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「与えられた形象―辰野登恵子/柴田敏雄」展 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館では「与えられた形象―辰野登恵子/柴田敏雄」展が
開かれています。
会期は10月22日(月)まで、火曜日が休館日です。

辰001


辰野登恵子さん(1950~)は長野県出身で、抽象画を描き続けています。
1995年には史上最年少で東京国立近代美術館で個展を開いています。

柴田敏雄さん(1949~)は東京都出身で、野外の土木工事や構築物の写真を
撮っています。
1992年には木村伊兵衛写真賞を受賞しています。

東京藝術大学油画科の同級生だった辰野さんと柴田さんは、学生時代は同じ
同級生の鎌谷伸一さん(1948~2009)とともにグループを結成して
活動していたということです。

その後は辰野さんは抽象画、柴田さんは写真と、別の方向で活動を続けて
いますが、二人とも形というものを追求しています。

辰野登恵子さんの作品はどれも物体を描いています。
立体としての存在、その距離感などを表そうとしているようです。
色彩は明るく、全体に大らかさがあります。


「UNTITLED 96-3」 1996年 横浜美術館
辰004

赤いコの字型の形は立体感があります。

「Red・Line Blue・Line」 国立国際美術館
辰002

辰野さんは同じような2つの形の組み合わせをよく描いています。

「AIWIP-17」 リトグラフ
辰野001

AIWIPは「At IDEM Workshop In Paris」の略で、IDEMは制作したパリの
工房の名前とのことです。
モノクロの作品で、パイプとその内部の円形の断面のように見えます。

2011年に銀座の資生堂ギャラリーで開かれていた、「辰野登恵子展
抽象-明日への問いかけ」の記事
です。


柴田敏雄さんは、ダム、堰、橋など屋外の構築物を対象にしたモノクロと
カラーの写真を撮り続けています。

「群馬県北群馬郡小野上村」 1994年
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「高知県土佐郡大川村」 2007年 東京都写真美術館
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「埼玉県秩父市」 2007年 東京国立近代美術館
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何となく眺めていたのでは気付かない、構造物としての機能とは別の、
形としての面白さ、迫力を切り取っています。


展覧会のHPです。





【2012/09/30 00:12】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「conanoco cafe(コナノコ カフェ)六本木本店」
六本木
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「conanoco cafe(コナノコ カフェ)六本木本店」は六本木ヒルズの
ヒルサイド1Fにあります。
場所は港区六本木6-10-1 です。

スコーン専門店で、後楽園近くにあった春日本店が9月20日に移転して
オープンしたばかりです。
外は開店祝いのお花でいっぱいでした。

コナ0212


春日店の頃より少し大きなお店で、全席禁煙のイートインは15席あります。
BGMはボサノバでした。

コナ0227


はちみつレモン、バニラビーンズ、紅茶、胚芽バナナ、トマトチーズなど
いろいろなスコーンが並んでいます。

コナ0217


カボチャのスコーン150円とコーヒー380円です。

コナ0223

スコーンは温めてあり、ほんのりバターの香りがして、ほくほくと美味しいです。
コーヒーもすっきりとして良い味で、スコーンによく合います。

六本木ヒルズにこのような手軽できっちりと美味しいお店が出来たのは
嬉しいことです。

お店のHPです。

メトロハットのパネルディスプレイにも「コナノコ カフェ」が写っていました。

コナ0234

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【2012/09/29 00:07】 お店 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「第59回 日本伝統工芸展」 日本橋三越
三越前
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日本橋三越本店本館7階ギャラリーでは10月1日(月)まで、
「第59回 日本伝統工芸展」が開かれています。
入場は無料です。

工001


昭和25年に施行された文化財保護法の趣旨に沿って、昭和29年以来
陶芸、染織、漆芸、金工、木竹工、人形、諸工芸の7部門の作品を審査し、
入選作品を展示しています。


日本工芸会総裁賞
彫漆蒟醤蓋物(ちょうしつきんまふたもの) 「律」〈漆芸) 藤田正堂
工002

乾漆の箱で、東南アジアのキンマ入れの伝統を取り入れた作品です。

高松宮記念賞
友禅訪問着(ゆうぜんほうもんぎ) 「暁韻」(染織) 中井謙次
工004

白を活かした絹の地に高野槇の葉を描いています。

文部科学大臣賞
鋳黒味銅象嵌花器(ちゅうくろみどうぞうがんかき)
 「心の海」〈金工〉 宮薗士朗

工003

すっきり伸びやかな姿で、象嵌が入っています。

NHK会長賞
Nerikomi Porcelain 「Sparkle」(陶芸) 室伏英治
工005

柔らかな色の陶土が渦巻く、動きのある作品です。

日本工芸会奨励賞
桐塑紙貼(とうそかみばり) 「空へ」(人形) 青江桂子
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広い空間と風があります。

