東京
丸の内の三菱一号館美術館で11月9日に開かれた、青い日記帳×「パリ♥グラフィック
― ロートレックとアートになった版画・ポスター展」ブロガー特別内覧会に行ってきました。
展覧会の会期は2018年1月8日(月)までです。

「弐代目・青い日記帳」主催のTakさん(右)がモデレーターで、
野口玲一学芸員(左)の解説を伺いました。

会場の写真は特別の許可を得て撮影しています。
また、一部の展示室は撮影可能です。
アムステルダムのファン・ゴッホ美術館との共催で、19世紀末の印刷技術の発達に伴い
盛んになったパリのポスターや版画芸術を紹介する展覧会で、両館の保有する約170点が
展示されています。
リトグラフ(石版画)の発明により、描いた筆の勢いまで再現し、多色刷り、大量生産まで
可能になったことで、版画は大きく発展します。
特にロートレックはポスターの制作で版画の芸術的価値を大きく高めたことで知られており、
展覧会でも三菱一号館美術館の所蔵するロートレックのポスターや版画が多数、
展示されています。
右:テオフィル・アレクサンドル・スタンラン 「シャ・ノワール巡業公演のためのポスター」
1896年 多色刷りリトグラフ ファン・ゴッホ美術館
左:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」
1891年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館

テオフィル・アレクサンドル・スタンラン(1859-1923)は画家、版画家で、特に猫を
題材にした作品で有名です。
キャバレー「シャ・ノワール(黒猫)」のポスターで、この猫はスフィンクスのように
堂々としています。
左はキャバレー「ムーラン・ルージュ」のポスターで、売れっ子ダンサーのラ・グーリュが
大胆なポーズで踊っています。
ロートレックの描いた最初のポスターで、この絵でロートレックは一躍有名になっています。
縦193.8cmの大きな作品で、版を3つ並べてつなぎ合わせてあります。
ポスターとして使われる時は、下の方にその時のイベントが印刷されますが、この絵は
それ以前の段階で、大変貴重な物とのことです。
右:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「アリスティド・ブリュアン、彼のキャバレー にて」
1893年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館
中:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「エルドラド、アリスティド・ブリュアン」
1892年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館
左:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「コーデュー」
1893年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館

アリスティド・ブリュアンは歌手で、コーデューは喜劇役者です。
アリスティド・ブリュアンは赤いマフラーがトレードマークで、毒舌が売り物だったとのことで、
毒舌が受けるというところに都市文化の成熟を感じます。
この展示室にはアリスティド・ブリュアンやイヴェット・ギルベールの歌声が流れていて、
室内はベル・エポックのパリ気分でした。
二人の歌はYouTubeでも聴くことが出来ます。
版画の大衆化の一方で、版画の芸術性が追求され、豪華な版画集や一点ものの作品が
制作され、富裕な知識階層のコレクターに愛好されるようになったそうです。
大衆化とは逆行する動きが現れるというのも興味深いところです。
右:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 『「レスタンプ・オリジナル」第1年次の表紙』
1893年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館
左:カミーユ・マルタン 『「レスタンプ・オリジナル」第2年次の表紙』
1894年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館

第1年次の表紙は、摺り師のコテル爺さんと、仕上がりを調べているダンサーの
ジャヌ・アブリルです。
浮世絵版画と同様、リトグラフも摺り師の腕は重要です。
第2年次の表紙は、feuille(葉)が紙の枚数の単位でもあるので、枯葉が印刷機に
舞い落ちて、印刷された紙となる様を表しています。
「レスタンプ・オリジナル」はアンドレ・マルティが企画し、1893年から95年に
掛けて出版された創作版画集で、毎号10点、100部限定の季刊です。
シャヴァンヌ、ピサロ、ゴーガン、ファンタン=ラトゥール、ルドンなどの作品が
収められています。
右:テオフィル・アレクサンドル・スタンラン 「ボディニエール画廊にて」
1894年 多色刷りリトグラフ ファン・ゴッホ美術館
左:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「ラルティザン・モデルヌ」
1896年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館

右は展覧会の告知文が加えられる前の刷りで、猫の絵の巧みさからこのまま
室内装飾品になっています。
左は室内装飾の店、「ラルティザン・モデルヌ(現代の職人)」のためのポスターで、
女性の患者の許を医者が訪れるという、いわくありげなテーマを、ハンマーと
道具箱を持ってやって来る職人に替えています。
歯医者の診察台に座っていて、ハンマーとドリルを持った大工に来られたら、
さぞ驚くことでしょう。
右:エドゥアール・ヴュイヤール 『街路「風景と室内」より』
1899年 多色刷りリトグラフ ファン・ゴッホ美術館
左:エドゥアール・ヴュイヤール 『吊りランプのある室内「風景と室内」より』
1899年 多色刷りリトグラフ ファン・ゴッホ美術館

エドゥアール・ヴュイヤール(1868-1940)は室内の情景を好んで描き、
自らアンティミスト(親密派)と名乗っていて、作品にも品の良さが
表れています。
右:モーリス・ドニ 『アムール(愛)』表紙』
1898年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館
左:モーリス・ドニ 『「アムール(愛)」表紙のための下絵』
1898年頃 鉛筆、透明水彩 ファン・ゴッホ美術館

「アムール(愛)」はモーリス・ドニが妻のマルトとの婚約中に書いた詩的な日記からの
想を得た連作です。
アンリ・リヴィエール 『「星への歩み」のポストカード』
1899年 多色刷りリトグラフ、アイリスプリント(ジークレー) ファン・ゴッホ美術館

「シャ・ノワール」で上演された、影絵劇「星への歩み」の各場面を刷ったポストカードです。
アンリ・リヴィエール(1864―1951)は葛飾北斎の「冨嶽三十六景」に倣ったリトグラフ集、
「エッフェル塔三十六景」も制作しています。
今年、パルコミュージアムでは「世界が絶賛した浮世絵師北斎展~冨嶽三十六景・
エッフェル塔三十六景の共演~」が開かれていました。
「世界が絶賛した浮世絵師北斎展」の記事です。
フェリックス・ヴァロットン 「アンティミテ」連作 1898年 木版 三菱一号館美術館
フェリックス・ヴァロットン(1865-1925)のシニカルな黒白の木版画も多数あります。
2014年に同じ三菱一号館美術館で開かれた、「ヴァロットン展」の記事です。
ファン・ゴッホ美術館の所蔵する、ゴッホが収集した浮世絵も展示されています。
浮世絵版画はロートレックたちにも大きな影響を与えています。

