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「サロン・ド・テ・アンジェリーナ マロニエゲート銀座店」
銀座
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「サロン・ド・テ・アンジェリーナ マロニエゲート銀座店」はマロニエゲート銀座2の
2階にあります。
場所は中央区銀座3-2-1です。

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2017年にオープンしたお店で、70席の店内は全席禁煙、白を基調にして、
席の間も広く、クラシックで落着いた雰囲気です。

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ランチメニューにはパン、スープ、サラダにコーヒーか紅茶が付きます。

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地鶏胸肉のサラダプレート1404円です。

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木のプレートに乗っていて、画家のパレットのような彩りです。

こちらは本日の魚料理1404円です。

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料理も美味しくいただきましたが、こちらはモンブランで有名なお店なので、
いつか試してみたいものです。


【2018/04/29 18:45】 お店 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「ターナー 風景の詩(うた)」展 東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館
新宿
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新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館では、
「ターナー 風景の詩(うた)」展が開かれています。
会期は7月1日(日)までです。

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4月23日に内覧会があったので、行ってきました。
写真は許可を得て、撮影しています。

ターナーの作品を背景にしたフォト・スポットもあります。

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ターナーの作品を出展しているスコットランド国立美術館群総館長のジョン・レイトン卿と、
日本側監修者の郡山市立美術館富岡進一主任学芸員のギャラリートークを伺いました。

作品の前で解説するジョン・レイトン卿。

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ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー(1775-1851)はロンドンで理髪師の家に
生まれています。
早くから絵の才能を認められ、27歳でロイヤル・アカデミーの会員に選ばれています。

右 「マームズベリー修道院」 1792年展示 
 水彩、インク・紙 ノーフォーク、ノリッジ城博物館アート・ギャラリー
左 「フォーリー橋、オックスフォード」 1794年 
 水彩・紙 アべリストゥイス大学、美術学校アート・ギャラリー博物館

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右は17歳でロイヤル・アカデミーに出展した作品です。
イングランド南西部、ウィルトシャー州にあって、1180年頃に建てられ、1500年頃に
嵐のため損壊した建築で、若いターナーは複雑な形状を見事に描き上げています。
左はオックスフォードのテームズ川にかかる橋です。

「スノードン山、残照」 1798-99年頃 
 水彩、スクレイピングアウト・紙 エディンバラ、スコットランド国立美術館群

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スノードン山はウェールズ地方の山岳地帯、スノードニアにある山です。
1798年にここを訪れたターナーは「崇高」というイメージを意識し、以後、
作品に表すようになります。
スクレイピングアウトとは絵の具を塗った紙を爪で引っ掻いて白色を
際立たせる技法で、ターナーはよくこれを行なっています。

右 「フォントヒル・アベイの東景、真昼」 1800年展示 
 水彩・紙 エディンバラ、スコットランド国立美術館群
左 「ソマーヒル、トンブリッジ」 1811年展示 
 油彩・カンヴァス エディンバラ、スコットランド国立美術館群

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右はフォントヒル・アベイという、ターナーのパトロンだったウィリアム・ベックフォードが
建設した中世風邸宅で、教会のような高い塔が際立っています。

左のソマーヒルはケント州トンブリッジにある邸宅で、所有者の依頼で
描かれた作品です。
静かな水面の向こうの丘と建物は夕暮れの残照の下に浮かび上がり、
しみじみとした情景が広がっています。
この邸宅は現在、女子校となっているそうです。

右 「風下側の海辺にいる漁師たち、時化模様」 1802年展示 
 油彩・カンヴァス サウサンプトン・シティ・アート・ギャラリー
左 「嵐の近づく海景」 1803-04頃 油彩・カンヴァス 東京富士美術館

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ターナーはよく海景を描いています。
右は荒天の中で舟を操る漁師たちで、雲の切れ間、打ち寄せる波、揺れる小舟が
劇的な情景をつくっています。
ターナー自身、この絵を気に入っていて、買い戻そうとしたこともあるそうです。

