卓
いつも家族やお客で賑やかだったという濱田家の食卓で使われた、自作の
食器類が濱田のデザインしたダイニングテーブルと共に展示されています。
濱田流にアレンジしたイギリスのミートパイ、パースティのレシピもあります。
濱田庄司の特徴の、釉を柄杓で直線状にさっと掛ける流掛の大皿も2点、
展示されています。
思い切りの良い絵柄で、何とも豪快です。
流掛の作業が15秒ほどで終わるので、誰かが「早すぎて物足りなくないか。」と
訊いたところ、「15秒プラス60年と考えてはどうか。」と答え、側で聞いていた
バーナード・リーチを唸らせたということです。
会場で放映されている映像を見ると、流掛はいかにも手早く造作なく行なわれて
いますが、たしかにここに至るまでには60年の歳月が掛かっていたのでしょう。
「赤絵角皿」 1960年

赤絵は沖縄時代に取り入れた技法です。
これらの素朴なデザインの丈夫な食器や家具は喫茶店や料理店でも
良く使われているものです。
「民藝」は一つのスタイルとして、私たちの生活に溶け込んでいます。
濱田庄司たちの運動の影響がどれだけ大きかったかをよく示しています。
なお、この展覧会の展示品のほとんどを所蔵している財団法人益子参考館は
東日本大震災で施設や所蔵品に大きな損害を受けたとのことで、復興基金を
募っています。
財団法人益子参考館のHPです。
chariot
新橋のパナソニック電工汐留ミュージアムでは、「濱田庄司スタイル展」が
開かれています。
会期は9月25日(日)までです。

陶芸家で民藝運動の提唱者の一人、濱田庄司(1894-1978)の生活のスタイルに
焦点を当てた展覧会で、約140点が展示されています。
1.濱田庄司とイギリス
1920年にイギリスに渡り、セント・アイヴスにバーナード・リーチと共に窯を築きます。
ロンドンの南のディッチリング村を訪ね、そこに住む工芸家と会って、「田舎の健康で
自由な生活というものにますます強く惹かれるようになった」ということです。
1924年に帰国し、栃木県の益子町に居住し、沖縄にも滞在します。
また、柳宗悦、河井寛次郎らと共に、庶民の日常雑器に美を見出す、「民藝運動」を
展開します。
会場には古代からの技法のスリップウェアを再現した作品や、15世紀のドイツで
開発された塩釉による作品などが展示されています。
スリップウェアは粘土と水を混ぜた化粧土(スリップ)で文様を描く技法です。
塩釉は燃焼中の窯に投げ込んで、生地の表面にガラス状の皮膜を作る技法です。
2.濱田庄司のモダニズム
1930年には益子町の近所の農家を移築を始め、改装して自分の好みに合った
住居や作業場とします。
今で言う、リノベーションです。
会場には収集した各国の陶器などの民芸品などが展示されています。
また、濱田庄司の好んだウインザーチェアや、チャールズ・イームズのデザインによる
ラウンジチェア・オットマンも展示されています。
チラシの手前に写っているのがそれです。
イームズから直接贈られた品とのことです。
黒革張りで、武骨なほどに堅牢で堂々としています。
濱田庄司は椅子について、「グッドデザインとされる物は首から上の仕事が勝ちすぎて
冷たくてそっけない」と述べています。
「蓋付書き物机(ビューロー)、ウインザーチェア」 イギリス 17世紀

川崎生まれの濱田は少年の頃に横浜で見たウインザーチェアに憧れを
持っていたそうです。
3.濱田家の食卓
いつも家族やお客で賑やかだったという濱田家の食卓で使われた、自作の
食器類が濱田のデザインしたダイニングテーブルと共に展示されています。
濱田流にアレンジしたイギリスのミートパイ、パースティのレシピもあります。
濱田庄司の特徴の、釉を柄杓で直線状にさっと掛ける流掛の大皿も2点、
展示されています。
思い切りの良い絵柄で、何とも豪快です。
流掛の作業が15秒ほどで終わるので、誰かが「早すぎて物足りなくないか。」と
訊いたところ、「15秒プラス60年と考えてはどうか。」と答え、側で聞いていた
バーナード・リーチを唸らせたということです。
会場で放映されている映像を見ると、流掛はいかにも手早く造作なく行なわれて
いますが、たしかにここに至るまでには60年の歳月が掛かっていたのでしょう。
「赤絵角皿」 1960年

赤絵は沖縄時代に取り入れた技法です。
これらの素朴なデザインの丈夫な食器や家具は喫茶店や料理店でも
良く使われているものです。
「民藝」は一つのスタイルとして、私たちの生活に溶け込んでいます。
濱田庄司たちの運動の影響がどれだけ大きかったかをよく示しています。
なお、この展覧会の展示品のほとんどを所蔵している財団法人益子参考館は
東日本大震災で施設や所蔵品に大きな損害を受けたとのことで、復興基金を
募っています。
財団法人益子参考館のHPです。