ジャヌ・アヴリルやコーデューとのツーショットを撮れる場所もあります。


展覧会のHPです。
次回の展覧会は「ルドン−秘密の花園」展です。
会期は2018年2月8日(木)から5月20日(日)までです。

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丸の内の三菱一号館美術館で11月9日に開かれた、青い日記帳×「パリ♥グラフィック
― ロートレックとアートになった版画・ポスター展」ブロガー特別内覧会に行ってきました。
展覧会の会期は2018年1月8日(月)までです。

「弐代目・青い日記帳」主催のTakさん(右)がモデレーターで、
野口玲一学芸員(左)の解説を伺いました。

会場の写真は特別の許可を得て撮影しています。
また、一部の展示室は撮影可能です。
アムステルダムのファン・ゴッホ美術館との共催で、19世紀末の印刷技術の発達に伴い
盛んになったパリのポスターや版画芸術を紹介する展覧会で、両館の保有する約170点が
展示されています。
リトグラフ(石版画)の発明により、描いた筆の勢いまで再現し、多色刷り、大量生産まで
可能になったことで、版画は大きく発展します。
特にロートレックはポスターの制作で版画の芸術的価値を大きく高めたことで知られており、
展覧会でも三菱一号館美術館の所蔵するロートレックのポスターや版画が多数、
展示されています。
右:テオフィル・アレクサンドル・スタンラン 「シャ・ノワール巡業公演のためのポスター」
1896年 多色刷りリトグラフ ファン・ゴッホ美術館
左:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「ムーラン・ルージュ、ラ・グーリュ」
1891年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館

テオフィル・アレクサンドル・スタンラン(1859-1923)は画家、版画家で、特に猫を
題材にした作品で有名です。
キャバレー「シャ・ノワール(黒猫)」のポスターで、この猫はスフィンクスのように
堂々としています。
左はキャバレー「ムーラン・ルージュ」のポスターで、売れっ子ダンサーのラ・グーリュが
大胆なポーズで踊っています。
ロートレックの描いた最初のポスターで、この絵でロートレックは一躍有名になっています。
縦193.8cmの大きな作品で、版を3つ並べてつなぎ合わせてあります。
ポスターとして使われる時は、下の方にその時のイベントが印刷されますが、この絵は
それ以前の段階で、大変貴重な物とのことです。
右:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「アリスティド・ブリュアン、彼のキャバレー にて」
1893年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館
中:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「エルドラド、アリスティド・ブリュアン」
1892年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館
左:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「コーデュー」
1893年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館

アリスティド・ブリュアンは歌手で、コーデューは喜劇役者です。
アリスティド・ブリュアンは赤いマフラーがトレードマークで、毒舌が売り物だったとのことで、
毒舌が受けるというところに都市文化の成熟を感じます。
この展示室にはアリスティド・ブリュアンやイヴェット・ギルベールの歌声が流れていて、
室内はベル・エポックのパリ気分でした。
二人の歌はYouTubeでも聴くことが出来ます。
版画の大衆化の一方で、版画の芸術性が追求され、豪華な版画集や一点ものの作品が
制作され、富裕な知識階層のコレクターに愛好されるようになったそうです。
大衆化とは逆行する動きが現れるというのも興味深いところです。
右:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 『「レスタンプ・オリジナル」第1年次の表紙』
1893年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館
左:カミーユ・マルタン 『「レスタンプ・オリジナル」第2年次の表紙』
1894年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館

第1年次の表紙は、摺り師のコテル爺さんと、仕上がりを調べているダンサーの
ジャヌ・アブリルです。
浮世絵版画と同様、リトグラフも摺り師の腕は重要です。
第2年次の表紙は、feuille(葉)が紙の枚数の単位でもあるので、枯葉が印刷機に
舞い落ちて、印刷された紙となる様を表しています。
「レスタンプ・オリジナル」はアンドレ・マルティが企画し、1893年から95年に
掛けて出版された創作版画集で、毎号10点、100部限定の季刊です。
シャヴァンヌ、ピサロ、ゴーガン、ファンタン=ラトゥール、ルドンなどの作品が
収められています。
右:テオフィル・アレクサンドル・スタンラン 「ボディニエール画廊にて」
1894年 多色刷りリトグラフ ファン・ゴッホ美術館
左:アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「ラルティザン・モデルヌ」
1896年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館

右は展覧会の告知文が加えられる前の刷りで、猫の絵の巧みさからこのまま
室内装飾品になっています。
左は室内装飾の店、「ラルティザン・モデルヌ(現代の職人)」のためのポスターで、
女性の患者の許を医者が訪れるという、いわくありげなテーマを、ハンマーと
道具箱を持ってやって来る職人に替えています。
歯医者の診察台に座っていて、ハンマーとドリルを持った大工に来られたら、
さぞ驚くことでしょう。
右:エドゥアール・ヴュイヤール 『街路「風景と室内」より』
1899年 多色刷りリトグラフ ファン・ゴッホ美術館
左:エドゥアール・ヴュイヤール 『吊りランプのある室内「風景と室内」より』
1899年 多色刷りリトグラフ ファン・ゴッホ美術館

エドゥアール・ヴュイヤール(1868-1940)は室内の情景を好んで描き、
自らアンティミスト(親密派)と名乗っていて、作品にも品の良さが
表れています。
右:モーリス・ドニ 『アムール(愛)』表紙』
1898年 多色刷りリトグラフ 三菱一号館美術館
左:モーリス・ドニ 『「アムール(愛)」表紙のための下絵』
1898年頃 鉛筆、透明水彩 ファン・ゴッホ美術館

「アムール(愛)」はモーリス・ドニが妻のマルトとの婚約中に書いた詩的な日記からの
想を得た連作です。
アンリ・リヴィエール 『「星への歩み」のポストカード』
1899年 多色刷りリトグラフ、アイリスプリント(ジークレー) ファン・ゴッホ美術館

