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2014年の展覧会10選
上野など
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「2014年-特に印象に残った展覧会10」について簡単に書きます。
ランキングはなかなか難しいので、記事の掲載順に並んでいます。


渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムの「シャヴァンヌ展」

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「聖ジュヌヴィエーヴの幼少期」 1875年頃 油彩・鉛筆・カンヴァス 島根県立美術館
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壁画にふさわしい、端正な画風です。

「シャヴァンヌ展」の記事です。


三菱一号館美術館の「ザ・ビューティフル―英国の唯美主義1860-1900」展

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フレデリック・レイトン 「母と子(さくらんぼ)」 
 1864-65年 油彩・カンヴァス ブラックバーン美術館

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優美、艶麗な世界です。

「ザ・ビューティフル―英国の唯美主義1860-1900」展の記事です。


国立科学博物館の「医は仁術」展

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「重訂解体新書銅版全図」 大槻玄沢 文政9年(1826)
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珍しい資料ばかりで、最も印象に残る展覧会でした。

「医は仁術」展の記事です。


東京都美術館の「バルテュス展」

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「美しい日々」 1944-46年 油彩、カンヴァス
 ワシントン、ハーシュホーン博物館と彫刻の庭

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特異な美意識の画家です。

「バルテュス展」の記事です。


三菱一号館美術館の「ヴァロットン-冷たい炎の画家」展

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右:「ボール」 1899年 油彩、板に貼り付けた厚紙 オルセー美術館
左:「シャトレ劇場のギャラリー席3階」 1895年 油彩、板 オルセー美術館
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気になっていた画家の作品をまとめて観ることが出来ました。

「ヴァロットン-冷たい炎の画家」展の記事です。


東京国立博物館の「台北 國立故宮博物院 神品至宝」展

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「紫檀多宝格」 清時代・乾隆年間(1736~1795)
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文字通り、神品至宝揃いの展覧会でした。

「台北 國立故宮博物院 神品至宝」展の記事です。


森美術館の「ゴー・ビトゥイーンズ展 こどもを通して見る世界」

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スヘール・ナッファール&ジャクリーン・リーム・サッローム 「さあ、月へ」 2011年
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さまざまな子どもの世界が広がっています。

「ゴー・ビトゥイーンズ展 こどもを通して見る世界」の記事です。


国立新美術館の「オルセー美術館展 印象派の誕生―描くことの自由―」

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クロード・モネ 「サン=ラザール駅」 1877年 油彩、カンヴァス
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特にモネの「サン=ラザール駅」と「かささぎ」が良かったです。

「オルセー美術館展 印象派の誕生―描くことの自由―」展の記事です。


国立西洋美術館の「フェルディナント・ホドラー展」

ホ005

「感情 III」 1905年 ベルン州
ホ006

特に風景画を面白いと思いました。

「フェルディナント・ホドラー展」の記事です


東京国立博物館の「日本国宝展 祈り、信じる力」

国001

「松に秋草図」 長谷川等伯筆 2曲1双 
 安土桃山時代・文禄元年(1592)頃 京都・智積院

国005

やはり日本美術は観ていて懐かしく、心が和みます。

「日本国宝展 祈り、信じる力」の記事です。

こうして見ると、いろいろな展覧会に行ったものです。
この他にもさまざまな興味深い展覧会・個展がありました。


blogを始めて8年経ちました。
今年もまた多くの方にblogを見ていただき、コメント、拍手、
トラッックバックなども沢山いただき有難うございました。
非公開コメントの方には直接お礼申し上げられませんでしたが、
うれしく読ませていただきました。
いろいろな作品を観てきたことで、自分の絵の観方も変わってきた
ように思います。
2015年も多くの展覧会に出かけ、カフェなどにも立ち寄って記事を
書きたいと思っていますので、よろしくお願い申し上げます。
皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。


