京橋・東京
京橋のブリヂストン美術館ではコレクション展、「絵画の時間 24のエピソード」が開かれています。
会期は9月23日(火・祝)までです。

約160点の作品が「時間」に注目した24のエピソードとともに展示されています。
第1室 伝統から近代へ
印象派以前の作品の展示です。
レンブラント・ファン・レイン 「聖書あるいは物語に取材した夜の情景」
油彩・銅板 1626~28年

とても小さな作品で、火の周りで男たちが話をしていて、鎧を着た男も見えます。
新約聖書に書かれた、「ペテロの否認」の場面でしょうか。
ギュスターヴ・クールベ 「雪の中を駆ける鹿」 1856-57年頃

飛び出してきた鹿の一瞬の姿を捉えています。
狩猟は当時人気の合った画題とのことで、注文も多く、クールベもよく描いています。
第2室は順路の最後にあり、第3室は古代美術です。
第4室 印象派へのいざない
ピエール=オーギュス・ルノワール
「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」 1876年

この作品を中心にルノワールは5点、展示されています。
ブリヂストン美術館を代表する作品で、1階のカフェ、「ジョルジェット」も
彼女の名前に由来します。
印象派時代の、まだ無名で絵の売れないルノワールに最初に注目したのは
出版業を営むジョルジュ・シャルパンティエです。
彼の依頼で、当時4歳の娘を描いたものです。
まだ足の届かない、大人用の椅子に座らせることでジョルジェットの可愛さを
強調しています。
ルノワールは、家族を描いた、「シャルパンティエ夫人と子供たち」で、
肖像画家としての評判を得たとのことです。
ギュスターヴ・カイユボット 「ピアノを弾く若い男」 1876年

1876年の第2回印象派展に出品された作品の一つです。
ピアノを弾いているのは弟で、パリの裕福な家庭の一こまを見せています。
グランドピアノの奥行き、窓の位置など、カイユボットらしい考えられた構図です。
床の絨緞、壁紙、カーテンの模様も細かく描かれて華やかです。
第5室 モネ、そして印象派以降
モネとセザンヌを中心にした展示です。
クロード・モネ 「黄昏、ヴェネツィア」 1908年頃

67歳のモネが2番目の妻、アリスとヴェネツィアを訪れた時の作品です。
静養のつもりが、ヴェネツィアの光に魅了されて制作に没頭したそうです。
尖塔のあるシルエットがサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会で、
右側にぼんやり見えるのはサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂です。
夕暮れのひと時、空と海が溶け合い、虹のように輝いています。
モネの手紙には、老いを忘れ去り、甘美な時間を過ごした、とあります。
ポール・セザンヌ 「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」
1904-06年頃

シャトー・ノワールとは黒い城という意味で、サント=ヴィクトワール山と
シャトー・ノワールを共に描いた作品は少ないそうです。
頑固なほどにどっしり安定していて、対象の本質を描こうとしたセザンヌらしい
風景画です。
第6室 マティスとフォーヴィズム
マティスの6点を中心にフォーヴィズムの画家たちの展示です。
アンリ・マティス 「縞ジャケット」 1914年

長女のマルグリット、20歳を描いています。
激しい色彩のフォーヴィズム時代が終わり、実験的な時代の作品とのことです。
色彩も筆遣いも軽やかで心地良く、マティスの特質が表れています。
モーリス・ド・ヴラマンク 「運河船」 1906年

ヴラマンクのフォーヴィスム時代の作品で、強烈な色彩が目を惹きます。
シャトゥーの対岸の工場地帯の景色で、シャトゥーはヴラマンクとドランが
共同でアトリエを使っていました。
アルベール・マルケ 「道行く人、ラ・フレット」 1946年

マルケの亡くなる前の年の作品です。
土手をのんびり歩いている人の姿には東洋画のような味わいがあります。
マルケは画学校でマティスやルオーの同窓ということで、マティスたちの
フォーヴィズムに加わりますが、作風は荒々しいフォーヴィズムとはかなり異なり、
色彩も柔らかく、穏やかです。
第7室 世紀末から20世紀へ―内面を見つめる世界
ルドン、ルオーなどの展示です。
ジョルジュ・ルオー 「郊外のキリスト」 1920-24年

生まれ育った貧しい街でルオーの見た、母親が子供を連れ、食を乞うため
一軒一軒回っている状景を元にした作品で、母親はキリストとなって描かれています。
1929年に日本に紹介され、日本でのルオーの理解と普及に貢献した作品
とのことです。
第8室 ピカソからキュビズムの周辺
ピカソの油彩画6点を中心にした展示です。
パブロ・ピカソ 「腕を組んですわるサルタンバンク」 1923年

第一次世界大戦中に訪れたイタリアで観た古典文化にインスピレーションを受け、
それ以前のキュビズムから新古典主義に移った時代の作品です。
古代彫刻のような顔立ちで端然と腰かけていて、色彩も明快です。
サルタンバンクとは大道芸を行なう最下層の芸人ですが、この作品のサルタンバンクは
物静かで高貴さも漂わせています。
ピカソの自画像の一種でもあるとのことです。
元はピアニストのホロヴィッツの居間を飾っていて、ブリヂストン美術館は
1980年にオークションで入手したとのことです。
アンリ・ルソー 「イヴリー河岸」 1907年頃

おもちゃのような家と人形のような人たちは現実感から離れていて、
飛行船には浮遊感が漂います。
その非現実性の中に不思議な懐かしさがあります。
ラウル・デュフィ 「オーケストラ」 1942年

音楽の好きだったデュフィの作品で、湧き上がる音楽が聞こえてくるようです。
ティンパニやシンバルも鳴っていて、交響曲のクライマックスの場面でしょうか。
第9室 20世紀美術の広がり
エコール・ド・パリの画家を中心にした展示です。
藤田嗣治 「猫のいる静物」 1939-40年

スペインのファン・サンチェス・コタン(1560-1627)の静物画の構図に
倣っていますが、飛び立つ鳥と藤田得意の猫が画面に動きを添えています。
きわめて細く均一な線描を観ると、藤田の技量の高さがよく分かります。
ベルナール・ビュフェ 「アナベル夫人像」 1960年

