渋谷
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは、「バルビゾンへの道
山寺 後藤美術館コレクション展」が開かれています。
会期は11月18日(月)までで、会期中は無休です。

山形市の山寺 後藤美術館の所蔵する、17世紀から19世紀のバルビゾン派に
かけてのヨーロッパ絵画、約70点が展示されています。
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 「悲しみの聖母」

スペインのバロック時代の画家、画家バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
(1617-1682)の作品で、まだ特徴的なヴェールのかかったような柔らかい
画面ではなく、くっきりとした描き方をしています。
サッソフェラート 「祈りの聖母」

サッソフェラート(1609-1685)は本名をジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィといい、
イタリアのサッソフェラート出身です。
ルーベンスやベラスケスと同じバロック時代の画家ですが、静けさに満ちた、
彫刻のような作品を描いています。
ジャン=バティスト・ユエ 「羊飼い姿のヴィーナス」

ロココ風の華やかな作品で、ヴィーナスは愛と平和を意味する鳩が逃げないように
リボンでつかまえています。
ヴィーナスは庶民的で親しみやすい顔をしています。
ジャン=バティスト・ユエ(1745-1811)は1768年にフランス王立アカデミーに
入会するなど、早くから人気のあった画家で、特に動物画を得意としていますが、
さまざまな題材の作品を描いています。
アレクサンドル・カバネル 「エコーの声を聴く」

森の中でエコー(木霊)に耳を傾けている女性です。
衣装も豪華で、甘美な雰囲気に包まれた作品です。
アレクサンドル・カバネル(1823-1889)は新古典主義を継承するアカデミズムの
代表的な画家です。
この時代に現れた印象派の画家からは守旧派として目の敵にされています。
アドルフ・ウィリアム・ブグロー 「愛しの小鳥」 1867年

くっきりとした明暗によって少女の一瞬の表情を浮かび上がらせています。
アドルフ・ウィリアム・ブグロー(1825-1905)はカバネルと同じく、
アカデミズムの代表的な画家です。
おもに神話の世界や若い女性、少女を題材にしています。
ブグローの作品は今年、2013年に三菱一号館美術館で開かれていた、
「奇跡のクラークコレクション」にも展示されていました。
ジョン・ワトソン・ゴードン 「レディ・メアリー、エグリントン伯爵の娘」

ジョン・ワトソン・ゴードン(1788-1864)はスコットランドのエディンバラ出身で、
王立スコットランド・アカデミー創設にも参加しています。
肖像画を得意としていて、背景や室内調度をあまり描かず、モデルに自然な
ポーズをさせる手法を採っています。
描かれているのはエグリントン伯アーチボルト・モントゴメリーの長女とのことで、
自然な表情をしています。
エドワード・ジョン・ポインター 「ミルマン夫人の肖像」 1877年

エドワード・ジョン・ポインター(1836-1919)はイギリスの画家で、
ジョン・エヴァレット・ミレーの後任として、ロイヤル・アカデミーの
会長も勤めています。
モデルは高級官僚の夫人とのことで、金の装飾品を身に着け、
タピストリーを背景にして豪華な椅子に腰掛けた姿は、品のある重厚な
肖像画になっています。
ジョン・エヴァレット・ミレー 「クラリッサ」 1887年

ジョン・エヴァレット・ミレー(1829-1896)はイギリスのラファエル前派の
結成者の一人で、後には一般受けのする作品を描いて名声を得ています。
「クラリッサ」は小説のヒロインの名前で、モデルは娘のソフィーとのことです。
ミレーのラファエル前派時代の代表作、「オフィーリア」は2014年1月から六本木の
森アーツセンターで開かれる、「ラファエル前派展」に出展される予定です。
モデスト・カルリエ 「花といちごのある静物」

緑と赤の対照の際立った作品です。
牡丹や陶器の壷など、シノワズリ(中国趣味)を思わせます。
モデスト・カルリエ(1820-1878)はベルギー出身で、少年時代から
炭鉱夫として働き、炭鉱会社の社長に絵の才能を認められ、美術学校に
入っています。
1836年にパリの美術学校に入り、1850年にはローマ賞も得てローマに
滞在しています。
「水車小屋のある水辺」
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 1855-65年頃

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(1796-1875)はパリの裕福な商人の家に生まれ、
バルビゾン派の画家として詩情豊かな風景画や人物画を描いたことで有名です。
釣り人を点景に加えた、穏やかな水辺の風景です。
「サン=ニコラ=レ=ザラスの川辺」
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 1872年

1871年にフランス北部のパ=ド=カレー県を訪れた時のスケッチを元にした作品で、
題名は「アラス近くのサン=ニコラ」という意味です。
コロー独特の銀灰色の煙る、叙情的な風景です。
「庭にて」 ジャン=フランソワ・ミレー 1860-62年
バルビゾン派の代表者、ジャン=フランソワ・ミレー(1814-1875)も1点、
展示されています。
水彩、パステル、クレヨンを使った、家族を描いた小品で、庭の木陰に座って
繕い物をしている少女と、木の枝を持って遊んでいる幼児は娘たちです。
ほのぼのとした情感のある作品です。
エメ・ペレ 「羊飼いの少女」

エメ・ペレ(1847-1927)はリヨン生まれで、リヨンの美術学校で
アントワーヌ・ヴォロン、シャヴァンヌなどに師事しています。
バルビゾン派の画家で、ミレー風の作品を多く描いています。
夕日の輝く景色の中で、少女は放心したような表情を浮かべている、
感傷的な雰囲気の作品です。
犬や羊の表情もしっかりと描き込まれていて、物語的です。
コンスタン・トロワイヨン 「小川で働く人々」

男たち小川の水を汲んで、馬車に積んだ樽に注いでいて、岸では犬が
それを見ています。
服の赤と白が目を惹きます。
コンスタン・トロワイヨン(1810-1865)ははじめ、セーヴルの絵付職人でした。
ルノワールがリモージュの絵付職人だったのと似ています。
テオドール・ルソーらと出会って、バルビゾンで制作するようになります。
その後、オランダ、ベルギーを訪問してフランドル絵画の影響を受け、
動物を入れた作品を多く描いています。
ノルマンディーではブーダンと知り合い、一緒に海岸風景を描いていて、
一貫して戸外での観察に基いた忠実な風景描写を心がけていたそうです。
ブーダンはモネに戸外での制作を奨めた人物であり、バルビゾン派と
印象派の一つの接点が見られます。
親しめる作品が多く、それぞれの画家の解説も付いていて、分かりやすい展覧会です。
展覧会のHPです。
Bunkamuraザ・ミュージアムの次の展覧会は、Bunkamura25周年記念、
「シャヴァンヌ展」です。
会期は2014年1月2日(木)-3月9日(日)で、会期中は無休です。

chariot
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは、「バルビゾンへの道
山寺 後藤美術館コレクション展」が開かれています。
会期は11月18日(月)までで、会期中は無休です。

山形市の山寺 後藤美術館の所蔵する、17世紀から19世紀のバルビゾン派に
かけてのヨーロッパ絵画、約70点が展示されています。
バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 「悲しみの聖母」

スペインのバロック時代の画家、画家バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
(1617-1682)の作品で、まだ特徴的なヴェールのかかったような柔らかい
画面ではなく、くっきりとした描き方をしています。
サッソフェラート 「祈りの聖母」

サッソフェラート(1609-1685)は本名をジョヴァンニ・バッティスタ・サルヴィといい、
イタリアのサッソフェラート出身です。
ルーベンスやベラスケスと同じバロック時代の画家ですが、静けさに満ちた、
彫刻のような作品を描いています。
ジャン=バティスト・ユエ 「羊飼い姿のヴィーナス」

