上野
上野の東京藝術大学大学美術館では、「うらめしや~、冥途のみやげ展」が
開かれています。
会期は9月13日(日)までです。

谷中の全生庵の所蔵する、三遊亭圓朝ゆかりの幽霊画のコレクションを中心にした、
夏らしい趣向の展示です。
多くの作品が8月16日までの前期と、8月18日からの後期に分けて展示されます。
I 圓朝と怪談
三遊亭圓朝(1839~1900)は幕末から明治にかけての落語家で、名人と謳われ、
「牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」「怪談乳房榎」などの怪談噺を創作しています。
圓朝は幽霊画を収集していて、圓朝の墓のある全生庵は50幅を所蔵しています。
鏑木清方 「三遊亭圓朝像」 昭和5年(1930)
東京国立近代美術館 重要文化財

鏑木清方の父は圓朝と親交があり、清方自身も17歳の時に圓朝の取材旅行に
同行しています。
その頃を思い出して描いた作品で、圓朝は大柄で面長の顔をしていて、
紋付には高崎扇の紋が入っています。
II 圓朝コレクション
圓朝コレクションも8月16日までの前期と、8月18日からの後期に分けて展示されます。
展示室は照明を落とし、壁にぐるりと幽霊の掛軸がかかっていて、天井から途中まで
蚊帳が吊ってあり、雰囲気を出しています。
中村芳中 「枕元の幽霊」 全生庵

前期の展示です。
女物の枕のように見えるので、後妻の枕元に現れた先妻の幽霊でしょうか。
中村芳中が描くと、幽霊も何だか可笑しみがあります。
鰭崎英朋 「蚊帳の前の幽霊」 明治39年(1906) 全生庵

行灯の光りに浮かぶ若い女性の幽霊が蚊帳を透かして見えます。
鰭崎英朋(ひれざきえいほう:1880~1968)は明治から昭和にかけての画家で、
美人画を得意としています。
この絵は初期の作品ですが、風情があり、美人画の一種とも言えます。
三代歌川広重 「瞽女の幽霊」
前期の展示です。
瞽女(ごぜ)は盲目の旅芸人です。
三味線を担ぎ、杖を手にして水の上に現れています。
瞽女の境遇を思うと、怖さより、哀れさを誘います。
月岡芳年 「宿場女郎図」
前期の展示です。
病のためか、痩せさらばえ、幽鬼のようになった宿場女郎が階段の途中で
振り返っています。
そこには生の悲惨さが表れています。
筆者不詳 「骨を打つ修羅」
前期の展示です。
修羅道に堕ちた女が打杖を振り上げて、野晒しになった白骨を打ち据えています。
どういう恨みなのか、白骨を責めるという、凄まじい怨念の感じられる絵です。
III 錦絵による〈うらみ〉の系譜
四谷怪談や番町皿屋敷などを題材にした浮世絵の展示です。
歌川国芳 「浅倉当吾亡霊」 嘉永4年(1851)大判錦絵

前期の展示です。
佐倉藩の苛政を徳川家綱に直訴し、処刑されたと云われる佐倉惣五郎を題材した歌舞伎、
「東山桜荘子(ひがしやまさくらそうし)」の一場面です。
磔の槍で突かれた血を首から流した浅倉当吾が幽霊となって現れています。
佐倉惣五郎は江戸時代以来、義民として高い人気を得ています。
IV 〈うらみ〉が美に変わるとき
伝円山応挙 「幽霊図」 江戸時代(18世紀) 福岡市博物館

幽霊と言えば円山応挙とされるほど、応挙の描く幽霊は有名で、幽霊画の基本と
なっています。
髪は結わずに垂らし、足は描かれず、この絵では着物も輪郭線を用いない
没骨で描かれ、おぼろげな風を見せています。
松岡英丘 「伊香保の沼」 1925年 東京藝術大学

10月30日までの展示です。
竹田信玄の箕輪城攻めの際、榛名湖に身を投げて蛇になったという
木部姫の伝説に拠った作品です。
足を湖水に入れ、朽木に掛けた姫は風に髪を乱し、物思わしげな風情です。
大きな掛け軸で、背景の榛名湖と榛名山の描写に存在感があります。
上村松園 「焔」 大正7年(1918) 絹本着色 東京国立博物館

9月1日~9月13日の展示です。
上村松園(1875~1949)の代表作で、謡曲「葵上」の、光源氏の正妻、葵上に嫉妬する
六条御息所の生霊の姿です。
源氏物語の世界ですが、桃山時代の風俗で描かれています。
長い髪は煙るように流れ、裾はぼかされています。
細身の体に沿う長い藤の花と、怨念を表すかのような蜘蛛の巣の柄の小袖を
片袖脱ぎにして、物狂いの様を示しています。

凄みのあるのは顔の描写で、頬や額は青ざめ、お歯黒の口は髪を噛んでいます。
能楽師の助言で、能面の目に金泥を塗る泥眼という技法を借り、絹地の裏から
目に金泥を塗って、異様な光を見せているとのことです。
指も細く、左手の小指も立って、感情の烈しさを表しています。
現代は即物的なためか、幽霊はあまり現れず、絵に描かれることもありません。
見かけは明るく平たい時代で、〈うらみ〉の居場所も無くなってしまったのでしょうか。
ミュージアムショップの方は白い着物で販売していましたが、男女とも襟は右前でした。
左前だと怖いことになります。
展覧会のHPです。
chariot
上野の東京藝術大学大学美術館では、「うらめしや~、冥途のみやげ展」が
開かれています。
会期は9月13日(日)までです。

谷中の全生庵の所蔵する、三遊亭圓朝ゆかりの幽霊画のコレクションを中心にした、
夏らしい趣向の展示です。
多くの作品が8月16日までの前期と、8月18日からの後期に分けて展示されます。
I 圓朝と怪談
三遊亭圓朝(1839~1900)は幕末から明治にかけての落語家で、名人と謳われ、
「牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」「怪談乳房榎」などの怪談噺を創作しています。
圓朝は幽霊画を収集していて、圓朝の墓のある全生庵は50幅を所蔵しています。
鏑木清方 「三遊亭圓朝像」 昭和5年(1930)
東京国立近代美術館 重要文化財

鏑木清方の父は圓朝と親交があり、清方自身も17歳の時に圓朝の取材旅行に
同行しています。
その頃を思い出して描いた作品で、圓朝は大柄で面長の顔をしていて、
紋付には高崎扇の紋が入っています。
II 圓朝コレクション
圓朝コレクションも8月16日までの前期と、8月18日からの後期に分けて展示されます。
展示室は照明を落とし、壁にぐるりと幽霊の掛軸がかかっていて、天井から途中まで
蚊帳が吊ってあり、雰囲気を出しています。
中村芳中 「枕元の幽霊」 全生庵