日本工芸会奨励賞
七宝箱(しっぽうばこ) 「蛍舞う」(諸工芸) 粟根仁志
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装飾的な夜の景色です。

日本工芸会新人賞
一位造小箪笥(いちいづくりこだんす)(木竹工) 角間泰憲
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真中で二つに分かれるようになっています。

広い会場いっぱいに展示された各部門の作品、約620点はどれもデザイン性に優れ、
さまざまな技法が使われていることが分かり、とても見応えがあります。
これらが日本の伝統工芸の技による作品だと思うと、何か心強い気持ちになります。





【2012/09/28 00:05】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「~ウィーンのベートーヴェン~斎藤民雄個展」 日本橋三越
三越前
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日本橋三越本店美術特選画廊では10月2日(火)まで、
「~ウィーンのベートーヴェン~斎藤民雄個展」が開かれています。

斎藤民雄さん(1946~)は兵庫県出身で、大学卒業後ウィーンに渡り、
オーストリア国立ウィーン応用美術大学に在学しています。
以後41年間ウィーンに在住し、モーツァルトなど、ウィーンになじみの深い
音楽家ゆかりの地を描いてきました。

今回の展覧会のテーマはベートーヴェンで、約20点の作品が展示されています。
ベートーヴェンは22歳で故郷のドイツのボンを出て、亡くなるまでウィーンに
留まっています。

「パレ・ロプコヴィッツ界隈」 25号
斎藤001

斎藤さんの作品は線描も色彩もきっぱりとして明快ですが、その中に柔らか味が
あります。





【2012/09/28 00:03】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「第76回 新制作展」 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館では、「第76回 新制作展」が開かれています。
会期は10月1日(月)までです。

新制作協会は1936年設立の美術団体で、現在は絵画部、彫刻部、
スペースデザイン部があります。
新制作展は撮影可能です。
幾つかの作品について印象を一言添えてUPしました。

『ライフ「画家の庭で遊ぶ」II』 金山宰司 
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豊満な平面

「敦煌幻想」 佐藤泰生 
新0066

色彩の面白さ

「北の地蔵 1」 田澤茂
新0060

鎮魂のお地蔵様

「龍神曼荼羅図」 太田國廣
新0076

金銀彩の迫力

「行雲流水」 小島隆三 
新0113

人生は水の流れ

「ミロワール」 鍋島正一
新0055

夢の中の虚像

「青いバラの景」 本家浩一
新0127

レオナルドもいる典雅な幻想

「風になって」 近藤オリガ
新0199

不安げな空間

「ノスタリジィア I」 田中亮平
新0156

懐旧の中の街

「still life」 渡辺久子 
新0088

心地良い光

「花と街」 野村昭雄
新0136

ラベンダー色に染まる景色

「come home」 中井英夫
新0132

心の中に作った家

「花の市」 丸山正三
新0138

街角の一こま

「イチョウ-rising out- II」
新0141

形になった時間

「晩秋の河川敷」 平松幸雄
新0159

澄んだ冷たさ

「光芒」 矢吹幸子
新0177

風景の中に見る神秘

「母子」 高堀正俊
新0091

写実の確さ

「GOLD AREA」 一居孝明
新0051

金属の感触

「斜光 I」 森弘江
新0039

光の面白さ

「理科室」 河村雅文
新0186

写実の生み出す非現実

「伊坂居町踏切」 田村研一
新0048

元気なノスタルジー

「パリ観光半日コース」 谷垣美穂
新0145

絵本の楽しさ

「何処へ」 石川由子
新0181

たしかにあの頃はあった

昨年の第75回新制作展に行った時の記事です。

新制作協会のHPです。

【2012/09/27 00:02】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「サブウェイ 東京大学工学部2号館店」
本郷三丁目
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「サブウェイ 東京大学工学部2号館店」は東京大学本郷キャンパスの
安田講堂に向かって左側にあります。
場所は文京区本郷7-3-1です。

工学部2号館旧館の正面玄関です。

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お店は旧館にかぶさるように建っている新館にあります。

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建物の中の広場にテーブルと椅子が置いてあって、広々した空間で一休みです。