【2014/12/31 19:45】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「探検! 体験! 江戸東京」 両国 江戸東京博物館
両国
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両国の江戸東京博物館では特別展、「探検! 体験! 江戸東京」が開かれています。
会期は2015年3月8日(日)まで、会期中、一部展示替えがあります。

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江戸東京博物館の常設展示室が2015年3月8日のリニューアルオープンまでしばらく
閉じているので、1階の展示室に常設展示のエッセンスを集めて展示するものです。
一般300円で観覧できます。

「江戸一目図屏風」(複製) 鍬形蕙斎画 
 1809年(文化6) 津山郷土博物館/原資料所蔵

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江戸を北東部の上空から眺め下した絵で、東京スカイツリーの展望台から見た景色に
近いとのことです。
鍬形蕙斎(くわがたけいさい)(1764~1824)は浮世絵師で、後に津山藩の
御用絵師にもなっています。

「武家諸法度」 1635年(寛永12)
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3代将軍、徳川家光の時に定められた寛永の武家諸法度です。

一 文武弓馬之道専可相嗜事
一 大名小名在江戸交替所相定也

第2条で参勤交代を命じています。

「擬宝珠」 1659年(万治2)
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明暦の大火(1657)後の復興の際に作られたものと考えられています。
江戸東京博物館の公式キャラクター、ギボちゃんの元になっています。

「江戸の水道」
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江戸では神田上水や玉川上水の水を木管を使って地中を通し、井戸によって
汲み上げていました。
江戸っ子が「水道の水で産湯を使う」と自慢したのはこのことです。

「火消千組の図絵馬」(複製) 歌川国芳画
 1833年(天保4) 成田山霊光館/原資料所蔵

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江戸町火消の中で、現在の中央区霊岸島辺りを受け持っていた、「千組」の絵馬です。

火事と喧嘩は江戸の華と云われていた時代、火消は江戸庶民の憧れの的で、
特に纏(まとい)持ちは目立つので美男が選ばれていました。

  芝で生まれて 神田で育ち 今じゃ火消の纏持ち

「遠山金四郎の起請文」 1826年(文政9) 石井コレクション
痔になってしまい、馬での出勤がかなわなくなったので、しばらく駕籠の使用を許してほしい、
期限になったら必ず駕籠は辞退する、という内容です。

「上野浅草図屏風」より上野 17世紀末頃
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上野の山は江戸時代は寛永寺の境内で、桜の頃には花見客で賑わいました。

緋毛氈の上で太鼓や三味線に合わせて輪になって踊っています。
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「東都両国ばし夏景色」 橋本貞秀画 1859年(安政6)
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三枚続きの錦絵版画で、両国川開きの花火を両国橋の西側から見た景色です。
魚眼レンズで撮ったような極端に歪んだ構図で、江戸の繁華を見せて迫力が
あります。
橋の上は人で溢れかえっていて、槍を立てた武家の行列も交じっています。
川も納涼舟で一杯で、右側に仕掛け花火を据えた舟も見えます。

「新板わり出し寿古六」 歌川国麿画 歌川豊国補筆 上州屋重蔵版 1860年(万延1)
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芝居小屋の中を双六に見立てています。
舞台は「義経千本桜」の「道行初音の旅」の場面で、静御前と狐忠信が登場しています。

「名所江戸百景 亀戸梅屋舗」 歌川広重画 魚屋栄吉版 1857年(安政4)11月
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1枚の浮世絵の出来るまでの版木も並んでいます。
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「白綸子青海波花束模様打掛」 19世紀前半
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打掛は武家女性の冬の正装で、裾は長く、中に薄く綿が入り、帯を締めずに
小袖の上に着ていました。

「紙布(しふ)の裃(鮫小紋)」 19世紀前半
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紙布は、縦糸に絹糸、横糸に1~2㎜に切った紙を使って織った布です。
通気性、吸湿性に優れ、肌触りが良いことから、夏の衣料として好まれたそうです。

「近世職人尽絵詞」より「寺子屋」鍬形蕙斎 
 1806年(文化3年) 東京国立博物館/原資料所蔵

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寺子屋で子どもたちが習字の練習中ですが、いたずらが過ぎてお仕置きを
受けている子も居ます。