前期の展示です。
女物の枕のように見えるので、後妻の枕元に現れた先妻の幽霊でしょうか。
中村芳中が描くと、幽霊も何だか可笑しみがあります。
鰭崎英朋 「蚊帳の前の幽霊」 明治39年(1906) 全生庵

行灯の光りに浮かぶ若い女性の幽霊が蚊帳を透かして見えます。
鰭崎英朋(ひれざきえいほう:1880~1968)は明治から昭和にかけての画家で、
美人画を得意としています。
この絵は初期の作品ですが、風情があり、美人画の一種とも言えます。
三代歌川広重 「瞽女の幽霊」
前期の展示です。
瞽女(ごぜ)は盲目の旅芸人です。
三味線を担ぎ、杖を手にして水の上に現れています。
瞽女の境遇を思うと、怖さより、哀れさを誘います。
月岡芳年 「宿場女郎図」
前期の展示です。
病のためか、痩せさらばえ、幽鬼のようになった宿場女郎が階段の途中で
振り返っています。
そこには生の悲惨さが表れています。
筆者不詳 「骨を打つ修羅」
前期の展示です。
修羅道に堕ちた女が打杖を振り上げて、野晒しになった白骨を打ち据えています。
どういう恨みなのか、白骨を責めるという、凄まじい怨念の感じられる絵です。
III 錦絵による〈うらみ〉の系譜
四谷怪談や番町皿屋敷などを題材にした浮世絵の展示です。
歌川国芳 「浅倉当吾亡霊」 嘉永4年(1851)大判錦絵

前期の展示です。
佐倉藩の苛政を徳川家綱に直訴し、処刑されたと云われる佐倉惣五郎を題材した歌舞伎、
「東山桜荘子(ひがしやまさくらそうし)」の一場面です。
磔の槍で突かれた血を首から流した浅倉当吾が幽霊となって現れています。
佐倉惣五郎は江戸時代以来、義民として高い人気を得ています。
IV 〈うらみ〉が美に変わるとき
伝円山応挙 「幽霊図」 江戸時代(18世紀) 福岡市博物館

幽霊と言えば円山応挙とされるほど、応挙の描く幽霊は有名で、幽霊画の基本と
なっています。
髪は結わずに垂らし、足は描かれず、この絵では着物も輪郭線を用いない
没骨で描かれ、おぼろげな風を見せています。
松岡英丘 「伊香保の沼」 1925年 東京藝術大学

10月30日までの展示です。
竹田信玄の箕輪城攻めの際、榛名湖に身を投げて蛇になったという
木部姫の伝説に拠った作品です。
足を湖水に入れ、朽木に掛けた姫は風に髪を乱し、物思わしげな風情です。
大きな掛け軸で、背景の榛名湖と榛名山の描写に存在感があります。
上村松園 「焔」 大正7年(1918) 絹本着色 東京国立博物館

9月1日~9月13日の展示です。
上村松園(1875~1949)の代表作で、謡曲「葵上」の、光源氏の正妻、葵上に嫉妬する
六条御息所の生霊の姿です。
源氏物語の世界ですが、桃山時代の風俗で描かれています。
長い髪は煙るように流れ、裾はぼかされています。
細身の体に沿う長い藤の花と、怨念を表すかのような蜘蛛の巣の柄の小袖を
片袖脱ぎにして、物狂いの様を示しています。

凄みのあるのは顔の描写で、頬や額は青ざめ、お歯黒の口は髪を噛んでいます。
能楽師の助言で、能面の目に金泥を塗る泥眼という技法を借り、絹地の裏から
目に金泥を塗って、異様な光を見せているとのことです。
指も細く、左手の小指も立って、感情の烈しさを表しています。
現代は即物的なためか、幽霊はあまり現れず、絵に描かれることもありません。
見かけは明るく平たい時代で、〈うらみ〉の居場所も無くなってしまったのでしょうか。
ミュージアムショップの方は白い着物で販売していましたが、男女とも襟は右前でした。
左前だと怖いことになります。
展覧会のHPです。
新宿
新宿駅西口地下街の喫茶店「新宿スカラ座」に行ってきました。
場所は新宿区西新宿1-1-1 小田急エース北館です。


「新宿スカラ座」は8月31日をもって閉店とのことです。

元は歌舞伎町にあった昔からの名物喫茶店で、1954年に開店し、2002年に閉店後、
この場所で再開したお店です。
今回はオーナーの引退に伴う閉店ということで、致し方ないことではありますが、
とても残念です。
店内は木調の古典的なつくりで、重厚な雰囲気です。


赤い椅子に白いカバーがかかっています。

奥の席には藤城清治さんの影絵が何点か飾ってあります。

壁飾りの闘牛の浮彫です。

テーブルには花模様の浮彫が入っています。

夏らしく、スイカのメニューもあります。



ブレンドコーヒー650円とレアチーズケーキ500円です。

コーヒーは昔ながらの、分厚いカップに入っています。
レシートには可愛い絵が描いてあります。

お客さんは、普段通り何か打ち合わせをしている人たちと、いかにもお店を懐かしんで
座っている人たちがいました。
中には写真を撮っている人もいました。
私も、名残惜しい気持ちで、しばらくお店の中を眺めながら時間を過ごしました。
以前、「新宿スカラ座」に行った時の記事です。
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新宿駅西口地下街の喫茶店「新宿スカラ座」に行ってきました。
場所は新宿区西新宿1-1-1 小田急エース北館です。


「新宿スカラ座」は8月31日をもって閉店とのことです。

元は歌舞伎町にあった昔からの名物喫茶店で、1954年に開店し、2002年に閉店後、
この場所で再開したお店です。
今回はオーナーの引退に伴う閉店ということで、致し方ないことではありますが、
とても残念です。
店内は木調の古典的なつくりで、重厚な雰囲気です。


赤い椅子に白いカバーがかかっています。

奥の席には藤城清治さんの影絵が何点か飾ってあります。

壁飾りの闘牛の浮彫です。

テーブルには花模様の浮彫が入っています。

夏らしく、スイカのメニューもあります。



ブレンドコーヒー650円とレアチーズケーキ500円です。

コーヒーは昔ながらの、分厚いカップに入っています。
レシートには可愛い絵が描いてあります。

お客さんは、普段通り何か打ち合わせをしている人たちと、いかにもお店を懐かしんで
座っている人たちがいました。
中には写真を撮っている人もいました。
私も、名残惜しい気持ちで、しばらくお店の中を眺めながら時間を過ごしました。
以前、「新宿スカラ座」に行った時の記事です。
上野
上野の東京国立博物館の平成館では特別展、「クレオパトラとエジプトの王妃展」が
開かれています。
会期は9月23日(日)までです。