ロココ風の華やかな作品で、ヴィーナスは愛と平和を意味する鳩が逃げないように
リボンでつかまえています。
ヴィーナスは庶民的で親しみやすい顔をしています。
ジャン=バティスト・ユエ(1745-1811)は1768年にフランス王立アカデミーに
入会するなど、早くから人気のあった画家で、特に動物画を得意としていますが、
さまざまな題材の作品を描いています。
アレクサンドル・カバネル 「エコーの声を聴く」

森の中でエコー(木霊)に耳を傾けている女性です。
衣装も豪華で、甘美な雰囲気に包まれた作品です。
アレクサンドル・カバネル(1823-1889)は新古典主義を継承するアカデミズムの
代表的な画家です。
この時代に現れた印象派の画家からは守旧派として目の敵にされています。
アドルフ・ウィリアム・ブグロー 「愛しの小鳥」 1867年

くっきりとした明暗によって少女の一瞬の表情を浮かび上がらせています。
アドルフ・ウィリアム・ブグロー(1825-1905)はカバネルと同じく、
アカデミズムの代表的な画家です。
おもに神話の世界や若い女性、少女を題材にしています。
ブグローの作品は今年、2013年に三菱一号館美術館で開かれていた、
「奇跡のクラークコレクション」にも展示されていました。
ジョン・ワトソン・ゴードン 「レディ・メアリー、エグリントン伯爵の娘」

ジョン・ワトソン・ゴードン(1788-1864)はスコットランドのエディンバラ出身で、
王立スコットランド・アカデミー創設にも参加しています。
肖像画を得意としていて、背景や室内調度をあまり描かず、モデルに自然な
ポーズをさせる手法を採っています。
描かれているのはエグリントン伯アーチボルト・モントゴメリーの長女とのことで、
自然な表情をしています。
エドワード・ジョン・ポインター 「ミルマン夫人の肖像」 1877年

エドワード・ジョン・ポインター(1836-1919)はイギリスの画家で、
ジョン・エヴァレット・ミレーの後任として、ロイヤル・アカデミーの
会長も勤めています。
モデルは高級官僚の夫人とのことで、金の装飾品を身に着け、
タピストリーを背景にして豪華な椅子に腰掛けた姿は、品のある重厚な
肖像画になっています。
ジョン・エヴァレット・ミレー 「クラリッサ」 1887年

ジョン・エヴァレット・ミレー(1829-1896)はイギリスのラファエル前派の
結成者の一人で、後には一般受けのする作品を描いて名声を得ています。
「クラリッサ」は小説のヒロインの名前で、モデルは娘のソフィーとのことです。
ミレーのラファエル前派時代の代表作、「オフィーリア」は2014年1月から六本木の
森アーツセンターで開かれる、「ラファエル前派展」に出展される予定です。
モデスト・カルリエ 「花といちごのある静物」

緑と赤の対照の際立った作品です。
牡丹や陶器の壷など、シノワズリ(中国趣味)を思わせます。
モデスト・カルリエ(1820-1878)はベルギー出身で、少年時代から
炭鉱夫として働き、炭鉱会社の社長に絵の才能を認められ、美術学校に
入っています。
1836年にパリの美術学校に入り、1850年にはローマ賞も得てローマに
滞在しています。
「水車小屋のある水辺」
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 1855-65年頃

ジャン=バティスト・カミーユ・コロー(1796-1875)はパリの裕福な商人の家に生まれ、
バルビゾン派の画家として詩情豊かな風景画や人物画を描いたことで有名です。
釣り人を点景に加えた、穏やかな水辺の風景です。
「サン=ニコラ=レ=ザラスの川辺」
ジャン=バティスト・カミーユ・コロー 1872年

1871年にフランス北部のパ=ド=カレー県を訪れた時のスケッチを元にした作品で、
題名は「アラス近くのサン=ニコラ」という意味です。
コロー独特の銀灰色の煙る、叙情的な風景です。
「庭にて」 ジャン=フランソワ・ミレー 1860-62年
バルビゾン派の代表者、ジャン=フランソワ・ミレー(1814-1875)も1点、
展示されています。
水彩、パステル、クレヨンを使った、家族を描いた小品で、庭の木陰に座って
繕い物をしている少女と、木の枝を持って遊んでいる幼児は娘たちです。
ほのぼのとした情感のある作品です。
エメ・ペレ 「羊飼いの少女」

エメ・ペレ(1847-1927)はリヨン生まれで、リヨンの美術学校で
アントワーヌ・ヴォロン、シャヴァンヌなどに師事しています。
バルビゾン派の画家で、ミレー風の作品を多く描いています。
夕日の輝く景色の中で、少女は放心したような表情を浮かべている、
感傷的な雰囲気の作品です。
犬や羊の表情もしっかりと描き込まれていて、物語的です。
コンスタン・トロワイヨン 「小川で働く人々」

男たち小川の水を汲んで、馬車に積んだ樽に注いでいて、岸では犬が
それを見ています。
服の赤と白が目を惹きます。
コンスタン・トロワイヨン(1810-1865)ははじめ、セーヴルの絵付職人でした。
ルノワールがリモージュの絵付職人だったのと似ています。
テオドール・ルソーらと出会って、バルビゾンで制作するようになります。
その後、オランダ、ベルギーを訪問してフランドル絵画の影響を受け、
動物を入れた作品を多く描いています。
ノルマンディーではブーダンと知り合い、一緒に海岸風景を描いていて、
一貫して戸外での観察に基いた忠実な風景描写を心がけていたそうです。
ブーダンはモネに戸外での制作を奨めた人物であり、バルビゾン派と
印象派の一つの接点が見られます。
親しめる作品が多く、それぞれの画家の解説も付いていて、分かりやすい展覧会です。
展覧会のHPです。
Bunkamuraザ・ミュージアムの次の展覧会は、Bunkamura25周年記念、
「シャヴァンヌ展」です。
会期は2014年1月2日(木)-3月9日(日)で、会期中は無休です。

上野
「上島珈琲店 黒田記念館店」は東京国立博物館と東京藝術大学の間の
四つ角にあります。
場所は台東区上野公園13-43、黒田記念館別館です。

今年2013年の9月にオープンしたばかりのお店で、東京国立博物館の
黒田記念館に隣接しています。
1階が売店とテラス席など、2階は40席ほどで全席禁煙です。

欄間や寺院建築の肘木のような飾りの付いた和風の内装で、
場所柄、岡倉天心時代の東京美術学校を想像させます。


向かいは東京藝術大学で、左奥に行くと東京都美術館です。

冷珈ソーダS400円とウインナコーヒーS370円 です。

東京国立博物館、国際子ども図書館、東京藝術大学大学美術館、東京都美術館に
挟まれた、とても便利な場所にあるお店なので、利用する機会が多そうです。
chariot
「上島珈琲店 黒田記念館店」は東京国立博物館と東京藝術大学の間の
四つ角にあります。
場所は台東区上野公園13-43、黒田記念館別館です。

今年2013年の9月にオープンしたばかりのお店で、東京国立博物館の
黒田記念館に隣接しています。
1階が売店とテラス席など、2階は40席ほどで全席禁煙です。

欄間や寺院建築の肘木のような飾りの付いた和風の内装で、
場所柄、岡倉天心時代の東京美術学校を想像させます。


向かいは東京藝術大学で、左奥に行くと東京都美術館です。

冷珈ソーダS400円とウインナコーヒーS370円 です。

東京国立博物館、国際子ども図書館、東京藝術大学大学美術館、東京都美術館に
挟まれた、とても便利な場所にあるお店なので、利用する機会が多そうです。
上野
上野の国立科学博物館で開かれている特別展、「大恐竜展―ゴビ砂漠の驚異」の
紹介、その2です。
会期は2014年2月23日(日)までです。