「文机」 1812年(文化9) 原茂洋治氏寄贈
「庭訓往来(ていきんおうらい)」 1829年(文政12)
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文机は寺子屋に子どもが持参するものでした。
文化2(1805)年の日本橋の賑わいを長さ約12mにわたって描いた絵巻、
「熈代勝覧(きだいしょうらん)」の複製が東京メトロ三越前駅の地下コンコースに
常時展示されていますが、そこにも文机を担いだ父親に手を引かれていやいやながら
初めて寺子屋に行く子どもの姿があります。

庭訓往来は寺子屋の教科書で、手紙のサンプル集です。

参考
「熈代勝覧(きだいしょうらん)」の複製(部分)
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「官板実測日本地図」 開成所版 1867年(慶応3)
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伊能忠敬の作成した日本地図を元に幕府の洋学機関の開成所が刊行したものです。
街道筋も詳細に書かれています。

「解体新書」 杉田玄白著 1774年(安永3) 赤木コレクション
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オランダ語の医学書、「ターヘル・アナトミア」の日本語訳です。

「天水桶」 1606年(慶長11)6月 太田駿河守政義鋳造 松本健次氏寄贈
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日本橋本町2丁目の薬種問屋、鰯屋(いわしや)の天水桶です。
江戸幕府の開府は1603年で、日本橋本町は今も薬品会社が集まっています。
太田駿河守政義は幕府の御抱え鋳物師(いもじ)でした。

現在、いわしやを名乗る医療機器会社は東京大学病院に近い本郷を中心に、
全国にあります。
おそらく、この鰯屋から分家、暖簾分けして広がったのでしょう。


ここからは東京の展示です。

「安愚楽鍋(あぐらなべ)」 仮名垣魯文著 1871~72年(明治4~5年)
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当時、文明開化の象徴だった牛鍋屋の客の生態を描いた滑稽小説です。
ザンギリ頭に洋装の若者にまだ髷を結った男が酌をしています。

「浅草公園凌雲閣登覧寿語六」 三代歌川国貞(四代国政)画 
 1890年(明治23) 喜多川コレクション

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浅草凌雲閣は1890年に開業した12階建ての展望タワーで、浅草十二階と呼ばれましたが、
1923年の関東大震災で崩壊しています。

「本所石原方面大旋風之真景」 1923年(大正12) 喜多川コレクション
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関東大震災で本所の陸軍被服廠跡に逃げ込んだ人たちは火災の起こした旋風に巻き込まれ、
約38000人が亡くなっています。
現在は、太平洋戦争の空襲の被害者を共に祀った東京都慰霊堂が建っています。

ノエル・ヌエット(1885~1969)の版画が展示されています。
ノエル・ヌエットはフランス人で、静岡高校や東京外国語学校で教えています。
東京の街をスケッチして、土井版画店から「東京風景」24点を刊行しています。

「東京風景 馬場先門」 1936年(昭和11)
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後に連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)の置かれた第一生命館が見えます。

「東京風景 御茶ノ水」 1936年(昭和11)
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ニコライ堂も現在はビルに埋もれています。

「東京風景 両国橋」 1936年(昭和11)
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帆掛け船が橋をくぐっています。

「降伏文書」 1945年(昭和25) 外務省外交史料館/原資料所蔵
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9月2日に東京湾に停泊した戦艦ミズーリの甲板で調印された降伏文書の日本側文書です。
外務大臣重光葵、梅津美治郎参謀総長、連合国軍最高司令官長ダグラス・マッカーサーの
署名があります。
カナダ代表が書く場所を間違えてしまったため、その箇所が空欄になり、それより下の各部分の
タイトルが手書きで直されています。

「サザエさん」も置いてあります。

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8年ぶりにシベリア抑留から復員したキクチさんのお話です。
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この頃の「サザエさん」には復員兵の話がよく出てきます。