ハトシェプストやクレオパトラなどエジプトの女王や王妃などをテーマにした展覧会で、
世界各国の美術館・博物館の所蔵する彫像や装飾品など古代エジプトの遺物、
約180件が展示されています。
特に中心となるのは新王国・第18王朝のハトシェプスト女王、ティイ王妃、ネフェルトイティと、
プトレマイオス朝のクレオパトラ女王です。
「壺を捧げるハトシェプスト女王」 新王国・第18王朝
ハトシェプスト女王治世(前1473~前1458年頃)
花崗岩 ドイツ ベルリン・エジプト博物館

ハトシェプスト女王は夫のトトメス2世の死後、幼かった継子のトトメス3世の摂政として
共同統治を行ないますが、やがて自身が王(ファラオ)となって約20年間統治しています。
ハトシェプストとは「最も高貴なる女性」という意味です。
頭巾を被り、あごひげを生やした男性像として表されていますが、実際にも王として
登場する時はひげを付けて男装していたそうです。
古代エジプトで女性が王になるのは極めて珍しく、ハトシェプストはその中の成功例だそうで、
長い治世の間、戦争を行なわず平和外交に務め、エジプトを繁栄させています。
ルクソールのハトシェプスト女王葬祭殿は彼女の命による造営で、その規模と壮麗さは
当時のエジプトの国力の充実を示しています。
後に葬祭殿の彫刻や碑文など、彼女に関する部分の多くはトトメス3世によって
削られていますが、その理由は不明です。
「アメンヘテプ3世の王妃ティイのレリーフ」
新王国・第18王朝 アメンヘテプ3世治世(前1388~前1350年頃)
石灰岩 ベルギー ブリュッセル、王立美術歴史博物館

王妃ティイはアメンヘテプ4世の母、ツタンカーメンの祖母です。
ティイは平民出身で、王族同士での結婚が慣例だった当時としては珍しい例とのことです。
アメンヘテプ4世はアクエンアテンと名乗ってアマルナ時代を築いた王として有名です。
レリーフは王妃に仕えた役人の墓の壁に彫られていて、元は夫のアメンヘテプ3世と
並んでいたと思われます。
王冠を被り、笏を持った、気品のある姿です。
「王妃の頭部」
新王国・第18王朝時代 アクエンアテン王治世 (前1351~前1334年頃)
珪岩 ドイツ ベルリン・エジプト博物館

ネフェルトイティ(ネフェルティティ)の像と考えられている、手の平に乗るほどの
可愛い像です。
ネフェルトイティはアメンヘテプ4世の王妃で、ネフェルトイティとは「美女が来た」
という意味で、大きな王冠を被った、端正な顔立ちの像が有名です。
この像は唇が厚く、あごが細く、眉とアイラインが描かれていて、横顔にアマルナ美術の
面影を感じます。
アメンヘテプ4世はアテン神のみを信仰すると宣言し、自身もアクエンアテンと名乗ります。
アマルナ革命と呼ばれる事件で、アマルナ時代の美術は他の時代が様式的なのと異なって、
写実的になるのが特徴です。
アマルナ時代の水瓶なども展示されていますが、水鳥やパピルスなどがとても自然で
伸びやかな筆遣いで描かれています。
写実的なアマルナ美術を観ていると、古代エジプトの人たちは様式的な表現を
自ら選んでいただけで、写実的な表現を知らなかった訳ではないことが分かります。
「クレオパトラ」
プトレマイオス朝時代(前300~前30年頃)
石灰岩 アメリカ ボストン美術館

エジプトの冠を被り、コルヌ・コピア(豊穣の角)を持っています。
プトレマイオス朝はアレキサンダー大王の後継者たち(ディアドコイ)の建てた
征服王朝の一つです。
そのため、クレオパトラもギリシャ系と思われますが、エジプト風の装いをしています。
肩に「クレオパトラ」と彫られていますが、後の時代に彫られたものだそうです。
「クレオパトラ」
プトレマイオス朝時代(前1世紀中頃)
大理石 トリノ古代博物館

こちらはギリシャ風の髪型の肖像です。
アレキサンドリアにあったクレオパトラの宮殿は地震で海中に沈んだこともあって、
クレオパトラの肖像はあまり残っていないということです。
「アクティウムの海戦のレリーフ」
ローマ時代 ユリウス・クラウディス朝(前27~後68年)
スペイン カルドナ公爵コレクション
紀元前31年にアントニウスとオクタウィアヌスが戦ったアクティウムの海戦を描いた
レリーフで、両軍は軍船の上で盾をかざし、槍を投げ合ってて戦っていて、
沈没した軍船もあります。
この戦いに敗れたアントニウスとクレオパトラは自殺し、プトレマイオス朝は滅亡し、
エジプトはローマの属州となります。
「王妃のマスク」
新王国・第18王朝時代(前1550~前1292年頃)
イギリス マンチェスター博物館蔵

ミイラの頭部を覆っていたマスクで、顔の部分は拳ほどの大きさです。
羽根の模様は王妃のマスクであることを表していますが、碑文の名前を書き入れる
場所が空欄になっているそうです。
「ハトホル女神をかたどった柱頭」
第3中間期・第22王朝時代 オソルコン1世~オソルコン2世治世(前925~前837年頃)
花崗岩 イギリス 大英博物館
ハトホル女神は愛と豊穣の女神で、牛の耳をして表されることがあります。
高さ2mほどもある赤い花崗岩の塊で、顔が一部欠けていて、表面はきれいに
磨かれています。
展示されている遺物にはさまざまな石材が豊富に使われていて、ナイル川や
地中海の水運によって、エジプトは石材に恵まれていたのだなと思います。
女王や王妃などを中心にした分かりやすい展示で、古代エジプトの壮大な歴史の一部を
たどることの出来る展覧会です。
人気のある展覧会で、私の行った時は大勢の来館者で賑わっていました。
展覧会のHPです。
2014年には東京都美術館で、「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」が
開かれていました。
「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」の記事 です。
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上野の東京国立博物館の平成館では特別展、「クレオパトラとエジプトの王妃展」が
開かれています。
会期は9月23日(日)までです。