「大恐竜展覧会」の記事その1です。
会場は撮影可能です。
約7000万年前―タルボサウルスとサウロロフスの時代
白亜紀末期

デイノケイルス

デイノケイルスは「恐ろしい手」という意味で、上腕骨の長さが
94cmもあります。
オピストコエリカウディア

とても巨大な化石で、首から頭は見つかっていませんが胴体や尾はほぼ完全に
残っています。

サウロロフス


鳥脚類に属しますが、鳥脚類が二足歩行なのに対して、サウロロフスの前脚は
ひづめ状になっていて、四足歩行していたようです。
北アメリカにも同族が分布していて、アジアと北アメリカが陸続きだった
ことの根拠の一つとされています。
サウロロフスの上腕骨


タルボサウルスのような大型肉食竜が噛み付いた跡があちこちに付いています。
骨を胴体から切り離そうとしたり、筋肉を引き剥がそうとしたしたようです。
ハドロサウルス類の印象化石

皮膚の凹凸が堆積物に形を遺したものです。
サウロロフスのものと考えられています。
ツブツブがしっかり見えます。
タルボサウルス

鋭い歯

太い爪


北アメリカのティラノサウルスと近い種類のアジア最大の獣脚類で、
ティラノサウルスに比べ、頭骨の幅が比較的せまく、前脚の肘から
先の部分が比較的短いそうです。
この標本はゴビ砂漠で見つかったタルボサウルスの中で最大級で、
頭骨の長さが1.2m以上あるそうです。
リンチェニア


オヴィラプトル類に属し、とさか状の突起を持っています。
恐竜研究室
プロトケラトプスの15体の赤ちゃん


砂嵐に巻き込まれて一緒に埋まってしまったようです。
周辺に卵の殻が発見されていないので、孵化した後もしばらく
巣にとどまっていたと考えられます。
獣脚類のものと考えられる巣

細長い卵が輪になって配置され、多いもので30個以上が2層に
分かれて並びます。
獣脚類は左右二つの卵管が機能していたので、卵は二つずつ、
ペアになって産み落とされています。
竜脚類のものと考えられる巣

こちらはボールのような卵です。
プロトケラトプスの成長段階別の頭骨

化石の量が多いので、このような段階別の化石も揃っています。
タルボサウルスの成長段階別の頭骨


展示されている化石はほとんどが実物化石でその種類も多く、
1億年前後も昔とは思えないような保存状態の良さには驚きます。
恐竜の生態などいろいろなことの分かる、とても興味深い展覧会です。
売店は恐竜グッズの宝庫です。


岩石クランチに化石チョコ

ロマンチックなシフォンケーキ

展覧会のHPです。
chariot
上野の国立科学博物館で開かれている特別展、「大恐竜展―ゴビ砂漠の驚異」の
紹介、その2です。
会期は2014年2月23日(日)までです。

「大恐竜展覧会」の記事その1です。
会場は撮影可能です。
約7000万年前―タルボサウルスとサウロロフスの時代
白亜紀末期

デイノケイルス

デイノケイルスは「恐ろしい手」という意味で、上腕骨の長さが
94cmもあります。
オピストコエリカウディア

とても巨大な化石で、首から頭は見つかっていませんが胴体や尾はほぼ完全に
残っています。

サウロロフス


鳥脚類に属しますが、鳥脚類が二足歩行なのに対して、サウロロフスの前脚は
ひづめ状になっていて、四足歩行していたようです。
北アメリカにも同族が分布していて、アジアと北アメリカが陸続きだった
ことの根拠の一つとされています。
サウロロフスの上腕骨


タルボサウルスのような大型肉食竜が噛み付いた跡があちこちに付いています。
骨を胴体から切り離そうとしたり、筋肉を引き剥がそうとしたしたようです。
ハドロサウルス類の印象化石

皮膚の凹凸が堆積物に形を遺したものです。
サウロロフスのものと考えられています。
ツブツブがしっかり見えます。
タルボサウルス

鋭い歯

太い爪


北アメリカのティラノサウルスと近い種類のアジア最大の獣脚類で、
ティラノサウルスに比べ、頭骨の幅が比較的せまく、前脚の肘から
先の部分が比較的短いそうです。
この標本はゴビ砂漠で見つかったタルボサウルスの中で最大級で、
頭骨の長さが1.2m以上あるそうです。
リンチェニア


オヴィラプトル類に属し、とさか状の突起を持っています。
恐竜研究室
プロトケラトプスの15体の赤ちゃん


砂嵐に巻き込まれて一緒に埋まってしまったようです。
周辺に卵の殻が発見されていないので、孵化した後もしばらく
巣にとどまっていたと考えられます。
獣脚類のものと考えられる巣

細長い卵が輪になって配置され、多いもので30個以上が2層に
分かれて並びます。
獣脚類は左右二つの卵管が機能していたので、卵は二つずつ、
ペアになって産み落とされています。
竜脚類のものと考えられる巣

こちらはボールのような卵です。
プロトケラトプスの成長段階別の頭骨

化石の量が多いので、このような段階別の化石も揃っています。
タルボサウルスの成長段階別の頭骨


展示されている化石はほとんどが実物化石でその種類も多く、
1億年前後も昔とは思えないような保存状態の良さには驚きます。
恐竜の生態などいろいろなことの分かる、とても興味深い展覧会です。
売店は恐竜グッズの宝庫です。


岩石クランチに化石チョコ

ロマンチックなシフォンケーキ

展覧会のHPです。
上野
上野の国立科学博物館では特別展、「大恐竜展―ゴビ砂漠の驚異」が
開かれています。
会期は2014年2月23日(日)までです。

内容が多いので、2回に分けて紹介します。
会場は撮影可能です。
モンゴルのゴビ砂漠は1922年から1930年にかけてのアメリカの博物学者、
ロイ・チャップマン・アンドリュースの調査隊の遠征により、数多くの恐竜の
化石が埋もれている地域であることが判明しました。
ゴビ砂漠の恐竜化石は変形が少なく、つながった状態で見つかることが多いのが
特徴とのことです。
プロローグ
まず、アンドリュースの調査隊の資料や保存の良い化石の展示です。
プロトケラトプスの子供の化石

とても保存状態の良い化石です。
オヴィラプトル類の巣


卵が輪になって並んでいます。
オヴィラプトルは抱卵していたようです。
サウロロフスの頭骨

頭の後ろ(右側)に長い突起があります。
約1億1000万年前―プシッタコサウルスの時代
白亜紀前期

プシッタコサウルス

角竜類に属します。
イグアノドン類の頭


ハルピミムス

原始的なオルニソミモサウルス類に属します。
他の仲間は歯を失いますが、ハルピミムスは下あごにまだ歯を
11本持っていました。
約9000万年前―ガルディミムスたちの時代
白亜紀後期前半

ガルディミムス



植物食に適応するため、歯は完全に無くなって、クチバシに
なっていたようです。
ハドロサウロイド類


イグアノドン類からハドロサウルス類への進化の中間段階にあたると
考えられる標本。
約8000万年前―ヴェロキラプトルとプロトケラトプスたちの時代
白亜紀末期

プロトケラトプス

角竜類は白亜紀後期になるとプロトケラトプスのようにフリルが発達します。
北アメリカに分布した仲間はトリケラトプスのような大型化したものも現れます。
ゴビ砂漠の角竜はプロトケラトプスのような小型種しか居なかったのか、
まだ大型種が発見されていないのか分かっていません。
ヴェロキラプトル



胸の部分に筒状の骨が入っていて、アズダルコ類の翼竜を食べたのではないかと
考えられています。
プロトケラトプスとヴェロキラプトル

ヴェロキラプトルの前脚をプロトケラトプスが噛んでいる状態で
発見されています。
戦っている最中に砂嵐か何かで、共倒れならぬ共埋もれになったようです。
バガケラトプス


