上野
上野の東京国立博物館では今年も、「博物館でお花見を」が開かれています。
会期は春の庭園開放に合わせて、4月15日(日)までです。

本館の平常展では桜にちなんだ作品が数多く展示されています。
平常展は撮影自由です。
「花下遊楽図」 六曲一双(左隻) 狩野長信
安土桃山~江戸時代・17世紀 国宝


毎年春になると、この屏風と対面できます。
刀を差して踊っているのは男装した女性です。
狩野長信は狩野永徳の弟で、この「花下遊楽図」が代表作になります。
4月15日までの展示です。
「銀包桜樹文合口」 金具 後藤一乗 江戸時代・19世紀


鞘を覆う銀の板には桜と鈴、目貫には桜、笄には桜と蝶が彫ってあります。
目貫や笄は後藤一乗の作です。
5月6日までの展示です。
「桜花文鍔」 無銘 谷清兵衛 江戸時代・19世紀

一面に桜を散らした、鍔とは思えない華やかさです。
5月13日までの展示です。
「小袖 縮緬地鯉瀧草花模様」 江戸時代・18世紀

桜や笹、裾模様には鯉の瀧登りを刺繍しています。
鯉の瀧登りは出世を表し、武家の女性が着たとのことです。
4月26日までの展示です。
「掻取 桃色縮緬地瀧桜竹模様」 江戸時代・18世紀

掻取は内掛の公家での呼び方で、立木に雲の模様は公家女性の
デザイン様式とのことです。
桜木や花を刺繍でふっくらと縫い出しています。
4月26日までの展示です。
「色絵桜透文手鉢」 京焼き 江戸時代・18世紀

桜の形の透かしを入れ、青と緑で縁取りがしてあります。
色も形もすっきりと上品です。
5月6日までの展示です。
「色絵唐花文皿」 鍋島 江戸時代・17~18世紀

5つの唐花を描き、中心を白抜きにして桜の花を浮き出しています。
鍋島らしいデザイン感覚にあふれた作品です。
5月6日までの展示です。
花見の宴には欠かせない酒器類も展示されています。
「色絵瓢文瓢形徳利」 九谷・民山窯 江戸時代・19世紀

民山窯は再興九谷焼で、加賀藩士の武田秀平が開いています。
瓢箪型の徳利に瓢箪を描いて、リズム感があります。
5月13日までの展示です。
「色絵金彩桜柴垣文徳利」 「湖東」染付銘 湖東 江戸時代・19世紀

湖東焼は彦根で江戸時代中期に始まり、後に藩窯となって、特に井伊直弼のときに
盛んだったそうです。
桜の花や葉に金彩の入った、雅な絵柄です。
5月13日までの展示です。
浮世絵コーナーの30点はすべて桜を描いています。
4月15日までの展示です。
「三十六歌仙・在原業平朝臣」 鈴木春信 江戸時代・18世紀

桜の下を花魁が禿を従えて通ります。
在原業平の歌が書いてあります。
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
「桜花に鷹」 葛飾北斎 江戸時代・19世紀

桜に鷹という豪華な取り合わせで、上に向かう画面には勢いがあります。
「名所江戸百景・隅田川水神の森真崎 」 歌川広重 江戸時代・安政3年(1856)

画面にかぶさるような桜、隅田川を行く舟や筏、遠くに筑波山の見える、
のどかな春景色です。
掛軸の展示もあります。
「牧牛図」 渡辺崋山 江戸時代・19世紀

墨の濃淡で量感を表した牛は目に表情があります。
牛の背で雀と遊ぶ子供は桜の柄の着物を着ています。
桜とは違いますが、伊藤若冲の掛軸が目に留まりました。
「松樹・梅花・孤鶴図」 伊藤若冲 江戸時代・18世紀

鶴は卵のような形をしていて、いつもながら大胆な造形です。
期間中、いろいろなイベントも行われています。
桜の作品をめぐるスタンプラリーもあって、5つのスタンプを全部押したら
オリジナル缶バッジがもらえます。
私ももらって来ました。

東京国立博物館設立140周年を表す、「140」の数字の「0」の中に、
菱川師宣の「見返り美人図」が入っています。
展覧会のHPです。
昨年の、「博物館でお花見を」の記事はこちらです。
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上野の東京国立博物館では今年も、「博物館でお花見を」が開かれています。
会期は春の庭園開放に合わせて、4月15日(日)までです。

本館の平常展では桜にちなんだ作品が数多く展示されています。
平常展は撮影自由です。
「花下遊楽図」 六曲一双(左隻) 狩野長信
安土桃山~江戸時代・17世紀 国宝


毎年春になると、この屏風と対面できます。
刀を差して踊っているのは男装した女性です。
狩野長信は狩野永徳の弟で、この「花下遊楽図」が代表作になります。
4月15日までの展示です。
「銀包桜樹文合口」 金具 後藤一乗 江戸時代・19世紀


鞘を覆う銀の板には桜と鈴、目貫には桜、笄には桜と蝶が彫ってあります。
目貫や笄は後藤一乗の作です。
5月6日までの展示です。
「桜花文鍔」 無銘 谷清兵衛 江戸時代・19世紀

一面に桜を散らした、鍔とは思えない華やかさです。
5月13日までの展示です。
「小袖 縮緬地鯉瀧草花模様」 江戸時代・18世紀

桜や笹、裾模様には鯉の瀧登りを刺繍しています。
鯉の瀧登りは出世を表し、武家の女性が着たとのことです。
4月26日までの展示です。
「掻取 桃色縮緬地瀧桜竹模様」 江戸時代・18世紀

掻取は内掛の公家での呼び方で、立木に雲の模様は公家女性の
デザイン様式とのことです。
桜木や花を刺繍でふっくらと縫い出しています。
4月26日までの展示です。
「色絵桜透文手鉢」 京焼き 江戸時代・18世紀

桜の形の透かしを入れ、青と緑で縁取りがしてあります。
色も形もすっきりと上品です。
5月6日までの展示です。
「色絵唐花文皿」 鍋島 江戸時代・17~18世紀

5つの唐花を描き、中心を白抜きにして桜の花を浮き出しています。
鍋島らしいデザイン感覚にあふれた作品です。
5月6日までの展示です。
花見の宴には欠かせない酒器類も展示されています。
「色絵瓢文瓢形徳利」 九谷・民山窯 江戸時代・19世紀

民山窯は再興九谷焼で、加賀藩士の武田秀平が開いています。
瓢箪型の徳利に瓢箪を描いて、リズム感があります。
5月13日までの展示です。
「色絵金彩桜柴垣文徳利」 「湖東」染付銘 湖東 江戸時代・19世紀

湖東焼は彦根で江戸時代中期に始まり、後に藩窯となって、特に井伊直弼のときに
盛んだったそうです。
桜の花や葉に金彩の入った、雅な絵柄です。
5月13日までの展示です。
浮世絵コーナーの30点はすべて桜を描いています。
4月15日までの展示です。
「三十六歌仙・在原業平朝臣」 鈴木春信 江戸時代・18世紀