黑く太い線描が勢いよく上から下に伸び広がっていて、極端に長い手の表現が印象的です。
赤と白の対比も効いています。
第10室 抽象への道
ザオ・ウーキー 「07.06.85」

抽象画の展示の中でとりわけ印象に残る作品で、立ち上がる波のような深い青色に
引き込まれます。
ザオ・ウーキーの作品には東洋画の雰囲気があります。
2013年に亡くなった時、ブリヂストン美術館では「追悼 ザオ・ウーキー」として、
作品9点を展示していました。
第2室 日本の洋画
浅井忠から梅原龍三郎まで、日本の洋画の展示です。
小出楢重 「帽子をかぶった自画像」 1924年

小出楢重の自画像は8点あり、全身像はこの作品だけとのことです。
夏物の背広を着て絵筆を持ち、イーゼルの前に立つ姿は颯爽としています。
ラッパと黒い帽子はフランスで買ったもので、お気に入りの品とのことです。
出世作となった、暗くて不機嫌そうな「Nの家族」や、不気味な雰囲気の漂う、
絶筆の「枯木のある風景」とはかなり違い、いかにも脂の乗った感じがします。
安井曾太郎「F夫人像」 1939年

美術評論家で収集家、福島繁太郎の慶子夫人の肖像です。
左肩を極端に下げた姿勢で、顔と帽子は小さく、組んだ足は大きく描いて、
遠近感を出しています。
色彩も明るく華やかで、スカーフや髪の黒、帽子や唇の赤がグレーの
縞の服に映えます。
慶子夫人は、わざと描きにくい縞柄の服を着て、安井曾太郎を試したという
ことですが、そんな慶子夫人の性格まで描き出されています。
第2室の椅子に座っていると、「帽子をかぶった自画像」と「F夫人像」からの
自信ありげな視線を前と横から受けることになります。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は「ウィレム・デ・クーニング展」です。
会期は10月8日(水)〜2015年1月12日(月)です。
chariot
京橋のブリヂストン美術館ではコレクション展、「絵画の時間 24のエピソード」が開かれています。
会期は9月23日(火・祝)までです。

約160点の作品が「時間」に注目した24のエピソードとともに展示されています。
第1室 伝統から近代へ
印象派以前の作品の展示です。
レンブラント・ファン・レイン 「聖書あるいは物語に取材した夜の情景」
油彩・銅板 1626~28年

とても小さな作品で、火の周りで男たちが話をしていて、鎧を着た男も見えます。
新約聖書に書かれた、「ペテロの否認」の場面でしょうか。
ギュスターヴ・クールベ 「雪の中を駆ける鹿」 1856-57年頃

飛び出してきた鹿の一瞬の姿を捉えています。
狩猟は当時人気の合った画題とのことで、注文も多く、クールベもよく描いています。
第2室は順路の最後にあり、第3室は古代美術です。
第4室 印象派へのいざない
ピエール=オーギュス・ルノワール
「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢」 1876年

この作品を中心にルノワールは5点、展示されています。
ブリヂストン美術館を代表する作品で、1階のカフェ、「ジョルジェット」も
彼女の名前に由来します。
印象派時代の、まだ無名で絵の売れないルノワールに最初に注目したのは
出版業を営むジョルジュ・シャルパンティエです。
彼の依頼で、当時4歳の娘を描いたものです。
まだ足の届かない、大人用の椅子に座らせることでジョルジェットの可愛さを
強調しています。
ルノワールは、家族を描いた、「シャルパンティエ夫人と子供たち」で、
肖像画家としての評判を得たとのことです。
ギュスターヴ・カイユボット 「ピアノを弾く若い男」 1876年

1876年の第2回印象派展に出品された作品の一つです。
ピアノを弾いているのは弟で、パリの裕福な家庭の一こまを見せています。
グランドピアノの奥行き、窓の位置など、カイユボットらしい考えられた構図です。
床の絨緞、壁紙、カーテンの模様も細かく描かれて華やかです。
第5室 モネ、そして印象派以降
モネとセザンヌを中心にした展示です。
クロード・モネ 「黄昏、ヴェネツィア」 1908年頃

67歳のモネが2番目の妻、アリスとヴェネツィアを訪れた時の作品です。
静養のつもりが、ヴェネツィアの光に魅了されて制作に没頭したそうです。
尖塔のあるシルエットがサン・ジョルジョ・マッジョーレ教会で、
右側にぼんやり見えるのはサンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂です。
夕暮れのひと時、空と海が溶け合い、虹のように輝いています。
モネの手紙には、老いを忘れ去り、甘美な時間を過ごした、とあります。
ポール・セザンヌ 「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」
1904-06年頃

シャトー・ノワールとは黒い城という意味で、サント=ヴィクトワール山と
シャトー・ノワールを共に描いた作品は少ないそうです。
頑固なほどにどっしり安定していて、対象の本質を描こうとしたセザンヌらしい
風景画です。
第6室 マティスとフォーヴィズム
マティスの6点を中心にフォーヴィズムの画家たちの展示です。
アンリ・マティス 「縞ジャケット」 1914年

長女のマルグリット、20歳を描いています。
激しい色彩のフォーヴィズム時代が終わり、実験的な時代の作品とのことです。
色彩も筆遣いも軽やかで心地良く、マティスの特質が表れています。
モーリス・ド・ヴラマンク 「運河船」 1906年

ヴラマンクのフォーヴィスム時代の作品で、強烈な色彩が目を惹きます。
シャトゥーの対岸の工場地帯の景色で、シャトゥーはヴラマンクとドランが
共同でアトリエを使っていました。
アルベール・マルケ 「道行く人、ラ・フレット」 1946年