プロトケラトプスに比べほっそりと華奢なつくりということですが、
これでも十分頑丈そうです。
「バガ」とはモンゴル語で「小さい」という意味です。
サイカニア


体中を突起の付いた鎧が覆っています。
これから後の展示は次回に紹介します。
展覧会のHPです。
chariot
上野の国立科学博物館では特別展、「大恐竜展―ゴビ砂漠の驚異」が
開かれています。
会期は2014年2月23日(日)までです。

内容が多いので、2回に分けて紹介します。
会場は撮影可能です。
モンゴルのゴビ砂漠は1922年から1930年にかけてのアメリカの博物学者、
ロイ・チャップマン・アンドリュースの調査隊の遠征により、数多くの恐竜の
化石が埋もれている地域であることが判明しました。
ゴビ砂漠の恐竜化石は変形が少なく、つながった状態で見つかることが多いのが
特徴とのことです。
プロローグ
まず、アンドリュースの調査隊の資料や保存の良い化石の展示です。
プロトケラトプスの子供の化石

とても保存状態の良い化石です。
オヴィラプトル類の巣


卵が輪になって並んでいます。
オヴィラプトルは抱卵していたようです。
サウロロフスの頭骨

頭の後ろ(右側)に長い突起があります。
約1億1000万年前―プシッタコサウルスの時代
白亜紀前期

プシッタコサウルス

角竜類に属します。
イグアノドン類の頭


ハルピミムス

原始的なオルニソミモサウルス類に属します。
他の仲間は歯を失いますが、ハルピミムスは下あごにまだ歯を
11本持っていました。
約9000万年前―ガルディミムスたちの時代
白亜紀後期前半

ガルディミムス



植物食に適応するため、歯は完全に無くなって、クチバシに
なっていたようです。
ハドロサウロイド類


イグアノドン類からハドロサウルス類への進化の中間段階にあたると
考えられる標本。
約8000万年前―ヴェロキラプトルとプロトケラトプスたちの時代
白亜紀末期

プロトケラトプス

角竜類は白亜紀後期になるとプロトケラトプスのようにフリルが発達します。
北アメリカに分布した仲間はトリケラトプスのような大型化したものも現れます。
ゴビ砂漠の角竜はプロトケラトプスのような小型種しか居なかったのか、
まだ大型種が発見されていないのか分かっていません。
ヴェロキラプトル



胸の部分に筒状の骨が入っていて、アズダルコ類の翼竜を食べたのではないかと
考えられています。
プロトケラトプスとヴェロキラプトル

ヴェロキラプトルの前脚をプロトケラトプスが噛んでいる状態で
発見されています。
戦っている最中に砂嵐か何かで、共倒れならぬ共埋もれになったようです。
バガケラトプス


プロトケラトプスに比べほっそりと華奢なつくりということですが、
これでも十分頑丈そうです。
「バガ」とはモンゴル語で「小さい」という意味です。
サイカニア


体中を突起の付いた鎧が覆っています。
これから後の展示は次回に紹介します。
展覧会のHPです。
三越前
「フォートナム・アンド・メイソン日本橋三越店」は日本橋三越本店
新館地下1階にあります。


40席ほどの上品な内装のお店で全席禁煙、デパートの地下ですが
落着いた雰囲気です。
BGMはありません。
日曜日のお昼頃で、女性客を中心にほぼ満席でした。
3段重ねのアフタヌーンティーを楽しんでいるお客さんも多いようです。

スコーンと紅茶のセット1260円です。

紅茶はセイロンオレンジペコーにしました。
差し湯のポットも置いてあります。
スコーンはプレーン、レーズン、本日のスコーン(この日はポテト)から
2個選ぶので、プレーンとレーズンにしました。
スコーンは程良い甘さで、おだやかな紅茶と一緒に味わいました。
スコーンはパンと一緒に売店で売っています。
日本橋三越本店には「ハロッズ・ティーサロン」もあるので、
それぞれ楽しむことが出来ます。
「ハロッズ・ティーサロン」の記事です。
chariot
「フォートナム・アンド・メイソン日本橋三越店」は日本橋三越本店
新館地下1階にあります。


40席ほどの上品な内装のお店で全席禁煙、デパートの地下ですが
落着いた雰囲気です。
BGMはありません。
日曜日のお昼頃で、女性客を中心にほぼ満席でした。
3段重ねのアフタヌーンティーを楽しんでいるお客さんも多いようです。

スコーンと紅茶のセット1260円です。

紅茶はセイロンオレンジペコーにしました。
差し湯のポットも置いてあります。
スコーンはプレーン、レーズン、本日のスコーン(この日はポテト)から
2個選ぶので、プレーンとレーズンにしました。
スコーンは程良い甘さで、おだやかな紅茶と一緒に味わいました。
スコーンはパンと一緒に売店で売っています。
日本橋三越本店には「ハロッズ・ティーサロン」もあるので、
それぞれ楽しむことが出来ます。
「ハロッズ・ティーサロン」の記事です。
上野
上野の東京都美術館では、「ターナー展」が開かれています。
会期は12月18日(水)までです。

世界最大のターナーの作品のコレクションを保有するロンドンのテート美術館の
所蔵する油彩画30点以上や水彩画、スケッチ約110点が展示されています。
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851)はロンドンで
理髪師の家に生まれています。
子供の頃から絵が好きで、こぼれたミルクで上手に絵を描いたという、
雪舟のような逸話も残っています。
「ターナーの自画像」(W.ホウル[子]による版画)

なかなかの美男ですが、これはかなり美化されて描かれているそうです。
ターナーは水彩で名所の絵を描く風景画家として画業を始め、その作品は
「崇高」なイメージを描き出すように努めていたそうです。
「バターミア湖、クロマックウォーターの一部、カンバーランド、にわか雨」
油彩、カンヴァス 1798年 ロイヤル・アカデミー展出品

1797年にイングランド北西部を旅行した時のスケッチを元に描いています。
カンバーランド(現在のカンブリアの一部)はイングランド北西端の地方です。
雨、湖面を照らす日光、虹を共に描いた、荘重で劇的な光景です。
同時代のドイツのロマン主義の画家、フリードリヒと共通するものがあります。
「スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕された二隻のデンマーク船」
油彩、カンヴァス 1808年ターナーの画廊に展示

ポーツマスはイギリス南部の軍港で、スピットヘッドはその沖合いにある停泊地です。
ターナーはナポレオン戦争(1803-1815)をきっかけにして、海戦など海を
テーマにした作品を手掛けます。
ナポレオンのフランスと友好関係にあったデンマークのコペンハーゲンを
イギリス海軍が攻撃し、軍艦を拿捕して寄港した時の光景で、ターナー自身が
目撃しています。
デンマークの旗の上にイギリスの旗がひるがえっていて、拿捕された船である
ことを示しています。
船の帆は日の光を受けていますが、風に膨らみ、雲は流れ、海は波立っています。
「ヴァティカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って
回廊装飾のための絵を準備するラファエロ」
油彩、カンヴァス 1820年ロイヤル・アカデミー展出品


ターナーは1819年、44歳の時に初めてイタリアに旅行します。
ラファエロがヴァティカン宮殿の回廊の装飾を依頼され、自分の作品を
並べて回廊を見上げながら構想を練っている様子を描いています。
「小椅子の聖母」や「追放されるアダムとイヴ」などが見えます。
ラ・フォルナリーナはラファエロの恋人とされる女性です。
作品はラファエロ没後300年を記念して、尊敬するラファエロを称揚すると共に、
自らも技を極めた巨匠であることを示そうとしているとのことです。
サン・ピエトロ広場の列柱が見えますが、これは17世紀中頃にベルニーニが
建てており、ラファエロの時代にはまだありませんでした。
ターナーの心の中に描いた、理想のローマと云えます。
ターナーは1828年には2度目のイタリア旅行を行ない、ローマにアトリエを
構えるほどイタリアに心酔し、特にヴェネツィアの風景をよく描いています。
「チャイルド・ハロルドの巡礼―イタリア」
油彩、カンヴァス 1832年ロイヤル・アカデミー展出品