桜の下を花魁が禿を従えて通ります。
在原業平の歌が書いてあります。
世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし
「桜花に鷹」 葛飾北斎 江戸時代・19世紀

桜に鷹という豪華な取り合わせで、上に向かう画面には勢いがあります。
「名所江戸百景・隅田川水神の森真崎 」 歌川広重 江戸時代・安政3年(1856)

画面にかぶさるような桜、隅田川を行く舟や筏、遠くに筑波山の見える、
のどかな春景色です。
掛軸の展示もあります。
「牧牛図」 渡辺崋山 江戸時代・19世紀

墨の濃淡で量感を表した牛は目に表情があります。
牛の背で雀と遊ぶ子供は桜の柄の着物を着ています。
桜とは違いますが、伊藤若冲の掛軸が目に留まりました。
「松樹・梅花・孤鶴図」 伊藤若冲 江戸時代・18世紀

鶴は卵のような形をしていて、いつもながら大胆な造形です。
期間中、いろいろなイベントも行われています。
桜の作品をめぐるスタンプラリーもあって、5つのスタンプを全部押したら
オリジナル缶バッジがもらえます。
私ももらって来ました。

東京国立博物館設立140周年を表す、「140」の数字の「0」の中に、
菱川師宣の「見返り美人図」が入っています。
展覧会のHPです。
昨年の、「博物館でお花見を」の記事はこちらです。
御徒町・上野広小路
「さくらパンダ カフェ」は上野松坂屋の4階にあります。

松坂屋のマスコットのさくらパンダは笹ばかりでなく、ランチやスイーツも
好物のようです。

実はこちらは4℃の運営する「フラッグス カフェ」で、4月10日までの
限定衣替えで、「さくらパンダ カフェ」になっています。

全席禁煙で約40席、とても女性比率の高いお店です。
BGMはムードミュージックでした。
1日限定20食の、さくらパンダのお花見ランチプレートセット1470円です。

サンドイッチ、スパゲティ、オムレツ、サラダの上に、パンとハムの
桜の花びらが散っています。
ドリンクとミニケーキ・アイスクリームが付いています。

上野ならではの賑やかな楽しいランチです。
他にもキッズプレートセット、ホットケーキセット、ショートケーキセットなど、
パンダをあしらったメニューがいろいろあります。
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「さくらパンダ カフェ」は上野松坂屋の4階にあります。

松坂屋のマスコットのさくらパンダは笹ばかりでなく、ランチやスイーツも
好物のようです。

実はこちらは4℃の運営する「フラッグス カフェ」で、4月10日までの
限定衣替えで、「さくらパンダ カフェ」になっています。

全席禁煙で約40席、とても女性比率の高いお店です。
BGMはムードミュージックでした。
1日限定20食の、さくらパンダのお花見ランチプレートセット1470円です。

サンドイッチ、スパゲティ、オムレツ、サラダの上に、パンとハムの
桜の花びらが散っています。
ドリンクとミニケーキ・アイスクリームが付いています。

上野ならではの賑やかな楽しいランチです。
他にもキッズプレートセット、ホットケーキセット、ショートケーキセットなど、
パンダをあしらったメニューがいろいろあります。
京橋
京橋のLIXIL:GINZA2階のLIXILギャラリーでは5月26日(土)まで、
「鉄川与助の教会建築展」が開かれています。
場所は中央区京橋 3-6-18 です。
LIXILギャラリーは元のINAXギャラリーで3月1日に名称変更しています。

明治から昭和にかけて数多くの教会建築を手掛けた鉄川与助(1879-1976)の
業績についての展示です。
写真パネルは白石ちえ子さんの撮り下ろしです。
鉄川与助は長崎県五島列島出身の大工の棟梁で、最初はフランス人の宣教師の
指導の下で教会の建築を始めています。
鉄川与助が戦前に建てた教会は長崎県を中心に約30棟に及び、その半数が現存し、
4棟は国の重要文化財に指定されています。
「冷水(ひやみず)教会」 長崎県上五島町 明治40年(1907)
鉄川与助が28歳で最初に建てた教会で木造、内部はリブ・ヴォールト構造です。
リブ・ヴォールトは交差したアーチにリブ(肋骨)を入れて補強して天井を支える
構造です。
「旧野首(のくび)教会」 長崎県小値賀町 明治44年(1908)
上の写真の教会です。
最初の煉瓦造で、外観はゴシック風、内部はリブ・ヴォールト構造になっています。
城砦やフランス王家の紋章のような装飾が付いているところは、昔の喫茶店の
意匠のようで面白いです。
教会のある野崎島は現在、無人島になっています。
「今村教会」 福岡県大刀洗町 大正2年(1913)
正面に双塔を持つ煉瓦造で、外観はロマネスク風、屋根は二層構造、内部は
リブ・ヴォールト構造です。煉瓦や木材など、材料の産地も記録に残っています。
大刀洗町は隠れキリシタンの多く居住していた所で、教会は殉教者の墓の上に
建っています。
「頭ヶ島(かしらがしま)教会」 長崎県上五島町 大正8年(1919) 重要文化財
唯一の石造建築で、外観はロマネスク風、内部は単廊式で側廊はありません。
天井の中心部分が一段高い折り上げ天井になっていて、華やかな雰囲気です。
頭ヶ島は江戸時代まで無人島でしたが、明治初期のキリシタン弾圧を逃れた
人びとが移住し、教会堂を建てています。
それぞれの教会は木造、煉瓦造、石造、鉄筋コンクリート造と素材が異なり、
意匠もさまざまです。
鉄川与助が短期間にこれだけの技法を駆使していたことには驚きます。
それにしても明治以来、長崎県を中心に九州でカトリックの教会が次々建てられた背景に
隠れキリシタンの存在があったことには感慨深いものがあります。
展覧会のHPです。
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京橋のLIXIL:GINZA2階のLIXILギャラリーでは5月26日(土)まで、
「鉄川与助の教会建築展」が開かれています。
場所は中央区京橋 3-6-18 です。
LIXILギャラリーは元のINAXギャラリーで3月1日に名称変更しています。

