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「山口晃展 老若男女ご覧あれ」 横浜 そごう美術館
横浜
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横浜のそごう美術館では「山口晃展 老若男女ご覧あれ」が開かれています。
会期は5月19日(日)までです。

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山口晃さん(1969~)はきわめて優れた描写力と自由でのびのびとした想像力で、
過去と現在の交じり合う独特の世界を繰り広げています。
展覧会では油彩画、立体作品、創画など、山口さんの幅広い活動を紹介しています。

「厩圖2004」 2004年
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「厩図」は室町からよく描かれるようになった画題です。
こちらは東京国立博物館所蔵の重要文化財、「厩図屏風」が元になっていて、
室町時代と現代が交じり合い、山口さん独特のバイクと合体した馬が
つながれています。
1頭は庭で武者を乗せています。

なぜか左隅にサンタクロースがいます。
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「邸内見立 洛中洛外圖」 2007年
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屋敷の中に洛中洛外図を入れ込んだ、戯作者的な遊び心にあふれた作品です。

百万遍、銀閣寺の築山、南禅寺の水路閣、哲学の道、大文字などが見えます。
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廊下を祇園祭の山鉾が巡行しています。
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金閣寺がトイレになっているのには訳があります。
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西本願寺唐門の前には電車が停まり、教王護国寺の時計塔は
午後9時を指しています。
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「百貨店圖 日本橋三越」 2004年
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三越百貨店の広告の原画になった作品です。
洛中洛外図の技法を使って百貨店の賑わいを描いています。
売りつくしセールなので、商品はほとんど売り切れという、目出度い図柄です。
現代の風景の中に江戸時代の侍や平安時代の牛車も交じる、祝祭的な世界です。

「Tokio山水(東京圖2012)」(部分) 2012年
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屏風のような横長の画面に描かれた東京の街の鳥瞰図です。
右端の東京スカイツリーから左端の目黒の庭園美術館までとても細かく
描き込んでいます。
江戸時代の絵師、鍬形蕙斎(くわがたけいさい)の「江戸一目図屏風」と
似た趣向です。

画像は上野辺りで、上野駅は「上野ステンショ」と、明治風の名前が
書き込まれています。

ドナルド・キーン著 「私と20世紀のクロニクル」挿画 2006年
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ドナルド・キーンさんが読売新聞に連載した自叙伝の挿画全点が
展示されています。
時代の雰囲気をよく伝えています。

朝日新聞に連載された五木寛之著、「親鸞」の挿画も展示されています。

「携行折畳式喫 茶室」 2002年
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波板などのあり合わせの材料で作った、一畳の茶室です。
中には床の間もあり、ポータブルコンロとヤカンも置いてあります。
素材は安いですが、豊臣秀吉の黄金の茶室と同じ原理です。


付り澱エンナーレ(つけたりおりえんなーれ)として、
「2013山愚痴屋澱エンナーレ」も開かれています。

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現代アート国際展の開催地である横浜にちなんでの開催とのことで、
山口さんの感性を示すさまざまなアートが展示されています。


2011年に銀座三越で開かれた、「東京旅ノ介 山口晃展」でも山口晃さんの
技量や才能の生み出す作品を存分に楽しみましたが、今回も同じように
満喫出来ました。

山口さんの自由な発想、批評精神は観ていて楽しく、心地良い刺激になります。
その奔放さのために、別の時代に生まれていたら英一蝶のように島流しに遭ったり、
河鍋暁斎のように牢屋に入れられたかもしれないと思ったりします。

「東京旅ノ介 山口晃展」の記事です。


 


【2013/04/30 00:02】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
「ル サラディエ」 御茶ノ水ソラシティ(sola city)
御茶ノ水・新御茶ノ水・淡路町
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「ル サラディエ」は4月12日にオープンした御茶ノ水ソラシティの地下1階にある
カフェです。
場所は千代田区神田駿河台4-6です。

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この前入った「スワン食堂」と同じく、広場に面しているので、店内は明るく
なっています。
「スワン食堂」の記事です。

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朝8時から開いていて、三角形の店内は30席ほど、全席禁煙で、
テイクアウトもあります。
サラダのお店ですが、いろいろ他のメニューも揃っています。

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ウッディな店内はちょっと高級感のある雰囲気です。
BGMはクラシックでした。