マルケの亡くなる前の年の作品です。
土手をのんびり歩いている人の姿には東洋画のような味わいがあります。
マルケは画学校でマティスやルオーの同窓ということで、マティスたちの
フォーヴィズムに加わりますが、作風は荒々しいフォーヴィズムとはかなり異なり、
色彩も柔らかく、穏やかです。
第7室 世紀末から20世紀へ―内面を見つめる世界
ルドン、ルオーなどの展示です。
ジョルジュ・ルオー 「郊外のキリスト」 1920-24年

生まれ育った貧しい街でルオーの見た、母親が子供を連れ、食を乞うため
一軒一軒回っている状景を元にした作品で、母親はキリストとなって描かれています。
1929年に日本に紹介され、日本でのルオーの理解と普及に貢献した作品
とのことです。
第8室 ピカソからキュビズムの周辺
ピカソの油彩画6点を中心にした展示です。
パブロ・ピカソ 「腕を組んですわるサルタンバンク」 1923年

第一次世界大戦中に訪れたイタリアで観た古典文化にインスピレーションを受け、
それ以前のキュビズムから新古典主義に移った時代の作品です。
古代彫刻のような顔立ちで端然と腰かけていて、色彩も明快です。
サルタンバンクとは大道芸を行なう最下層の芸人ですが、この作品のサルタンバンクは
物静かで高貴さも漂わせています。
ピカソの自画像の一種でもあるとのことです。
元はピアニストのホロヴィッツの居間を飾っていて、ブリヂストン美術館は
1980年にオークションで入手したとのことです。
アンリ・ルソー 「イヴリー河岸」 1907年頃

おもちゃのような家と人形のような人たちは現実感から離れていて、
飛行船には浮遊感が漂います。
その非現実性の中に不思議な懐かしさがあります。
ラウル・デュフィ 「オーケストラ」 1942年

音楽の好きだったデュフィの作品で、湧き上がる音楽が聞こえてくるようです。
ティンパニやシンバルも鳴っていて、交響曲のクライマックスの場面でしょうか。
第9室 20世紀美術の広がり
エコール・ド・パリの画家を中心にした展示です。
藤田嗣治 「猫のいる静物」 1939-40年

スペインのファン・サンチェス・コタン(1560-1627)の静物画の構図に
倣っていますが、飛び立つ鳥と藤田得意の猫が画面に動きを添えています。
きわめて細く均一な線描を観ると、藤田の技量の高さがよく分かります。
ベルナール・ビュフェ 「アナベル夫人像」 1960年

黑く太い線描が勢いよく上から下に伸び広がっていて、極端に長い手の表現が印象的です。
赤と白の対比も効いています。
第10室 抽象への道
ザオ・ウーキー 「07.06.85」

抽象画の展示の中でとりわけ印象に残る作品で、立ち上がる波のような深い青色に
引き込まれます。
ザオ・ウーキーの作品には東洋画の雰囲気があります。
2013年に亡くなった時、ブリヂストン美術館では「追悼 ザオ・ウーキー」として、
作品9点を展示していました。
第2室 日本の洋画
浅井忠から梅原龍三郎まで、日本の洋画の展示です。
小出楢重 「帽子をかぶった自画像」 1924年

小出楢重の自画像は8点あり、全身像はこの作品だけとのことです。
夏物の背広を着て絵筆を持ち、イーゼルの前に立つ姿は颯爽としています。
ラッパと黒い帽子はフランスで買ったもので、お気に入りの品とのことです。
出世作となった、暗くて不機嫌そうな「Nの家族」や、不気味な雰囲気の漂う、
絶筆の「枯木のある風景」とはかなり違い、いかにも脂の乗った感じがします。
安井曾太郎「F夫人像」 1939年

美術評論家で収集家、福島繁太郎の慶子夫人の肖像です。
左肩を極端に下げた姿勢で、顔と帽子は小さく、組んだ足は大きく描いて、
遠近感を出しています。
色彩も明るく華やかで、スカーフや髪の黒、帽子や唇の赤がグレーの
縞の服に映えます。
慶子夫人は、わざと描きにくい縞柄の服を着て、安井曾太郎を試したという
ことですが、そんな慶子夫人の性格まで描き出されています。
第2室の椅子に座っていると、「帽子をかぶった自画像」と「F夫人像」からの
自信ありげな視線を前と横から受けることになります。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は「ウィレム・デ・クーニング展」です。
会期は10月8日(水)〜2015年1月12日(月)です。
表参道
「ル・ビストロ ドゥ マ(Le Bistro de Ma)」は南青山の岡本太郎記念館の斜め向かいにあります。
場所は港区南青山6-2-2です。

2013年9月のオープンで、店内は10席ほどで全席禁煙、簡素なつくりの可愛いお店です。
BGMにフランス語の番組が流れていました。




マカロン、サブレやパンも販売しています。



ランチのメニューです。

鶏のバロティンセット920円です。
スープとドリンクが付いて、パンはお替わり自由です。

小さなマカロンが添えてあります。

こちらはキッシュセット820円です。

どれもおだやかな味で、とても美味しいです。
お店の方の応対もていねいで、居心地の良いお店ですが、席数が少ないので
すぐ満席になるかもしれません。
chariot
「ル・ビストロ ドゥ マ(Le Bistro de Ma)」は南青山の岡本太郎記念館の斜め向かいにあります。
場所は港区南青山6-2-2です。

2013年9月のオープンで、店内は10席ほどで全席禁煙、簡素なつくりの可愛いお店です。
BGMにフランス語の番組が流れていました。




マカロン、サブレやパンも販売しています。



ランチのメニューです。

鶏のバロティンセット920円です。
スープとドリンクが付いて、パンはお替わり自由です。

小さなマカロンが添えてあります。

こちらはキッシュセット820円です。

どれもおだやかな味で、とても美味しいです。
お店の方の応対もていねいで、居心地の良いお店ですが、席数が少ないので
すぐ満席になるかもしれません。
銀座
松屋銀座8階イベントスクエアでは、「画業20周年 片岡鶴太郎展 還暦紅
(かんれきくれない)」が9月8日(月)まで開かれています。
観覧料は一般1000円です。