1812年にバイロンの発表した長編詩、「チャイルド・ハロルドの巡礼」に詠われた
バイロンのイタリア観を基礎にした作品とのことです。
青春の浪費を悔い、イタリアの痛切な美に心を満たされるというものです。
おだやかで広々とした自然の中に、丘の上の建物、壊れた石橋、踊る人物などを
配した、クロード・ロランに倣ったロマンチックな風景です。
傘のように伸びた一本松が印象的で、夏目漱石の「坊っちゃん」の中で、
赤シャツが幹が真直で上が傘のように開いた松を見てターナーのようだと
言ったのは、漱石がターナーの絵を観た記憶があったものと思われます。
これとよく似た絵柄の作品が、今年2013年に東京藝術大学大学美術館で
開かれていた、「夏目漱石の美術世界展」に出展されていました。
「夏目漱石の美術世界展」の記事です。
ターナーはクロード・ロランを尊敬していて、自分の作品をクロード・ロランと
並べて欲しいと遺言までしており、現在ナショナルギャラリーではそのように
展示されています。
『スイスの湖(「ルツェルン湖、ブルンネンよりウーリ湾を望む」とされる)』
鉛筆・水彩・ペントインク、紙 1841-43年?

ターナーはヨーロッパ各地を旅して、自然を写生しています。
ルツェルン湖はスイス中部にある湖で、ブルンネンから南を見た光景のようです。
青い湖、山岳に当たる日の光、夕焼けに染まる空が水彩画でざっと描かれています。
晩年になるとターナーは嵐などの自然を描くのに、写実を超えてその力、
感動そのものを表そうとするようになります。
そして光や空気を画面に表そうとするので、物体の形がはっきり見えなくなり、
抽象画に近くなってきます。
ターナーは27歳でロイヤル・アカデミーの会員になるほどの人気画家
でしたから、晩年には絵が売れるかどうか気にせずに自分の描きたい絵を
描いたのでしょう。
まだ印象派さえ登場していなかった時代ですから、作品について当時の人の
受けは良くなかったというのはよく分かります。
ターナーは印象派に影響を与えたと云われていますが、モネが晩年に光そのものを
描こうとしたのと似ていて、画家というのは行き着くところ、同じものを追求する
のだなと思います。
展示室の一部にはウィリアム・モリス調の壁紙もありました。
ターナーの初期から晩年まで、その画業をたどることの出来る、
とても興味深い展覧会です。
東京都美術館では特別展、「日本美術院再興100年 世紀の日本画」展が開かれます。
会期は2014年1月25日(土)~4月1日(火)です。

chariot
上野の東京都美術館では、「ターナー展」が開かれています。
会期は12月18日(水)までです。

世界最大のターナーの作品のコレクションを保有するロンドンのテート美術館の
所蔵する油彩画30点以上や水彩画、スケッチ約110点が展示されています。
ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851)はロンドンで
理髪師の家に生まれています。
子供の頃から絵が好きで、こぼれたミルクで上手に絵を描いたという、
雪舟のような逸話も残っています。
「ターナーの自画像」(W.ホウル[子]による版画)

なかなかの美男ですが、これはかなり美化されて描かれているそうです。
ターナーは水彩で名所の絵を描く風景画家として画業を始め、その作品は
「崇高」なイメージを描き出すように努めていたそうです。
「バターミア湖、クロマックウォーターの一部、カンバーランド、にわか雨」
油彩、カンヴァス 1798年 ロイヤル・アカデミー展出品

1797年にイングランド北西部を旅行した時のスケッチを元に描いています。
カンバーランド(現在のカンブリアの一部)はイングランド北西端の地方です。
雨、湖面を照らす日光、虹を共に描いた、荘重で劇的な光景です。
同時代のドイツのロマン主義の画家、フリードリヒと共通するものがあります。
「スピットヘッド:ポーツマス港に入る拿捕された二隻のデンマーク船」
油彩、カンヴァス 1808年ターナーの画廊に展示

ポーツマスはイギリス南部の軍港で、スピットヘッドはその沖合いにある停泊地です。
ターナーはナポレオン戦争(1803-1815)をきっかけにして、海戦など海を
テーマにした作品を手掛けます。
ナポレオンのフランスと友好関係にあったデンマークのコペンハーゲンを
イギリス海軍が攻撃し、軍艦を拿捕して寄港した時の光景で、ターナー自身が
目撃しています。
デンマークの旗の上にイギリスの旗がひるがえっていて、拿捕された船である
ことを示しています。
船の帆は日の光を受けていますが、風に膨らみ、雲は流れ、海は波立っています。
「ヴァティカンから望むローマ、ラ・フォルナリーナを伴って
回廊装飾のための絵を準備するラファエロ」
油彩、カンヴァス 1820年ロイヤル・アカデミー展出品


ターナーは1819年、44歳の時に初めてイタリアに旅行します。
ラファエロがヴァティカン宮殿の回廊の装飾を依頼され、自分の作品を
並べて回廊を見上げながら構想を練っている様子を描いています。
「小椅子の聖母」や「追放されるアダムとイヴ」などが見えます。
ラ・フォルナリーナはラファエロの恋人とされる女性です。
作品はラファエロ没後300年を記念して、尊敬するラファエロを称揚すると共に、
自らも技を極めた巨匠であることを示そうとしているとのことです。
サン・ピエトロ広場の列柱が見えますが、これは17世紀中頃にベルニーニが
建てており、ラファエロの時代にはまだありませんでした。
ターナーの心の中に描いた、理想のローマと云えます。
ターナーは1828年には2度目のイタリア旅行を行ない、ローマにアトリエを
構えるほどイタリアに心酔し、特にヴェネツィアの風景をよく描いています。
「チャイルド・ハロルドの巡礼―イタリア」
油彩、カンヴァス 1832年ロイヤル・アカデミー展出品


1812年にバイロンの発表した長編詩、「チャイルド・ハロルドの巡礼」に詠われた
バイロンのイタリア観を基礎にした作品とのことです。
青春の浪費を悔い、イタリアの痛切な美に心を満たされるというものです。
おだやかで広々とした自然の中に、丘の上の建物、壊れた石橋、踊る人物などを
配した、クロード・ロランに倣ったロマンチックな風景です。
傘のように伸びた一本松が印象的で、夏目漱石の「坊っちゃん」の中で、
赤シャツが幹が真直で上が傘のように開いた松を見てターナーのようだと
言ったのは、漱石がターナーの絵を観た記憶があったものと思われます。
これとよく似た絵柄の作品が、今年2013年に東京藝術大学大学美術館で
開かれていた、「夏目漱石の美術世界展」に出展されていました。
「夏目漱石の美術世界展」の記事です。
ターナーはクロード・ロランを尊敬していて、自分の作品をクロード・ロランと
並べて欲しいと遺言までしており、現在ナショナルギャラリーではそのように
展示されています。
『スイスの湖(「ルツェルン湖、ブルンネンよりウーリ湾を望む」とされる)』
鉛筆・水彩・ペントインク、紙 1841-43年?