「シャ・ノワール」で上演された、影絵劇「星への歩み」の各場面を刷ったポストカードです。
アンリ・リヴィエール(1864―1951)は葛飾北斎の「冨嶽三十六景」に倣ったリトグラフ集、
「エッフェル塔三十六景」も制作しています。
今年、パルコミュージアムでは「世界が絶賛した浮世絵師北斎展~冨嶽三十六景・
エッフェル塔三十六景の共演~」が開かれていました。
「世界が絶賛した浮世絵師北斎展」の記事です。
フェリックス・ヴァロットン 「アンティミテ」連作 1898年 木版 三菱一号館美術館
フェリックス・ヴァロットン(1865-1925)のシニカルな黒白の木版画も多数あります。
2014年に同じ三菱一号館美術館で開かれた、「ヴァロットン展」の記事です。
ファン・ゴッホ美術館の所蔵する、ゴッホが収集した浮世絵も展示されています。
浮世絵版画はロートレックたちにも大きな影響を与えています。

ジャヌ・アヴリルやコーデューとのツーショットを撮れる場所もあります。


展覧会のHPです。
次回の展覧会は「ルドン−秘密の花園」展です。
会期は2018年2月8日(木)から5月20日(日)までです。

恵比寿
恵比寿駅から「パパスカフェ広尾店」に行きました。
場所は渋谷区広尾2-1-17です。

山種美術館の近くにあり、アパレルの会社パパス(PAPAS)の運営するお店です。
30席ほどの店内は全席禁煙、フランス風のクラシックな雰囲気です。


トーストセット800円です。
この日はマーマレードにしましたが、他のジャムや蜂蜜も選べます。
コーヒーか紅茶が付きます。

トーストサンドイッチセット1000円はチキンにしました。
種類はチキン、タマゴ、チーズ、ハム、ツナ、ポテト、野菜があります。

プラス200円でコーヒーをカプチーノに替えました。

どちらのメニューも美味しく、ボリュームもかなりあります。
山種美術館に行ったときに時々寄るお店です。
以前、「パパスカフェ広尾店」に行った時の記事です。
山種美術館では、特別展、没後60年記念 「川合玉堂-四季・人々・自然-」が
12月24日(日)まで開かれているところです。

山種美術館のHPです。
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恵比寿駅から「パパスカフェ広尾店」に行きました。
場所は渋谷区広尾2-1-17です。

山種美術館の近くにあり、アパレルの会社パパス(PAPAS)の運営するお店です。
30席ほどの店内は全席禁煙、フランス風のクラシックな雰囲気です。


トーストセット800円です。
この日はマーマレードにしましたが、他のジャムや蜂蜜も選べます。
コーヒーか紅茶が付きます。

トーストサンドイッチセット1000円はチキンにしました。
種類はチキン、タマゴ、チーズ、ハム、ツナ、ポテト、野菜があります。

プラス200円でコーヒーをカプチーノに替えました。

どちらのメニューも美味しく、ボリュームもかなりあります。
山種美術館に行ったときに時々寄るお店です。
以前、「パパスカフェ広尾店」に行った時の記事です。
山種美術館では、特別展、没後60年記念 「川合玉堂-四季・人々・自然-」が
12月24日(日)まで開かれているところです。

山種美術館のHPです。
神谷町
虎ノ門の菊池寛実記念智美術館では「八木一夫と清水九兵衞 陶芸と彫刻の
あいだで」展が開かれています。
会期は12月3日(日)までで、会期中、一部展示替えがあります。

ともに京都東山の五条坂で戦後の復興期に新しい陶芸に挑戦した、八木一夫
(1918-1979)と清水九兵衞(1922-2006)の展覧会です。
八木一夫は陶芸家、八木一艸の子で、1948年に鈴木治、山田光らと走泥社を結成し、
オブジェ焼と呼ばれる、用途を持たない陶磁器に取組んでいます。
八木一夫 「ザムザ氏の散歩」 1954年 個人蔵

代表作で、ロクロ成形の輪と円筒で、虫のようなオブジェを作っています。
ザムザ氏とはカフカの小説、「変身」の主人公、グレゴール・ザムザのことです。
虫に変身したザムザはとても散歩などする気分では無かったはずで、ユーモラスな
題名の付け方です。
八木一夫 「踊り」 1962年 京都国立近代美術館

黒陶による作品で、瓦や土製のコタツをヒントにしています。
八木一夫は1957年頃から黒陶を手掛けたそうで、どれもつやつやとして
存在感があります。
八木一夫 「頁1」 1971年 現代陶芸美術館

陶製で、本の形を模しています。
どの作品も従来の陶磁器の概念を越えた、独創的な形をしていて、
陶による彫刻になっています。
清水九兵衞は名古屋出身で、東京藝術大学美術学部鋳金科に入学し、
在学中に六代清水六兵衞の養子となり、陶芸を始めています。
その後、1967年には陶芸を止めて抽象彫刻に進みますが、1981年に
七代清水六兵衞を襲名して、陶芸を再開し、彫刻も引き続き行なっています。
清水九兵衞 「花器」 1955年 東京国立近代美術館

花器とありますが、器というよりオブジェになっています。
清水九兵衞 「層容」 1957年 東京国立近代美術館

四角い枠のような形がどっしり重なり、金彩が渋く光っています。
清水九兵衞 「花陶容」 1987年 京都市美術館

金属のような風合いの花器ですが、陶器です。
他にアルミニウムなどのオブジェも何点か展示されています。
二人が戦後に開拓した、彫刻のような新しい陶芸の広がりと面白さを味わえる展覧会です。
次回の展覧会は生誕150年記念特別展、「木島櫻谷 Part1 近代動物画の冒険」です。
会期は2018年2月24日(土)から4月8日(日)までです。
展覧会のHPです。
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虎ノ門の菊池寛実記念智美術館では「八木一夫と清水九兵衞 陶芸と彫刻の
あいだで」展が開かれています。
会期は12月3日(日)までで、会期中、一部展示替えがあります。

ともに京都東山の五条坂で戦後の復興期に新しい陶芸に挑戦した、八木一夫
(1918-1979)と清水九兵衞(1922-2006)の展覧会です。
八木一夫は陶芸家、八木一艸の子で、1948年に鈴木治、山田光らと走泥社を結成し、
オブジェ焼と呼ばれる、用途を持たない陶磁器に取組んでいます。
八木一夫 「ザムザ氏の散歩」 1954年 個人蔵

代表作で、ロクロ成形の輪と円筒で、虫のようなオブジェを作っています。
ザムザ氏とはカフカの小説、「変身」の主人公、グレゴール・ザムザのことです。
虫に変身したザムザはとても散歩などする気分では無かったはずで、ユーモラスな
題名の付け方です。
八木一夫 「踊り」 1962年 京都国立近代美術館