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ライトや水のサーバーも面白いデザインです。

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ロレーヌキッシュ480円とセットのコーヒー200円にしました。
セルフ式ですが、私の行ったときは朝早かったためか、店員さんが
持ってきてくれました。

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温かいキッシュはベーコン、チーズ、タマネギ入りで、しっとりして美味しいです。
その都度ペーパードリップで淹れるコーヒーもすっきりとして良い味です。
コーヒー単品はS360円、L400円です。

ゆったりとした気分になれる居心地の良いお店です。
ソラシティのおかげでお茶の水に立ち寄れるスポットが増えました。


【2013/04/29 00:18】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「国宝 大神社展」 ブロガー内覧会
上野
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上野の東京国立博物館平成館で開かれている、「国宝 大神社展」の
ブロガー内覧会が4月23日の夜にありましたので、行ってきました。

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会期は6月2日(日)までです。
会期中は前期(5月6日まで)と後期(7月8日から)、一部展示替え、
また個別の展示替えがあります。

※会場内の画像は主催者の許可を得て撮影したものです。

考古研究員の井上洋一さんと彫刻史研究員の丸山士郎さんのギャラリー
トークがあり、大変参考になりました。

「山ノ神遺跡出土品」 
 奈良県桜井市山ノ神遺跡出土 古墳時代・5-6世紀 東京国立博物館

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山の神を祀っていたことを示す出土品です。
三輪山を祀る祭祀遺跡で、ミニチュアの土器類や石器類です。

こちらは海の神を祀った福岡県宗像市沖ノ島祭祀遺跡出土の4-5世紀の
国宝の鏡です。
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「金銅製雛機」 伝宗像市沖ノ島祭祀遺跡出土 
 奈良-平安時代・8-9世紀 国宝

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とても精巧なミニチュアで、実際に機織り出来るそうです。
機織の技術は大陸・朝鮮から伝来しており、海の交通路にふさわしい
奉納品です。

「沃懸地螺鈿金銅装神輿」 
 平安時代・12世紀 和歌山・鞆淵八幡神社 国宝

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鎌倉時代の安貞2年(1228)に京都の石清水八幡宮から贈られています。
鞆淵郷は石清水八幡宮の荘園のあったところです。
堂々とした神輿で、屋根の下のところに螺鈿細工がされているのが見えます。

「七支刀」 古墳時代・4世紀 奈良・石上神宮 国宝
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何と言っても一番人気はこの刀です。
4世紀の朝鮮半島との関係を知る手がかりとなる銘文が彫ってあり、
これを観るだけでもこの展覧会に来た甲斐があります。

象嵌も縦に彫られているので立てて展示されていても良いのですが、
横になっています。
これは、実は枝の一つが折れていて、立てるとさらに損傷しやすいので
横にしてあるそうです。

5月6日(月・休)までの展示予定でしたが、所蔵先のご厚意により
5月12日(日)まで期間が延長されることになりました。

「白糸威鎧」 鎌倉時代・14世紀 島根・日御碕神社 国宝
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前期の展示です。
金物には花輪違紋があしらわれています。
源頼朝、あるいは塩冶高貞(えんやたかさだ)の奉納とされていますが、
花輪違紋は塩冶家の家紋です。
塩冶高貞は鎌倉期から南北朝期の武将で、歌舞伎の忠臣蔵で塩冶判官と
されている人物です。
松江藩主、松平治郷(不昧)の命によって補修されていて、威糸のほとんどは
その時の物です。

「浅葱糸妻取威鎧」 室町時代・15世紀 山口・防府天満宮 
神0143

前期の展示です。
周防・長門の守護大名、大内盛見(おおうちもりはる)が足利将軍から拝領した鎧で、
正長2年(1429)に奉納されています。

左 「大太刀」 銘 備州住兼重作 
 南北朝時代・14世紀 栃木・日光二荒山神社 重要文化財


右 「大太刀」 桐鳳凰蒔絵太刀 
 室町時代・天文7年(1537) 神奈川・鶴岡八幡宮 重要文化財

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右の大太刀には長い銘が入っていて、戦国大名の北条氏綱の奉納とあります。
  奉納八幡宮御宝殿北条左京太夫平氏綱 天文七戊戌年八月二日
  所願成就皆令満足 相州綱広作