ハトシェプストやクレオパトラなどエジプトの女王や王妃などをテーマにした展覧会で、
世界各国の美術館・博物館の所蔵する彫像や装飾品など古代エジプトの遺物、
約180件が展示されています。
特に中心となるのは新王国・第18王朝のハトシェプスト女王、ティイ王妃、ネフェルトイティと、
プトレマイオス朝のクレオパトラ女王です。
「壺を捧げるハトシェプスト女王」 新王国・第18王朝
ハトシェプスト女王治世(前1473~前1458年頃)
花崗岩 ドイツ ベルリン・エジプト博物館

ハトシェプスト女王は夫のトトメス2世の死後、幼かった継子のトトメス3世の摂政として
共同統治を行ないますが、やがて自身が王(ファラオ)となって約20年間統治しています。
ハトシェプストとは「最も高貴なる女性」という意味です。
頭巾を被り、あごひげを生やした男性像として表されていますが、実際にも王として
登場する時はひげを付けて男装していたそうです。
古代エジプトで女性が王になるのは極めて珍しく、ハトシェプストはその中の成功例だそうで、
長い治世の間、戦争を行なわず平和外交に務め、エジプトを繁栄させています。
ルクソールのハトシェプスト女王葬祭殿は彼女の命による造営で、その規模と壮麗さは
当時のエジプトの国力の充実を示しています。
後に葬祭殿の彫刻や碑文など、彼女に関する部分の多くはトトメス3世によって
削られていますが、その理由は不明です。
「アメンヘテプ3世の王妃ティイのレリーフ」
新王国・第18王朝 アメンヘテプ3世治世(前1388~前1350年頃)
石灰岩 ベルギー ブリュッセル、王立美術歴史博物館

王妃ティイはアメンヘテプ4世の母、ツタンカーメンの祖母です。
ティイは平民出身で、王族同士での結婚が慣例だった当時としては珍しい例とのことです。
アメンヘテプ4世はアクエンアテンと名乗ってアマルナ時代を築いた王として有名です。
レリーフは王妃に仕えた役人の墓の壁に彫られていて、元は夫のアメンヘテプ3世と
並んでいたと思われます。
王冠を被り、笏を持った、気品のある姿です。
「王妃の頭部」
新王国・第18王朝時代 アクエンアテン王治世 (前1351~前1334年頃)
珪岩 ドイツ ベルリン・エジプト博物館

ネフェルトイティ(ネフェルティティ)の像と考えられている、手の平に乗るほどの
可愛い像です。
ネフェルトイティはアメンヘテプ4世の王妃で、ネフェルトイティとは「美女が来た」
という意味で、大きな王冠を被った、端正な顔立ちの像が有名です。
この像は唇が厚く、あごが細く、眉とアイラインが描かれていて、横顔にアマルナ美術の
面影を感じます。
アメンヘテプ4世はアテン神のみを信仰すると宣言し、自身もアクエンアテンと名乗ります。
アマルナ革命と呼ばれる事件で、アマルナ時代の美術は他の時代が様式的なのと異なって、
写実的になるのが特徴です。
アマルナ時代の水瓶なども展示されていますが、水鳥やパピルスなどがとても自然で
伸びやかな筆遣いで描かれています。
写実的なアマルナ美術を観ていると、古代エジプトの人たちは様式的な表現を
自ら選んでいただけで、写実的な表現を知らなかった訳ではないことが分かります。
「クレオパトラ」
プトレマイオス朝時代(前300~前30年頃)
石灰岩 アメリカ ボストン美術館

エジプトの冠を被り、コルヌ・コピア(豊穣の角)を持っています。
プトレマイオス朝はアレキサンダー大王の後継者たち(ディアドコイ)の建てた
征服王朝の一つです。
そのため、クレオパトラもギリシャ系と思われますが、エジプト風の装いをしています。
肩に「クレオパトラ」と彫られていますが、後の時代に彫られたものだそうです。
「クレオパトラ」
プトレマイオス朝時代(前1世紀中頃)
大理石 トリノ古代博物館

こちらはギリシャ風の髪型の肖像です。
アレキサンドリアにあったクレオパトラの宮殿は地震で海中に沈んだこともあって、
クレオパトラの肖像はあまり残っていないということです。
「アクティウムの海戦のレリーフ」
ローマ時代 ユリウス・クラウディス朝(前27~後68年)
スペイン カルドナ公爵コレクション
紀元前31年にアントニウスとオクタウィアヌスが戦ったアクティウムの海戦を描いた
レリーフで、両軍は軍船の上で盾をかざし、槍を投げ合ってて戦っていて、
沈没した軍船もあります。
この戦いに敗れたアントニウスとクレオパトラは自殺し、プトレマイオス朝は滅亡し、
エジプトはローマの属州となります。
「王妃のマスク」
新王国・第18王朝時代(前1550~前1292年頃)
イギリス マンチェスター博物館蔵

ミイラの頭部を覆っていたマスクで、顔の部分は拳ほどの大きさです。
羽根の模様は王妃のマスクであることを表していますが、碑文の名前を書き入れる
場所が空欄になっているそうです。
「ハトホル女神をかたどった柱頭」
第3中間期・第22王朝時代 オソルコン1世~オソルコン2世治世(前925~前837年頃)
花崗岩 イギリス 大英博物館
ハトホル女神は愛と豊穣の女神で、牛の耳をして表されることがあります。
高さ2mほどもある赤い花崗岩の塊で、顔が一部欠けていて、表面はきれいに
磨かれています。
展示されている遺物にはさまざまな石材が豊富に使われていて、ナイル川や
地中海の水運によって、エジプトは石材に恵まれていたのだなと思います。
女王や王妃などを中心にした分かりやすい展示で、古代エジプトの壮大な歴史の一部を
たどることの出来る展覧会です。
人気のある展覧会で、私の行った時は大勢の来館者で賑わっていました。
展覧会のHPです。
2014年には東京都美術館で、「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」が
開かれていました。
「メトロポリタン美術館古代エジプト展 女王と女神」の記事 です。
新橋・虎ノ門
新橋の外堀通りにある喫茶店、「草枕」に行ってきました。
場所は港区西新橋1-10-1です。

小さなお店で、中は細長く、全席禁煙、中はほの暗く、和の雰囲気があります。
棚にはいろいろな本が並んでいます。
表参道にあった「大坊珈琲店」の雰囲気によく似ていて、「大坊珈琲店」に
倣った店造りをしたそうです。
マスターは夏目漱石のファンなので、店名も「草枕」にしています。
BGMは、レコードを掛けていて、この日はモーツァルトでした。