黒陶による作品で、瓦や土製のコタツをヒントにしています。
八木一夫は1957年頃から黒陶を手掛けたそうで、どれもつやつやとして
存在感があります。
八木一夫 「頁1」 1971年 現代陶芸美術館

陶製で、本の形を模しています。
どの作品も従来の陶磁器の概念を越えた、独創的な形をしていて、
陶による彫刻になっています。
清水九兵衞は名古屋出身で、東京藝術大学美術学部鋳金科に入学し、
在学中に六代清水六兵衞の養子となり、陶芸を始めています。
その後、1967年には陶芸を止めて抽象彫刻に進みますが、1981年に
七代清水六兵衞を襲名して、陶芸を再開し、彫刻も引き続き行なっています。
清水九兵衞 「花器」 1955年 東京国立近代美術館

花器とありますが、器というよりオブジェになっています。
清水九兵衞 「層容」 1957年 東京国立近代美術館

四角い枠のような形がどっしり重なり、金彩が渋く光っています。
清水九兵衞 「花陶容」 1987年 京都市美術館

金属のような風合いの花器ですが、陶器です。
他にアルミニウムなどのオブジェも何点か展示されています。
二人が戦後に開拓した、彫刻のような新しい陶芸の広がりと面白さを味わえる展覧会です。
次回の展覧会は生誕150年記念特別展、「木島櫻谷 Part1 近代動物画の冒険」です。
会期は2018年2月24日(土)から4月8日(日)までです。
展覧会のHPです。
池袋
「トシ スタイル(TOSHI STYLE)池袋東武店」は池袋東武11階の
ダイニングシティにあります。


パティシエの鎧塚俊彦さんのプロデュースするお店で、約40席の店内は全席禁煙、
オープンスペースにあって、通路の賑わいと一体になっています。
ランチのキッシュプレート1280円は大きなベーコンとエッグベネディクトが
載っていて、レインボーサラダにスープが付きます。

見た目も華やかです。
プラス200円でコーヒーが付きます。

スイーツキッシュプレートのクレームブリュレ1280円はコーヒーが付いています。

これらに消費税が付きます。
どちらも美味しかったので、メニューにあるオニオングラタンスープも
いつか試してみたいと思います。
chariot
「トシ スタイル(TOSHI STYLE)池袋東武店」は池袋東武11階の
ダイニングシティにあります。


パティシエの鎧塚俊彦さんのプロデュースするお店で、約40席の店内は全席禁煙、
オープンスペースにあって、通路の賑わいと一体になっています。
ランチのキッシュプレート1280円は大きなベーコンとエッグベネディクトが
載っていて、レインボーサラダにスープが付きます。

見た目も華やかです。
プラス200円でコーヒーが付きます。

スイーツキッシュプレートのクレームブリュレ1280円はコーヒーが付いています。

これらに消費税が付きます。
どちらも美味しかったので、メニューにあるオニオングラタンスープも
いつか試してみたいと思います。
京橋
京橋のLIXIL:GINZA2階のLIXILギャラリーでは11月25日(土)まで、
「超絶記録!西山夘三のすまい採集帖」展が開かれています。
場所は中央区京橋3-6-18で、水曜日は休館日です。

建築学者、西山夘三(1911-1994)は長年、日本のすまいと住み方をを研究し、
公団住宅などのDKモデルの生みの親とされています。
西山は膨大なスケッチや写真などの資料を残していて、展覧会では約90点が
展示されています。

西山は少年時代、漫画家を志したほどで、巧みなスケッチを描いています。
漫画 「猫と魚」

1928年の漫画で、猫は「のらくろ」に似ていますが、「のらくろ」の連載開始は1931年です。
日記帳

1923年の中学生時代から生涯、日記を書き続けています。
手帳に、読めないほどの細かい字でびっしりと書いてあります。
スケッチブック

調査や旅行の際に持ち歩いて、興味のあるものを描き留めています。
「大阪府立豊中中学生徒第一回生活様式調査」の原票

1936年に各家庭の部屋の使用状況などを調査しています。
この家はかなりの豪邸で、住込使用人2人おり、蔵や茶室、女中室があります。
「中部3都市住み方調査」の集計表

さまざまな職業別の住み方の集計表です。
「日本のすまい」 全3巻 西山夘三著 1975/80年

住居のタイプのスケッチです。
京の町家

大阪の長家

同潤会アパート

同潤会アパートは関東大震災後に同潤会によって建設された、鉄筋コンクリート造の
近代的な集合住宅です。
兵営

西山には徴兵による兵役の経験があります。
バス住宅

終戦直後の住宅難で、バスの廃車を改造して住宅にしています。
ドヤ

日雇い労働者の簡易宿泊所です。
公団アパート

日本住宅公団は1955年に設立され、勤労者に住宅や宅地を供給していました。
建売住宅

自分たちのすまいも記録に残しています。
1941年 京都から東京の同潤会代官山アパートへ引越して来た頃

1960年 7人家族での生活

見ていて面白いスケッチで、それぞれのすまいでの生活の様子が伝わってくる
興味深い展覧会です。
展覧会のHPです。
chariot
京橋のLIXIL:GINZA2階のLIXILギャラリーでは11月25日(土)まで、
「超絶記録!西山夘三のすまい採集帖」展が開かれています。
場所は中央区京橋3-6-18で、水曜日は休館日です。

建築学者、西山夘三(1911-1994)は長年、日本のすまいと住み方をを研究し、
公団住宅などのDKモデルの生みの親とされています。
西山は膨大なスケッチや写真などの資料を残していて、展覧会では約90点が
展示されています。

西山は少年時代、漫画家を志したほどで、巧みなスケッチを描いています。
漫画 「猫と魚」

1928年の漫画で、猫は「のらくろ」に似ていますが、「のらくろ」の連載開始は1931年です。
日記帳

1923年の中学生時代から生涯、日記を書き続けています。
手帳に、読めないほどの細かい字でびっしりと書いてあります。
スケッチブック

調査や旅行の際に持ち歩いて、興味のあるものを描き留めています。
「大阪府立豊中中学生徒第一回生活様式調査」の原票

1936年に各家庭の部屋の使用状況などを調査しています。
この家はかなりの豪邸で、住込使用人2人おり、蔵や茶室、女中室があります。
「中部3都市住み方調査」の集計表