大河ドラマ、「軍師官兵衛」でも好演した俳優の片岡鶴太郎さんは
画家としても活躍しています。
展覧会は片岡さんの還暦と画業20周年を記念しての新作を含め、
約150点が展示されています。
屏風絵、着物、茶器、似顔絵などもあります。
「家族」 1993年

22年前に描いた油彩画の処女作で、展覧会に出展されるのは今回が初めてです。
この絵を見た横尾忠則さんから、絵を交換しませんかとの言葉をもらい、絵を描く上で
大きな自信になったそうです。
家族というものをしっかり捉えていて、墨彩画とは違った迫力があります。
「ゴリラ」 1995年

動物園でゴリラを見て、この顔なら墨の濃淡だけで表現できると思って
描いたとのことで、目の部分はコラージュです。
輪郭線を使わずに量感や表情まで描き出しています。
「八兵衛」 2005年

主演したテレビドラマ、「八丁堀の七人」の同心、仏田八兵衛です。
ひとは嘘をつく時、真剣な顔になる 八兵衛
「墨椿」 2014年

今年の新作の小さな作品で、掛軸になっています。
「浅利」 2014年

こちらも今年の新作で、春の海の柔らかさが表れています。
「金魚」 2014年
チラシに使われている二曲の屏風です。
還暦を迎えてさらに花を咲かせようという「還暦紅」のモチーフとして描いた金魚です。
特別に1室を設けて展示してあり、照明を落とした室内で透明感のある金魚が
花のように広がり泳いでいます。
片岡鶴太郎さんの作品は思い切り良く対象を掴みとり、色彩が鮮やかで、
その中にほのぼのとした味わいがあります。
特に魚を描いた作品は色の滲みを上手く使って、活き活きとしています。
四季をあしらった屏風の秋の瓢箪は、巧みな図柄や色の扱いに感心しました。
展覧会のHPです。
2010年には日本橋三越本店で、「画業15周年記念 片岡鶴太郎展」が開かれました。
「画業15周年記念 片岡鶴太郎展 艶葉樹」の記事です。
chariot
松屋銀座8階イベントスクエアでは、「画業20周年 片岡鶴太郎展 還暦紅
(かんれきくれない)」が9月8日(月)まで開かれています。
観覧料は一般1000円です。

大河ドラマ、「軍師官兵衛」でも好演した俳優の片岡鶴太郎さんは
画家としても活躍しています。
展覧会は片岡さんの還暦と画業20周年を記念しての新作を含め、
約150点が展示されています。
屏風絵、着物、茶器、似顔絵などもあります。
「家族」 1993年

22年前に描いた油彩画の処女作で、展覧会に出展されるのは今回が初めてです。
この絵を見た横尾忠則さんから、絵を交換しませんかとの言葉をもらい、絵を描く上で
大きな自信になったそうです。
家族というものをしっかり捉えていて、墨彩画とは違った迫力があります。
「ゴリラ」 1995年

動物園でゴリラを見て、この顔なら墨の濃淡だけで表現できると思って
描いたとのことで、目の部分はコラージュです。
輪郭線を使わずに量感や表情まで描き出しています。
「八兵衛」 2005年

主演したテレビドラマ、「八丁堀の七人」の同心、仏田八兵衛です。
ひとは嘘をつく時、真剣な顔になる 八兵衛
「墨椿」 2014年

今年の新作の小さな作品で、掛軸になっています。
「浅利」 2014年

こちらも今年の新作で、春の海の柔らかさが表れています。
「金魚」 2014年
チラシに使われている二曲の屏風です。
還暦を迎えてさらに花を咲かせようという「還暦紅」のモチーフとして描いた金魚です。
特別に1室を設けて展示してあり、照明を落とした室内で透明感のある金魚が
花のように広がり泳いでいます。
片岡鶴太郎さんの作品は思い切り良く対象を掴みとり、色彩が鮮やかで、
その中にほのぼのとした味わいがあります。
特に魚を描いた作品は色の滲みを上手く使って、活き活きとしています。
四季をあしらった屏風の秋の瓢箪は、巧みな図柄や色の扱いに感心しました。
展覧会のHPです。
2010年には日本橋三越本店で、「画業15周年記念 片岡鶴太郎展」が開かれました。
「画業15周年記念 片岡鶴太郎展 艶葉樹」の記事です。
表参道
南青山の骨董通りにある、「COUTUME(クチューム)青山店」に行ってきました。
場所は港区南青山5-8-10です。
このお店は今回が2回目です。



コーヒーは、サイフォンとフレンチプレスを合わせたような
スチームパンクとハンドドリップ、エスプレッソ、水出しコーヒーが
あります。
メニューを見て、抽出方法や豆の種類を選び、番号札を受け取って
席で待ちます。

本日のコーヒー380円はブルンジのKirema Bourbon Rougeです。

スチームパンクフィルターにしました。

かなり酸味があり、苦味のあまりない味で、すっきりとして美味しいです。
休日の午後はいつもほぼ満席ですが、日替わりのコーヒーと活気を
楽しめるお店です。
先日、「COUTUME(クチューム)青山店」に行ったときの記事です。
chariot
南青山の骨董通りにある、「COUTUME(クチューム)青山店」に行ってきました。
場所は港区南青山5-8-10です。
このお店は今回が2回目です。



コーヒーは、サイフォンとフレンチプレスを合わせたような
スチームパンクとハンドドリップ、エスプレッソ、水出しコーヒーが
あります。
メニューを見て、抽出方法や豆の種類を選び、番号札を受け取って
席で待ちます。

本日のコーヒー380円はブルンジのKirema Bourbon Rougeです。

スチームパンクフィルターにしました。

かなり酸味があり、苦味のあまりない味で、すっきりとして美味しいです。
休日の午後はいつもほぼ満席ですが、日替わりのコーヒーと活気を
楽しめるお店です。
先日、「COUTUME(クチューム)青山店」に行ったときの記事です。
渋谷
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは「だまし絵II 進化するだまし絵」展が開かれています。
会期は10月5日(日)まで、会期中は無休で、9月8日(月)のみ休館です。