コーヒーは、こいめ、ふつうめ、うすめの3種類があります。

ふつうめ650円にしました。

マスターがていねいに1杯ずつネルドリップで淹れるので、少し待ちます。
再加熱しないので、適度な温度になっていて、とても美味しいです。
カップは大倉陶園です。
外の暑さを忘れ、並んでいる本の題名をなぞって、こんな本があったな、
読んでみようかななどと思いながら、ゆったりとお茶の時間を過ごしました。
初めて「草枕」に行った時の記事です。
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新橋の外堀通りにある喫茶店、「草枕」に行ってきました。
場所は港区西新橋1-10-1です。

小さなお店で、中は細長く、全席禁煙、中はほの暗く、和の雰囲気があります。
棚にはいろいろな本が並んでいます。
表参道にあった「大坊珈琲店」の雰囲気によく似ていて、「大坊珈琲店」に
倣った店造りをしたそうです。
マスターは夏目漱石のファンなので、店名も「草枕」にしています。
BGMは、レコードを掛けていて、この日はモーツァルトでした。

コーヒーは、こいめ、ふつうめ、うすめの3種類があります。

ふつうめ650円にしました。

マスターがていねいに1杯ずつネルドリップで淹れるので、少し待ちます。
再加熱しないので、適度な温度になっていて、とても美味しいです。
カップは大倉陶園です。
外の暑さを忘れ、並んでいる本の題名をなぞって、こんな本があったな、
読んでみようかななどと思いながら、ゆったりとお茶の時間を過ごしました。
初めて「草枕」に行った時の記事です。
新宿
新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館では8月23日(日)まで、
「旅の風景 安野光雅 ヨーロッパ周遊旅行」展が開かれています。

安野光雅さん(1926~)がヨーロッパを旅行して描いてきた、風景の水彩原画約100点を
展示する展覧会です。
すべて安野さんの郷里、島根県津和野町の安野光雅美術館の所蔵する作品で、
多くの絵に安野さんの文章が添えられています。
1 ヨーロッパ周遊旅行
イタリア、スペイン、イギリス、スイス、ドイツ、オランダ、フランス、クロアチアを訪れています。
パレルモ 水彩、鉛筆 「イタリアの陽ざし」朝日新聞社1997年より

スタンフォードの町 水彩、鉛筆 「イギリスの村」朝日新聞社1982年より

安野さんはイギリスに行った時に、久米邦武の著した、「米欧回覧実記」を
持参したそうです。
「米欧回覧実記」は明治4年から6年にかけて岩倉具視を団長として
米欧を廻った大使節団の報告書です。
その文章は精密で的確、明治初期に初めて西洋文明を目の当たりにした
日本人が能くこれだけ正確な報告書を作成出来たものだと感心します。
安野さんは、「今日読んでも新鮮で、私には到底これほどの視力はありません。」と
述べています。
また、百年後の今日も「米欧回覧実記」の記述を訂正する必要のないほど、
イギリスの村々はその美しさを留めているそうです。
マッターホルン 水彩、鉛筆 「スイスの谷」朝日新聞社1990年より

南フランスの田舎 アレー 水彩、鉛筆
「ヨーロッパの街から村へ」朝日新聞社1999年より

リンゴや桃の花の咲く春の風景です。
2 歌の風景
「歌の風景」講談社2001年より
ゴンドラの唄 イタリア/ヴェネチア 水彩、鉛筆

ヴェネチアの風景が自由に再構成されていて、サンマルコ広場のライオン像が
リアルト橋の横に立ち、向うにドゥカーレ宮殿が見えます。
他にアビニョンの橋の上で(フランス)、ロンドンばしがおっこちる(イギリス)、
菩提樹(ドイツ)、美しく碧きドナウ(オーストリア)などがあります。
3 旅の絵本
隠し絵のいっぱい入った、楽しい絵本です。
旅の絵本VI(デンマーク) 福音館書店2004年 水彩、インク

あちこちにアンデルセンの童話が散りばめられています。
池では「人魚姫」の王子様の船が難破しています。
他にイタリア編、イギリス編、スペイン編が展示されています。
4 「繪本 即興詩人」講談社2002年より
アンデルセンの「即興詩人」の舞台、イタリアを描いています。
安野さんは、同じ津和野出身の森鴎外の文語体による「即興詩人」に魅せられています。
ヴェネチアの謝肉祭 水彩、鉛筆

5 風景画を描く
「安野光雅 風景画を描く」日本放送協会2006年より
ゴッホゆかりの場所など、ヨーロッパ各地の風景を描いています。
安野さんがフランスの印象派の作品を観た時、風景をこんなに素晴らしく
描けるものかと感心していたが、実際にその場に行ってみると、何だ、
見た通りに描いただけじゃないかと思った、という話しを聞いたことがあります。
作品を観ることで、風景の方がその絵のように見えて来るのかもしれません。
安野さんの絵のような風景の見られるヨーロッパに行ってみたくなります。
展覧会のHPです。
2011年に横浜のそごう美術館では「安野光雅の絵本展」が開かれていしました。
「安野光雅の絵本展」の記事です。
津和野町立安野光雅美術館のHPです。
次回の展覧会は、「もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20’s Paris」展です。
会期は9月5日(土)から11月8日(日)までです。

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新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館では8月23日(日)まで、
「旅の風景 安野光雅 ヨーロッパ周遊旅行」展が開かれています。

安野光雅さん(1926~)がヨーロッパを旅行して描いてきた、風景の水彩原画約100点を
展示する展覧会です。
すべて安野さんの郷里、島根県津和野町の安野光雅美術館の所蔵する作品で、
多くの絵に安野さんの文章が添えられています。
1 ヨーロッパ周遊旅行
イタリア、スペイン、イギリス、スイス、ドイツ、オランダ、フランス、クロアチアを訪れています。
パレルモ 水彩、鉛筆 「イタリアの陽ざし」朝日新聞社1997年より

スタンフォードの町 水彩、鉛筆 「イギリスの村」朝日新聞社1982年より

安野さんはイギリスに行った時に、久米邦武の著した、「米欧回覧実記」を
持参したそうです。
「米欧回覧実記」は明治4年から6年にかけて岩倉具視を団長として
米欧を廻った大使節団の報告書です。
その文章は精密で的確、明治初期に初めて西洋文明を目の当たりにした
日本人が能くこれだけ正確な報告書を作成出来たものだと感心します。
安野さんは、「今日読んでも新鮮で、私には到底これほどの視力はありません。」と
述べています。
また、百年後の今日も「米欧回覧実記」の記述を訂正する必要のないほど、
イギリスの村々はその美しさを留めているそうです。
マッターホルン 水彩、鉛筆 「スイスの谷」朝日新聞社1990年より