ターナーはヨーロッパ各地を旅して、自然を写生しています。
ルツェルン湖はスイス中部にある湖で、ブルンネンから南を見た光景のようです。
青い湖、山岳に当たる日の光、夕焼けに染まる空が水彩画でざっと描かれています。
晩年になるとターナーは嵐などの自然を描くのに、写実を超えてその力、
感動そのものを表そうとするようになります。
そして光や空気を画面に表そうとするので、物体の形がはっきり見えなくなり、
抽象画に近くなってきます。
ターナーは27歳でロイヤル・アカデミーの会員になるほどの人気画家
でしたから、晩年には絵が売れるかどうか気にせずに自分の描きたい絵を
描いたのでしょう。
まだ印象派さえ登場していなかった時代ですから、作品について当時の人の
受けは良くなかったというのはよく分かります。
ターナーは印象派に影響を与えたと云われていますが、モネが晩年に光そのものを
描こうとしたのと似ていて、画家というのは行き着くところ、同じものを追求する
のだなと思います。
展示室の一部にはウィリアム・モリス調の壁紙もありました。
ターナーの初期から晩年まで、その画業をたどることの出来る、
とても興味深い展覧会です。
東京都美術館では特別展、「日本美術院再興100年 世紀の日本画」展が開かれます。
会期は2014年1月25日(土)~4月1日(火)です。

新宿三丁目
「スターバックス・コーヒー 新宿マルイ本館2階店」に行ってきました。
場所は新宿区新宿3-30-13です。

コンシェルジュカウンターがあって、他のスターバックスでは売っていない
豆も販売されているそうです。

窓からは向かいの伊勢丹新宿店が見えます。


伊勢丹新宿店は1933年の建築で、アールデコ調の外観をしています。
カプチーノS340円とドリップコーヒーS300円を注文して、カウンター席から
伊勢丹の前を行き来する人を眺めながら味わいました。

こちらは、ブラックエプロンのバリスタが居るということで、カプチーノの
フォームは細やか、コーヒーも一味違う美味しさです。
ブラックエプロンはコーヒーについてより深い知識を持つバリスタが
着けるエプロンとのことです。
場所も便利で、コーヒーも美味しいということで、休日はいつも
ほぼ満員になる賑わいです。
新宿マルイ本館には8階にもスターバックスがあります。
chariot
「スターバックス・コーヒー 新宿マルイ本館2階店」に行ってきました。
場所は新宿区新宿3-30-13です。

コンシェルジュカウンターがあって、他のスターバックスでは売っていない
豆も販売されているそうです。

窓からは向かいの伊勢丹新宿店が見えます。


伊勢丹新宿店は1933年の建築で、アールデコ調の外観をしています。
カプチーノS340円とドリップコーヒーS300円を注文して、カウンター席から
伊勢丹の前を行き来する人を眺めながら味わいました。

こちらは、ブラックエプロンのバリスタが居るということで、カプチーノの
フォームは細やか、コーヒーも一味違う美味しさです。
ブラックエプロンはコーヒーについてより深い知識を持つバリスタが
着けるエプロンとのことです。
場所も便利で、コーヒーも美味しいということで、休日はいつも
ほぼ満員になる賑わいです。
新宿マルイ本館には8階にもスターバックスがあります。
東京
丸ビルでは「藝大アーツイン 東京丸の内 2013」が開かれています。

上野の東京藝術大学の学生さんにより、ピアノ演奏、オペラの公演、
立体アート作品の展示、アニメーション上映など、いろいろのイベントが
開かれます。
会期は10月22日(火)から27日(日)の6日間です。

三菱地所賞は2008年から始まった賞で、音楽部門と美術部門があります。
マルキューブ3階回廊では美術部門受賞作品展が開かれています。
2012年度の卒業・修了作品展に出品された作品の中から、優秀立体作品5点を
展示するものです。
各作品に合わせて作られたオリジナル音楽を聴くことも出来ます。
相子恭平(あいこきょうへい) 「男と女の惑星」 木(樟)


ザクザクとした、姿の大きな丸彫りです。
大森記詩(おおもりきし) 「PANEL」 鉄・アルミニウム

航空機の胴体を切り取ったような形です。
工藤湖太郎 「太虚」 麻布・漆・発泡スチロール・鉄

マンモスの頭骨が牙を支えにして立つと、オブジェのように見えます。
阪上万里英 「光は水のよう」 鉄

円盤や小片が銀色にきらめいています。
府川大吾「ラフスケッチ プロダクト」 鉄

スケッチの線を鉄線で表したような形です。
パネルの映像を見ながらオリジナル音楽を聴くことが出来ます。


2011年の「藝大アーツイン 」の記事です。
「藝大アーツイン 」のHPです。
丸の内仲通りガーデニングショー2013」が開かれています。
今年で10回目で、仲通り沿いに10のガーデニング作品が展示されています。
今年はディズニーの世界をテーマにした展示です。
同じく10月31日までの予定でしたが、残念ながら台風の影響で、
10月24日の夜9時に終了しました。




ハンギングバスケットも飾られています。

「丸の内仲通りガーデニングショー」のHPです。
chariot
丸ビルでは「藝大アーツイン 東京丸の内 2013」が開かれています。

上野の東京藝術大学の学生さんにより、ピアノ演奏、オペラの公演、
立体アート作品の展示、アニメーション上映など、いろいろのイベントが
開かれます。
会期は10月22日(火)から27日(日)の6日間です。

三菱地所賞は2008年から始まった賞で、音楽部門と美術部門があります。
マルキューブ3階回廊では美術部門受賞作品展が開かれています。
2012年度の卒業・修了作品展に出品された作品の中から、優秀立体作品5点を
展示するものです。
各作品に合わせて作られたオリジナル音楽を聴くことも出来ます。
相子恭平(あいこきょうへい) 「男と女の惑星」 木(樟)


ザクザクとした、姿の大きな丸彫りです。
大森記詩(おおもりきし) 「PANEL」 鉄・アルミニウム

航空機の胴体を切り取ったような形です。
工藤湖太郎 「太虚」 麻布・漆・発泡スチロール・鉄

マンモスの頭骨が牙を支えにして立つと、オブジェのように見えます。
阪上万里英 「光は水のよう」 鉄

円盤や小片が銀色にきらめいています。
府川大吾「ラフスケッチ プロダクト」 鉄

スケッチの線を鉄線で表したような形です。
パネルの映像を見ながらオリジナル音楽を聴くことが出来ます。


2011年の「藝大アーツイン 」の記事です。
「藝大アーツイン 」のHPです。
丸の内仲通りガーデニングショー2013」が開かれています。
今年で10回目で、仲通り沿いに10のガーデニング作品が展示されています。
今年はディズニーの世界をテーマにした展示です。
同じく10月31日までの予定でしたが、残念ながら台風の影響で、
10月24日の夜9時に終了しました。




ハンギングバスケットも飾られています。

「丸の内仲通りガーデニングショー」のHPです。
日本橋
日本橋高島屋美術画廊Xでは「重野克明 版画の鬼と化す」展が
開かれています。
会期は10月28日(月)までです。

重野克明さん(1975~)は千葉市出身で東京藝術大学を卒業し、
さまざまな技法を使って、銅版画を制作しています。
「自画像」 エッチング、ドライポイント
パンフレットに使われている作品です。
実際の重野さんはもっと若くソフトな印象で、版画の鬼にしては
優しげです。
「幻のホームラン」 エッチング、ドライポイント、アクアチント

大きな作品で、廃屋のような家の前でバットを振る男、立っている女、
マネキン、犬、ビルの壁、飛んでくるボールなどが描き込まれた、
ちょっとシュールな光景です。
ボールのおかげで空間に奥行きを感じます。
「トークショー」 エッチング、ドライポイント

今年、練馬区立美術館で開かれていた、「牧野邦夫―写実の精髄―展」の
山下裕二さんのトークショーの様子です。
トークショーそのものを客観的に見ています。
「牧野邦夫―写実の精髄―展」の記事です。
「世界陸上 2013」 エッチング、ドライポイント、エングレーヴィング

スポーツらしく、びっしり入った線に勢いがあります。
「滝川クリステルとドライブ 2013」 ドライポイント

マンガのコマ割りを使った画面構成です。
どのような状況で滝川クリステルさんとドライブすることになったのでしょうか。
重野さんの作品には日々の生活から浮かんでくる雑多な思いや夢が
掬い取られていて、不思議な現実感があります。
chariot
日本橋高島屋美術画廊Xでは「重野克明 版画の鬼と化す」展が
開かれています。
会期は10月28日(月)までです。