明治から昭和にかけて数多くの教会建築を手掛けた鉄川与助(1879-1976)の
業績についての展示です。
写真パネルは白石ちえ子さんの撮り下ろしです。
鉄川与助は長崎県五島列島出身の大工の棟梁で、最初はフランス人の宣教師の
指導の下で教会の建築を始めています。
鉄川与助が戦前に建てた教会は長崎県を中心に約30棟に及び、その半数が現存し、
4棟は国の重要文化財に指定されています。
「冷水(ひやみず)教会」 長崎県上五島町 明治40年(1907)
鉄川与助が28歳で最初に建てた教会で木造、内部はリブ・ヴォールト構造です。
リブ・ヴォールトは交差したアーチにリブ(肋骨)を入れて補強して天井を支える
構造です。
「旧野首(のくび)教会」 長崎県小値賀町 明治44年(1908)
上の写真の教会です。
最初の煉瓦造で、外観はゴシック風、内部はリブ・ヴォールト構造になっています。
城砦やフランス王家の紋章のような装飾が付いているところは、昔の喫茶店の
意匠のようで面白いです。
教会のある野崎島は現在、無人島になっています。
「今村教会」 福岡県大刀洗町 大正2年(1913)
正面に双塔を持つ煉瓦造で、外観はロマネスク風、屋根は二層構造、内部は
リブ・ヴォールト構造です。煉瓦や木材など、材料の産地も記録に残っています。
大刀洗町は隠れキリシタンの多く居住していた所で、教会は殉教者の墓の上に
建っています。
「頭ヶ島(かしらがしま)教会」 長崎県上五島町 大正8年(1919) 重要文化財
唯一の石造建築で、外観はロマネスク風、内部は単廊式で側廊はありません。
天井の中心部分が一段高い折り上げ天井になっていて、華やかな雰囲気です。
頭ヶ島は江戸時代まで無人島でしたが、明治初期のキリシタン弾圧を逃れた
人びとが移住し、教会堂を建てています。
それぞれの教会は木造、煉瓦造、石造、鉄筋コンクリート造と素材が異なり、
意匠もさまざまです。
鉄川与助が短期間にこれだけの技法を駆使していたことには驚きます。
それにしても明治以来、長崎県を中心に九州でカトリックの教会が次々建てられた背景に
隠れキリシタンの存在があったことには感慨深いものがあります。
展覧会のHPです。
湯島
「サブウェイ湯島店」は湯島天神下交差点から不忍池に向かい、不忍通りに
出た左側にあります。
場所は台東区池之端1-1-14です。

1階が売店、2階がカフェになっていて、平日は朝8時から、土日は9時から
開いています。
こちらは3月1日にオープンしたばかりで、20席ほどの店内は明るく、
窓から不忍池を見渡せます。
桜の頃はちょうど良い花見ポイントになるでしょう。

正面の弁天堂の向こうに上野精養軒が見えます。

去年の秋に上野精養軒の「カフェラン ランドーレ」に行った時の記事はこちらです。
たまごサンド350円とセットのコーヒー180円です。
コーヒー単品は200円です。

BGMはビートルズでした。
「Get Back」や「And I Love Her」を聴きながら、シャリシャリと歯応えのある
サンドイッチをほおばっていると、気分もきっぱりしてきます。
不忍池の蓮もかなり刈り取られて、水面が見えています。

こちらでは刈り取り作業の最中です。

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「サブウェイ湯島店」は湯島天神下交差点から不忍池に向かい、不忍通りに
出た左側にあります。
場所は台東区池之端1-1-14です。

1階が売店、2階がカフェになっていて、平日は朝8時から、土日は9時から
開いています。
こちらは3月1日にオープンしたばかりで、20席ほどの店内は明るく、
窓から不忍池を見渡せます。
桜の頃はちょうど良い花見ポイントになるでしょう。

正面の弁天堂の向こうに上野精養軒が見えます。

去年の秋に上野精養軒の「カフェラン ランドーレ」に行った時の記事はこちらです。
たまごサンド350円とセットのコーヒー180円です。
コーヒー単品は200円です。

BGMはビートルズでした。
「Get Back」や「And I Love Her」を聴きながら、シャリシャリと歯応えのある
サンドイッチをほおばっていると、気分もきっぱりしてきます。
不忍池の蓮もかなり刈り取られて、水面が見えています。

こちらでは刈り取り作業の最中です。

乃木坂
六本木の国立新美術館では「第88回 白日会展」が開かれています。
会期は4月2日(月)までです。
白日会は大正13年(1924)の発足時から写実を追求している団体で、
絵画部と彫刻部があります。
私の行った3月25日には副会長の深澤孝哉さんのギャラリートークもあって、
白日会という団体についての面白い話をいろいろと聴くことが出来ました。
会場は撮影自由です。
伊勢崎勝人 「SAIKAI IN NAGASAKI」

魚たちは皆、口を開け、目にも表情があります。
長崎のビワや柑橘類も添えられています。
伊藤隆 「南仏リュベロンの路」

温かな緑色の広がる風景です。
岩本行雄 「トレド・夕方」

光の中の大きな景色をとらえています。
緒方可奈子 「余暇の楽しみ」

画面にしっとりとした潤いがあります。
小木曽誠 「静徹なものたち」

人物、骨、枯れ木、蝶、石膏立体や鏡の自画像まで入れて、人物静物画の
曼荼羅のようです。
北川直枝 「秋容」

吹き渡る晩秋の澄み切った風を感じます。
黒沢信男 「白川郷 雪晴れ」

今回の出展作の中で最大の作品とのことで、堂々とした冬景色です。
小森隼人 「黄色い果実と赤い石榴」

伝統的な静物画で、色彩が重厚です。
阪脇郁子 「Presence」

感傷性に頼らず、潔く真正面から描いています。
出相洸一 「白の祭壇」

ストイックな白の世界です。
中島健太 「微熱」

中島さんは題名にお話しがあるのが特徴で、人物は少しうるんだ顔をしています。
中山忠彦 「丹紫紅」

白日会の会長の作品で、夫人の肖像を描き続けています。
西谷之男 「茶畑の丘」

少し黄色がかった緑色の、穏やかな風景です。
深澤孝哉 「ヒマール・サライ XIV」

ヒマラヤシリーズの15作目ですが、間違ってXIVとしてしまったそうです。
ヒマラヤも高度が高くなると、水彩絵具が凍って紙が破れ、スケッチも思うように
出来ないとのことです。
宮本佳子 「小さな贈りもの」

淡く白い光に包まれた人形は上を向いて、何か話したそうにしています。
三輪修 「道」

影の長い冬の日に照らされた薄と白茶けた道です。
山内大介 「エティニーの空」

明るい色彩で景色をつかみ取っています。
山中正輝 「春爛漫」

桜の花が光の中にあふれ出しています。
山本大貴 「Beyond the photograph」

紅いブラウスがポイントの、現代のフェルメールです。
人物と写真集の視線は光の方を向いています。
白日会は写実を基本としてしているので、作品は親しみやすく、楽しんで
観ることが出来ました。
展覧会のHPです。
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六本木の国立新美術館では「第88回 白日会展」が開かれています。
会期は4月2日(月)までです。
白日会は大正13年(1924)の発足時から写実を追求している団体で、
絵画部と彫刻部があります。
私の行った3月25日には副会長の深澤孝哉さんのギャラリートークもあって、
白日会という団体についての面白い話をいろいろと聴くことが出来ました。
会場は撮影自由です。
伊勢崎勝人 「SAIKAI IN NAGASAKI」