南フランスの田舎 アレー 水彩、鉛筆
「ヨーロッパの街から村へ」朝日新聞社1999年より

リンゴや桃の花の咲く春の風景です。
2 歌の風景
「歌の風景」講談社2001年より
ゴンドラの唄 イタリア/ヴェネチア 水彩、鉛筆

ヴェネチアの風景が自由に再構成されていて、サンマルコ広場のライオン像が
リアルト橋の横に立ち、向うにドゥカーレ宮殿が見えます。
他にアビニョンの橋の上で(フランス)、ロンドンばしがおっこちる(イギリス)、
菩提樹(ドイツ)、美しく碧きドナウ(オーストリア)などがあります。
3 旅の絵本
隠し絵のいっぱい入った、楽しい絵本です。
旅の絵本VI(デンマーク) 福音館書店2004年 水彩、インク

あちこちにアンデルセンの童話が散りばめられています。
池では「人魚姫」の王子様の船が難破しています。
他にイタリア編、イギリス編、スペイン編が展示されています。
4 「繪本 即興詩人」講談社2002年より
アンデルセンの「即興詩人」の舞台、イタリアを描いています。
安野さんは、同じ津和野出身の森鴎外の文語体による「即興詩人」に魅せられています。
ヴェネチアの謝肉祭 水彩、鉛筆

5 風景画を描く
「安野光雅 風景画を描く」日本放送協会2006年より
ゴッホゆかりの場所など、ヨーロッパ各地の風景を描いています。
安野さんがフランスの印象派の作品を観た時、風景をこんなに素晴らしく
描けるものかと感心していたが、実際にその場に行ってみると、何だ、
見た通りに描いただけじゃないかと思った、という話しを聞いたことがあります。
作品を観ることで、風景の方がその絵のように見えて来るのかもしれません。
安野さんの絵のような風景の見られるヨーロッパに行ってみたくなります。
展覧会のHPです。
2011年に横浜のそごう美術館では「安野光雅の絵本展」が開かれていしました。
「安野光雅の絵本展」の記事です。
津和野町立安野光雅美術館のHPです。
次回の展覧会は、「もうひとつの輝き 最後の印象派 1900-20’s Paris」展です。
会期は9月5日(土)から11月8日(日)までです。

横浜
「ウエスト ベイカフェ ヨコハマ」は横浜タカシマヤの3階にあります。
場所は横浜市西区南幸1-6-31です。

「銀座ウエスト」が2013年にオープンしたお店で、店内は50席ほどで、全席禁煙、
「銀座ウエスト」特有の淡い色調の、落着いた雰囲気です。
週刊の投稿エッセイの「風の詩」も置いてあります。


キッシュとコーヒーのセット1404円です。

ケーキセット1296円はモカケーキにしました。

ウエストは材料が吟味してあって、穏やかな味で美味しいです。
三越本店のお店が閉店したのは残念ですが、こちらにオープンしたのは嬉しいことです。
「銀座ウエスト」の記事です。
ウエストのHPです。
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「ウエスト ベイカフェ ヨコハマ」は横浜タカシマヤの3階にあります。
場所は横浜市西区南幸1-6-31です。

「銀座ウエスト」が2013年にオープンしたお店で、店内は50席ほどで、全席禁煙、
「銀座ウエスト」特有の淡い色調の、落着いた雰囲気です。
週刊の投稿エッセイの「風の詩」も置いてあります。


キッシュとコーヒーのセット1404円です。

ケーキセット1296円はモカケーキにしました。

ウエストは材料が吟味してあって、穏やかな味で美味しいです。
三越本店のお店が閉店したのは残念ですが、こちらにオープンしたのは嬉しいことです。
「銀座ウエスト」の記事です。
ウエストのHPです。
銀座一丁目
銀座のポーラ ミュージアム アネックスでは、「ウルトラ植物博覧会 西畠清順と
愉快な植物たち」展が 開かれています。
会期は8月16日(日)まで、入場無料です。
場所は中央区銀座1-7-7、ポーラ銀座ビルの3階です。
花と植物の卸問屋、花宇の5代目でプラントハンターの西畠清順さん(1980~)の
収集した希少植物、約50種類が展示されています。
それぞれの植物について、その特徴を解説したパンフレットもあります。
展示室には珍しい植物が並んで、植物園のようです。

ユッカ ロストラータ

メキシコ、北アメリカに分布し、乾燥地を好んで、水遣りも要らないそうです。
オリーブ ホジブランカ種

平和の象徴です。
仏手柑

インド原産で、柑橘類の一種です。
フェロカクタス

らせん状の幹が見事です。
バオバブ

アフリカと言えばバオバブです。
ダシリリオン ロンギシマム

メキシコ原産で、すっきりとした葉が伸びています。
ウツボカズラ

虫だけでなく、野ネズミも食べてしまう、恐ろしい食虫植物です。
金目孟宗竹

竿が黄金色に突然変異していて、観賞用に植えられています。
解説を読むと、どれも珍しく面白い植物ばかりで、興味が尽きません。
展覧会のHPです。
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銀座のポーラ ミュージアム アネックスでは、「ウルトラ植物博覧会 西畠清順と
愉快な植物たち」展が 開かれています。
会期は8月16日(日)まで、入場無料です。
場所は中央区銀座1-7-7、ポーラ銀座ビルの3階です。
花と植物の卸問屋、花宇の5代目でプラントハンターの西畠清順さん(1980~)の
収集した希少植物、約50種類が展示されています。
それぞれの植物について、その特徴を解説したパンフレットもあります。
展示室には珍しい植物が並んで、植物園のようです。

ユッカ ロストラータ

メキシコ、北アメリカに分布し、乾燥地を好んで、水遣りも要らないそうです。
オリーブ ホジブランカ種

平和の象徴です。
仏手柑

インド原産で、柑橘類の一種です。
フェロカクタス

らせん状の幹が見事です。
バオバブ

アフリカと言えばバオバブです。
ダシリリオン ロンギシマム

メキシコ原産で、すっきりとした葉が伸びています。
ウツボカズラ

虫だけでなく、野ネズミも食べてしまう、恐ろしい食虫植物です。
金目孟宗竹

竿が黄金色に突然変異していて、観賞用に植えられています。
解説を読むと、どれも珍しく面白い植物ばかりで、興味が尽きません。
展覧会のHPです。
新橋
「レリッシュ ワークス デリカテッセン」は新橋の外堀通り、
りそな銀行の裏の路地にあるビストロです。
場所は港区新橋1-17-6です。

パナソニック汐留ミュージアムで開かれている、「アール・ヌーヴォーのガラス展」を
観た帰りに寄りました。
小さな2階建てのお店で、1階は売店で、手頃なランチなど、テイクアウトの食品が
並んでいます。