参勤交代の駕籠に乗ったり、千両箱を持ち上げたり、肥え桶を担いだりするコーナーもあります。

4人で担ぐ大名駕籠です。
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千両箱は両手でやっと持ち上がります。
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肥え桶の中身は重り!です。
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こちらは人力車に乗れるコーナーです。
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宝くじが当たるかもしれません。

展覧会のHPです。


【2014/12/30 19:59】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「カフェ&レストラン ランドマーク」 日本橋三越本店
三越前
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「カフェ&レストラン ランドマーク」は日本橋三越本店新館の5階にあります。

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和洋中華にスイーツ、何でも揃っています。

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176席という、とても大きな店内は全席禁煙、アールデコ調でまとめてあります。
入口には順番待ちのお客さんの番号を表示するディスプレイが置かれています。

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海老サラダとグラタンスープ1512円です。

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ボリュームもあって美味しいです。

デパートの食堂の伝統を継いだ、懐かしさもあるレストランです。


【2014/12/29 19:31】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「古画降臨 山本太郎展」 日本橋髙島屋
日本橋
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日本橋髙島屋美術画廊では2015年1月6日(火)まで、 「古画降臨 山本太郎展」が
開かれています。

山本太郎さん(1974~)は熊本県出身の日本画家で、琳派風画面に現代の事物を
混ぜ合わせた世界を描いています。
源氏物語などの古典や能を題材にした、ユーモアのある作品が展示されています。

「朝顔スノーマン」は源氏物語の「朝顔の巻」を基にしていて、女童たちの作った雪ダルは
赤いバケツをかぶっています。

「佐野のメリーゴーランド」は藤原定家の歌に拠っていて、袖をかざした貴人が
メリーゴーラウンドに乗っています。

  駒とめて雪うちはらう影もなし佐野の渡りの雪の夕暮

左から
雪中清涼飲料水紋図
秋草清涼飲料水紋図
青楓清涼飲料水紋図
紅地桜花清涼飲料水紋図
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雪中清涼飲料水紋図
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尾形光琳の「紅白梅図屏風」を本歌取りした絵です。
缶コーラのデザインから着想したと思われ、缶から流れた液体が川になっています。


【2014/12/28 21:05】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「純手打そば 夢路」 六本木
六本木
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「純手打そば 夢路」は六本木の東京ミッドタウンの向かい側の小路にあります。
場所は港区六本木7-9-7です。

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2011年のオープンで、カウンター席を含めて14席ほどの小さな明るいお店です。
レンガ模様の棚には日本酒の瓶が並んでいて、バーの雰囲気もあります。
BGMにジャズが流れていました。

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ぶっかけ辛味おろし小海老天のせそば1,350円です。

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辛味大根は辛味が効いていて、海老はぷりっとしており、蕎麦は喉越しが良く、
美味しいです。

蕎麦湯は蕎麦粉を足さないさらりとした湯です。
大根おろしの辛味の入った蕎麦つゆと合わせると美味しいとのことなので、
お皿を傾けて作ってみました。
これも乙な味です。

路地の奥にあってちょっと分かりにくい場所ですが、マダムやご主人の応対も
ていねいで、心地の良いお店です。


【2014/12/27 19:15】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「東京駅100年の記憶」展 東京ステーションギャラリー
東京
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東京駅の東京ステーションギャラリーでは東京駅開業百年記念、「東京駅100年の記憶」展が
開かれています。
会期は2015年3月1日(日)まで、入館料は一般900円です。

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2014年12月に開業100周年を迎える東京駅の歴史を紹介する展覧会です。

展示品の一部は撮影可能です。

時代別の丸の内のジオラマです。
時々、照明を消して、ジオラマをライトアップします。

「1914年の丸の内」 鹿児島大学 鰺坂/増留研究室
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東京駅の開業した年です。
辰野金吾の設計により赤煉瓦造の駅舎が建てられました。
左右にドームを置いた、東京の玄関にふさわしい堂々とした建築です。