右 「モンテ・マリオから見たローマ」 1820年 
水彩、スクレイピングアウト・紙 エディンバラ、スコットランド国立美術館群
左 「ミネルヴァ神殿、コロンナ岬」 1830年 
 水彩・紙 バーンリー、タウンリー・ホール・アート・ギャラリー 博物館群

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ターナーは1819年、44歳の時に初めて憧れのイタリアに旅行し、ローマを訪れています。
右は遠くにサン・ピエトロ大聖堂やサンタンジェロ城が見えます。
左のコロンナ岬はイタリア半島の南にある岬です。


右 「ヘレヴーツリュイスから出航するユトレヒトシティ64号」 1832年展示 
 油彩・カンヴァス 東京富士美術館
左 「ゴスポート、ポーツマス港の入り口 」 1829年頃 水彩・紙 ポーツマス博物館群

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右のヘレヴーツリュイス(ヘレヴートスライス)はオランダの港町で、ユトレヒトシティ64号は
1688年のイギリス名誉革命の時、後にイングランド王となるオレンジ公ウィリアムが
イギリス議会に招かれ、出航した時の先導艦です。
歴史画と海景画が一体となっています。

「風景―タンバリンをもつ女」 1840-50頃 油彩・カンヴァス 栃木県立美術館
晩年の作品で、クロード・ロランに倣った古典古代風の情景ですが、
霧のかかったようなおぼろげな景色です。
自分の描きたいように描いている感じで、心の風景を写しています。

ターナーの収入源の多くは版画によるもので、版画作品も多く展示されています。

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レイトン卿によれば、ターナーは背は低く、態度は大きく、気難しく、嫉妬深く、
コクニ―(ロンドンの下町訛り)を直そうともせず、あまりパーティーには
呼びたくない人物だったそうで、いろいろ興味深い話も伺えました。

油彩、水彩、版画による、初期の写実的な作品から、崇高さの現れた山岳や海の絵、
光の中に色彩も溶けている晩年の作品が揃い、ターナーの画風の変化も分かり、
充実した展覧会です。

2013年に東京都美術館で開かれた「ターナー展」の記事です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「巨匠たちのクレパス画展」です。
会期は7月14日(土)から9月9日(日)までです。

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【2018/04/28 21:02】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「五月の風 昭和会入選作家選抜展」 銀座 日動画廊
銀座
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銀座の日動画廊では「五月の風 昭和会入選作家選抜展」が
開かれています。
会期は5月6日(日)まで、会期中は無休です。

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今年、第53回展を迎えた「昭和会展」の過去10年ほどの入選作家の中から、
11名を選び、新作を展示しています。

写実的な風景、静かな静物画、ファンタジックな動物画など、いろいろな作風の
作品があって楽しめます。

五月に近く、東京ドームシティでも鯉のぼりが泳いでいました。

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【2018/04/28 20:46】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
ベーカリーカフェ「No.4」 四番町 2018/4
市ヶ谷・麹町
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市ヶ谷駅近くのベーカリーカフェ「No.4」に行ってきました。
今回は2回目です。
場所は千代田区四番町5-9です。

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再開発地に建てられた期間限定のお店なので、建物も簡素なプレハブです。

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約50席の店内は全席禁煙、朝8時から開いています。
人気のあるお店で、私たちが行ったのが花見時の休日だったこともあり、
開店後すぐに満席になりました。

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モーニングメニューのスクランブルドプレート1000円です。

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こちらはベイクドエッグ850円で、熱いトマトスープの中に入っています。

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セットのコーヒーは200円で、ポットから自由に注ぐことができます。

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どちらも美味しい朝食でしたが、スクランブルエッグの載っていた木製のプレートに
ナイフの傷が幾つか付いていたいたのが気にかかり、普通のお皿の方が
良いと思いました。

以前、「No.4」に行ったときの記事です。


【2018/04/27 21:07】 お店 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「光琳と乾山 芸術家兄弟・響き合う美意識」展 根津美術館
表参道
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南青山の根津美術館では特別展、「光琳と乾山 芸術家兄弟・響き合う美意識」が
開かれています。
会期は5月13日(日)までです。
会期中、4月27日までの前期と4月28日からの後期で一部、展示替えがあります。