ディナーのメニューはいろいろあります。

2014年7月にオープンしたお店で、2階の店内は16席、全席禁煙です。
BGMはジャズでした。



ランチのスペイン産黒豚肩ロースのロティ、1050円です。
ミニサラダと、パンかライスが付きます。


こちらはベーコンと玉葱のキッシュプレート、900円です。
パンも一緒に載っています。

どれも美味しく、こじんまりとして居心地が良く、ゆっくり料理を味わえるお店です。
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「レリッシュ ワークス デリカテッセン」は新橋の外堀通り、
りそな銀行の裏の路地にあるビストロです。
場所は港区新橋1-17-6です。

パナソニック汐留ミュージアムで開かれている、「アール・ヌーヴォーのガラス展」を
観た帰りに寄りました。
小さな2階建てのお店で、1階は売店で、手頃なランチなど、テイクアウトの食品が
並んでいます。

ディナーのメニューはいろいろあります。

2014年7月にオープンしたお店で、2階の店内は16席、全席禁煙です。
BGMはジャズでした。



ランチのスペイン産黒豚肩ロースのロティ、1050円です。
ミニサラダと、パンかライスが付きます。


こちらはベーコンと玉葱のキッシュプレート、900円です。
パンも一緒に載っています。

どれも美味しく、こじんまりとして居心地が良く、ゆっくり料理を味わえるお店です。
日本橋
日本橋髙島屋美術画廊Xで開かれている「―精霊・神仏奇譚―金子富之展」に
行ってきました。
会期は8月10日(月)までです。

金子富之さん(1978~)は埼玉県出身の日本画家で、現在は山形で世界各地の
神仏精霊や妖怪を描き続けています。
今まで髙島屋美術画廊Xで開かれていた金子さんの個展では、妖怪を題材にした作品が
多かったのですが、今回は神仏を描いた大作を中心にした展示です。
「天手力男神(あまのたぢからおのかみ)」 200×300㎝ 2014年

日本神話で、天岩戸にこもった天照大神を引きずり出した、怪力の神様です。
相撲の横綱のような姿をして岩戸をこじ開けているところで、岩の隙間から
光があふれています。
1959年の映画、「日本誕生」では長身の横綱、三代朝潮太郎が天手力男神を
演じています。
天照大神は原節子、アメノウズメは乙羽信子です。
「蔵王大黒天」 230×680㎝ 2013年



蔵王大黒天は蔵王三大神の一柱で、大黒天は元はヒンドゥー教の神です。
マハーカーラ(大いなる暗黒)と呼ばれる恐ろしい神で、シヴァ神の一化身とも
されています。
作品には俵屋宗達の風神雷神図や白象図の風味も入っています。
金の色は実際にはもっと鈍く、古寂びた趣きがあります。
「怖畏金剛」 227×640㎝ 2014年



密教の尊格で、水牛の頭と多数の腕、脚を持ち、死の神をも殺す力があると
されています。
日本では大威徳明王と呼ばれ、文殊菩薩の化身ともされています。
チベット密教の仏画の持つ、おどろおどろしい迫力があります。
金子富之さんは文化庁の新進芸術家海外研修制度の一員として、カンボジアに
7か月行かれるそうです。
帰国後の作品が楽しみです。
2013年に同じ高島屋で開かれた、「-妖怪奇譚II-金子富之展」の記事です。
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日本橋髙島屋美術画廊Xで開かれている「―精霊・神仏奇譚―金子富之展」に
行ってきました。
会期は8月10日(月)までです。

金子富之さん(1978~)は埼玉県出身の日本画家で、現在は山形で世界各地の
神仏精霊や妖怪を描き続けています。
今まで髙島屋美術画廊Xで開かれていた金子さんの個展では、妖怪を題材にした作品が
多かったのですが、今回は神仏を描いた大作を中心にした展示です。
「天手力男神(あまのたぢからおのかみ)」 200×300㎝ 2014年

日本神話で、天岩戸にこもった天照大神を引きずり出した、怪力の神様です。
相撲の横綱のような姿をして岩戸をこじ開けているところで、岩の隙間から
光があふれています。
1959年の映画、「日本誕生」では長身の横綱、三代朝潮太郎が天手力男神を
演じています。
天照大神は原節子、アメノウズメは乙羽信子です。
「蔵王大黒天」 230×680㎝ 2013年



蔵王大黒天は蔵王三大神の一柱で、大黒天は元はヒンドゥー教の神です。
マハーカーラ(大いなる暗黒)と呼ばれる恐ろしい神で、シヴァ神の一化身とも
されています。
作品には俵屋宗達の風神雷神図や白象図の風味も入っています。
金の色は実際にはもっと鈍く、古寂びた趣きがあります。
「怖畏金剛」 227×640㎝ 2014年



密教の尊格で、水牛の頭と多数の腕、脚を持ち、死の神をも殺す力があると
されています。
日本では大威徳明王と呼ばれ、文殊菩薩の化身ともされています。
チベット密教の仏画の持つ、おどろおどろしい迫力があります。
金子富之さんは文化庁の新進芸術家海外研修制度の一員として、カンボジアに
7か月行かれるそうです。
帰国後の作品が楽しみです。
2013年に同じ高島屋で開かれた、「-妖怪奇譚II-金子富之展」の記事です。
大手町
宮内庁三の丸尚蔵館では、「絵巻を愉しむ―《をくり》絵巻を中心に」展が開かれています。
会期は8月30日(日)(日)までです。
休館日は月曜・金曜で、入館は無料です。

三の丸尚蔵館の所蔵する絵巻物の展示です。
会期中、展示替えと場面の入れ替えがあります。
「絵師草紙」1巻 鎌倉時代 14世紀


7月30日までの展示です。
貧乏絵師が朝廷から土地を賜ったものの、その土地はすでに他人に横領されており、
帝に訴えて土地を取り返したが、さらに良い土地との交換を要求したため、何の音沙汰も
無くなり、元の貧乏生活に戻った、という顛末を描いています。
土地を賜る知らせを聞いて喜び、宴会を開いて、飲めや歌えのどんちゃん騒ぎをしている
絵師たちです。
絵師としては何とも自虐的なお話しですが、破れた壁や走り回るネズミなども描き込まれ、
実感のこもった画面になっています。
「をくり(小栗判官絵巻)」 伝岩佐又兵衛 15巻のうち 江戸時代 17世紀