2009年にBunkamuraザ・ミュージアムで開かれ、好評だった「だまし絵」展に続き、
古典的な「だまし絵」から現代の前衛的な作品までを展示する展覧会です。
ジュゼッペ・アルチンボルド 「司書」 1566年頃 スコークロステル城(スウェーデン)
チラシに使われている作品です。
だまし絵と聞いてすぐ思い出すのはこのイタリアの画家、ジュゼッペ・アルチンボルドです。
本や栞を集めて肖像画に仕立て上げています。
本を扱う者の必需品であるはたきで顎ひげを表しているのは秀逸です。
グーテンベルクが活版印刷を発明して100年ほど経った時代で、本の形も現在と
同じになっています。
作者不詳(北方派の画家) 「風景/顔」 17世紀初頭頃
ライマン・オーリン美術館、ニューロンドン(コネチカット州)

小さな作品で、ちょっと見ると風景画に見えますが、よく観ると人の顔になっています。

物を使って人の顔を表す趣向は歌川国芳の浮世絵にも見られます。
ヴィック・ムニーズ 「自画像 悲しすぎて話せない バス・ヤン・アデルによる」
2003年 タグチ・アートコレクション

ヴィック・ムニーズは絵画とは関係の無い素材を使って作品を作っています。
この作品は自分を写真に撮り、今度はその形を沢山のおもちゃを集めて再生し、
写真に撮ったものです。
悲しみの姿を楽しいおもちゃで再現するという仕掛けです。
サルバドール・ダリ 「海辺に出現した顔と果物鉢の幻影」 1938年
ワズワース・アテネウム美術館、ハートフォード(コネチカット州)

シュルレアリスムの画家、ダリの作品で、風景と静物が一緒くたになった中に
人の顔や犬が入れ込んであります。
浮かんでいる顔は1936年に殺害された親友のロルカの顔ということです。
ルネ・マグリット 「赤いモデル」 1953年 BNPパリバ・フォルティス銀行

靴に足が乗り移ったようです。
マグリットもシュルレアリスムの画家ですが、ダリが幻想的なのに対して、
こちらは理知的です。
ルネ・マグリット 「白紙委任状」 1965年 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
森の木の間を縫って行く騎馬の女性を描いた、緑色の鮮やかな作品ですが、
縫い方を間違えたように木と人馬の前後関係がおかしくなっています。
福田繁雄 「アンダーグランド・ピアノ」 1984年 広島市現代美術館

鏡にはグランドピアノが写っているのですが、実物はピアノを分解して折りたたんだような
不思議な形をしています。
何度も鏡と実物を見比べてしまいました。
鏡像というものの平面性をよく表しています。
エヴァン・ペニー 「引き伸ばされた女 #2」 2012年

写真や絵画ではなく、高さ3mほどもある立体作品です。
真下から見上げないと人の顔らしく見えないでしょう。
パトリック・ヒューズ 「生き写し」 2013年 作家蔵

画像を見ただけでは普通の肖像画に見えますが、実際に観ると面白い仕掛けに
なっていることが分かります。
パトリック・ヒューズ 「広重とヒューズ」 2013年 作家蔵

広重の浮世絵を飾ったパネルが描かれているように見えますが、これも面白い作品で、
実際に観てもすぐにはその仕掛けが分からず、しばらく不思議な感覚に捉われました。
影絵、鏡像、錯覚などを利用した作品が多く、いろいろ観ているうちに、そもそも芸術自体が
人をだますものであることを認識させられます。
理屈抜きに面白い展覧会で、私の行った休日の午後はかなりの来館者で賑わっていました。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は「夢見るフランス絵画 印象派からエコール・ド・パリへ」展です。
会期は10月18日(土)から12月14日(日)までです。

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渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは「だまし絵II 進化するだまし絵」展が開かれています。
会期は10月5日(日)まで、会期中は無休で、9月8日(月)のみ休館です。

2009年にBunkamuraザ・ミュージアムで開かれ、好評だった「だまし絵」展に続き、
古典的な「だまし絵」から現代の前衛的な作品までを展示する展覧会です。
ジュゼッペ・アルチンボルド 「司書」 1566年頃 スコークロステル城(スウェーデン)
チラシに使われている作品です。
だまし絵と聞いてすぐ思い出すのはこのイタリアの画家、ジュゼッペ・アルチンボルドです。
本や栞を集めて肖像画に仕立て上げています。
本を扱う者の必需品であるはたきで顎ひげを表しているのは秀逸です。
グーテンベルクが活版印刷を発明して100年ほど経った時代で、本の形も現在と
同じになっています。
作者不詳(北方派の画家) 「風景/顔」 17世紀初頭頃
ライマン・オーリン美術館、ニューロンドン(コネチカット州)

小さな作品で、ちょっと見ると風景画に見えますが、よく観ると人の顔になっています。

物を使って人の顔を表す趣向は歌川国芳の浮世絵にも見られます。
ヴィック・ムニーズ 「自画像 悲しすぎて話せない バス・ヤン・アデルによる」
2003年 タグチ・アートコレクション

ヴィック・ムニーズは絵画とは関係の無い素材を使って作品を作っています。
この作品は自分を写真に撮り、今度はその形を沢山のおもちゃを集めて再生し、
写真に撮ったものです。
悲しみの姿を楽しいおもちゃで再現するという仕掛けです。
サルバドール・ダリ 「海辺に出現した顔と果物鉢の幻影」 1938年
ワズワース・アテネウム美術館、ハートフォード(コネチカット州)

シュルレアリスムの画家、ダリの作品で、風景と静物が一緒くたになった中に
人の顔や犬が入れ込んであります。
浮かんでいる顔は1936年に殺害された親友のロルカの顔ということです。
ルネ・マグリット 「赤いモデル」 1953年 BNPパリバ・フォルティス銀行