さまざまな職業別の住み方の集計表です。
「日本のすまい」 全3巻 西山夘三著 1975/80年

住居のタイプのスケッチです。
京の町家

大阪の長家

同潤会アパート

同潤会アパートは関東大震災後に同潤会によって建設された、鉄筋コンクリート造の
近代的な集合住宅です。
兵営

西山には徴兵による兵役の経験があります。
バス住宅

終戦直後の住宅難で、バスの廃車を改造して住宅にしています。
ドヤ

日雇い労働者の簡易宿泊所です。
公団アパート

日本住宅公団は1955年に設立され、勤労者に住宅や宅地を供給していました。
建売住宅

自分たちのすまいも記録に残しています。
1941年 京都から東京の同潤会代官山アパートへ引越して来た頃

1960年 7人家族での生活

見ていて面白いスケッチで、それぞれのすまいでの生活の様子が伝わってくる
興味深い展覧会です。
展覧会のHPです。
上野
上野の東京藝術大学大学美術館では東京藝術大学創立130周年記念特別展、
「皇室の彩(いろどり) 百年前の文化プロジェクト」が開かれています。
会期は11月26日(日)までです。

今から約100年前、大正から昭和初期にかけて、皇太子(昭和天皇)御成婚など、
皇室の慶事に献上された美術工芸品が展示されています。
ほとんどが宮内庁三の丸尚蔵館の所蔵です。
「御飾棚 鳳凰菊文様蒔絵」 昭和3年(1928) 蒔絵、螺鈿

部分

皇太子(昭和天皇)御成婚を祝して文武官一同により献上された一対の飾棚で、
高蒔絵によって昭和天皇には鳳凰、香淳皇后には鶴の文様があしらわれ、
鳳凰の蒔絵は縁を角立て、鶴は丸みを持たせて、雰囲気を変えてあるそうです。
島田佳矣(しまだよしなり)東京美術学校図案科教授の指揮の下で制作され、
棚に置かれる陶磁器や金属工芸などの品々を加えると、全体で135人が参加しています。
置かれる品々は、高村光雲の木彫、大島如雲の彫金、安藤重兵衛の七宝、
板谷波山の磁器、六角紫水の蒔絵などで、当時の日本工芸の力を結集しています。
「現代風俗絵巻」のうち、第5図、遠藤教三「百貨店」 昭和3年(1928)

部分

御成婚を祝して、文武官一同より献上された絵巻物で、
松岡映丘を中心とする新興大和絵の12名の画家による合作です。
第1図の松岡映丘「宮城」に始まり、第2図は服部有恒の「演習」、第3図は
狩野光雅の「村の学校」、第4図は岩田正巳の「収穫」です。
遠藤教三(1897-1970)は東京美術学校を卒業し、松岡映丘らの結成した
新興大和絵会に参加しています。
大正時代には「今日は帝劇、明日は三越」という宣伝文句が流行り、
百貨店は都市生活の象徴でした。
女性はほとんど着物姿で、下駄や草履の売場も見えます。
「瑞彩」のうち「雛祭」 上村松園 大正13年(1924) 絹本着色

市松模様の着物に桜を散らした帯の女性が犬筥を飾ろうとしているところです。
「瑞彩」は御成婚を祝して東京府より献上された3冊仕立ての画帖で、73名の画家の
作品が納められています。
展示されている部分では、富岡鉄斎、川合玉堂、横山大観、竹内栖鳳、土田麦僊、
上村松園、安田靫彦、松岡映丘、小堀鞆音、小林古径、吉川霊華、下村観山が
並んでいて、横山大観は富士山、土田麦僊は大原女を描いています。
東京府は1943年に東京都になっています。
「奉祝御成婚花電車絵図」 島田佳矣ほか 大正13年(1924) 絹本着色

御成婚を祝して、東京市が花電車のデザインを東京美術学校に依嘱し、
島田佳矣が20点を考案し、そのうち10点が採用され、高島屋が製作して、
16日間運行されています。
東京市は現在の東京23区に相当し、1943年に東京都になっています。
皇室に献上される美術工芸品については、東京美術学校の第5代校長、正木直彦
((1862-1940)が指揮を取り、最高峰の作品を制作することに尽力したとのことで、
正木直彦の事績を紹介する展示もあります。
「松樹鷹置物」 高村光雲 大正13年(1924) 木彫

皇太子ご成婚に際し、大正天皇、貞明皇后より拝領の品で、東宮御所玄関の
置物として制作されています。
うねるように上に向かう松の幹に翼を広げ、下に飛び立とうとする鷹が合わさって、
迫力に満ちた場面をつくっています。
「住吉詣」 松岡映丘 大正2年(1913) 絹本着色

部分

部分

源氏物語の「澪標」の巻で、行列を整えて住吉詣をする光源氏の一行と、
それを舟から眺めやる明石の君です。
大和絵でよく描かれる画題で、人物の中には法然上人絵伝に描かれて
いたような人物もいて、絵巻物などをよく研究していることが分かります。
30歳前半の作で、第7回文展に出品され、宮内省買上げとなっています。
「三熊野の那智の御山」 山口蓬春 大正15年(1926) 絹本着色

熊野灘に始まり、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、那智の滝、
峰に沈む月が描かれています。
山口蓬春(1893-1971)の東京美術学校卒業間もない頃の作で、「古名画が
目の前にちらついて本当に弱りました」と述べています。
古名画とは根津美術館所蔵の国宝、「那智瀧図」のことでしょう。
第7回帝展に出品され、特選となり、宮内省買上げとなっています。
「那智瀧図」の展示された、2013年に根津美術館で開かれた、「新春の国宝 那智瀧図
仏教説話画の名品とともに」の記事です。
「日出処日本」 横山大観 昭和15年(1940) 紙本着色

横4mほどの大作で、皇紀二千六百年奉祝展覧会出品後に、昭和天皇に
献上されています。
横山大観はよく皇室に富士山の絵を献上していましたが、翌年、太平洋戦争が始まり、
以後、献上されることは無くなります。
皇室への献上品は三の丸尚蔵館で一部が時々展示されますが、今回のように
まとまって観る機会は滅多にありません。
大正から昭和初期にかけての美術工芸の最高レベルの作品に接することの出来る、
貴重な展覧会です。
展覧会のHPです。
東京藝術大学大学美術館で、2018年3月31日(土)から5月6日(日)まで開かれる
「東西美人画の名作 《序の舞》への系譜」では、修復の終わった上村松園の
「序の舞」が5年振りに公開されます。