小栗判官(おぐりはんがん)と照手姫の伝説を描いた絵巻物です。
横山大膳に毒を盛られ地獄に堕ちた小栗判官を裁いた閻魔大王は判官を
此の世に戻すことに決めます。
気のいい閻魔様で、藤沢の遊行上人に言付ける手紙を書いています。
醜い餓鬼阿弥の姿になって地上に戻った判官は車に乗せられ、人びとの善意により
熊野まで運ばれ、温泉に浸かって元の体に戻り、照手姫と結婚することが出来ます。
判官の許婚、照手姫が巫女の姿をして、餓鬼阿弥を判官と知らずに車を押しています。


岩佐又兵衛とその工房の作と思われ、人物は岩佐又兵衛風の頬の豊かな
長い顔をしています。
小栗判官の伝説は藤沢の時宗遊行寺の僧たちが布教のため説き広めたそうです。
「酒伝童子絵巻」 5巻のうち 江戸時代 17世紀


酒呑童子(酒伝童子)の伝説を描いた絵巻物です。
源頼光と家来たちが寝入った酒呑童子に斬りかかり、刎ねられた酒呑童子の首が
源頼光の兜に喰らい付いています。
構図はサントリー美術館所蔵の「酒伝童子絵巻」(狩野元信 大永2年(1522))と
よく似ています。
つくりも豪華で、大名などの注文で描かれたものらしいとのことです。
「酒伝童子絵巻」が展示されていた、2012年にサントリー美術館で開かれた、
「お伽草子 この国は物語にあふれている」展の記事です。
「彦火々出見尊絵巻」6巻のうち 江戸時代 17世紀


海幸彦山幸彦の伝説を描いています。
彦火々出見尊が竜王宮で歓待されている場面です。
若狭国松永庄の新八幡宮に伝わった摸本で、元は11世紀に後白河法皇の命で
制作された絵巻と考えられています。
原本は若狭の領主だった酒井忠勝より徳川家光に献上され、その後行方不明に
なっています。
「若蘭絵巻」 1巻 伝仇英 明時代 16世紀


中国4世紀の蘇蕙(若蘭)が、任地へ赴いた夫への思慕の情を詠った840字の回文
(順に読んでも逆に読んでも意味の通る文)の詩を錦に織って贈ったという故事を
描いています。
庭で糸を作り、屋内では機を織っています。
仇英は明時代の宮廷画家で、大倉集古館所蔵の「清明上河図」も仇英の作とされています。
「清明上河図」が展示されていた、2013年に大倉集古館で開かれた、「描かれた都
開封 杭州 京都 江戸」展の記事です。
「住吉物語」(室町時代 16世紀)は8月1日からの展示です。
点数は少ないですが、貴重な作品揃いで、とても面白い展覧会です。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は、「光と影のあいだ―モダンエイジの美術」(仮称)です。
会期は9月12日(土)~12月6日(日)の予定です。
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宮内庁三の丸尚蔵館では、「絵巻を愉しむ―《をくり》絵巻を中心に」展が開かれています。
会期は8月30日(日)(日)までです。
休館日は月曜・金曜で、入館は無料です。

三の丸尚蔵館の所蔵する絵巻物の展示です。
会期中、展示替えと場面の入れ替えがあります。
「絵師草紙」1巻 鎌倉時代 14世紀


7月30日までの展示です。
貧乏絵師が朝廷から土地を賜ったものの、その土地はすでに他人に横領されており、
帝に訴えて土地を取り返したが、さらに良い土地との交換を要求したため、何の音沙汰も
無くなり、元の貧乏生活に戻った、という顛末を描いています。
土地を賜る知らせを聞いて喜び、宴会を開いて、飲めや歌えのどんちゃん騒ぎをしている
絵師たちです。
絵師としては何とも自虐的なお話しですが、破れた壁や走り回るネズミなども描き込まれ、
実感のこもった画面になっています。
「をくり(小栗判官絵巻)」 伝岩佐又兵衛 15巻のうち 江戸時代 17世紀


小栗判官(おぐりはんがん)と照手姫の伝説を描いた絵巻物です。
横山大膳に毒を盛られ地獄に堕ちた小栗判官を裁いた閻魔大王は判官を
此の世に戻すことに決めます。
気のいい閻魔様で、藤沢の遊行上人に言付ける手紙を書いています。
醜い餓鬼阿弥の姿になって地上に戻った判官は車に乗せられ、人びとの善意により
熊野まで運ばれ、温泉に浸かって元の体に戻り、照手姫と結婚することが出来ます。
判官の許婚、照手姫が巫女の姿をして、餓鬼阿弥を判官と知らずに車を押しています。


岩佐又兵衛とその工房の作と思われ、人物は岩佐又兵衛風の頬の豊かな
長い顔をしています。
小栗判官の伝説は藤沢の時宗遊行寺の僧たちが布教のため説き広めたそうです。
「酒伝童子絵巻」 5巻のうち 江戸時代 17世紀


酒呑童子(酒伝童子)の伝説を描いた絵巻物です。
源頼光と家来たちが寝入った酒呑童子に斬りかかり、刎ねられた酒呑童子の首が
源頼光の兜に喰らい付いています。
構図はサントリー美術館所蔵の「酒伝童子絵巻」(狩野元信 大永2年(1522))と
よく似ています。
つくりも豪華で、大名などの注文で描かれたものらしいとのことです。
「酒伝童子絵巻」が展示されていた、2012年にサントリー美術館で開かれた、
「お伽草子 この国は物語にあふれている」展の記事です。
「彦火々出見尊絵巻」6巻のうち 江戸時代 17世紀


海幸彦山幸彦の伝説を描いています。
彦火々出見尊が竜王宮で歓待されている場面です。
若狭国松永庄の新八幡宮に伝わった摸本で、元は11世紀に後白河法皇の命で
制作された絵巻と考えられています。
原本は若狭の領主だった酒井忠勝より徳川家光に献上され、その後行方不明に
なっています。
「若蘭絵巻」 1巻 伝仇英 明時代 16世紀


中国4世紀の蘇蕙(若蘭)が、任地へ赴いた夫への思慕の情を詠った840字の回文
(順に読んでも逆に読んでも意味の通る文)の詩を錦に織って贈ったという故事を
描いています。
庭で糸を作り、屋内では機を織っています。
仇英は明時代の宮廷画家で、大倉集古館所蔵の「清明上河図」も仇英の作とされています。
「清明上河図」が展示されていた、2013年に大倉集古館で開かれた、「描かれた都
開封 杭州 京都 江戸」展の記事です。
「住吉物語」(室町時代 16世紀)は8月1日からの展示です。
点数は少ないですが、貴重な作品揃いで、とても面白い展覧会です。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は、「光と影のあいだ―モダンエイジの美術」(仮称)です。
会期は9月12日(土)~12月6日(日)の予定です。