魚たちは皆、口を開け、目にも表情があります。
長崎のビワや柑橘類も添えられています。
伊藤隆 「南仏リュベロンの路」

温かな緑色の広がる風景です。
岩本行雄 「トレド・夕方」

光の中の大きな景色をとらえています。
緒方可奈子 「余暇の楽しみ」

画面にしっとりとした潤いがあります。
小木曽誠 「静徹なものたち」

人物、骨、枯れ木、蝶、石膏立体や鏡の自画像まで入れて、人物静物画の
曼荼羅のようです。
北川直枝 「秋容」

吹き渡る晩秋の澄み切った風を感じます。
黒沢信男 「白川郷 雪晴れ」

今回の出展作の中で最大の作品とのことで、堂々とした冬景色です。
小森隼人 「黄色い果実と赤い石榴」

伝統的な静物画で、色彩が重厚です。
阪脇郁子 「Presence」

感傷性に頼らず、潔く真正面から描いています。
出相洸一 「白の祭壇」

ストイックな白の世界です。
中島健太 「微熱」

中島さんは題名にお話しがあるのが特徴で、人物は少しうるんだ顔をしています。
中山忠彦 「丹紫紅」

白日会の会長の作品で、夫人の肖像を描き続けています。
西谷之男 「茶畑の丘」

少し黄色がかった緑色の、穏やかな風景です。
深澤孝哉 「ヒマール・サライ XIV」

ヒマラヤシリーズの15作目ですが、間違ってXIVとしてしまったそうです。
ヒマラヤも高度が高くなると、水彩絵具が凍って紙が破れ、スケッチも思うように
出来ないとのことです。
宮本佳子 「小さな贈りもの」

淡く白い光に包まれた人形は上を向いて、何か話したそうにしています。
三輪修 「道」

影の長い冬の日に照らされた薄と白茶けた道です。
山内大介 「エティニーの空」

明るい色彩で景色をつかみ取っています。
山中正輝 「春爛漫」

桜の花が光の中にあふれ出しています。
山本大貴 「Beyond the photograph」

紅いブラウスがポイントの、現代のフェルメールです。
人物と写真集の視線は光の方を向いています。
白日会は写実を基本としてしているので、作品は親しみやすく、楽しんで
観ることが出来ました。
展覧会のHPです。
上野
上野の東京藝術大学大学美術館の陳列館では「大西博 回顧展 -幻景-」が
開かれています。
会期は4月8日(日)までです。
入場は無料です。

大西博さん(1961~2011)は徳島県出身で、1987年に東京藝術大学の
油画専攻を卒業し、大学院の油画技法・材料第1研究室を終了後、1992年から
1997年までドイツのニュールンベルク美術大学に留学しています。
帰国後は東京藝術大学大学の教職に就き、2007年からは准教授を勤めました。
「鱒」 1987年 東京藝術大学蔵
麻布、白亜地、卵テンペラ絵具、油絵具


卒業制作で、首席卒業による大学買い上げ作品です。
ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」やマネの「オランピア」と同じ形ですが、
つるりと冷たい感触です。
ドイツやフランドルの絵画に惹かれていたとのことで、醒めたリアルさを感じます。
モデルの持っている赤い蝶のような物は何かと思ったら、釣りのルアーということでした。
それで題名が「鱒」というのも分かりました。
大西さんは釣りが大好きだったということです。
すると、モデルが頬をふくらませているのは魚のエラ呼吸を表しているのでしょうか。
「自画像」 1987年 東京藝術大学蔵
麻布、白亜地、卵テンペラ絵具、油絵具

卒業制作の自画像で、魚のような形の帽子をかぶり、こちらも頬をふくらませています。
背景も暗く、ヒエロニムス・ボスを思い出します。
「水景」 2000年
麻布、白亜地、膠、胡粉、卵テンペラ乳濁液、透明水彩絵具

画風が変わって、色彩も一色の濃淡になり、形も水面に写った影のようにおぼろに
なってきます。
静謐で、しみじみとした深さがあります。
大西さんはアフガニスタン産の天然石、ラピスラズリからウルトラマリンブルーの
精製方法を研究し、世界で一番発色の良い青色の顔料の精製に成功しています。
この顔料は「本瑠璃」と名付けられ、ホルべイン社との共同開発により水彩絵具として
販売されています。
ラピスラズリは貴重な天然石で、顔料としてフェルメールの作品にもよく使われています。
大西さんのラピスラズリとの出会いはアフガニスタンの復興支援に東京藝術大学から
現地に派遣された時とのことです。
「水景」 2007年 明王物産蔵
麻布、白亜地、膠、胡粉、卵黄、ラピスラズリ(本瑠璃)

ラピスラズリの顔料、「本瑠璃」による作品も何点か展示されています。
淡く、澄んでいて、吸い込まれるようです。
ぼんやり浮かんでいるのは、琵琶湖の竹生島です。

大西博さんは、2011年の3月に琵琶湖でボートに乗って釣りをしていて事故に遭い、
亡くなっています。
展覧会のHPです。
東京藝術大学の構内にある藝大アートプラザでは4月1日(日)まで、「Lapislazuli
-本瑠璃で描く-」展が開かれています。

東京藝術大学油画技法・材料研究室主催による、教職員、学生、OBなど有志38人による、
ラピスラズリを用いた小品の展示で、販売もされます。
大西さんへの思いの伝わる展示です。
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上野の東京藝術大学大学美術館の陳列館では「大西博 回顧展 -幻景-」が
開かれています。
会期は4月8日(日)までです。
入場は無料です。

大西博さん(1961~2011)は徳島県出身で、1987年に東京藝術大学の
油画専攻を卒業し、大学院の油画技法・材料第1研究室を終了後、1992年から
1997年までドイツのニュールンベルク美術大学に留学しています。
帰国後は東京藝術大学大学の教職に就き、2007年からは准教授を勤めました。
「鱒」 1987年 東京藝術大学蔵
麻布、白亜地、卵テンペラ絵具、油絵具


卒業制作で、首席卒業による大学買い上げ作品です。
ティツィアーノの「ウルビーノのヴィーナス」やマネの「オランピア」と同じ形ですが、
つるりと冷たい感触です。
ドイツやフランドルの絵画に惹かれていたとのことで、醒めたリアルさを感じます。
モデルの持っている赤い蝶のような物は何かと思ったら、釣りのルアーということでした。
それで題名が「鱒」というのも分かりました。
大西さんは釣りが大好きだったということです。
すると、モデルが頬をふくらませているのは魚のエラ呼吸を表しているのでしょうか。
「自画像」 1987年 東京藝術大学蔵
麻布、白亜地、卵テンペラ絵具、油絵具

卒業制作の自画像で、魚のような形の帽子をかぶり、こちらも頬をふくらませています。
背景も暗く、ヒエロニムス・ボスを思い出します。
「水景」 2000年
麻布、白亜地、膠、胡粉、卵テンペラ乳濁液、透明水彩絵具

画風が変わって、色彩も一色の濃淡になり、形も水面に写った影のようにおぼろに
なってきます。
静謐で、しみじみとした深さがあります。
大西さんはアフガニスタン産の天然石、ラピスラズリからウルトラマリンブルーの
精製方法を研究し、世界で一番発色の良い青色の顔料の精製に成功しています。
この顔料は「本瑠璃」と名付けられ、ホルべイン社との共同開発により水彩絵具として
販売されています。
ラピスラズリは貴重な天然石で、顔料としてフェルメールの作品にもよく使われています。
大西さんのラピスラズリとの出会いはアフガニスタンの復興支援に東京藝術大学から
現地に派遣された時とのことです。
「水景」 2007年 明王物産蔵
麻布、白亜地、膠、胡粉、卵黄、ラピスラズリ(本瑠璃)