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一体は三菱が原と呼ばれ、一角に三菱財閥の建設した煉瓦造のビルが建っています。
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真中が三菱一号館です。
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「1964年の丸の内」 京都工芸繊維大学 木村/松隈研究室+学生有志
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1924年に建てられた丸ビルをはじめ、高さの揃ったビル群が並んでいます。

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「2014年の丸の内」 日本大学生産工学部建築工学科 廣田研究室 亀井/渡辺研究室
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現在の丸の内は1974年に竣工した東京海上ビルディング本館を契機に高層化が進んでいます。

八重洲側から見た東京駅です。
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「東京駅体 模型2014」 田村圭介+昭和女子大学環境デザイン学科・田村研究室
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東京駅構内を立体的に表した模型です。
ネズミの巣のように縦横に通路が延びています。

「東京駅(鐵道旅行案内より)」 吉田初三郎 1924年 東京ステーションギャラリー蔵
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東京駅は1923年の関東大震災にも耐えています。
現在の丸の内駅舎は基礎部分に打ち込まれていた11000本の松の杭を復原工事の時に
抜き取って、免震構造に造り替えるという大工事を行なっています。

「東京駅(新東京百景より)」 恩地孝四郎 1931年 東京都現代美術館蔵
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北口の光景で、アーケードに差す夏の日は高く、洋装と和装の女性が交じり、
男性はパナマ帽を被っています。

「東京駅と美人」 山川秀峰 1942年 鉄道博物館蔵
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鉄道開通70周年記念に制作された木版画です。
太平洋戦争はこの前年に始まっています。

「駅の裏」 松本竣介 1942年 三重県立美術館蔵
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八重洲側から見た東京駅で、ドームがシルエットになっています。
松本竣介らしい暗く重い景色です。

東京駅の駅舎は1945年に空襲で破壊され、ドームも崩れ落ちています。

戦後、赤煉瓦の駅舎の再建が計画され、高層ビル化される案もあったそうですが、
文化人たちの反対運動により実現はしませんでした。

現在の駅舎は創建時と同じ形に復原され、2007年に工事が始まり、2012年に完成しています。

会場には井伏鱒二、内田百閒、川端康成、北杜夫などの作家の東京駅にまつわる文章も
掲げられています。
井伏鱒二は広島県の出身なので、東京の印象は東海道線の終着駅、東京駅から始まっています。

展覧会のHPです。


東京ステーションギャラリーを出たところから見た、丸の内北口の中です。
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ドームを見上げます。
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丸の内北口です。
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【2014/12/26 20:23】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「乙(おつ)コーヒー」 お茶の水
御茶ノ水
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「乙(おつ)コーヒー」は神田明神に向かう参道の左側にあります。
場所は千代田区外神田2-18-13で、定休日は火曜日です。

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古民家を改造した小さなお店で、カウンター席含めて20席ほど、簡素で落着いたつくりです。
参道を通る人の姿がガラス戸越しによく見えます。
コーヒーは注文の都度、豆を挽いてネルドリップで淹れます。

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マンデリン600円とピザトースト500円にしました。
ストレートコーヒーは他にガテマラ、コロンビア、エチオピアがあります。

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快い苦味とコクがあって、とても美味しいです。
カップはロイヤルコペンハーゲンです。
ピザトーストはフランスパンで作ってあってあり、ポテトチップスとヨーグルトが付いています。

店名の由来をオーナーらしい女性の方に訊いたところ、ご本人のニックネームから
付けたとのことでした。
家庭的な雰囲気で、すっきりと居心地の良いお店です。


【2014/12/25 20:04】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ホイッスラー展」 横浜美術館
みなとみらい
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横浜美術館では、「ホイッスラー展」が開かれています。
会期は2014年3月1日(日)までです。

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アメリカ生まれでイギリスとフランスで活躍し、ジャポニズムの画家と呼ばれた、
ジェームズ・マクニール・ホイッスラー(1834-1903)の回顧展です。