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毎年この季節に展示される、尾形光琳の「燕子花図屏風」に合わせて、
光琳と弟の乾山の作品を集めて展示しています。


第1章 光琳の絵画

「燕子花図屏風」 六曲一双 尾形光琳 江戸時代・18世紀 根津美術館 国宝
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(右隻)
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(左隻)
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尾形光琳の代表作であり、五月を告げる屏風です。

「秋草図屏風」  二曲一双 伝尾形光琳 
江戸時代・18世紀 サントリー美術館 重要美術品

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左隻(部分)
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下地に金箔地を使わず、菊の葉は淡い墨で描き、水墨画に似た雰囲気を
持っています。

「太公望図屏風」 尾形光琳 江戸時代・18世紀 京都国立博物館 重要文化財
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太公望とは周の文王(BC1152-1056)に仕えた軍師、呂尚のことです。
川辺で釣りをしていたところを文王に見出されたことから、釣りをする人を
太公望と呼ぶようになりました。
大胆な曲線の組合せの中に、川面を眺めながら物思いにふける太公望が
置かれた、面白い画面です。

「白楽天図屏風」 尾形光琳 江戸時代・18世紀 根津美術館
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謡曲、「白楽天」を描いた作品です。
唐の詩人、白楽天が日本に渡ろうとしたところ、海上で老いた漁師
(実は和歌の神、住吉明神の化身)に出会い、和歌の力を知らされ、
神風によって吹き戻されたというお話です。
白楽天を乗せた船の描き方の奇抜さが眼を惹きます。

「鵜舟図」 尾形光琳 江戸時代・18世紀 
静嘉堂文庫美術館 重要美術品

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さらりとした筆遣いで鵜飼を描いていて、川波が重なり、
舟や鵜が対角線を成しています。

  大井川 鵜舟の篝ほの見えて くだすや波のよるぞ知らるる  亀山院

「銹絵寒山拾得図角皿」 尾形乾山作・尾形光琳画 
 江戸時代・18世紀 京都国立博物館 重要文化財

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弟の陶芸家、乾山との合作です。
琳派の画家として知られる光琳ですが、文人画の趣きのある絵も描いています。

「銹絵梅図角皿」 尾形乾山作・尾形光琳画 江戸時代 18世紀 根津美術館
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乾山との合作で、光琳の紅白梅図屏風に似た、独特の枝振りの梅が描かれています。


第2章 乾山のやきもの

「色絵竜田川文向付」 尾形乾山 江戸時代・18世紀 MIHO MUSEUM
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紅葉の形の向付を色絵の紅葉で埋め、さまざまな形の波を描いていて、
葉脈の金線が鮮やかです。

「色絵定家詠十二ヶ月和歌花鳥図角皿のうち一月」 尾形乾山 
 元禄15年(1702) MOA美術館

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12枚組になっていて、陶器で正方形の画面を作り、色紙のようにして
絵を描いています。
裏に乾山の書で、藤原定家の歌が書いてあります。
絵は狩野探幽の絵を忠実に写したものだそうです。
この皿は正月で、柳にウグイスです。

「銹絵染付金銀白彩松波文蓋物」 尾形乾山 江戸時代・18世紀 出光美術館 重要文化財
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蒔絵硯箱などの木器を元にしたと思われ、素地の上に金銀や白、染付を使って
松を描いています。
内側は白化粧に金彩と染付で波を描き、砂浜の松林を表す意匠になっています。
銀彩を使うのは乾山では珍しいそうです。

「銹絵染付金彩絵替土器皿」 尾形乾山 江戸時代・18世紀 根津美術館 重要文化財
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5枚組になっていて、薄、帆掛け舟、梅花、水流、八重むぐらが描かれています。


第3章 乾山の書画

「兼好法師図」 尾形乾山 江戸時代・18世紀 梅澤記念館
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藁屋根の下、灯火を前にした兼好法師がちょっと稚拙な筆遣いで描かれています。
尾形乾山は兼好が庵を結んでいた双ヶ岡に住んだことがあります。
和歌は、隠棲したつもりの場所が依然、憂き世だったという意味で、
晩年に江戸に移り住んだ乾山の心境も表しているかもしれないそうです。