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ドリンクは自分でカップに注ぎます。

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BLTサンド370円とアイスティーです。

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壁に東京帝国大学第13代総長で海軍技術中将だった平賀譲の事績の説明板と、
平賀の設計した重巡洋艦「妙高」型の設計図が展示されています。

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「妙高」の同型艦には「那智」「羽黒」「足柄」があります。

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構内に咲いていた紅蜀葵です。

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夏蜜柑はまだ青い色でした。

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東大病院から見たスカイツリーです。

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【2012/09/26 00:05】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「お伽草子 この国は物語にあふれている」展 サントリー美術館
六本木・乃木坂
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六本木のサントリー美術館では「お伽草子 この国は物語にあふれている」展が
開かれています。
会期は11月4日(日)までです。

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室町時代から江戸時代初期に作られた短編の物語、「お伽草子」は
約400種類が残っているそうです。
その中には「浦島太郎」や「酒呑草子」なども含まれています。
平安時代の貴族文学に連なる文芸ですが、戦乱が続き、民衆が台頭してきた
時代を背景にしており、貴族文学に比べると、短編で、絵が付いていて、
テーマが新奇なのが特徴です。

「福富草紙」 室町時代 京都・春浦院 重要文化財
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ある男が、自在に放屁する芸で財を得た男をうらやんで、貴人の前で真似を
したところ、粗相をしてしまい、散々に打たれて追い出されるという話です。
血が噴き出し、着物は破れて逃げ帰る男を、道行く人も容赦なく笑っています。
愚か者に対する痛烈な嘲りを観て取れます。
個人の才覚に目覚め始めた、室町という時代を表しているのでしょうか。

「酒伝童子絵巻」 狩野元信 大永2年(1522) サントリー美術館
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酒呑童子の説話には、舞台を大江山とするものと、近江伊吹山とするものがあり、
こちらは伊吹山です。
小田原の北条氏綱の注文により狩野元信と弟子が描いた絵巻で、源頼光と
家来たちが討っている場面では酒呑童子の首が源頼光に喰らい付いています。
戦国時代の好みを映して凄惨な光景ですが、他の場面では同じ日の出来事の中に、
季節の異なる紅白梅、藤、萩、菊が描かれ、目を楽しませてくれます。

「蛙草紙絵巻」 伝土佐光信 室町時代 根津美術館
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蛙の精に頼まれた男が御屋敷の床下に閉じ込められた蛙を掘り出し、
呪いの解けたその家の娘と結ばれるというお話です。
でんと構えた蛙や、逃げ出す子供、恐る恐る覗き込む人、あわてて
駆けつける人の姿がユーモラスです。

「ささやき竹物語」 江戸時代 西尾市岩瀬文庫
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花見に訪れた娘に一目惚れした毘沙門堂の別当が、夜中にその両親の寝ている
所の近くに忍び込み、耳元に長い竹を伸ばして、毘沙門のお告げを偽って
毘沙門堂に娘を預けよとささやきます。
信じた両親は娘を長櫃に入れて送り出しますが、不審に思った貴公子が娘を
子牛と入れ替えて、別当の企みは失敗します。

旧約聖書でも神は静かにささやくとありますが、この僧はとんでもないことを
ささやいています。
お伽草子は主人公の出家や成仏で終わる話が多いですが、破戒僧を嗤う話も
数多くあります。

岩瀬文庫のHPには、ナレーション付きで「ささやき竹物語」が紹介されています。

「鼠草子絵巻」 室町~桃山時代  サントリー美術館
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四条堀川に住む鼠の権頭(ごんのかみ)は、子孫が畜生道に堕ちることを
恐れて清水寺に祈願して美しい姫君と結ばれるものの、清水寺にお礼参りに
行っている隙に正体が露見してしまい、世をはかなんで出家するという
お話です。
逃げていった姫君の残した、鏡、かもじ、碁盤などの道具を眺めながら、
鼠の権頭がいくつか和歌を詠む場面もあります。
和歌は源氏物語の中の歌を下敷きにしているそうです。