ともにかなり長い、見事な太刀です。

左 「唐鞍」 鎌倉時代・13世紀 奈良・手向山八幡宮 国宝
八幡三神のための螺鈿などの装飾を施した馬具で、一式揃っている最古のものです。

右 「海松円文螺鈿鞍」 
鎌倉時代・12世紀 奈良・手向山八幡宮 重要文化財

南宋から渡来の工人で東大寺の再建に尽くした陳和卿の寄進と伝えられています。

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手向山八幡宮は東大寺の鎮守として祀られています。

「水干・袴 褪紅地松梅模様」天野社伝来
 室町時代・15世紀 和歌山・金剛峯寺 重要文化財

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前期の展示です。
衣装類も何点か展示されています。

神像のコーナーの入口です。

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手前から
「獅子・狛犬」 平安時代 12世紀 滋賀・若松神社
「随身立像」 厳成作 
 平安時代 応保2年(1162) 岡山・高野神社  重要文化財


随身の一人は矢をつがえ、一人は弓を引き絞っているところだそうです。
矢をつがえている方は袖をまくっているという変わった姿です。

「男神坐像(老年像・青年像)・女神坐像」 
 平安時代・9世紀 京都・松尾大社 重要文化財

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現存する神像ではおそらく日本最古だろうとのことです。
見た目にはよく分かりませんが、神威を示すためか真中の老年像の顔は赤く、
女神像は白く、女神像との間の子と思われる青年像は肌色に塗ってあるそうです。
老年像の顔には皺がありますが、青年像は張りのある顔立ちです。

左 「女神坐像(八幡三神像のうち)」 
 平安時代・9世紀 京都・東寺(教王護国寺) 国宝

松尾大社の神像とほぼ同時代の作で、堂々としたお姿です。
八幡神は東寺の鎮守神で、東寺の中には八幡宮もあります。

明治政府による神仏分離令が出るまでは日本では神仏習合が進んでいたので、
お寺に神像や神宝が残っていることがあります。

右 「男神坐像(伝武内宿禰)」 
 平安時代・10世紀 京都・東寺(教王護国寺)  国宝

上半身裸形で、元は衣装を着ていたものと思われます。

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「武装神坐像」 平安時代・12世紀 奈良・勝手神社
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武装神像は中国式の鎧のことが多いとのですが、この像は日本の鎧を
着けています。
手前の像は星兜を被り、右腰に平胡簶(ひらやなぐい)を帯び、
普通は左胸に着ける鳩尾の板を右胸に着けています。

勝手神社はその字面から戦の神としても信仰されています。

「男神・女神坐像、童子・童女立像」  平安時代・12世紀 広島・南宮神社
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9世紀の神像に比べ制作も簡略化されていますが、1体ごとの違いも
表現されています。


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右の像と比べると、真中の像は垂れ目で衣装も質素、髪もすべて後ろに垂らして
耳を出しているのは身分の低さをあらわしているらしいとのことです。

左 「女神坐像」 平安時代・10~11世紀 兵庫・伊弉諾神宮
右 「女神坐像」 鎌倉時代・13世紀 兵庫・伊弉諾神宮
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左の像は吉祥天のような髪型で、肉付きも豊かです。
背中側に木のうろがあって、仏像を彫る場合には使わないような木の部位を
構わずに使っているそうです。
ご神木を彫って神像にしたのでしょうか。

右の鎌倉時代の像はかなり平面的になっていて、袿(うちぎ)を3枚重ねています。

伊弉諾神宮(いざなぎじんぐう)は淡路市にあって、イザナギ、イザナミを
祀っています。

「小丹生之明神 和加佐国比古神(男神坐像)」
「小丹生之明神 和加佐国比女神(女神坐像)」 
 鎌倉時代・13世紀 福井・若狭神宮寺 重要文化財
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男神は「おにゅうのみょうじん わかさこくひこしん」と呼びます。
糊を使って角を立てた強装束(こわしょうぞく)という、平安時代末期から
流行した着方をしています。
有名な伝源頼朝像も強装束姿で描かれています。
女神は小袿を着ています。
若狭神宮寺は東大寺お水取りの行事の水を送る、「お水送り」の行事で
知られています。