重野克明さん(1975~)は千葉市出身で東京藝術大学を卒業し、
さまざまな技法を使って、銅版画を制作しています。
「自画像」 エッチング、ドライポイント
パンフレットに使われている作品です。
実際の重野さんはもっと若くソフトな印象で、版画の鬼にしては
優しげです。
「幻のホームラン」 エッチング、ドライポイント、アクアチント

大きな作品で、廃屋のような家の前でバットを振る男、立っている女、
マネキン、犬、ビルの壁、飛んでくるボールなどが描き込まれた、
ちょっとシュールな光景です。
ボールのおかげで空間に奥行きを感じます。
「トークショー」 エッチング、ドライポイント

今年、練馬区立美術館で開かれていた、「牧野邦夫―写実の精髄―展」の
山下裕二さんのトークショーの様子です。
トークショーそのものを客観的に見ています。
「牧野邦夫―写実の精髄―展」の記事です。
「世界陸上 2013」 エッチング、ドライポイント、エングレーヴィング

スポーツらしく、びっしり入った線に勢いがあります。
「滝川クリステルとドライブ 2013」 ドライポイント

マンガのコマ割りを使った画面構成です。
どのような状況で滝川クリステルさんとドライブすることになったのでしょうか。
重野さんの作品には日々の生活から浮かんでくる雑多な思いや夢が
掬い取られていて、不思議な現実感があります。
東京
「DEAN&DELUCA 丸の内店」に行ってきました。
場所は千代田区丸の内1-4-5、三菱UFJ信託銀行本店ビルです。

白で統一された店内は完全禁煙、天井が高く広々としていてます。

以前、「DEAN&DELUCA丸の内店」に行った時の記事です。
キッシュやサンドイッチが並んでいます。

軽い夕食を注文しました。
オレンジサラダ1238円はチーズもさっぱりとしていてさわやかな味です。

マグロカサレッチョ1333円はオリーブ油がたっぷり入っています。

カジキ香草焼1523円はパン粉を付けて美味しくローストしてあります。
オリーブやケッパーを全部食べると塩分が多いかも知れません。

「松の助」のサワークリームアップルパイ571円です。

生のリンゴを焼き上げているとのことで、自然な甘さです。
コーヒー500円とエスプレッソ400円です。


休日のディナータイムで、お客さんで賑わっていましたが、ティータイムのように
利用している人も多いようでした。
chariot
「DEAN&DELUCA 丸の内店」に行ってきました。
場所は千代田区丸の内1-4-5、三菱UFJ信託銀行本店ビルです。

白で統一された店内は完全禁煙、天井が高く広々としていてます。

以前、「DEAN&DELUCA丸の内店」に行った時の記事です。
キッシュやサンドイッチが並んでいます。

軽い夕食を注文しました。
オレンジサラダ1238円はチーズもさっぱりとしていてさわやかな味です。

マグロカサレッチョ1333円はオリーブ油がたっぷり入っています。

カジキ香草焼1523円はパン粉を付けて美味しくローストしてあります。
オリーブやケッパーを全部食べると塩分が多いかも知れません。

「松の助」のサワークリームアップルパイ571円です。

生のリンゴを焼き上げているとのことで、自然な甘さです。
コーヒー500円とエスプレッソ400円です。


休日のディナータイムで、お客さんで賑わっていましたが、ティータイムのように
利用している人も多いようでした。
大手町
宮内庁三の丸尚蔵館では開館20周年記念、「美を伝えゆく
-名品にみる20年の歩み-」展が開かれています。
会期は11月24日(日)まで、10月31日(木)までの前期と11月2日(土)からの
後期で一部展示替があります。
休館日は月曜・金曜で、入館は無料です。

前・後期合わせて15点が展示され、貴重な名品の修理事業の様子も紹介されています。
「春日権現験記絵(巻第3)」 1巻(20巻のうち) 鎌倉時代、延慶2年(1309)頃

西園寺公衡が一門の繁栄を願って発願して制作された、春日明神の霊験譚の絵巻で、
絵は絵所預の高階隆兼が描き、書は前関白鷹司基忠父子4人が担当しています。
源俊房に春日明神が乗り移って婿の藤原忠実に対面している場面です。
室内は吹抜屋台、人物の顔は引目鉤鼻で描かれ、襖には山水と騎馬の人物が
描かれています。

「四季草花図屏風」 伝狩野永徳 四曲一隻 安土桃山時代(16世紀)


前期の展示です。
八条宮智仁親王(1579-1629)は後陽成天皇の弟で、豊臣秀吉の猶子となった後、
八条宮家(後の桂宮家)を創設し、現在の桂離宮を造営しています。
この屏風は桂宮家に伝来したもので、二曲一双の屏風の間に四曲一隻の屏風
(画像の絵)を置くと絵柄がつながることから、元は襖絵だったようです。
狩野永徳一門の作と思われ、芍薬、菊、竜胆、百合などが描かれています。
「蔦細道蒔絵文台・硯箱(御在来)」 安土桃山時代(16世紀)

前期の展示です。
蔦の模様の豪華な高蒔絵の文台と硯箱で、「蔦細道」は伊勢物語第9段の、
男が東下りの途中、宇津の山で知り合いの修行者に出会い、都に残した女に
送る歌を託するというお話です。
駿河なる宇津の山辺のうつつにも夢にも人に逢わぬなりけり
画題にもよく選ばれていて、この蒔絵でも蔦と一緒に彫られた笈が修行者を、
結び文が女への手紙を表しています。
宮内庁はこの(御在来)とそっくり同じデザインの、旧高松宮家所蔵と
上杉家所蔵のセットも所蔵しています。
調べてみると、外見は同じでも素材などに違いがあるそうです。
「巌(裏面:風景)」 中村彝 1面 明治42年(1909)

水戸徳川家の献上品で、千葉県白浜の風景です。
調べてみると裏にも風景画が描かれていることが分かりました。
裏面は後期に展示されます。
「萬国絵図屏風」 八曲一双 江戸時代(17世紀)
後期の展示です。
西洋からもたらされた資料を元に日本で作られたと思われる屏風で、
右隻は、画面の上に、トルコや西欧風の騎馬王侯が2人ずつ8人、
剣を振るって戦っています。
下にはポルトガルの地図と、ローマ、ロンドン、パリ、ヴェネツィアなど
各国の28都市の絵図が描かれています。
左隻は、世界地図の左右に世界の人物風俗図が並んでいます。

ヨーロッパの地図はかなり正確です。

日本は北海道がありません。
日本人自身、蝦夷地のことをあまり知らなかった時代です。

日本人の男性は羽織袴を着て、刀を落とし差しにしています。

「動植綵絵(群鶏図、紅葉小禽図)」 伊藤若冲 2幅(30幅のうち)
江戸時代(18世紀)
後期の展示です。
(紅葉小禽図)

枝が斜めに画面を分割する面白い構図で、丸い輪になった枝が眼を惹きます。
若冲が京都の相国寺に釈迦三尊像と共に寄進したもので、明治時代に
皇室に献上されています。
「動植綵絵」全30幅は2009年に東京国立博物館で開かれた、「皇室の名宝
―日本美の華」展に展示され、大きな評判になりました。
「皇室の名宝―日本美の華」展の記事です。
「喪乱帖」 王羲之(搨本) 1幅 中国・唐時代(7世紀)
後期の展示です。