鏡: おもかけのとまるならひのありとせは
    かゝみをみてもなくさめてまし

本歌:源氏物語、須磨の巻 紫の上

   別れても影だにとまるものならば
    鏡を見てもなぐさめてまし

なかなか雅な権頭です。
布団を詠んだ歌もあるのは、田山花袋の「蒲団」のようです。

お伽草子には清水寺が登場する作品が多くあり、「蛙草紙絵巻」も清水寺詣り
から話が始まっています。 

「雀の小藤太絵巻」 室町時代 サントリー美術館
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子を蛇に食べられて悲しむ雀の小藤太夫婦の許にさまざまの鳥たちが弔問に訪れ、
和歌を詠み交わします。
やがて出家した小藤太は諸国の社寺を訪れた後、庵を結んで極楽往生を遂げます。
墨染の衣を着た雀の姿がとても可愛らしく描かれています。
この絵巻でも清水寺に参詣している場面もあって、社寺巡り絵巻となっています。

「是害房絵巻」 南北朝時代 泉屋博古館 重要文化財
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「今昔物語」にあるお話で、中国から来た天狗の是害房は比叡山の僧と法力競べを
して負けてしまいます。
日本の天狗たちによる賀茂河原での湯治などの介抱のおかげで回復した是害房は
送別の歌会を催してもらった後、帰って行きます。
巧みな筆さばきの絵巻で、湯を沸かして是害房を風呂に入れたりして甲斐甲斐しく
介抱する天狗たちの様子が活き活きと描かれています。

「付喪神絵巻(つくもがみえまき)」 室町時代 岐阜市・崇福寺
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節分の煤払いで不用品として捨てられた、燭台、臼、壷などの古道具類が、
長年のご奉公が報いられなかったと恨んで、人間に復讐しようと妖怪になる
お話です。
止めようとした数珠の一蓮を手棒の荒太郎が追い払う場面もあります。
船岡山の奥の長坂に棲み付いた妖怪たちですが、最後は数珠の一蓮の導きで
成仏を遂げます。
モノに対する日本人の感性をよく表した絵巻です。

「百鬼夜行絵巻」 室町時代 京都・真珠庵  重要文化財
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仏事の道具や生活の道具が妖怪となって深夜の京都の町を練り歩いている図です。
「百鬼夜行」を描いた作品の中で最古とされる有名な絵巻で、「付喪神絵巻」と
関連があるようです。
日本の妖怪たちにはどこか微笑ましいところがあり、観ていて楽しくなってしまう
絵巻です。


どのお伽草子も、今の感覚で観ても面白く、室町時代以来の人たちの息遣いまで
聞こえてきそうです。
稚拙な絵の草子も多いですが、かえって当時の人たちの活き活きとした感性が
伝わります。

会期中、かなりの展示替えがありますので、展覧会のHPの中の展示替リストで
ご確認下さい。


【2012/09/25 00:04】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(3) |
「喫茶 銀座」 恵比寿
恵比寿
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「喫茶 銀座」はJR恵比寿駅から西に入った所にあります。
場所は渋谷区恵比寿南1-3-9です。

角地の分かりやすい場所にあります。

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店内は70席ほどで、平日は朝10時から、土曜日は午後5時から開いていて、
日曜日はお休みです。
てきぱきと切り盛りしているお店の方によれば40年前の開店とのことです。
年季の入った昭和の喫茶店で、CMやドラマに使われることも多いそうです。

BGMはお店の雰囲気とは少し違って、ハウスミュージックでした。

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丸い形のショーケースにも趣きがあります。

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ミラーボールやDJのブースもあって、夜はライブが開かれたりで、
昼とは別の顔があるようです。

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ランチセット900円はいろいろ種類があります。

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ナポリタンは細めの麺で、割とあっさりした味です。

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コーヒーは昔ながらの懐かしい味です。

恵比寿には新しいカフェは多いですが、こちらのような昔からの喫茶店は
今では貴重なお店です。

窓から外の通りを眺めながら、のんびり時間を過ごしました。

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お店のHPです。


お店の近くで見かけたムクゲです。

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こちらはノウゼンカズラです。

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【2012/09/24 00:50】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ジョルジュ・ルオー  アイ・ラブ・サーカス」展予告   パナソニック汐留ミュージアム
新橋
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展覧会のお知らせです。
新橋のパナソニック汐留ミュージアムでは、「ジョルジュ・ルオー 
アイ・ラブ・サーカス」展が開かれます。
会期は10月6日(土)から12月16日(日)まで、水曜日は休館日です。
入館料は一般800円です。

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パナソニック汐留ミュージアムはジョルジュ・ルオー(1871-1958)の
油彩・版画作品を公開するために設立された美術館です。
約230点のルオーの作品を所蔵していて、常設コーナーでは作品の一部が
展示され、特別展もよく開かれています。