「春日神鹿御正体」 南北朝時代・14世紀 京都・細見美術館 重要文化財
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とても精巧なつくりで、春日大社の神鹿が鞍に神の依り代の榊と円鏡を付け、
円鏡には五体の本地仏が線彫りされています。


ショップには「神社エール」や「ジンジャークッキー」という、
神々しいグッズもあります。

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全国の神社の所蔵する、滅多に目にすることの出来ない国宝・重要文化財の
神像や神宝などが数多く展示されている貴重な機会ですので、ご覧になる
ことをお奨めします。

「国宝 大神社展」の記事です。






【2013/04/28 00:27】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(2) |
「スワン カフェ&ベーカリー 赤坂店」
溜池山王
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「スワン カフェ&ベーカリー 赤坂店」は外堀通りの特許庁交差点前にあります。
場所は港区赤坂1-2-2です。

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セルフ式のお店はガラス張りで、店内は明るく、全席禁煙で、テラス席もあります。
昼時に入ったらほぼ満員でした。

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サンドイッチ480円とコーヒー350円です。

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サンドイッチはやわらかく、コーヒーはすっきり飲みやすい味です。

「スワン」は「障がいのある人もない人も、共に働き、共に生きていく社会の実現」
という理念により、ヤマト運輸の故小倉昌男氏が設立したもので、スワン(白鳥)の名は
アンデルセンの有名な童話に由来するとのことです。

「スワンカフェ銀座店」の記事です。

「スワン」のHPです。


【2013/04/27 00:18】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
古今集 凡河内躬恒 けふのみと
けふのみと
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けふのみと春をおもはぬ時だにも立つことやすき花のかげかは

                               凡河内躬恒
                       
春はもう今日だけだと思わなくてさえ、花の咲いている所を立ち去るのは
むずかしいではないか。

古今集春歌下134番の歌で、春歌の最後に置かれています。


上野から本郷にかけての八重桜と新緑の景色です。

上野公園の奏楽堂前
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東京国立博物館法隆寺宝物館前
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東京国立博物館前の噴水
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上野公園
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不忍池
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東京大学本郷キャンパスの新緑
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赤門横
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今年の春もこれで終わりかと思えば、花の下を立ち去りがたい思いがしました。


私の春の歌の記事では、今より少し季節が早いですが、「わがせこが」の記事
(こちら)の検索が一番多いようです。


【2013/04/26 00:04】 文学 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「幸之助と伝統工芸」展 パナソニック汐留ミュージアム
新橋
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新橋のパナソニック汐留ミュージアムでは開館10周年記念特別展、
「幸之助と伝統工芸」が開かれます。
会期は8月25日(日)までです。

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休館日は毎週水曜日で、5月28日までの前期、5月30日から7月9日までの中期、
7月11日からの後期で一部展示替えがあります。

松下電器(現パナソニック)の創業者、松下幸之助(1894-1989)は多数の
美術品を購入したり、公益社団法人日本工芸会などの団体の役員を務めるなど、
文化支援活動を続けていました。

展覧会では松下幸之助ゆかりの工芸作品計約90点を展示して、松下幸之助と
伝統文化との関わりを紹介しています。

松下幸之助は40歳過ぎてから茶に親しみ、裏千家十四代千宗室と親交を深め、
宗晃という茶名も受けています。
そして、茶道具に触れるうち、工芸品に関心を持つようになり、やがて
「日本の伝統産業はものづくりの原点である」と確信しています。

また、自分の使う茶道具は現代作家の物が多く、それは人間そのものに関心の
深かった松下幸之助が「もの」を生み出す作家に興味を持っていたことの表れ
だそうです。

第1章 素直な心 ―幸之助と茶道

幸之助と茶道の関係についての展示です。

第2章 ものづくりの心 ―幸之助と伝統工芸

収集した伝統工芸品を中心にした展示です。

石黒宗麿 「彩瓷壷 晩秋」 1959年頃 パナソニック株式会社蔵
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デザイン化された柿の実が並んだ面白い図柄です。

富本憲吉 「色絵柳胴紐大鉢」 1944年 パナソニック株式会社蔵
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ちょっと南蛮風の模様がすっきりとして華やかです。

近藤悠三 「梅染付壷」 1973年 パナソニック株式会社蔵
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勢い良く描かれた、絵画的な作品です。