ラピスラズリの顔料、「本瑠璃」による作品も何点か展示されています。
淡く、澄んでいて、吸い込まれるようです。
ぼんやり浮かんでいるのは、琵琶湖の竹生島です。

大西博さんは、2011年の3月に琵琶湖でボートに乗って釣りをしていて事故に遭い、
亡くなっています。
展覧会のHPです。
東京藝術大学の構内にある藝大アートプラザでは4月1日(日)まで、「Lapislazuli
-本瑠璃で描く-」展が開かれています。

東京藝術大学油画技法・材料研究室主催による、教職員、学生、OBなど有志38人による、
ラピスラズリを用いた小品の展示で、販売もされます。
大西さんへの思いの伝わる展示です。
清澄白河
東京都現代美術館では、「田中敦子―アート・オブ・コネクティング」展が開かれています。
会期は5月6日(日)までです。

田中敦子さん(1932-2005)は大阪府出身で、1955年には吉原治良の結成した
前衛美術団体の「具体」に参加しています。
「作品(ベル)」 1955年
ベルを縦に20個つないで、順に鳴る仕掛けです。
第1回具体美術展に出展されています。
展示場では13個がつないであり、スイッチを押すと近くのベルから順に鳴り響き、
音が遠ざかっていって、またこちらに戻ってきます。
音が往復してくるのを聞くのは面白い体験です。
「作品」 1955年

ピンク色の大きな布が屋外に展示されています。
町中を探し回って、自分の一番嫌いな色の布を選び、作品にしたそうです。
嫌い、ということも作品の動機になるようです。
「電気服」 1956年

9色に着色した約80個の電球や約100個の管球で作られていて、電線のかたまりと
一緒に服のようにして着ます。
展示場では一定時間ごとに明滅して、とてもきれいです。
電球や管球は光ると手塗りされていることが分かり、アナログな感じがします。
田中敦子さんはその後、電球と電線のような丸と線で構成された絵画作品を
描くようになります。
『「電気服」に基づく素描』 1956年

配線図のような作品です。
「地獄門」 1965-69年

大小の丸から線が放射されて縦横に絡み合い、迫力のある画面になっています。
合成樹脂エナメル塗料の色彩も原色で強烈です。
「作品」 1962年

大きな画面がほぼ同じ大きさの丸と線でびっしりと埋め尽くされています。
「金のWork A」 1962年

丸と線が金地に描かれています。
田中敦子さんは「電気服」以降は大きな画面を丸と線で構成する作品を描き続けて
いました。
どこか原初的なエネルギーを感じる作家です。
展覧会のHPです。
「Cloudscapes」 トランスゾーラー+近藤哲雄

美術館の前庭に田中敦子さんの「作品」と並んで3月22日まで展示されていました。
箱の中に圧力と温湿度の異なる3つの空気の層を作り出して、
地上約3mの位置に人工的に雲を発生させる装置です。
階段の途中に霧がかかっています。

階段の上から見下ろしたところです。
雲の上にいる気分です。

chariot
東京都現代美術館では、「田中敦子―アート・オブ・コネクティング」展が開かれています。
会期は5月6日(日)までです。

田中敦子さん(1932-2005)は大阪府出身で、1955年には吉原治良の結成した
前衛美術団体の「具体」に参加しています。
「作品(ベル)」 1955年
ベルを縦に20個つないで、順に鳴る仕掛けです。
第1回具体美術展に出展されています。
展示場では13個がつないであり、スイッチを押すと近くのベルから順に鳴り響き、
音が遠ざかっていって、またこちらに戻ってきます。
音が往復してくるのを聞くのは面白い体験です。
「作品」 1955年

ピンク色の大きな布が屋外に展示されています。
町中を探し回って、自分の一番嫌いな色の布を選び、作品にしたそうです。
嫌い、ということも作品の動機になるようです。
「電気服」 1956年

9色に着色した約80個の電球や約100個の管球で作られていて、電線のかたまりと
一緒に服のようにして着ます。
展示場では一定時間ごとに明滅して、とてもきれいです。
電球や管球は光ると手塗りされていることが分かり、アナログな感じがします。
田中敦子さんはその後、電球と電線のような丸と線で構成された絵画作品を
描くようになります。
『「電気服」に基づく素描』 1956年

配線図のような作品です。
「地獄門」 1965-69年

大小の丸から線が放射されて縦横に絡み合い、迫力のある画面になっています。
合成樹脂エナメル塗料の色彩も原色で強烈です。
「作品」 1962年

大きな画面がほぼ同じ大きさの丸と線でびっしりと埋め尽くされています。
「金のWork A」 1962年

丸と線が金地に描かれています。
田中敦子さんは「電気服」以降は大きな画面を丸と線で構成する作品を描き続けて
いました。
どこか原初的なエネルギーを感じる作家です。
展覧会のHPです。
「Cloudscapes」 トランスゾーラー+近藤哲雄

美術館の前庭に田中敦子さんの「作品」と並んで3月22日まで展示されていました。
箱の中に圧力と温湿度の異なる3つの空気の層を作り出して、
地上約3mの位置に人工的に雲を発生させる装置です。
階段の途中に霧がかかっています。

階段の上から見下ろしたところです。
雲の上にいる気分です。

東京
「エスプレッサメンテ・イリー 東京駅キッチンストリート店」は
JR東京駅日本橋口を出た左側の奥にあります。
場所は千代田区丸の内1-9-1です。
東京駅日本橋口です。

奥の方にお店があります。


イリー独特の、暗めの照明、赤いテーブルと大きなスクリーン、
メタリックでアクセントの強いインテリアです。


ドアで仕切られた分煙式で、入口側の禁煙席は20席ほどあります。
BGMは元気の良いポップスでした。
朝7時から開いていて、モーニングセットもあります。

Aセット300円とコーヒー250円です。

サラダとスクランブルエッグが付いています。
コーヒーは軽い苦味系です。
奥まって分かりにくい場所にありますが、お客さんが次々入ってきます。
一日の初めに眠気を覚まし、エネルギーを補給するのにちょうど良いお店です。
丸ビル1階のマルキューブと丸の内オアゾ1階では3月29日まで、
「大恐竜展 in 丸の内 2012」が開かれています。
福井県恐竜博物館コレクションの展示です。
期間中、丸の内のレストランでは恐竜にちなんだメニューも登場します。

マルキューブに展示されている、アクロカントサウルス・アトケンシスの全身骨格です。

白亜紀前期に北米大陸に生息した肉食恐竜で、体長約12mです。
向こう側では2ショット用の恐竜博士が人待ち顔でベンチに座っています。
プテラノドン・スターンバーギが空を飛んでいます。

翼を広げた長さは7mあります。
肉食恐竜のアロサウルス・フラギリスの頭骨と生体模型です。

丸の内オアゾ1階には福井県で発掘された恐竜が展示されています。
草食恐竜のフクイサウルス・テトリエンシスです。

肉食恐竜のフクイラプトル・キタダニエンシスの全身骨格です。

勝山市の北谷で発見されたので、この名があります。
chariot
「エスプレッサメンテ・イリー 東京駅キッチンストリート店」は
JR東京駅日本橋口を出た左側の奥にあります。
場所は千代田区丸の内1-9-1です。
東京駅日本橋口です。