靴に足が乗り移ったようです。
マグリットもシュルレアリスムの画家ですが、ダリが幻想的なのに対して、
こちらは理知的です。
ルネ・マグリット 「白紙委任状」 1965年 ワシントン・ナショナル・ギャラリー
森の木の間を縫って行く騎馬の女性を描いた、緑色の鮮やかな作品ですが、
縫い方を間違えたように木と人馬の前後関係がおかしくなっています。
福田繁雄 「アンダーグランド・ピアノ」 1984年 広島市現代美術館

鏡にはグランドピアノが写っているのですが、実物はピアノを分解して折りたたんだような
不思議な形をしています。
何度も鏡と実物を見比べてしまいました。
鏡像というものの平面性をよく表しています。
エヴァン・ペニー 「引き伸ばされた女 #2」 2012年

写真や絵画ではなく、高さ3mほどもある立体作品です。
真下から見上げないと人の顔らしく見えないでしょう。
パトリック・ヒューズ 「生き写し」 2013年 作家蔵

画像を見ただけでは普通の肖像画に見えますが、実際に観ると面白い仕掛けに
なっていることが分かります。
パトリック・ヒューズ 「広重とヒューズ」 2013年 作家蔵

広重の浮世絵を飾ったパネルが描かれているように見えますが、これも面白い作品で、
実際に観てもすぐにはその仕掛けが分からず、しばらく不思議な感覚に捉われました。
影絵、鏡像、錯覚などを利用した作品が多く、いろいろ観ているうちに、そもそも芸術自体が
人をだますものであることを認識させられます。
理屈抜きに面白い展覧会で、私の行った休日の午後はかなりの来館者で賑わっていました。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は「夢見るフランス絵画 印象派からエコール・ド・パリへ」展です。
会期は10月18日(土)から12月14日(日)までです。

新宿
東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(9月1日より改名
現:損保ジャパン東郷青児美術館)では、9月6日(土)から11月9日(日)まで、
「印象派のふるさと ノルマンディー展 -近代風景画のはじまり-」が開かれます。

フランス北部のノルマンディーの景観は19世紀前半から風景画家たちの注目を集め、
多くの作品が描かれています。
セーヌ川河口のオンフルールはウジェーヌ・ブーダンの、対岸のル・アーヴルは
ラウル・デュフィの出身地でもあります。
また、クロード・モネは少年時代を過ごしたル・アーヴルでブーダンに出会い、
屋外で描くことを勧められています。
展覧会では約80点の油彩、素描、版画、写真などが展示されます。
チラシの作品はラウル・デュフィの「海の祭り、ル・アーヴルへの公式訪問」です。
展覧会のHPです。
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東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館(9月1日より改名
現:損保ジャパン東郷青児美術館)では、9月6日(土)から11月9日(日)まで、
「印象派のふるさと ノルマンディー展 -近代風景画のはじまり-」が開かれます。

フランス北部のノルマンディーの景観は19世紀前半から風景画家たちの注目を集め、
多くの作品が描かれています。
セーヌ川河口のオンフルールはウジェーヌ・ブーダンの、対岸のル・アーヴルは
ラウル・デュフィの出身地でもあります。
また、クロード・モネは少年時代を過ごしたル・アーヴルでブーダンに出会い、
屋外で描くことを勧められています。
展覧会では約80点の油彩、素描、版画、写真などが展示されます。
チラシの作品はラウル・デュフィの「海の祭り、ル・アーヴルへの公式訪問」です。
展覧会のHPです。
日比谷・有楽町
日比谷の出光美術館では、「宗像大社国宝展―神の島・沖ノ島と大社の神宝」が開かれています。
会期は10月13日(月・祝)までです。

玄界灘に面した福岡県宗像(むなかた)市の辺津宮(へつぐう)、沖合の大島の
中津宮(なかつぐう)、朝鮮半島との中間にある沖ノ島の沖津宮(おきつぐう)には
三人の女神が祀られ、この三宮を合わせて宗像大社と呼んでいます。
特に沖津宮の奉納品は朝鮮、中国、さらにペルシャの品を含み、沖ノ島は海の正倉院とも
呼ばれています。
展覧会では古代の奉納品から中世の文書資料、江戸時代の福岡藩の奉献品まで、
宗像大社の歴史を示す資料が展示されています。
4世紀後半の高句麗の南下によりヤマト王権は百済との通交を開始し、それに伴い
玄界灘に勢力を持つ宗像族とその信仰の重要性が増してきたそうです。
沖ノ島では社殿を建てて神を祀る以前の、巨岩や巨木を祀っていた時代の祭祀の跡が
残っていて、23か所の大規模祭祀場があります。
そこには4世紀から9世紀にかけての奉納品、約8万点が置かれていて、現在は一括して
国宝に指定されています。
祭祀場は時代が経つに連れ、岩上→岩陰→半岩陰・半露天→露天と様式が変化しています。
岩陰段階までの奉納品は本土の古墳の副葬品と同じ内容だそうです。
「鳥文縁方格規矩鏡」 古墳時代・4~5世紀 国宝

径27.1㎝の大きな鏡で、中国の鏡を模して国内で作られた鏡としては最上級品とのことです。
「金銅製棘葉形杏葉」 古墳時代・6~7世紀 国宝

馬具とともに付ける飾り板です。
馬具は100点以上出土しており、新羅系の馬具が中心とのことです。
「金製指輪」 朝鮮・新羅時代 国宝

花弁をあしらった精巧な細工の施された指輪です。
日本にはこのような指輪や金属の冠の文化は根付きませんでした。
7世紀後半以降の半岩陰・半露天時代からは東魏や唐などの影響がみられ、
外交政策が中国寄りになってきていることを示しています。
「金銅製龍頭」 東魏時代・6世紀 国宝

竿の先に付けて天蓋や幡を吊り下げた金具で、今も金色に輝いています。
「金銅製高機(たかばた)」 伝沖ノ島出土 奈良~平安時代・8~9世紀 国宝

長さ48㎝のとても精巧なミニチュアで、実際に機織り出来るそうです。
機織の技術は大陸・朝鮮から伝来しており、海の交通路にふさわしい
奉納品です。
9世紀末の遣唐使廃止により国家祭祀の時代は終わり、祭祀の主体は
本土の辺津宮に移っています。
「富寿神宝」 奈良~平安時代 国宝
日本で古代に発行された皇朝十二銭の一つで、嵯峨天皇の弘仁9年(818)に
発行されています。
この時期までは沖ノ島での祭祀が行われていたことを示しています。
鎌倉時代の資料としては鎌倉幕府が宗像大社に発給した関東下知状などがあります。
「石造狛犬 一対」 南宋時代・建仁元年(1201)奉納 重要文化財