私も2011年の「ルオーと風景 パリ、自然、詩情のヴィジョン」展に
行ってきました。
「ルオーと風景」展の記事です。

今回の展覧会は、パリのルオー財団の特別協力により、初期から晩年までの
サーカスを着想源にして描いた作品が展示されます。
サーカスの道化師の中に人間存在の本質を見ていたルオーは、全作品のうち
3分の1をサーカスをテーマにして描いていたそうです。

展覧会では当時のサーカスのポスターやプログラム、新聞・雑誌の記事なども
展示されます。

期間中は「山田五郎アートトーク」「金井圭介氏によるサーカスワークショップ」
「本展監修者後藤新治氏(西南学院大学教授)によるスライドトーク」などの
イベントもあります。

詳しくは展覧会の公式サイトをご覧ください。

ルオーの描く、ステンドグラスの輝きを持つ道化師を観られるのはとても楽しみです。

ミュージアムの入っているパナソニック汐留ビルの2階には広々とした
喫茶コーナーもありますので、展覧会を観た後の一休みにも良いでしょう。

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【2012/09/23 22:37】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「田中武 隠/暗 展」 日本橋高島屋
日本橋
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日本橋高島屋の美術画廊Xでは10月8日(月)まで、「田中武 隠/暗 展」が
開かれています。

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田中武さん(1982~)は北九州市出身・在住の日本画家で、古典に拠りながら、
ひねりを加えたユニークな作品を描いています。

この展覧会は釈迦の弟子を描いた「十六羅漢図」になぞらえ、人間の欲望を
象徴した「十六恥漢図」5点を中心にした展示です。

「十六恥漢図」のうち、「印相」 120号 2010年
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シリーズの第1作で、チキンを食べている人はさらに飛んでいるツバメに
食欲を見せています。
手の形は仏像の印相になぞらえていて、題名の元になっています。
軸物に似せた縁取りで、中国画の趣きがあり、手前には草花が博物画の
ように描かれています。
会場におられた田中さんによれば、この作品が好評だったことから、
シリーズとして制作を始め、現在5点が完成したとのことです。

「十六恥漢図」のうち、「裏側」 2011年 豊橋市美術博物館蔵
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第5回トリエンナーレ豊橋星野眞吾賞展大賞を受賞した作品です。
羅漢が自分の顔の皮を剥くと、仏の顔が現れたという話に拠っています。

「十六恥漢図」のうち、「霞」 2012年
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「十六恥漢図」のうち、「初紅」 2012年
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「お祈願ジャポン」 2011年
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荷物の箱を担ぎ、脚にはおみくじを結び付けた馬が驚いた顔をしています。
上の方にはエンジェルトランペットが描かれています。
右上には、「奉 神馬日本霊異記 上二十一」とあります。
日本霊異記は日本最古の説話集で、上巻21は馬を酷使した男が災いを
受けるという話です。
神社の絵馬の形を使って、人間の欲望の際限の無さを表しています。


展示場の一部は襖で仕切られていて、襖には大小の襖の引き手金具の絵が
描かれています。
田中さんによれば108個あるとのことで、煩悩の数ということです。
金具は亀がデザインされていて、円山応挙や長沢芦雪の絵で有名な兵庫県の
大乗寺の襖の引き手金具と同じとのことです。
田中さんは大乗寺によく通い、応挙の作品から多くの示唆を得たそうです。

襖の奥の絵には写真のネガのような黒い地の作品が置かれています。
始めの「十六恥漢図」などの「隠」に対して、「暗」の世界です。

「Return of a desire」 2012年
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横約360cmの大作で、画像はまだ未完成のものです。
完成作では、人々の見つめる向こうに燃え上がる国会議事堂周辺と、
ゴジラが描かれています。
東日本大震災と原発事故に触発されての作品で、木から藤の花のように
下がっているおみくじは人々の欲望を、ゴジラによる破壊はその応報を
表しています。
作品の構想は釈迦を荼毘に付す場面を描いた、下村観山の「闍維(じゃい)」に
拠っているとのことです。

田中武さんの作品には日本画の伝統に則りながら、今の世に生きている
感覚があります。
あと残った11点の「恥漢図」がどんな作品になるか楽しみです。

9月23日(日)午後3時と、9月30日(日)午後3時にはギャラリートークも
開かれます。


【2012/09/23 00:03】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「カフェ&ダイニング イリス」 鶯谷
鶯谷
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「カフェ&ダイニング イリス」は鶯谷のホテルシャーウッドの2階にあります。