角谷一圭 「芦鷺地文真形釜」 1961年頃 パナソニック株式会社蔵
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なびく芦と飛ぶ鷺が鋳出され、風を感じさせます。
茶釜の湧く音は松籟といって、松の枝葉に吹く風にたとえられます。

大場松魚 「平文南飛色紙箱」 1984年頃 パナソニック株式会社蔵
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梅の花が散らされ、鶴の群れが羽根を伸ばして飛ぶ様が描かれています。

他にも現代の伝統工芸を代表する、陶芸の荒川豊蔵、金重陶陽、
河井寛次郎、清水卯一、濱田庄司、藤原啓、染色の志村ふくみ、
森口華弘、漆芸の音丸耕堂、松田権六、木工の黒田辰秋、
人形の平田郷陽、堀柳女などの作品も展示されています。

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松下幸之助は「工芸品のようなものを松下電器も作らないといけない。
大量生産品でも工芸品のような精密、正確なものをつくらないといけない。」
とも述べています。

日本の「ものづくり」は今、大きな曲がり角に立っています。

このようなときに、松下幸之助の原点を振り返る良い機会となる展覧会です。

展覧会のHPです。


【2013/04/25 00:02】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
「ミュージアムカフェ 東京藝術大学大学美術館」 上野
上野
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「ミュージアムカフェ 東京藝術大学大学美術館」は上野の東京藝術大学
大学美術館の2階にあります。
場所は台東区上野公園12-8です。

5月6日まで開かれている、「春の名品選 藝大コレクション展」を観た
帰りに寄りました。

「藝大コレクション展」の記事です。


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細長いお店で、白と青でまとめた明るい店内は全席禁煙、約40席あります。
美術館に入らなくても利用出来ます。
BGMはクラシックでした。

壁にはポスターが並んでいます。
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吹き抜けの1階を見下ろせます。
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スイーツや軽食も揃っています。
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ケーキセット800円です。
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チーズケーキは甘さ控えめで、コーヒーは飲みやすい味です。

大学美術館の展覧会を観た後などに気楽に使えるお店です。


【2013/04/24 00:05】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「国宝 燕子花図屏風 琳派の競演」展 根津美術館
表参道
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表参道の根津美術館ではコレクション展、「国宝 燕子花図屏風 <琳派>の競演」
が開かれています。
会期は5月19日(日)までです。

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毎年恒例の「燕子花図屏風(かきつばたずびょうぶ)」を中心にした、
琳派の作品の展示です。

「燕子花図屏風」 尾形光琳 江戸時代 18世紀 国宝
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(左隻)
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(右隻)
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この季節になると観ることの出来る屏風で、今年も咲いてくれたという
思いで鑑賞します。

「桜下蹴鞠図屏風」 江戸時代 17世紀 重要美術品
(右隻)
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お公家さんや僧侶が満開の桜の下で蹴鞠に興じています。
鞠が画面上で半分だけ飛び出しています。

左隻では、塀の外で従者たちが退屈そうに主人の帰りを待っています。
大きく伸びをして、あくびする者もいて、のどかな風景です。
右隻の人物が様々の衣装を着て、動きのあるのに対し、左隻の従者たちは
黒烏帽子に白の水干姿で、静かに座っています。
左隻の、水辺を表す線も大胆で、モダンです。
右隻と左隻を、枝を伸ばした桜がつないでいます。
大らかな雰囲気で、俵屋宗達の工房による製作と考えられています。

「四季草花図屏風」 「伊年」印 江戸時代 17世紀
(左隻)
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穏やかな色調で、植物を四季の移り変わりにつれて、右から左に描いています。
薊、蒲公英、土筆、大根、鉄線花、撫子、牡丹、立葵、百合、紫陽花、鶏頭、粟、
茄子、薄、桔梗、萩、菊、南天、水仙などです。
「伊年」の印が押してあるので、これも俵屋宗達の工房の作品と思われます。

「浮舟図屏風」 江戸時代 17世紀
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源氏物語の「浮舟」の一場面で、匂宮が浮舟を連れ出して舟で宇治川を
渡っているところです。
六曲一隻で、金色の舟が真中に斜めに大きく描かれているのが印象的です。
長谷川派の作らしいものの、舟の表現には俵屋宗達の影響が見られるそうです。