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上野の東京藝術大学大学美術館では東京藝術大学創立130周年記念特別展、
「皇室の彩(いろどり) 百年前の文化プロジェクト」が開かれています。
会期は11月26日(日)までです。

今から約100年前、大正から昭和初期にかけて、皇太子(昭和天皇)御成婚など、
皇室の慶事に献上された美術工芸品が展示されています。
ほとんどが宮内庁三の丸尚蔵館の所蔵です。
「御飾棚 鳳凰菊文様蒔絵」 昭和3年(1928) 蒔絵、螺鈿

部分

皇太子(昭和天皇)御成婚を祝して文武官一同により献上された一対の飾棚で、
高蒔絵によって昭和天皇には鳳凰、香淳皇后には鶴の文様があしらわれ、
鳳凰の蒔絵は縁を角立て、鶴は丸みを持たせて、雰囲気を変えてあるそうです。
島田佳矣(しまだよしなり)東京美術学校図案科教授の指揮の下で制作され、
棚に置かれる陶磁器や金属工芸などの品々を加えると、全体で135人が参加しています。
置かれる品々は、高村光雲の木彫、大島如雲の彫金、安藤重兵衛の七宝、
板谷波山の磁器、六角紫水の蒔絵などで、当時の日本工芸の力を結集しています。
「現代風俗絵巻」のうち、第5図、遠藤教三「百貨店」 昭和3年(1928)

部分

御成婚を祝して、文武官一同より献上された絵巻物で、
松岡映丘を中心とする新興大和絵の12名の画家による合作です。
第1図の松岡映丘「宮城」に始まり、第2図は服部有恒の「演習」、第3図は
狩野光雅の「村の学校」、第4図は岩田正巳の「収穫」です。
遠藤教三(1897-1970)は東京美術学校を卒業し、松岡映丘らの結成した
新興大和絵会に参加しています。
大正時代には「今日は帝劇、明日は三越」という宣伝文句が流行り、
百貨店は都市生活の象徴でした。
女性はほとんど着物姿で、下駄や草履の売場も見えます。
「瑞彩」のうち「雛祭」 上村松園 大正13年(1924) 絹本着色

市松模様の着物に桜を散らした帯の女性が犬筥を飾ろうとしているところです。
「瑞彩」は御成婚を祝して東京府より献上された3冊仕立ての画帖で、73名の画家の
作品が納められています。
展示されている部分では、富岡鉄斎、川合玉堂、横山大観、竹内栖鳳、土田麦僊、
上村松園、安田靫彦、松岡映丘、小堀鞆音、小林古径、吉川霊華、下村観山が
並んでいて、横山大観は富士山、土田麦僊は大原女を描いています。
東京府は1943年に東京都になっています。
「奉祝御成婚花電車絵図」 島田佳矣ほか 大正13年(1924) 絹本着色

御成婚を祝して、東京市が花電車のデザインを東京美術学校に依嘱し、
島田佳矣が20点を考案し、そのうち10点が採用され、高島屋が製作して、
16日間運行されています。
東京市は現在の東京23区に相当し、1943年に東京都になっています。
皇室に献上される美術工芸品については、東京美術学校の第5代校長、正木直彦
((1862-1940)が指揮を取り、最高峰の作品を制作することに尽力したとのことで、
正木直彦の事績を紹介する展示もあります。
「松樹鷹置物」 高村光雲 大正13年(1924) 木彫

皇太子ご成婚に際し、大正天皇、貞明皇后より拝領の品で、東宮御所玄関の
置物として制作されています。
うねるように上に向かう松の幹に翼を広げ、下に飛び立とうとする鷹が合わさって、
迫力に満ちた場面をつくっています。
「住吉詣」 松岡映丘 大正2年(1913) 絹本着色

部分

部分

源氏物語の「澪標」の巻で、行列を整えて住吉詣をする光源氏の一行と、
それを舟から眺めやる明石の君です。
大和絵でよく描かれる画題で、人物の中には法然上人絵伝に描かれて
いたような人物もいて、絵巻物などをよく研究していることが分かります。
30歳前半の作で、第7回文展に出品され、宮内省買上げとなっています。
「三熊野の那智の御山」 山口蓬春 大正15年(1926) 絹本着色

熊野灘に始まり、熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社、那智の滝、
峰に沈む月が描かれています。
山口蓬春(1893-1971)の東京美術学校卒業間もない頃の作で、「古名画が
目の前にちらついて本当に弱りました」と述べています。
古名画とは根津美術館所蔵の国宝、「那智瀧図」のことでしょう。
第7回帝展に出品され、特選となり、宮内省買上げとなっています。
「那智瀧図」の展示された、2013年に根津美術館で開かれた、「新春の国宝 那智瀧図
仏教説話画の名品とともに」の記事です。
「日出処日本」 横山大観 昭和15年(1940) 紙本着色

横4mほどの大作で、皇紀二千六百年奉祝展覧会出品後に、昭和天皇に
献上されています。
横山大観はよく皇室に富士山の絵を献上していましたが、翌年、太平洋戦争が始まり、
以後、献上されることは無くなります。
皇室への献上品は三の丸尚蔵館で一部が時々展示されますが、今回のように
まとまって観る機会は滅多にありません。
大正から昭和初期にかけての美術工芸の最高レベルの作品に接することの出来る、
貴重な展覧会です。
展覧会のHPです。
東京藝術大学大学美術館で、2018年3月31日(土)から5月6日(日)まで開かれる
「東西美人画の名作 《序の舞》への系譜」では、修復の終わった上村松園の
「序の舞」が5年振りに公開されます。

九段下・市ヶ谷
「チリパーラー9」は靖国神社南門向かいの靖国通り沿いにあります。
場所は千代田区九段南3-7-12です。
「9」は九段の意味でしょうか。
向こうに靖国神社の塀が見えます。

豆料理のお店で、カウンター席を含めて15席ほどの店内は全席禁煙、
カントリー風の雰囲気です。


ホットドッグやサンドイッチもあります。

デイリーボウル900円です。

ベジボウル900円です。

おだやかな豆の味がじっくりと効いて美味しく、体にも良さそうです。
プラス150円でドリンクが付くので、コーヒーにしました。

小さいですが、個性のあるお店で、いつかモーニングセットを試してみたいものです。
すぐ近くのベーカリーカフェ、「ファクトリー」の前では、置物の黒猫が植木鉢の陰で、
通りを眺めていました。
「チリパーラー9」も「ファクトリー」のパンを使っています。