奥の方にお店があります。


イリー独特の、暗めの照明、赤いテーブルと大きなスクリーン、
メタリックでアクセントの強いインテリアです。


ドアで仕切られた分煙式で、入口側の禁煙席は20席ほどあります。
BGMは元気の良いポップスでした。
朝7時から開いていて、モーニングセットもあります。

Aセット300円とコーヒー250円です。

サラダとスクランブルエッグが付いています。
コーヒーは軽い苦味系です。
奥まって分かりにくい場所にありますが、お客さんが次々入ってきます。
一日の初めに眠気を覚まし、エネルギーを補給するのにちょうど良いお店です。
丸ビル1階のマルキューブと丸の内オアゾ1階では3月29日まで、
「大恐竜展 in 丸の内 2012」が開かれています。
福井県恐竜博物館コレクションの展示です。
期間中、丸の内のレストランでは恐竜にちなんだメニューも登場します。

マルキューブに展示されている、アクロカントサウルス・アトケンシスの全身骨格です。

白亜紀前期に北米大陸に生息した肉食恐竜で、体長約12mです。
向こう側では2ショット用の恐竜博士が人待ち顔でベンチに座っています。
プテラノドン・スターンバーギが空を飛んでいます。

翼を広げた長さは7mあります。
肉食恐竜のアロサウルス・フラギリスの頭骨と生体模型です。

丸の内オアゾ1階には福井県で発掘された恐竜が展示されています。
草食恐竜のフクイサウルス・テトリエンシスです。

肉食恐竜のフクイラプトル・キタダニエンシスの全身骨格です。

勝山市の北谷で発見されたので、この名があります。
上野
上野の森美術館では、「VOCA展2012」が開かれています。
会期は3月30日(金)までです。

VOCA展は全国の学芸員、ジャーナリスト、研究者などに、40歳以下の
若手作家を推薦してもらい、その作家が平面作品の新作を出品する
というもので、今年で19回目です。
VOCAとは、"THE VISION OF CONTEMPORARY ART"のことです。
今回は34名の作家が展示しています。
VOCA賞1名、VOCA奨励賞2名、佳作賞2名、大原美術館賞1名の受賞です。
鈴木星亜 「絵が見る世界11_03」 油彩 VOCA賞

公園の風景を再構成した作品で、見ること、描くことそのものを問うているとのことです。
ちょっとルソーに似た雰囲気で、四角い空や網目のような池の水面が印象的です。
桑久保徹 「Study of mom」 油彩 VOCA奨励賞

遠くに山々の連なる風景ですが、平野に見える部分には家具が置かれたり、
本が積み上げられたりしています。
遠く広々としていながら身近な、不思議な光景です。
柏原由佳 「21’19」 テンペラ 佳作賞・大原美術館賞

人気のない林の中に小さな池があります。
池は何かを象徴しているようで、内的な風景です。
ワタリドリ計画(麻生知子、武内明子)
「ワタリドリ通信 VOCA特別号」
「ワタリドリ計画 旅の手彩色絵はがきベスト132」

2人で全国各地を回り、そこで撮ったモノクロ写真に手彩色して、昔の観光絵葉書の
ような懐かしい雰囲気の写真を作っています。
その旅行や制作の模様を「ワタリドリ通信」という大きな新聞に書いています。
上が「ワタリドリ通信 VOCA特別号」、下が手彩色写真です。
これは面白いことをする人たちだと思いました。
2011年のVOCA展の記事はこちらです。
展覧会のHPです。
東京国立博物館の表慶館の梅も満開です。


向こうは法隆寺宝物館です。

法隆寺宝物館から見たところです。

chariot
上野の森美術館では、「VOCA展2012」が開かれています。
会期は3月30日(金)までです。

VOCA展は全国の学芸員、ジャーナリスト、研究者などに、40歳以下の
若手作家を推薦してもらい、その作家が平面作品の新作を出品する
というもので、今年で19回目です。
VOCAとは、"THE VISION OF CONTEMPORARY ART"のことです。
今回は34名の作家が展示しています。
VOCA賞1名、VOCA奨励賞2名、佳作賞2名、大原美術館賞1名の受賞です。
鈴木星亜 「絵が見る世界11_03」 油彩 VOCA賞

公園の風景を再構成した作品で、見ること、描くことそのものを問うているとのことです。
ちょっとルソーに似た雰囲気で、四角い空や網目のような池の水面が印象的です。
桑久保徹 「Study of mom」 油彩 VOCA奨励賞

遠くに山々の連なる風景ですが、平野に見える部分には家具が置かれたり、
本が積み上げられたりしています。
遠く広々としていながら身近な、不思議な光景です。
柏原由佳 「21’19」 テンペラ 佳作賞・大原美術館賞

人気のない林の中に小さな池があります。
池は何かを象徴しているようで、内的な風景です。
ワタリドリ計画(麻生知子、武内明子)
「ワタリドリ通信 VOCA特別号」
「ワタリドリ計画 旅の手彩色絵はがきベスト132」

2人で全国各地を回り、そこで撮ったモノクロ写真に手彩色して、昔の観光絵葉書の
ような懐かしい雰囲気の写真を作っています。
その旅行や制作の模様を「ワタリドリ通信」という大きな新聞に書いています。
上が「ワタリドリ通信 VOCA特別号」、下が手彩色写真です。
これは面白いことをする人たちだと思いました。
2011年のVOCA展の記事はこちらです。
展覧会のHPです。
東京国立博物館の表慶館の梅も満開です。


向こうは法隆寺宝物館です。

法隆寺宝物館から見たところです。

表参道
「カフェラントマン 青山店」は表参道の青山通り沿いのAOビル4階にあります。
場所は港区北青山3-11-7です。
AOビルの入口です。

ウィーンの有名なカフェの日本店で、3年前のビルのオープンの時からの
お店とのことです。

席数の表示があったり、メニューのサンプルが置いてあったりと、
このタイプのお店には珍しく、親切な心配りがされています。
お店の方の応対もゆとりがあります。

オーストリアの名物料理のヴィナーシュニッツェlレ(子牛のカツレツ)や
ザッハトルテ(クリームを添えたチョコレートケーキ)もあります。

禁煙の店内はシート席中心の重厚でゆったりした雰囲気で、66席あり、
広いテラス席は48席です。
BGMはクラシックでした。

アインシュペンナー850円です。

グラスに入ったホットコーヒーにホイップクリームがのっていて、
シガークッキーが添えられています。
クリームと合わさって苦味も柔らかです。
アインシュペンナーは「1頭立て馬車」という意味とのことです。
私の行ったときは曇り空でしたが、晴れた日には更に眺めもはっきりして、
気持ちの良いことでしょう。

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「カフェラントマン 青山店」は表参道の青山通り沿いのAOビル4階にあります。
場所は港区北青山3-11-7です。
AOビルの入口です。