ホイッスラーは1855年に画家を志してフランスに渡り、クールベに出会って
その写実主義に惹かれています。
さらにイギリスに行き、ラファエル前派のロセッティに出会っていて、以後はイギリスと
フランスで活躍しています。

展示は人物画、風景画、ジャポニズムの3つに分類されています。


人物画

「灰色のアレンジメント:自画像」 1872年頃 デトロイト美術館
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38歳の自画像で、自信ありげな見下ろすような視線でこちらを見ています。
髪の毛の白い部分はトレードマークだった白い前髪だそうです。
顔の部分はていねいに描かれていますが、服はざっと色を塗ったという感じで、
黑い帽子とネクタイに挟まれた顔に観る人の眼を集める効果を生んでいます。

「灰色と黒のアレンジメント No.2:トーマス・カーライルの肖像」 
 1872-73年 グラスゴー美術館

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ホイッスラーが母を描いた、「灰色と黒のアレンジメント-母の肖像」を観て感銘を受けた
歴史家のトーマス・カーライルがモデルになることを快諾した作品とのことです。
「母の肖像」と同じ構図で、黒を上手く使った、品格のある落着いた作品です。
ホイッスラーはベラスケスやヴァン・ダイクの影響を受けているとのことで、黒の扱いを見ると
そうだなと思います。

「ライム・リジスの小さなバラ」 1895年 ボストン美術館
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モデルはロージー・ランドルといって、ライム・リジス市長の娘で、題名はロージーという
名前から付いています。
澄んだ瞳やほんのり赤い頬も描き込まれ、襟元に白を加え、片耳を出して変化を付けています。
ライム・リジスはイングランド南西部のドーセット州にある小さな町です。


風景画

初期のホイッスラーの絵は人物画も風景画もクールベの影響を受けた、がっちりした写実です。

「オールド・ウェストミンスター・ブリッジの最後」 1862年 ボストン美術館
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ウェストミンスター・ブリッジはビッグ・ベンの横に架かる橋で、古い石造の橋を壊して
鉄橋に架け替える工事が行われていました。
この作品もしっかりと写実的に描かれています。

ホイッスラーは版画も多く手掛けています。

「ロザーハイズ 16点のテムズ川の風景エッチング集(テムズ・セットより)」
 1860年 大英博物館

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ロザーハイズはロンドンの東部、テムズ川の南岸にある地区です。


しかし、やがてホイッスラーは写実の手法に行き詰まりを感じ、転機を求めて
南米のチリに旅します。

「肌色と緑色の黄昏:バルパライソ」 1866年 テート美術館
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チリの港町、バルパライソの情景です。
それまでの厚塗りと違った薄塗りで、抑えた色調によって夕暮れ時の情感を描き出しています。
以後のホイッスラーの作風の始まりを示す作品です。

「チェルシーの通り」 1888年頃 イェール英国芸術センター
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ホイッスラーはロンドンではチェルシー地区に住んでいました。
水彩画で、ロバやお店の看板の見える通りをさらりとした筆遣いで表しています。


ジャポニズム

ホイッスラーは当時流行していたジャポニズムを取入れた作品を多く描いています。

「紫とバラ色:6つのマークのランゲ・ライゼン」 1864年 フィラデルフィア美術館
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東洋趣味による作品で、中国服を着た女性が染付の磁器に囲まれ、染付の壺に
絵付けをしているところです。
6つのマークとは清時代の染付によく書かれた「大清康熙年製」という銘を指すそうです。

「白のシンフォニー No.2:小さなホワイト・ガール」 1864年 テート美術館
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愛人だったジョアンナ・ヒファーナンがモデルで、浮世絵の描かれた団扇、染付の壺、
朱塗りの椀があって、ジャポニズムの絵になっています。
白いドレスの引き立つ絵で、ジョアンナのちょっと寂しげな顔が鏡に映っていますが、
この年にホイッスラーと別れているそうです。