高さ40㎝の獅子で、阿形は子獅子を抱え、吽形は毬を持っています。
南宋に注文した品とのことで、保存が良く、新品のようです。
宗像大社の社僧だった色定法師(1158-1242)の資料も展示されています。
色定法師は栄西禅師の弟で、南宋の木版一切経の書写を思い立ち、29歳で始め、
70歳で完成させています。
一人で書写したことから一筆一切経と呼ばれ、4300巻余りが現存しています。
妙法蓮華経巻一、大般若波羅密多経巻一など5巻が展示されています。
面白いのは、玄界灘で船が難破した場合、船体や積み荷は寄物(よせもの)といって、
宗像大社が処分権を持ち、社殿の造営や修理の費用に充ててよいという慣習が
戦国時代まで続いていたということです。
江戸時代の奉納品としては、福岡藩第三代黒田光之の三十六歌仙図扁額や剣、
第十代黒田斉清奉納の太刀が展示されています。
特別出品として、昭和時代に伊勢神宮に奉納された神宝も何点か展示されています。
4世紀以来の長い間、朝鮮半島や大陸との通交を見守ってきた宗像大社の歴史を
知ることの出来る、とても興味深い展覧会です。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は「仁清・乾山と京の工芸―風雅のうつわ」展です。
会期は10月25日(土)から12月21日(日)までです。
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日比谷の出光美術館では、「宗像大社国宝展―神の島・沖ノ島と大社の神宝」が開かれています。
会期は10月13日(月・祝)までです。

玄界灘に面した福岡県宗像(むなかた)市の辺津宮(へつぐう)、沖合の大島の
中津宮(なかつぐう)、朝鮮半島との中間にある沖ノ島の沖津宮(おきつぐう)には
三人の女神が祀られ、この三宮を合わせて宗像大社と呼んでいます。
特に沖津宮の奉納品は朝鮮、中国、さらにペルシャの品を含み、沖ノ島は海の正倉院とも
呼ばれています。
展覧会では古代の奉納品から中世の文書資料、江戸時代の福岡藩の奉献品まで、
宗像大社の歴史を示す資料が展示されています。
4世紀後半の高句麗の南下によりヤマト王権は百済との通交を開始し、それに伴い
玄界灘に勢力を持つ宗像族とその信仰の重要性が増してきたそうです。
沖ノ島では社殿を建てて神を祀る以前の、巨岩や巨木を祀っていた時代の祭祀の跡が
残っていて、23か所の大規模祭祀場があります。
そこには4世紀から9世紀にかけての奉納品、約8万点が置かれていて、現在は一括して
国宝に指定されています。
祭祀場は時代が経つに連れ、岩上→岩陰→半岩陰・半露天→露天と様式が変化しています。
岩陰段階までの奉納品は本土の古墳の副葬品と同じ内容だそうです。
「鳥文縁方格規矩鏡」 古墳時代・4~5世紀 国宝

径27.1㎝の大きな鏡で、中国の鏡を模して国内で作られた鏡としては最上級品とのことです。
「金銅製棘葉形杏葉」 古墳時代・6~7世紀 国宝

馬具とともに付ける飾り板です。
馬具は100点以上出土しており、新羅系の馬具が中心とのことです。
「金製指輪」 朝鮮・新羅時代 国宝

花弁をあしらった精巧な細工の施された指輪です。
日本にはこのような指輪や金属の冠の文化は根付きませんでした。
7世紀後半以降の半岩陰・半露天時代からは東魏や唐などの影響がみられ、
外交政策が中国寄りになってきていることを示しています。
「金銅製龍頭」 東魏時代・6世紀 国宝

竿の先に付けて天蓋や幡を吊り下げた金具で、今も金色に輝いています。
「金銅製高機(たかばた)」 伝沖ノ島出土 奈良~平安時代・8~9世紀 国宝

長さ48㎝のとても精巧なミニチュアで、実際に機織り出来るそうです。
機織の技術は大陸・朝鮮から伝来しており、海の交通路にふさわしい
奉納品です。
9世紀末の遣唐使廃止により国家祭祀の時代は終わり、祭祀の主体は
本土の辺津宮に移っています。
「富寿神宝」 奈良~平安時代 国宝
日本で古代に発行された皇朝十二銭の一つで、嵯峨天皇の弘仁9年(818)に
発行されています。
この時期までは沖ノ島での祭祀が行われていたことを示しています。
鎌倉時代の資料としては鎌倉幕府が宗像大社に発給した関東下知状などがあります。
「石造狛犬 一対」 南宋時代・建仁元年(1201)奉納 重要文化財

高さ40㎝の獅子で、阿形は子獅子を抱え、吽形は毬を持っています。
南宋に注文した品とのことで、保存が良く、新品のようです。
宗像大社の社僧だった色定法師(1158-1242)の資料も展示されています。
色定法師は栄西禅師の弟で、南宋の木版一切経の書写を思い立ち、29歳で始め、
70歳で完成させています。
一人で書写したことから一筆一切経と呼ばれ、4300巻余りが現存しています。
妙法蓮華経巻一、大般若波羅密多経巻一など5巻が展示されています。
面白いのは、玄界灘で船が難破した場合、船体や積み荷は寄物(よせもの)といって、
宗像大社が処分権を持ち、社殿の造営や修理の費用に充ててよいという慣習が
戦国時代まで続いていたということです。
江戸時代の奉納品としては、福岡藩第三代黒田光之の三十六歌仙図扁額や剣、
第十代黒田斉清奉納の太刀が展示されています。
特別出品として、昭和時代に伊勢神宮に奉納された神宝も何点か展示されています。
4世紀以来の長い間、朝鮮半島や大陸との通交を見守ってきた宗像大社の歴史を
知ることの出来る、とても興味深い展覧会です。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は「仁清・乾山と京の工芸―風雅のうつわ」展です。
会期は10月25日(土)から12月21日(日)までです。
銀座
「Italian Bar LA VIOLA(ラ ヴィオラ)」は銀座の三笠会館本店の1階にあります。
場所は中央区銀座5-5-17です。