「白楽天図屏風」 尾形光琳 江戸時代 18世紀
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謡曲、「白楽天」を描いた作品です。
唐の詩人、白楽天が日本に渡ろうとしたところ、海上で老いた漁師
(実は和歌の神、住吉明神の化身)に出会い、和歌の力を知らされ、
神風によって吹き戻されたというお話です。
白楽天を乗せた船の描き方の奇抜さが眼を惹きます。
「浮舟図屏風」の影響があるのかもしれません。

「夏秋渓流図屏風」 鈴木其一 江戸時代 19世紀
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(左隻)
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(右隻)
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江戸琳派の鈴木其一の作品です。
右隻は夏で山百合、左隻は秋で桜葉の紅葉を写実的に描きこんでいます。
一方で、笹の葉は単純で様式的な形にまとめてあるので、観る人の注意は
山百合と桜葉に向きます。
檜は葉の緑が盛り上がるように厚く塗られ、右隻の檜には蝉が一匹止まっています。
全体に濃密な画面で、こちらに向って流れ込んでくる鮮やかな青色の水流の
表現は劇画のようです。
土手や奥の樹木は、芝居の書割のように重ねられていて、平面的な構成です。
圧迫するような力と、近代的なデザイン感覚にあふれています。


展示室5のテーマは「仁清と乾山―都のはなやかなやきもの―」です。

琳派の地、京都を代表する焼き物、野々村仁清と尾形乾山の作品の展示です。

「色絵鉄仙花文茶碗」 野々村仁清 江戸時代 17世紀
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高麗茶碗のような地ですが、のびのびとした筆が入っています。

「銹絵玉取獅子摘四方香炉」 尾形乾山 正徳5年(1715) 個人蔵
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銹絵とは錆漆という漆で描く技法です。
四角い香炉で、摘みは高欄の中で鞠を持つ獅子です。


展示室6のテーマは「清和月の茶」です。

清和月は旧暦の四月のことで、夏の始まりです。
展示も風炉、浅い夏茶碗など、夏の茶道具が中心です。


「時鳥和歌図」 冷泉為恭 江戸時代 19世紀
墨絵で、烏帽子を被った男がくつろいだ姿で座って空を眺めています。
空には「ほととぎすなきつるかたを」と書かれています。 

  ほととぎす鳴きつる方をながむれば ただ有明の月ぞ残れる 

千載集に入っている藤原実定の歌で、百人一首にも撰ばれています。


展覧会のHPです。





次回の展覧会は特別展、「やきものが好き、浮世絵も好き」です。
会期は6月1日(土)~7月15日(月・祝)です。

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【2013/04/23 00:04】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
「ジェルボー(GERBEAUD) 東京本店」 表参道
表参道
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カフェ「ジェルボー(GERBEAUD) 東京本店」は表参道の青山通り沿いの
AOビル2階にあります。
場所は港区北青山3-11-7です。

根津美津館で「国宝 燕子花図屏風展」が始まったので、そのときに
寄りました。

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「ジェルボー」はハンガリーのブタペストで1858年にオープンしたお店で、
こちらは国外初の店舗です。
以前はすぐ近くの青山学院前にあったのですが、ここに越してきました。

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約30席の店内は全席禁煙、落着いた雰囲気のヨーロッパ調です。

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広いテラス席もあります。

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4階にはオーストリアのウィーンのお店、「カフェラントマン 青山店」があって、
まるでオーストリア=ハンガリー帝国時代のようです。

2012年の3月に「カフェラントマン 青山店」に行った時の記事です。
5月に行った時の記事です。

BGMはボサノバでしたが、やはりクラシックの方が雰囲気に合うのでは
ないかと思います。

ブレンドコーヒー600円とカフェラテ700円です。

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コーヒーはすっきりした苦味で美味しいです。

トルコ帽のマークのカップはユリウス・マインル(Julius Meinl)です。
ユリウス・マインルはウィーンのコーヒー業者で、このお店のコーヒー豆も
同社のものです。