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駅近くのビジネスホテルにあるダイニングで、すっきりとした簡素な
インテリアです。
仕切りのある分煙式になっていて、禁煙席は60席ほどです。
こちらのシェフは東京ステーションホテルのシェフだったとのことです。
BGMはクラシックでした。

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ランチの魚料理945円はスズキ、ホタテ、サーモンで、美味しいソースが
かけられています。

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ライスとサラダとドリンクを付けるとプラス250円です。
パンはありません。

コーヒーはコクのある味です。
カップはウェッジウッドです。

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ホテルのカフェですが、場所柄、下町的ホスピタリティーを感じるお店です。

鶯谷駅から見た景色です。

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【2012/09/22 03:46】 お店 | トラックバック(0) | コメント(3) |
「平家物語画帖 諸行無常のミニアチュール」展 根津美術館
表参道
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表参道の根津美術館ではコレクション展、「平家物語画帖
諸行無常のミニアチュール」が開かれています。
会期は10月21日(日)までです。

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平家物語を120の場面の小さな扇形に描いた、「平家物語画帖」
(上中下・三帖)を前後期に分けて全面展示します。
前期は9月30日まで、後期は10月2日からです。

「平家物語画帖」は江戸時代、17~18世紀の作品で、実際の扇面より小さな
金地の画面にきらびやかな大和絵で描かれています。
詞書と扇面が組み合わされた各場面を折りたたんで3冊の画帖に仕立ててあります。

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この場面は中帖の「宇治川先陣の事」で、宇治橋の橋板は外され、梶原景季を
佐々木高綱が呼び止めています。

上帖は「殿上の闇討ち」から始まります。

上帖より、「鱸の事」
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熊野詣の帰りに平清盛の乗った船に鱸(すずき)が飛び込み、周の武王の船に
白魚が飛び込んだ例に倣って皆で食べたところ、その後一門は出世、繁栄した
というもので、熊野権現の御利益とされています。
船の屋形の中に大きな魚が描かれています。

中帖は「小督の事」から始まります。

中帖より、「小督の事」
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高倉天皇の寵を受けた小督(こごう)は、娘の建礼門院徳子にとって
邪魔な存在であるとして清盛に追放されますが、帝の命で行方を捜していた
源仲国は琴の音をたよりに小督の居所を捜しあてます。
嵯峨野の侘び住いということで、柴垣を巡らしてあります。
黒田節の「峯の嵐か松風か 尋ぬる人の琴の音か」の一節にも唄われた、
情趣の深い場面です。

下帖は「坂落し」から始まります。

下帖より、「敦盛最期の事」
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一ノ谷の戦いで、沖に逃れようとする平敦盛を扇をかざして呼び戻す
熊谷直実です。
陸と海を対比する、絵画的な場面で、能や幸若舞の「敦盛」はこれを
題材にしています。

下帖より、「那須与一」
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屋島の戦いで、扇を射落とす那須与一です。
二の矢で船から射落とされる平家の武者も描かれています。

画帖の場面場面を観ていくうちに平家物語の世界に惹き込まれていきます。
平家物語の各場面は各時代を通じてさまざまに描き継がれています。
松岡映丘や前田青邨もよく描いていました。


展示室2のテーマは「禅僧の名筆」です。

鎌倉時代に元から来日した無学祖元や一山一寧の書も展示されています。


展示室5のテーマは「平家物語の能面」です。

平家物語を題材にした演目でよく使われる能面の展示です。
勇猛な武将の顔を表す面の「平太」の日に焼けた精悍な表情が印象的です。
「屋島」や「箙」などの演目に使われる面です。

展示室6のテーマは「晩秋の茶事」です。

10月になると炭火の入った風炉を壁から少し離して客の方に近づけるそうです。
水指は客側より壁際に置かれるので、形の細い水指が使われます。

「瀬戸正木手茶入」 銘正木 江戸時代 17世紀
平009

くっきりと色変わりしています。

「和歌懐紙」 飛鳥井雅経 鎌倉時代 12~13世紀 重要文化財
茶室の掛軸は和歌の書です。

 かねのおともまくらにちかしあらしやま
   あけなばよそのあきのいろかは

展覧会のHPです。





根津美術館の次回の展覧会は特別展、「柴田是真の漆工・漆絵・絵画」です。
会期は11月1日(木)~12月16日(日)です。

平010


【2012/09/21 00:11】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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