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「チリパーラー9」は靖国神社南門向かいの靖国通り沿いにあります。
場所は千代田区九段南3-7-12です。
「9」は九段の意味でしょうか。
向こうに靖国神社の塀が見えます。

豆料理のお店で、カウンター席を含めて15席ほどの店内は全席禁煙、
カントリー風の雰囲気です。


ホットドッグやサンドイッチもあります。

デイリーボウル900円です。

ベジボウル900円です。

おだやかな豆の味がじっくりと効いて美味しく、体にも良さそうです。
プラス150円でドリンクが付くので、コーヒーにしました。

小さいですが、個性のあるお店で、いつかモーニングセットを試してみたいものです。
すぐ近くのベーカリーカフェ、「ファクトリー」の前では、置物の黒猫が植木鉢の陰で、
通りを眺めていました。
「チリパーラー9」も「ファクトリー」のパンを使っています。

六本木1丁目
六本木の泉屋博古館分館では特別展、「典雅と奇想―明末清初の中国名画展」が
開かれています。
会期は12月10日(日)までです。
11月2日にブロガー内覧会が開かれたので、参加してきました。

野地耕一郎館長の挨拶の後、板倉聖哲東京大学東洋文化研究所教授の
ギャラリートークを伺いました。
写真は特別の許可を得て撮影しています。


明時代末期から清時代初期(16世紀後期から18世紀初頭)にかけての混乱期から
異民族による支配の始まる時代は画家たちにとっても大きな変化の時代だったと
いうことです。
従来の絹地ばかりでなく、さまざまな紙を使うようになり、墨の濃淡や着彩、
かすれを工夫して、絵画表現の幅を広げています。
明清交替期にあって明の遺臣たちは、清に抵抗する者、出家や隠遁を選ぶ者、
清に仕える者などに分かれますが、その生き方の違いと彼らの画風の間に明確な
関連性は認められないということで、それも面白いところです。
日本にはこの時代の名品が多く残されており、それは20世紀初めの清の滅亡に際し、
美術品の西欧への流出を危惧して日本人が購入を進めたことにもよるそうです。
また、西洋からポスト印象主義が日本に伝えられた時期であり、明末清初の絵画に
ポスト印象主義に通じるものを見出していたということです。
展覧会では人気の八大山人(1626~1705)の「安晩帖」(重要文化財)も展示されています。

八大山人は明の王室の子孫で、隠遁の生き方を選びましたが、中国絵画には珍しい、
戯画的な描き方の出来る人で、その自由さが日本人の感性に合っているようです。
「安晩帖」は20図の冊子なので、ほぼ日替わりで画面替えされ、「魚図」は11月9日から
11日、「猫図」は18日から21日の展示です。
他の画帖も細かく展示替えされます。
それぞれの絵には丁寧な解説が添えられ、作品の見所がわかるようになっていて、
なかなか興味深い展覧会です。
12月10日(日)まで、世田谷の静嘉堂文庫では「あこがれの明清絵画~日本が愛した
中国絵画の名品たち~」が開かれています。
こちらの展覧会との連携企画で、片方のチケットを持参すると入館料が200円引きになります。
チラシを並べると、沈南蘋の猫が八大山人の魚を狙っているようにも見えます。


展覧会のHPです。
次回の展覧会は生誕150年記念特別展、「木島櫻谷 Part1 近代動物画の冒険」です。
会期は2018年2月24日(土)から4月8日(日)までです。
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六本木の泉屋博古館分館では特別展、「典雅と奇想―明末清初の中国名画展」が
開かれています。
会期は12月10日(日)までです。
11月2日にブロガー内覧会が開かれたので、参加してきました。

野地耕一郎館長の挨拶の後、板倉聖哲東京大学東洋文化研究所教授の
ギャラリートークを伺いました。
写真は特別の許可を得て撮影しています。


明時代末期から清時代初期(16世紀後期から18世紀初頭)にかけての混乱期から
異民族による支配の始まる時代は画家たちにとっても大きな変化の時代だったと
いうことです。
従来の絹地ばかりでなく、さまざまな紙を使うようになり、墨の濃淡や着彩、
かすれを工夫して、絵画表現の幅を広げています。
明清交替期にあって明の遺臣たちは、清に抵抗する者、出家や隠遁を選ぶ者、
清に仕える者などに分かれますが、その生き方の違いと彼らの画風の間に明確な
関連性は認められないということで、それも面白いところです。
日本にはこの時代の名品が多く残されており、それは20世紀初めの清の滅亡に際し、
美術品の西欧への流出を危惧して日本人が購入を進めたことにもよるそうです。
また、西洋からポスト印象主義が日本に伝えられた時期であり、明末清初の絵画に
ポスト印象主義に通じるものを見出していたということです。
展覧会では人気の八大山人(1626~1705)の「安晩帖」(重要文化財)も展示されています。

八大山人は明の王室の子孫で、隠遁の生き方を選びましたが、中国絵画には珍しい、
戯画的な描き方の出来る人で、その自由さが日本人の感性に合っているようです。
「安晩帖」は20図の冊子なので、ほぼ日替わりで画面替えされ、「魚図」は11月9日から
11日、「猫図」は18日から21日の展示です。
他の画帖も細かく展示替えされます。
それぞれの絵には丁寧な解説が添えられ、作品の見所がわかるようになっていて、
なかなか興味深い展覧会です。
12月10日(日)まで、世田谷の静嘉堂文庫では「あこがれの明清絵画~日本が愛した
中国絵画の名品たち~」が開かれています。
こちらの展覧会との連携企画で、片方のチケットを持参すると入館料が200円引きになります。
チラシを並べると、沈南蘋の猫が八大山人の魚を狙っているようにも見えます。


展覧会のHPです。
次回の展覧会は生誕150年記念特別展、「木島櫻谷 Part1 近代動物画の冒険」です。
会期は2018年2月24日(土)から4月8日(日)までです。
上野広小路・御徒町
松坂屋上野店の隣にパルコヤ上野が11月4日にグランドオープンします。
場所は台東区上野3-24-6です。
1階から6階は商業施設で、6階はレストランフロア、7階から10階はTOHO CINEMAです。