入口側にスタンディングがあり、奥にサロン席があります。
サロン席は40席で全席禁煙、ダークブラウンの店内の天井は低く、照明を落としてあって、
落着いた雰囲気です。

赤いシェードが席からも見えます。


ランチの限定20食のピアットウニコ、ミネストローネ、カフェ付1600円です。

右下の野菜にはヒョウタンが添えられています。

こちらはスペシャルインドカレー、サラダ、カフェ付1500円です。

骨付き鶏肉と砂肝が入っていて、あまり辛くはなく、濃厚な味でとても美味しいです。
ライスは粒が立っていて艶があり、ライスだけでも美味しいです。
お皿には三笠会館のマークの鹿の絵が描いてあります。

コーヒーは昔ながらの酸味のある味です。

歴史のある三笠会館らしい、安定感のあるお店です。
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「Italian Bar LA VIOLA(ラ ヴィオラ)」は銀座の三笠会館本店の1階にあります。
場所は中央区銀座5-5-17です。

入口側にスタンディングがあり、奥にサロン席があります。
サロン席は40席で全席禁煙、ダークブラウンの店内の天井は低く、照明を落としてあって、
落着いた雰囲気です。

赤いシェードが席からも見えます。


ランチの限定20食のピアットウニコ、ミネストローネ、カフェ付1600円です。

右下の野菜にはヒョウタンが添えられています。

こちらはスペシャルインドカレー、サラダ、カフェ付1500円です。

骨付き鶏肉と砂肝が入っていて、あまり辛くはなく、濃厚な味でとても美味しいです。
ライスは粒が立っていて艶があり、ライスだけでも美味しいです。
お皿には三笠会館のマークの鹿の絵が描いてあります。

コーヒーは昔ながらの酸味のある味です。

歴史のある三笠会館らしい、安定感のあるお店です。
東京
丸の内オアゾ内の丸善丸の内本店4階ギャラリーAでは、「みやじまゆういち・中沢梓
日本画二人展」が開かれています。
会期は8月26日(火)までです。

みやじまゆういちさん(1982~)は金沢市出身で、2007年に金沢美術工芸大学
美術工芸科を卒業しています。
洋風の絵本のような情景をくっきりとして温かみのある日本画によって描いています。
上:「十一のいたずら」 絵巻物
郷土玩具の十二支が並んでいますが、先頭の鼠だけはリアルです。
赤べこと張り子の虎が睨み合っています。
中沢梓さん(1984~)は東京都出身で、2009年に女子美術大学大学院日本画専攻
を終了しています。
伝統的な日本画の画風で、馬や舞妓などを描いています。
特に馬が好きなようで、旭将軍(木曽義仲)や笠懸など騎馬武者を題材にしています。
疾駆する馬を後ろから描いた絵では後半身を長く、前を短くして、躍動感を出しています。
下:「おどらにゃそんそん」 絵巻物
初期浮世絵の雰囲気の作品で、馬も踊っています。
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丸の内オアゾ内の丸善丸の内本店4階ギャラリーAでは、「みやじまゆういち・中沢梓
日本画二人展」が開かれています。
会期は8月26日(火)までです。

みやじまゆういちさん(1982~)は金沢市出身で、2007年に金沢美術工芸大学
美術工芸科を卒業しています。
洋風の絵本のような情景をくっきりとして温かみのある日本画によって描いています。
上:「十一のいたずら」 絵巻物
郷土玩具の十二支が並んでいますが、先頭の鼠だけはリアルです。
赤べこと張り子の虎が睨み合っています。
中沢梓さん(1984~)は東京都出身で、2009年に女子美術大学大学院日本画専攻
を終了しています。
伝統的な日本画の画風で、馬や舞妓などを描いています。
特に馬が好きなようで、旭将軍(木曽義仲)や笠懸など騎馬武者を題材にしています。
疾駆する馬を後ろから描いた絵では後半身を長く、前を短くして、躍動感を出しています。
下:「おどらにゃそんそん」 絵巻物
初期浮世絵の雰囲気の作品で、馬も踊っています。
東京
JPタワーの中の「KITTE」の1階にあるカフェ、「東京ロビー 丸の内店」でのランチです。
場所は千代田区丸の内2-7-2です。

UCCのお店で、美味しいコーヒーもあるので、ときどき利用しています。
オープンした頃に比べ、最近はお客さんがかなり増えてきたようで、
休日の午後はほぼ満席になります。
店員さんも忙しそうにしています。

ランチのメニューです。

エッグベネディクトセット1200円です。

フライパンに入っていて、しっかりした味で食べ応えがあります。
こちらはチーズオムレツセット1200円です。

味は良いのですが、オムレツの中のチーズがよく伸びてなかなか切れないので、
ちょっと食べにくいです。

以前、「東京ロビー」に行ったときの記事です。
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JPタワーの中の「KITTE」の1階にあるカフェ、「東京ロビー 丸の内店」でのランチです。
場所は千代田区丸の内2-7-2です。

UCCのお店で、美味しいコーヒーもあるので、ときどき利用しています。
オープンした頃に比べ、最近はお客さんがかなり増えてきたようで、
休日の午後はほぼ満席になります。
店員さんも忙しそうにしています。

ランチのメニューです。

エッグベネディクトセット1200円です。

フライパンに入っていて、しっかりした味で食べ応えがあります。
こちらはチーズオムレツセット1200円です。

味は良いのですが、オムレツの中のチーズがよく伸びてなかなか切れないので、
ちょっと食べにくいです。

以前、「東京ロビー」に行ったときの記事です。