「八橋図」 尾形乾山 江戸時代・18世紀 文化庁 重要文化財
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4月27日までの展示です。
伊勢物語の第9話、三河の国の水辺の八橋に咲くカキツバタを歌に詠み込んだ
お話を描いています。
絵巻物の一部のようで、軽い筆さばきに味わいがあります。
尾形光琳の「燕子花図屏風」もこの話に拠っています。

 唐衣きつつなれにしつましあればはるばるきぬるたびをしぞ思ふ

「武蔵野隅田川図乱箱」 尾形乾山 江戸時代 寛保3年(1743) 大和文華館 重要文化財
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木製の箱で、外側に薄、内側に川波、蛇篭、水鳥が描かれています。 
同じ伊勢物語の第9話の、隅田川で遠く離れた都を懐かしむ場面を想像させます。
波は琳派風の面白い形をしています。

 名にし負はばいざこと問わん都鳥わが思ふ人はありやなしやと

展示室6のテーマは「初風炉の茶」です。
立夏を過ぎて初めて風炉を用いることを初風炉(しょぶろ)といいます。

「祥瑞水玉文茶碗」 景徳鎮窯 明時代 17世紀 根津美術館
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祥瑞(しょんずい)とは日本の茶人の注文により景徳鎮で焼かれた
染付磁器のことです。
小振りの茶碗で、鮮やかな青色の中に浮かんだ白い水玉が際立ち、涼しげです。

展覧会のHPです。


私の行った時は、庭の新緑が鮮やかでしたが、池の燕子花は一輪だけ咲いていました。
今は見頃のようです。
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藤棚の藤は満開でした。
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次回の展覧会は企画展、「はじめての古美術鑑賞―漆の装飾と技法―」です。
会期は5月24日(木)から7月8日(日)です。

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【2018/04/26 19:13】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「線の造形、線の空間 飯塚琅玕齋と田辺竹雲斎でめぐる竹工芸」展 虎ノ門 菊池寛実記念智美術館
神谷町
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虎ノ門の菊池寛実記念智美術館では「線の造形、線の空間 飯塚琅玕齋と
田辺竹雲斎でめぐる竹工芸」展が開かれています。
会期は7月16日(月・祝)までで、会期中、全作品が展示替えされます。

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4月21日にアートブログイベントが開かれたので、参加してきました。
写真は許可を得て、撮影しています。

地下の展示室に向かう螺旋階段に置かれた、四代田辺竹雲斎による高さ7mの
竹のインスタレーションです。

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支えなどは無く、自立しています。
竜巻のような、龍がうねりながら昇るような造形で、迫力いっぱいです。
学芸員の方の解説によれば、高知県産の虎竹を使っていて、3人のお弟子さんと
一緒に9日間かけて組上げてあるそうです。
この展覧会が終わった後は解体され、材料の竹ひごは再利用されるとのことです。

日用品の竹細工が発展して、作家による芸術としての竹工芸となったのは
大正、昭和期とのことです。
展覧会では東京を拠点にした飯塚琅玕齋(1890‐1958)と、大阪・堺を拠点にした
初代田辺竹雲斎(1877‐1937)、その後継者たちの作品約120点が展示されています。

S字型の展示台は初代田辺竹雲斎、奥の列は二代田辺竹雲斎の作品です。
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右 初代田辺竹雲斎 「唐物写二重編花籃 温公」 1918~1930年
左 初代田辺竹雲斎 「唐物写四神花籃」 1901~1930年
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江戸から明治にかけて、中国の文人趣味である煎茶が流行し、それに伴って
唐物が珍重されたので、唐物写の竹工芸も盛んになります。
右は内と外、二重に編み上げた精緻な細工がなされています。
温公とは北宋の政治家、司馬光のことです。
左は四面に南画家の近藤翠石が四方位の神獣、青龍・朱雀・白虎・玄武を
描いています。