「白のシンフォニー No.3」 1865-67年 バーバー美術館(バーミンガム大学附属)
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絵に主題や教訓的な目的を設けず、絵そのものに美的なものを求める唯美主義の
はっきり表れている作品です。
ホイッスラーの作品の多くに音楽用語が使われているのも、この考えによるものです。

この時代のイギリスは唯美主義の興った頃で、ホイッスラーはその一人です。
印象派と同時代の動きであり、古典主義への反発から始まっている点も印象派と同じです。
ただ、ホイッスラー自身は、自分のレアリズムへの傾倒のために古典的修養を欠いていることを
悔いていたそうです。

「ノクターン:青と金色-オールド・バターシー・ブリッジ」 1872-75年 テート美術館
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一目見ただけで広重など浮世絵の影響の分かる、大胆な構図の作品です。
空に花火が打ち上がり、対岸のバターシー地区の灯影がテムズ川に映り、
船頭の操る小舟が橋をくぐっています。
明治の版画家、小林清親を思わせる、詩情に満ちた情景です。
バターシー・ブリッジはチェルシー地区と対岸のバターシー地区を結ぶ橋です。

この絵の額縁には青海波模様と、日本の家紋に倣ってホイッスラーが好んで使った
蝶の模様が描かれています。
蝶の模様は他の絵にもよく描かれていて、「トーマス・カーライルの肖像」の右下にも
それが見えます。

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歌川広重 「名所江戸百景」のうち「京橋竹がし」 
 安政4年(1857年) 大英博物館

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「青と金色のハーモニー:ピーコック・ルーム」 1876年 フーリア美術館
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パトロンだったフレデリック・レイランドのダイニング・ルームの室内装飾です。
ホイッスラーの絵と東洋陶磁のコレクションを飾る予定で、デザインを担当していた
他の建築家の都合が悪くなり、ホイッスラーが手掛けることになったものです。
正面に金で二羽の孔雀を力強く描き、青海波や網代模様も取り入れて、とても東洋風で
装飾的な見事な室内になっています。
もっともこのデザイン変更はレイランドの許可を得ておらず、しかもレイランドの留守中に
内覧会まで開いたので、結局二人は喧嘩別れしたそうです。
しかし、装飾はそのまま使われ、後にアメリカの富豪でホイッスラーと親交のあった
チャールズ・ラング・フーリアが買い取ってアメリカに移され、現在はフーリア美術館に
置かれています。
会場では大きな映像で紹介されています。

ホイッスラーは自分の絵を酷評した批評家のジョン・ラスキンを訴え、裁判には勝ったものの
訴訟費用を工面するため自宅を売る羽目に陥ったりしていて、作品から受ける印象とは
違ってかなり血の気の多い人だったようです。
会場の年表にも、スペインからの独立戦争に従軍するためチリのバルパライソに行ったと
ありますが、これは1866年にサンチャ諸島をめぐっての南米諸国とスペインの艦隊との
戦いを指すものと思われます。


ホイッスラーは唯美主義の画家ですが、抒情性のある作風で、特に風景画にそれが
表れています。
この抒情性は広重などの浮世絵に通じていて、ジャポニズムという流行を超えるものが
あるように思います。

展覧会のHPです。


【2014/12/24 19:28】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「トラムカフェ」 西武池袋本店
池袋
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「トラムカフェ」は西武池袋本店5階にあります。
スウェーデンのトラム(路面電車)をイメージしたという面白い形のお店で、
完全分煙式、禁煙席は30席ほどです。
BGMはありません。

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トラムの絵が飾ってあります。

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12時までピザトーストのモーニングセットがあり、1080円です。

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ポテトサラダが付いています。

こちらはクロックムッシュセット1515円です。

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トーストサンドといった感じですが、かなり美味しいです。

ドリンクの紅茶はダージリンにしましたが、やや薄めでした。

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食器はSpodeです。

席の間も広く、落着けるお店です。


【2014/12/23 19:16】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
予告 「クインテットII-五つ星の作家たち」展 東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館
新宿
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新宿の東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館では、「クインテットII
-五つ星の作家たち」展が開かれます。
会期は、2015年1月10日(土)から2月15日(日)までです。