ヨーロッパにコーヒーが広まったのはウィーンを包囲攻撃したオスマントルコの
置き土産に始まるという伝説があります。

日本橋三越の「カフェ ウィーン」ではトルココーヒーを飲むことが出来ます。

「カフェ ウィーン」の記事です。

メニューにはコーヒーにアプリコットのリキュールを加え、ホイップクリームを
浮かべた、シシィ カフェというのもあります。

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シシィとはオーストリア皇妃エリザベートの愛称で、「ジェルボー」をよく
訪れてもいたそうです。
エリザベートは帝国内でハンガリーの置かれた状況に同情的で、現在も
ハンガリーで慕われているそうです。

フランツ・クサファー・ヴィンターハルターが1865年に描いた、
「オーストリア皇妃エリザベート」です。

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2012年に日本橋三越で開かれた、「輝ける皇妃エリザベート展」の記事です。

「ジェルボー」のHPです。


【2013/04/22 00:05】 お店 | トラックバック(0) | コメント(2) |
ベーカリーカフェ「IENA(イエナ)」 小石川
後楽園
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「IENA(イエナ)」は春日通りの富坂を上がった右側にある、
ベーカリーカフェです。
場所は文京区小石川2-7-14で、お店の前は富坂上バス停です。

3月の初めに行ってきました。

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昨年の8月にオープンしたお店で、朝7時から開いていて、イートインは
10席ほど、全席禁煙です。

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コーヒー280円、タマゴハムロール250円です。

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出来たてのほんのり甘いロールパンを使ったタマゴハムロールは
ふわふわとして、美味しいです。
コーヒーはすっきりした味です。

BGMはFM放送で、円安やニューヨーク市場の株高を報じていました。

いかにもベーカリーカフェらしい温かさのある、気持ちの良いお店です。

近くの文京シビックセンターの展望台に上ってみました。

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よく晴れた日で、富士山も見えました。

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近くの小石川後楽園は今はフジやシャガ、ボタンが見頃で、カキツバタが
咲き始めています。

小石川後楽園のHPです。


【2013/04/21 00:31】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「インターメディアテク(東京大学のミュージアム)」 丸の内 JPタワー
東京
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JPタワー学術文化総合ミュージアム、「インターメディアテク(IMT)」は
丸の内の東京中央郵便局の旧局舎跡に建てられたJPタワーの2.3階にあります。

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日本郵便株式会社と東京大学総合研究博物館が協働して運営を行なう
ミュージアムで、JPタワーの開業日の3月21日にオープンしました。
開館時間は午前11時から午後6時まで、5月23日からは木金は午後8時までになります。
月曜日休館、入場は無料です。

一部保存された東京中央郵便局の旧局舎の部分にあって、窓からは
東京駅丸の内駅舎も見えます。
「インターメディアテク」とは、各種の表現メディアを架橋することで
新しい文化の創造につなげる、「間メディア実験館」という意味だそうです。

東京大学の開発によるオリジナルグッズの販売も行われています。

広い展示室には東京大学の所蔵する学術標本や研究資料が常設展示されています。
昔の陳列棚や机なども使い、多数の動物の剥製や骨格標本、植物の標本、
昔の実験器具、機械などが並んでいます。

古い大きな理科室にいるような雰囲気で、モース博士や寒月君が現れそうです。

階段の壁にはマチカネワニの大きな骨格が貼り付いていたり、階段教室が復元されて
いたりと、展示のデザインも工夫されています。
明治以来、東京大学が営々と積み重ねてきた学術研究の一端を垣間見出来る、
興味深い展示です。

JPタワーにオープンした商業施設のKITTEに行かれる折には、ご覧になることを
お奨めします。
KITTEのショップや東京駅の雰囲気とはまったく違う空間です。

インターメディアテクのHPです。


JPタワーの3階から吹き抜けを見下ろしたところです。

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【2013/04/20 00:01】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
根津神社のつつじまつり 2013/4
根津
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根津神社のツツジが見頃になりました。
5月6日までつつじまつりが開かれています。

園内は土の部分が多く、土埃が立つので、汚れを拭き取りやすい靴で
いらっしゃることをお奨めします。

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遅咲きの花はまだですが、すでいろいろな種類のツツジが咲いています。
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とても小さなフジツツジです。
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風車のようなハナグルマです。
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白色がきれいなセキデラ(リュウキュウツツジ)です。
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不忍通りにある、有名なたいやき屋さんは開店前から待っているお客さんが
何人かいました。
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【2013/04/19 00:01】 街歩き | トラックバック(0) | コメント(0) |
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