王羲之(おうぎし、303-361)は東晋時代の政治家、書家で、後の時代の書に
多くの影響を与え、書聖と讃えられていますが、真蹟は1点も残っていません。
最初の2行は「羲之頓首 喪乱之極 先墓再離荼毒 追」となっています。
「先墓再離荼毒」とは先祖の墓が匈奴によって荒らされたことを云うそうで、
苦難を深く嘆いた文面です。
王羲之は西晋の出身ですが、西晋は匈奴によって滅ぼされ、東晋が後継国家として
残っています。
点数は少ないですが、貴重な作品揃いで、保存事業の重要性も知ることの出来る
展覧会です。
展覧会のHPです。
宮内庁三の丸尚蔵館の次回の展覧会は「華麗なる近代京焼―有栖川宮家伝来、
幹山伝七の逸品」(仮称)です。
会期は平成26年1月11日(土)から3月23日(日)(予定)です。
chariot
宮内庁三の丸尚蔵館では開館20周年記念、「美を伝えゆく
-名品にみる20年の歩み-」展が開かれています。
会期は11月24日(日)まで、10月31日(木)までの前期と11月2日(土)からの
後期で一部展示替があります。
休館日は月曜・金曜で、入館は無料です。

前・後期合わせて15点が展示され、貴重な名品の修理事業の様子も紹介されています。
「春日権現験記絵(巻第3)」 1巻(20巻のうち) 鎌倉時代、延慶2年(1309)頃

西園寺公衡が一門の繁栄を願って発願して制作された、春日明神の霊験譚の絵巻で、
絵は絵所預の高階隆兼が描き、書は前関白鷹司基忠父子4人が担当しています。
源俊房に春日明神が乗り移って婿の藤原忠実に対面している場面です。
室内は吹抜屋台、人物の顔は引目鉤鼻で描かれ、襖には山水と騎馬の人物が
描かれています。

「四季草花図屏風」 伝狩野永徳 四曲一隻 安土桃山時代(16世紀)


前期の展示です。
八条宮智仁親王(1579-1629)は後陽成天皇の弟で、豊臣秀吉の猶子となった後、
八条宮家(後の桂宮家)を創設し、現在の桂離宮を造営しています。
この屏風は桂宮家に伝来したもので、二曲一双の屏風の間に四曲一隻の屏風
(画像の絵)を置くと絵柄がつながることから、元は襖絵だったようです。
狩野永徳一門の作と思われ、芍薬、菊、竜胆、百合などが描かれています。
「蔦細道蒔絵文台・硯箱(御在来)」 安土桃山時代(16世紀)

前期の展示です。
蔦の模様の豪華な高蒔絵の文台と硯箱で、「蔦細道」は伊勢物語第9段の、
男が東下りの途中、宇津の山で知り合いの修行者に出会い、都に残した女に
送る歌を託するというお話です。
駿河なる宇津の山辺のうつつにも夢にも人に逢わぬなりけり
画題にもよく選ばれていて、この蒔絵でも蔦と一緒に彫られた笈が修行者を、
結び文が女への手紙を表しています。
宮内庁はこの(御在来)とそっくり同じデザインの、旧高松宮家所蔵と
上杉家所蔵のセットも所蔵しています。
調べてみると、外見は同じでも素材などに違いがあるそうです。
「巌(裏面:風景)」 中村彝 1面 明治42年(1909)

水戸徳川家の献上品で、千葉県白浜の風景です。
調べてみると裏にも風景画が描かれていることが分かりました。
裏面は後期に展示されます。
「萬国絵図屏風」 八曲一双 江戸時代(17世紀)
後期の展示です。
西洋からもたらされた資料を元に日本で作られたと思われる屏風で、
右隻は、画面の上に、トルコや西欧風の騎馬王侯が2人ずつ8人、
剣を振るって戦っています。
下にはポルトガルの地図と、ローマ、ロンドン、パリ、ヴェネツィアなど
各国の28都市の絵図が描かれています。
左隻は、世界地図の左右に世界の人物風俗図が並んでいます。

ヨーロッパの地図はかなり正確です。

日本は北海道がありません。
日本人自身、蝦夷地のことをあまり知らなかった時代です。

日本人の男性は羽織袴を着て、刀を落とし差しにしています。


「動植綵絵(群鶏図、紅葉小禽図)」 伊藤若冲 2幅(30幅のうち)
江戸時代(18世紀)
後期の展示です。
(紅葉小禽図)

枝が斜めに画面を分割する面白い構図で、丸い輪になった枝が眼を惹きます。
若冲が京都の相国寺に釈迦三尊像と共に寄進したもので、明治時代に
皇室に献上されています。
「動植綵絵」全30幅は2009年に東京国立博物館で開かれた、「皇室の名宝
―日本美の華」展に展示され、大きな評判になりました。
「皇室の名宝―日本美の華」展の記事です。
「喪乱帖」 王羲之(搨本) 1幅 中国・唐時代(7世紀)
後期の展示です。


王羲之(おうぎし、303-361)は東晋時代の政治家、書家で、後の時代の書に
多くの影響を与え、書聖と讃えられていますが、真蹟は1点も残っていません。
最初の2行は「羲之頓首 喪乱之極 先墓再離荼毒 追」となっています。
「先墓再離荼毒」とは先祖の墓が匈奴によって荒らされたことを云うそうで、
苦難を深く嘆いた文面です。
王羲之は西晋の出身ですが、西晋は匈奴によって滅ぼされ、東晋が後継国家として
残っています。
点数は少ないですが、貴重な作品揃いで、保存事業の重要性も知ることの出来る
展覧会です。
展覧会のHPです。
宮内庁三の丸尚蔵館の次回の展覧会は「華麗なる近代京焼―有栖川宮家伝来、
幹山伝七の逸品」(仮称)です。
会期は平成26年1月11日(土)から3月23日(日)(予定)です。
御茶ノ水・新御茶ノ水・淡路町
ワテラスタワーの2階にある「カフェ 104.5(イチマルヨンゴー)」を
再訪しました。
場所は千代田区神田淡路町2-101です。
ブルーノートジャパンのプロデュースするカフェ&エピスリーで、
ジャズのライブも開かれます。
今年、2013年4月にオープンした御茶ノ水ソラシティとワテラスは
街になじんで、人も増えたようです。

明るい木調の大きなお店で、広々としています。


以前、「カフェ 104.5」に行った時の記事です。
お店に入った時は「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」が
流れていました。


1280円のウィークデイ・ランチです。
前菜のカブのマリネ、コリアンダー風味とサラダです。
後ろは2種類のオリーブオイルです。

メインのメカジキと秋野菜のプレゼは美味しいので、ソースも残さず食べました。
ナスやカリフラワー、レンコンの他に銀杏も入っています。

メインは他に、もち豚肩ロースのオーブン焼、パスタがあります。
たっぷりのコーヒーはコクがあります。

店員さんによれば平日のランチタイムはほぼ満席になるそうですが、
この日は台風26号のため出勤している人も少なく、お客さんも少ないとの
ことでした。
お店を出る頃の曲は、ボサノバの「おいしい水」でした。
お店のHPです。
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ワテラスタワーの2階にある「カフェ 104.5(イチマルヨンゴー)」を
再訪しました。
場所は千代田区神田淡路町2-101です。
ブルーノートジャパンのプロデュースするカフェ&エピスリーで、
ジャズのライブも開かれます。
今年、2013年4月にオープンした御茶ノ水ソラシティとワテラスは
街になじんで、人も増えたようです。

明るい木調の大きなお店で、広々としています。


以前、「カフェ 104.5」に行った時の記事です。
お店に入った時は「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」が
流れていました。


1280円のウィークデイ・ランチです。
前菜のカブのマリネ、コリアンダー風味とサラダです。
後ろは2種類のオリーブオイルです。

メインのメカジキと秋野菜のプレゼは美味しいので、ソースも残さず食べました。
ナスやカリフラワー、レンコンの他に銀杏も入っています。

メインは他に、もち豚肩ロースのオーブン焼、パスタがあります。
たっぷりのコーヒーはコクがあります。

店員さんによれば平日のランチタイムはほぼ満席になるそうですが、
この日は台風26号のため出勤している人も少なく、お客さんも少ないとの
ことでした。
お店を出る頃の曲は、ボサノバの「おいしい水」でした。
お店のHPです。