3日のプレオープンに行って、5階のスターバックスに入ってみました。
40席ほどの店内は全席禁煙、すっきりした内装です。



ナマケモノがバナナの木に登っています。



クリスマスらしく、シュトーレンもありました。

カフェミスト320円と石窯フィローネホリデーチキン480円です。

デザートのチョコレートバー(プレーン)です。

7階はTOHO CINEMAのホールです。


ホールではドリンクやポップコーンの他、こんなカラフルなお菓子も売られています。

各フロアのいろいろなお店の写真です。





レストランフロアはとても混雑していて、1階ではCINEMAのお客さんが行列を
していました。
グランドオープン後に、通りかかったら他のお店にも行ってみようと思います。
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松坂屋上野店の隣にパルコヤ上野が11月4日にグランドオープンします。
場所は台東区上野3-24-6です。
1階から6階は商業施設で、6階はレストランフロア、7階から10階はTOHO CINEMAです。



3日のプレオープンに行って、5階のスターバックスに入ってみました。
40席ほどの店内は全席禁煙、すっきりした内装です。



ナマケモノがバナナの木に登っています。



クリスマスらしく、シュトーレンもありました。

カフェミスト320円と石窯フィローネホリデーチキン480円です。

デザートのチョコレートバー(プレーン)です。

7階はTOHO CINEMAのホールです。


ホールではドリンクやポップコーンの他、こんなカラフルなお菓子も売られています。

各フロアのいろいろなお店の写真です。





レストランフロアはとても混雑していて、1階ではCINEMAのお客さんが行列を
していました。
グランドオープン後に、通りかかったら他のお店にも行ってみようと思います。
上野
上野の東京国立博物館では特別展、「フランス人間国宝展」が開かれています。
会期は11月26日(日)までです。

フランス人間国宝(メートル・ダール)は日本の人間国宝に倣って、伝統工芸の
保存・伝承・革新を目的に1994年に創設された制度です。
展覧会では13名の認定作家と、未認定ながら素晴らしい作品を制作している2名が
紹介されています。
種類も陶器、鼈甲細工、革細工、金銀細工、麦わら象嵌細工、壁紙、真鍮細工、
傘、扇、折り布、銅板彫刻、紋章彫刻、エンボス加工、羽根細工、ガラスと多彩です。
陶器 ジャン・ジレル

ギメ美術館で見た宋時代の陶器に魅せられ、自ら窯を開発し、曜変天目の研究を
続けています。
茶碗、約100点が展示されています。
金銀細工 ロラン・ダラスプ

艶やかに光り輝く、ポットやグラスです。
ワイングラスは花が咲いているようです。
真鍮細工 ナタナエル・ル・ベール

面白い形に複雑に成形されていて、どうやって作ったのだろうと思います。
傘 ミシェル・ウルトー

傘の制作について独力で学び、イヴ・サン=ローランから日傘の特注を受けた
のを機に、傘の制作に専念しています。
柄の部分など凝ったデザインで、見せる傘になっています。
扇 シルヴァン・ル・グエン

18世紀のディドロの百科全書から扇についての知識を独学で習得したとのことで、
メートル・ダールの認定を最年少の38歳で受けています。
日本の鶴丸文様など、様々なデザインの作品が並んでいます。
折り布 ピエトロ・セミネリ

折り紙のように布を折り重ねて、一続きの大きな布に仕上げていて、鎧のような
重厚さがあります。
羽根細工 ネリー・ソニエ

鳥の羽根を使った珍しい工芸で、花や金魚、怪獣などを表しています。
この作品は鳥の巣のように見えますが、羽根を固めて作られています。
どの作品も繊細でセンスの良さが感じられ、日本的な意匠も見られます。
傘、扇、羽根細工などは特に豪奢で、フランス工芸の魅力を存分に楽しめる展覧会です。
展覧会のHPです。
東京国立博物館では平成館で興福寺中金堂再建記念特別展、「運慶」が開かれています。
会期は11月26日までです。
「運慶」展の記事です。

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上野の東京国立博物館では特別展、「フランス人間国宝展」が開かれています。
会期は11月26日(日)までです。

フランス人間国宝(メートル・ダール)は日本の人間国宝に倣って、伝統工芸の
保存・伝承・革新を目的に1994年に創設された制度です。
展覧会では13名の認定作家と、未認定ながら素晴らしい作品を制作している2名が
紹介されています。
種類も陶器、鼈甲細工、革細工、金銀細工、麦わら象嵌細工、壁紙、真鍮細工、
傘、扇、折り布、銅板彫刻、紋章彫刻、エンボス加工、羽根細工、ガラスと多彩です。
陶器 ジャン・ジレル

ギメ美術館で見た宋時代の陶器に魅せられ、自ら窯を開発し、曜変天目の研究を
続けています。
茶碗、約100点が展示されています。
金銀細工 ロラン・ダラスプ

艶やかに光り輝く、ポットやグラスです。
ワイングラスは花が咲いているようです。
真鍮細工 ナタナエル・ル・ベール

面白い形に複雑に成形されていて、どうやって作ったのだろうと思います。
傘 ミシェル・ウルトー

傘の制作について独力で学び、イヴ・サン=ローランから日傘の特注を受けた
のを機に、傘の制作に専念しています。
柄の部分など凝ったデザインで、見せる傘になっています。
扇 シルヴァン・ル・グエン

18世紀のディドロの百科全書から扇についての知識を独学で習得したとのことで、
メートル・ダールの認定を最年少の38歳で受けています。
日本の鶴丸文様など、様々なデザインの作品が並んでいます。
折り布 ピエトロ・セミネリ

折り紙のように布を折り重ねて、一続きの大きな布に仕上げていて、鎧のような
重厚さがあります。
羽根細工 ネリー・ソニエ

鳥の羽根を使った珍しい工芸で、花や金魚、怪獣などを表しています。
この作品は鳥の巣のように見えますが、羽根を固めて作られています。
どの作品も繊細でセンスの良さが感じられ、日本的な意匠も見られます。
傘、扇、羽根細工などは特に豪奢で、フランス工芸の魅力を存分に楽しめる展覧会です。
展覧会のHPです。
東京国立博物館では平成館で興福寺中金堂再建記念特別展、「運慶」が開かれています。
会期は11月26日までです。
「運慶」展の記事です。