ウィーンの有名なカフェの日本店で、3年前のビルのオープンの時からの
お店とのことです。

席数の表示があったり、メニューのサンプルが置いてあったりと、
このタイプのお店には珍しく、親切な心配りがされています。
お店の方の応対もゆとりがあります。

オーストリアの名物料理のヴィナーシュニッツェlレ(子牛のカツレツ)や
ザッハトルテ(クリームを添えたチョコレートケーキ)もあります。

禁煙の店内はシート席中心の重厚でゆったりした雰囲気で、66席あり、
広いテラス席は48席です。
BGMはクラシックでした。

アインシュペンナー850円です。

グラスに入ったホットコーヒーにホイップクリームがのっていて、
シガークッキーが添えられています。
クリームと合わさって苦味も柔らかです。
アインシュペンナーは「1頭立て馬車」という意味とのことです。
私の行ったときは曇り空でしたが、晴れた日には更に眺めもはっきりして、
気持ちの良いことでしょう。

上野
上野の東京国立博物館平成館では特別展、「ボストン美術館 日本美術の至宝」が
開かれています。
会期は6月10日(日)までです。

ボストン美術館の日本美術の収集はアーネスト・フェノロサやボストンの医師で
資産家のウイリアム・スタージス・ビゲロー、美術館の中国・日本部長に就任した
岡倉天心に始まり、現在10万点以上を所蔵しています。
特に明治15年に来日し、後に美術館の理事を勤めたビゲローは日本文化に心酔し、
4万1千点を収集しています。
展覧会ではそのうち約90点が展示されています。
展示は以下の章に分かれています。
第1章 仏のかたち 神のすがた
第2章 海を渡った二大絵巻
第3章 静寂と輝き―中世水墨画と初期狩野派
第4章 華ひらく近世絵画
第5章 奇才 曽我蕭白
第6章 アメリカ人を魅了した日本のわざ-刀剣と染織
展示は、1、2、3、6、4、5の順になっています。
第1章 仏のかたち 神のすがた
「法華堂根本曼荼羅図」 奈良時代・8世紀

釈迦が霊鷲山(りょうじゅせん)で法華経を説いている場面で、法華経如来寿量品
第十六による図像とのことです。
東大寺法華堂に伝来していたことからこの名があります。
諸仏のお顔は後の平安時代に比べておおらかです。
「普賢延命菩薩像」 平安時代・12世紀後半

普賢延命菩薩は密教において普賢菩薩から派生した仏で、延命の力があると
されています。
台密(天台宗系密教)では二臂(腕が2本)で、頭が3つの白象に乗っています。
東密(真言宗系密教)では二十臂で4頭の白象に乗っています。
四天王に護られ、とても優美で繊細な、平安貴族の美意識を写した姿です。
「弥勒菩薩立像」 快慶 鎌倉時代・文治5年(1189)

興福寺伝来で、像内に納められた経典の奥書から快慶の作と分かりました。
現存する快慶の作品の中で最も若い時に造られたとされています。
軽く腰をひねった端正な姿で、補修によるものか金泥が輝いています。
第2章 海を渡った二大絵巻
「吉備大臣入唐絵巻」 平安時代・12世紀後半

後白河法皇が描かせた絵巻で、遣唐使として派遣された吉備真備(695~775)が
唐で難問に立ち向かい、大活躍するというお話です。
元は24m以上あり、現在は4巻になっていますが、すべて拡げて展示してあります。
ストーリー展開が面白く、マンガのような楽しさがあります。
唐に着いた吉備真備が案内された先は・・・

高楼で、そこに閉じ込められてしまいます。

「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」 鎌倉時代・13世紀後半

「平治物語絵巻」は平治の乱(1159年)の模様を描いた絵巻で、合戦絵巻の最高峰と
され、元は15巻ほどだったらしく、現在は3巻と断簡数枚、摸本2巻が残っています。
ボストン美術館の所蔵する「三条殿夜討巻」は藤原信頼、源義朝らの軍勢が
後白河上皇の三条殿を襲撃する場面です。
右から左へ、急を知って駆け付ける公卿たち、後白河上皇を牛車に乗せる
武者たち、炎上する三条殿と武者の乱暴狼藉、一団となって引揚げる軍勢が
次々と描かれています。
絵巻を描いた頃より100年ほど前の、平氏の全盛をもたらした事件を、今見て来た
ばかりのような臨場感あふれる場面に描き出しています。
駆け付けた牛車は暴走し、轢かれる者もいます。

三条殿は炎上し、抵抗する者は首を掻かれています。

画面下の左に、逃げ惑う女房たちが火を逃れて落ちて死んだ井戸が見えます。

討ち取った首を薙刀に掲げて引揚げます。
画面左に首が見えます。

後白河上皇の車を囲んで引揚げる軍勢です。

日本の美術品が海外にあるのは、日本美術を知ってもらうためにもとても良いことでは
ありますが、この絵巻だけは日本に残ってほしかったと思います。
第3章 静寂と輝き―中世水墨画と初期狩野派
「山水図」 祥啓 室町時代・15世紀末~16世紀初

祥啓は鎌倉の建長寺の書記を勤めた禅僧画家で、関東で活躍しています。
空間を広く取った、のびやかな山水画です。
第4章 華ひらく近世絵画
「龍虎図屏風」 六曲一双 長谷川等伯 江戸時代・慶長11年(1606)



長谷川等伯(1539-1610)の晩年の作で、尊敬する南宋の画家、牧谿の描いた
龍虎図に倣っています。
龍も虎も面白い表情をしていて、両者の間の雲がゆったりと広がっています。
「松島図屏風」 六曲一隻 尾形光琳 江戸時代・18世紀前半

フリーア美術館所蔵の俵屋宗達の松島図屏風を元にしています。
うねる波が大胆に描かれ、画面からあふれ出しそうで、何かただならぬ気配があります。
第5章 奇才 曽我蕭白
曽我蕭白の作品が11点も展示され、展覧会の見所の一つになっています。
明治の頃に蕭白に注目したフェノロサやビゲローの眼力は大したものです。
「雲龍図」 八面 曽我蕭白 江戸時代・宝暦13年(1763)

襖から剥がされたままの状態になっていましたが、修復によって公開可能になり、
日本で初公開される作品です。
左側に頭、右側に尻尾が描かれ、胴体の部分は欠けています。
漆黒の背景から迫力いっぱいに押し出された龍の頭には凄みがあります。
顔に愛嬌のあるのが面白いところです。
長谷川等伯の「龍虎図屏風」と見比べると作風の違いが分かります。
「商山四皓図屏風」(右隻) 六曲一双 曽我蕭白 江戸時代・18世紀後半

商山四皓とは秦の時代に乱世を避けて商山に隠棲した4人の眉や髭の白い
老人のことです。
衣服や松の幹など、一気に描き上げた筆の勢いには圧倒されます。
太い墨の線には抽象画のような趣きもあります。
第6章 アメリカ人を魅了した日本のわざ-刀剣と染織
太刀や能装束などの展示です。
「唐織 紅地流水芦菊槌車模様」 江戸時代・18世紀