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継続的な作品発表の実績があり、招来有望な5人の作家を紹介する企画とのことで、
2014年の1月に第1回展が開かれています。
今回は富岡直子、平体文枝、岩尾恵都子、水村綾子、山本晶の作品、約70点の展示です。

以下のスケジュールでアーティスト・トークも行われる予定です。

1月10日(土)午後2時から 富岡直子・平体文枝・岩尾恵都子
1月17日(土)午後2時から 水村綾子・山本晶

前回の「クインテット-五つ星の作家たち」展の記事です。

損保ジャパン日本興亜美術館のHPです。


【2014/12/23 15:23】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ヨシモトコレクションの世界展」 国立科学博物館
上野
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上野の国立科学博物館では企画展、「ヨシモトコレクションの世界展」が開かれています。
日本館1階企画展示室での展示で、会期は2015年1月18日(日)までです。

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ハワイ生まれの日系二世ワトソン・トシノリ・ヨシモト氏(1909-2004)が国立科学博物館に
寄贈した、狩猟によって得た世界各地の動物の剥製のコレクションのうち108点を展示し、
ヨシモト氏の業績を紹介する展覧会です。

ヨシモト氏はハワイ生まれの日系二世で、両親は1907年に山口県からハワイに
移住しています。

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右から3人目がヨシモト氏です。

ヨシモト氏が14歳の時、両親が亡くなり、弟妹たちを養うために苦労しますが、
やがて建築関係の実業家として成功します。
ヨシモト氏の青年時代に太平洋線が起きており、日系人としていろいろな困難が
あったことだろうと思います。

狩猟を始めたのは食糧を得るのが目的でしたが、やがて世界中を狩猟して
回るようになり、剥製にして詳細な記録とともに保存しています。

2010年に国立科学博物館で開かれた「大哺乳類展 陸のなかまたち」は、
このヨシモトコレクションを中心にしたものでした。

「大哺乳類展 陸のなかまたち」の記事です。

日本館1階ホールは高々と組み上げた櫓の上に動物たちが乗っていて、
ノアの箱舟か須弥壇のようです。

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横から見たところです。

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四隅にも四天王のように櫓が立っています。

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展示室入口には阿吽のライオンが控えています。

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梁の上には鳥が並んでいます。

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鹿の仲間たちです。

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自然の姿を捉えたものもあります。

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巨大なヨーロッパバイソンです。

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ヨーロッパバイソンの野生種はすでに絶滅しているということですが、
この個体はどうやって得たのでしょうか。

剥製の数の多さと質の高さには圧倒されそうで、企画展で観るのは
もったいない内容の展示です。

「ヨシモトコレクションの世界展」のHPです。


【2014/12/22 19:37】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
2014年のクリスマスツリー
お茶の水
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2014年のクリスマスツリーの写真を集めてみました。

上野の国立科学博物館の「ヒカリ展」に展示されているコクーンツリー
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光る繭で作ってあり、繭の中に青色LEDが入っていて青く光っています。
「ヒカリ展」の会期は2015年2月22日(日)までです。

お茶の水サンクレール
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お茶の水のワテラス
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LED照明はあちこちのツリーで活躍しています。

南青山の根津美術館近く
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六本木一丁目の泉ガーデンタワー
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日本橋髙島屋
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日本橋三越新館
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銀座ミキモト
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ビルの建て替えに伴い、今年が最後の展示です。

大手町駅オーテモリ
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丸ビルマルキューブの「アナと雪の女王」のセット
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記念撮影の順番待ちの行列が出来ています。
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丸の内の明治安田生命ビル
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丸の内ブリックスクエアは「不思議の国のアリス」です。
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丸の内KITTE
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巨大なツリーで、夕方からは一定時刻ごとにライトアップされます。
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【2014/12/21 21:33】 街歩き | トラックバック(0) | コメント(2) |
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