右 初代田辺竹雲斎 「天然竹手烏府」 1901~1937年
左 初代田辺竹雲斎 「天然竹上手附花籃 雲龍」 1928年
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右は煎茶席で使う炭の容れ物で、炭をカラスにたとえ、府は集まる所という
意味があります。
左は荒編みと呼ばれる編み方で、勢いよく編み上げていて、縄文時代の
細工のような趣きがあります。

二代田辺竹雲斎(1910‐2000)の作品
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二代田辺竹雲斎は初代竹雲斎の長男で、造形は繊細です。

右 三代田辺竹雲斎 「条文」 1974~1991年
左 三代田辺竹雲斎 「未来への歓喜」 2009年
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三代田辺竹雲斎(1940‐2014)は二代竹雲斎の長男で、竹を割らずにそのまま
利用して、円や直線を表現しています。

手前 四代田辺竹雲斎 「創造都市」 2016年
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向こうが透けて見え、超高層ビルの構造をコンピュータグラフィックで見ているようです。

四代田辺竹雲斎(1973‐)は三代竹雲斎の次男で、近年は荒編みの竹による
インスタレーションを手掛けています。


二代飯塚鳳斎(1872‐1934)は初代飯塚鳳斎の長男で、栃木市に生まれ、
父と共に工房を東京に移しています。

右 二代飯塚鳳斎 「花籃」 大正初期~中期
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銅板で作ったような輝きのある、重厚な作品です。

手前 飯塚琅玕齋 「盛花籃 蓬莱」 1950年頃
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1本の竹を曲げてつくった、力強い作品です。

手前 飯塚琅玕齋 「盛籃 国香」 1939年
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割った竹を12本束ねたものを編んでいて、花のように華やかです。

飯塚琅玕齋(1890‐1958)は初代飯塚鳳斎の七男で、二十歳代半ばで独立して、
芸術性ある作品の制作を追及しています。

飯塚琅玕齋の作品
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竹工芸は日本よりも海外で評価が高く、作品も海外に流れて行く一方で、
制作者は減少を続けており、やがては田辺竹雲斎の系統の工房しか
残らない可能性もあるそうです。
日本の伝統工芸のかかえる問題はここでも現れていることを知りました。

東京で竹工芸に特化した展覧会の開かれるのは33年振りとのことで、
さまざまな技法を凝らし、変化に富んだ作品を鑑賞できる貴重な機会です。

鑑賞の後、併設のレストラン「ヴォワ・ラクテ」で、お庭を眺めながらお茶をいただきました。

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展覧会のHPです。


次回の展覧会は「陶と模様のものがたり―菊池コレクション(仮称)」です。
会期は7月28日(土)から11月4日(日)までです。



【2018/04/24 19:35】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
カフェ「鷰(en)」 蔵前
蔵前
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カフェ「鷰(en)」は都営地下鉄浅草線蔵前駅A2出口を出てすぐの所にあります。
場所は台東区蔵前2-6-2です。

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今年の4月6日にオープンしたばかりのお店で、建物は4階建て、1階はイートイン、
2階はカフェになっています。
3・4階のショップなどは5月にオープン予定とのことです。

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2階へは外階段を上がります。

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2階のカフェは30席ほどの椅子席の他に小上がりもあり、注文は席で受けます。

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いろいろな食品も販売されています。

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ショコラ540円とドリップコーヒー350円です。

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ショコラはなめらかで、甘さもほど良く、コーヒーはしっかりした酸味系です。

蔵前は観光スポットとして人気が高まっていて、窓から見下ろした大通りには、
外国の人たちが多く行き来していました。

近くの厩橋あたりを散歩しました。

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つつじが満開でしたが、隅田川といえば

 春のうららの隅田川
 のぼりくだりの船人が
 櫂のしずくも花と散る
 ながめを何にたとうべき


【2018/04/22 18:54】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『木島櫻谷 Part II 木島櫻谷の「四季連作屏風」+近代花鳥図屏風尽し』展 泉屋博古館分館
六本木1丁目
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六本木の泉屋博古館分館では生誕140年記念特別展、『木島櫻谷 Part II
木島櫻谷の「四季連作屏風」+近代花鳥図屏風尽し』が開かれています。
会期は5月6日(日)までです。、