流水に芦、菊、水車を織り出した豪華な能衣装です。
加賀前田家の旧蔵品にこれと同じ意匠のものがあるそうです。
展示された作品は逸品揃いで、ボストン美術館の日本美術コレクションの
充実振りには驚きます。
特に、明治初めの廃仏毀釈で危機的な状況にあった仏像や仏画が
多数救われたのは幸運でした。
私は初日のほぼ朝一番に行きましたが、会場はもうかなり混んでいました。
「平治物語絵巻」は並んで流れに沿って観る状態ではありましたが、しっかり
観ることが出来ました。
chariot
上野の東京国立博物館平成館では特別展、「ボストン美術館 日本美術の至宝」が
開かれています。
会期は6月10日(日)までです。

ボストン美術館の日本美術の収集はアーネスト・フェノロサやボストンの医師で
資産家のウイリアム・スタージス・ビゲロー、美術館の中国・日本部長に就任した
岡倉天心に始まり、現在10万点以上を所蔵しています。
特に明治15年に来日し、後に美術館の理事を勤めたビゲローは日本文化に心酔し、
4万1千点を収集しています。
展覧会ではそのうち約90点が展示されています。
展示は以下の章に分かれています。
第1章 仏のかたち 神のすがた
第2章 海を渡った二大絵巻
第3章 静寂と輝き―中世水墨画と初期狩野派
第4章 華ひらく近世絵画
第5章 奇才 曽我蕭白
第6章 アメリカ人を魅了した日本のわざ-刀剣と染織
展示は、1、2、3、6、4、5の順になっています。
第1章 仏のかたち 神のすがた
「法華堂根本曼荼羅図」 奈良時代・8世紀

釈迦が霊鷲山(りょうじゅせん)で法華経を説いている場面で、法華経如来寿量品
第十六による図像とのことです。
東大寺法華堂に伝来していたことからこの名があります。
諸仏のお顔は後の平安時代に比べておおらかです。
「普賢延命菩薩像」 平安時代・12世紀後半

普賢延命菩薩は密教において普賢菩薩から派生した仏で、延命の力があると
されています。
台密(天台宗系密教)では二臂(腕が2本)で、頭が3つの白象に乗っています。
東密(真言宗系密教)では二十臂で4頭の白象に乗っています。
四天王に護られ、とても優美で繊細な、平安貴族の美意識を写した姿です。
「弥勒菩薩立像」 快慶 鎌倉時代・文治5年(1189)

興福寺伝来で、像内に納められた経典の奥書から快慶の作と分かりました。
現存する快慶の作品の中で最も若い時に造られたとされています。
軽く腰をひねった端正な姿で、補修によるものか金泥が輝いています。
第2章 海を渡った二大絵巻
「吉備大臣入唐絵巻」 平安時代・12世紀後半

後白河法皇が描かせた絵巻で、遣唐使として派遣された吉備真備(695~775)が
唐で難問に立ち向かい、大活躍するというお話です。
元は24m以上あり、現在は4巻になっていますが、すべて拡げて展示してあります。
ストーリー展開が面白く、マンガのような楽しさがあります。
唐に着いた吉備真備が案内された先は・・・

高楼で、そこに閉じ込められてしまいます。

「平治物語絵巻 三条殿夜討巻」 鎌倉時代・13世紀後半

「平治物語絵巻」は平治の乱(1159年)の模様を描いた絵巻で、合戦絵巻の最高峰と
され、元は15巻ほどだったらしく、現在は3巻と断簡数枚、摸本2巻が残っています。
ボストン美術館の所蔵する「三条殿夜討巻」は藤原信頼、源義朝らの軍勢が
後白河上皇の三条殿を襲撃する場面です。
右から左へ、急を知って駆け付ける公卿たち、後白河上皇を牛車に乗せる
武者たち、炎上する三条殿と武者の乱暴狼藉、一団となって引揚げる軍勢が
次々と描かれています。
絵巻を描いた頃より100年ほど前の、平氏の全盛をもたらした事件を、今見て来た
ばかりのような臨場感あふれる場面に描き出しています。
駆け付けた牛車は暴走し、轢かれる者もいます。

三条殿は炎上し、抵抗する者は首を掻かれています。

画面下の左に、逃げ惑う女房たちが火を逃れて落ちて死んだ井戸が見えます。

討ち取った首を薙刀に掲げて引揚げます。
画面左に首が見えます。

後白河上皇の車を囲んで引揚げる軍勢です。

日本の美術品が海外にあるのは、日本美術を知ってもらうためにもとても良いことでは
ありますが、この絵巻だけは日本に残ってほしかったと思います。
第3章 静寂と輝き―中世水墨画と初期狩野派
「山水図」 祥啓 室町時代・15世紀末~16世紀初

祥啓は鎌倉の建長寺の書記を勤めた禅僧画家で、関東で活躍しています。
空間を広く取った、のびやかな山水画です。
第4章 華ひらく近世絵画
「龍虎図屏風」 六曲一双 長谷川等伯 江戸時代・慶長11年(1606)



長谷川等伯(1539-1610)の晩年の作で、尊敬する南宋の画家、牧谿の描いた
龍虎図に倣っています。
龍も虎も面白い表情をしていて、両者の間の雲がゆったりと広がっています。
「松島図屏風」 六曲一隻 尾形光琳 江戸時代・18世紀前半

フリーア美術館所蔵の俵屋宗達の松島図屏風を元にしています。
うねる波が大胆に描かれ、画面からあふれ出しそうで、何かただならぬ気配があります。
第5章 奇才 曽我蕭白
曽我蕭白の作品が11点も展示され、展覧会の見所の一つになっています。
明治の頃に蕭白に注目したフェノロサやビゲローの眼力は大したものです。
「雲龍図」 八面 曽我蕭白 江戸時代・宝暦13年(1763)

襖から剥がされたままの状態になっていましたが、修復によって公開可能になり、
日本で初公開される作品です。
左側に頭、右側に尻尾が描かれ、胴体の部分は欠けています。
漆黒の背景から迫力いっぱいに押し出された龍の頭には凄みがあります。
顔に愛嬌のあるのが面白いところです。
長谷川等伯の「龍虎図屏風」と見比べると作風の違いが分かります。
「商山四皓図屏風」(右隻) 六曲一双 曽我蕭白 江戸時代・18世紀後半

商山四皓とは秦の時代に乱世を避けて商山に隠棲した4人の眉や髭の白い
老人のことです。
衣服や松の幹など、一気に描き上げた筆の勢いには圧倒されます。
太い墨の線には抽象画のような趣きもあります。
第6章 アメリカ人を魅了した日本のわざ-刀剣と染織
太刀や能装束などの展示です。
「唐織 紅地流水芦菊槌車模様」 江戸時代・18世紀

流水に芦、菊、水車を織り出した豪華な能衣装です。
加賀前田家の旧蔵品にこれと同じ意匠のものがあるそうです。
展示された作品は逸品揃いで、ボストン美術館の日本美術コレクションの
充実振りには驚きます。
特に、明治初めの廃仏毀釈で危機的な状況にあった仏像や仏画が
多数救われたのは幸運でした。
私は初日のほぼ朝一番に行きましたが、会場はもうかなり混んでいました。
「平治物語絵巻」は並んで流れに沿って観る状態ではありましたが、しっかり
観ることが出来ました。