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4月8日まで開かれていた「木島櫻谷展」のPart IIで、住友吉左衞門友純(春翠)の
依頼で制作した、大阪茶臼山本邸の大広間に飾る「四季連作屏風」がすべて
展示されています。
動物画を得意とする木島櫻谷ですが、装飾的な作品も多く手掛けています。

また、同時代の花鳥画の画家による屏風絵も展示されています。

「柳桜図」 六曲一双 大正6年(1917)
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輝く金地の左隻には覆い被さるような桜、右隻には湧き上がるような柳を配しています。
花弁も厚塗りです。
琳派風の装飾的な画面に、近代的な写実も加わり、とても明るい空間となっています。

「燕子花図」 六曲一双 大正6年(1917)
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尾形光琳の「燕子花図屏風」に倣っていますが、花は山型に連なり、花弁は写実的に
描かれています。

尾形光琳の国宝、「燕子花図屏風」は青山の根津美術館で4月14日から5月13日まで
展示されています。

「菊花図」 六曲一双 大正6年(1917)
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菊の花は正面から描かれ、葉は濃淡の2色に分けられています。
花弁は厚塗りで、筆の跡が長く引かれ、本物の花弁を貼り付けたように見えます。
白菊に混じった赤菊がアクセントになっています。

これらの屏風の注文された大正時代は琳派の流行期ということで、作品にも琳派の
装飾性が表れていますが、画面はすっきりとして、清雅とも言える雰囲気です。
動物画の木島櫻谷とは別の魅力を楽しむことが出来ました。

他に高島北海、富田范渓、望月玉渓、山口玲熙の屏風絵も展示されています。

同じ泉屋博古館分館で4月8日まで開かれていた、「木島櫻谷 Part I
近代動物画の冒険」の記事
です。

2014年に泉屋博古館分館で開かれた、「木島櫻谷展」の記事です。

展覧会のHPです。

分館横の緑も濃くなりました。

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次回の展覧会は「うるしの彩り」展です。
会期は6月2日(土)から7月16日(月)までです。

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【2018/04/21 18:55】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「西武特別食堂ホテルオークラ」 西武池袋本店
池袋
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「西武特別食堂ホテルオークラ」は西武池袋本店8階のレストラン街にあります。

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ホテルオークラの運営するお店で、店内は約80席、全席禁煙、
席の間も広く、落着いた雰囲気です。
壁は大谷石風です。

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デパートの食堂ということで、和洋中華が揃い、どれも美味しいです。

鶏そば1490円です。

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鶏は量があり、スープはすっきりしています。

セットのコーヒー410円はコクのある味です。

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三越や髙島屋の特別食堂と同じく、サービスもしっかりしていて、昔ながらの
デパートの食堂の気分を味わえるお店です。


【2018/04/20 19:38】 お店 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「名作誕生-つながる日本美術」展 後編 東京国立博物館
上野
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上野の東京国立博物館では特別展、「名作誕生-つながる日本美術」が
開かれています。
会期は5月27日(日)までです。
会期中、細かい展示替えがありますので、展覧会のHPでご確認ください。
前編に続いて、後編を書きました。

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第3章 古典文学につながる

伊勢物語や源氏物語とのつながりです。

「伊勢物語八橋図」 江戸時代・18世紀 東京国立博物館
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5月6日までの展示です。
伊勢物語の東下りの一節です。
三河の国の八橋というところで、かきつばたの咲いているのを見て、在原業平とされる
人物が「か き つ ば た」を詠み込んだ和歌を詠じている場面です。

  から衣 着つつなれにし つましあれば はるばるきぬる 旅をしぞ思ふ

食事の膳を前に置いた男たちの眺めているのは、咲き乱れるかきつばたの群れでしょう。
八橋の橋板も見えます。

「八橋蒔絵螺鈿硯箱」 尾形光琳 江戸時代・18世紀 東京国立博物館 国宝
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5月6日までの展示です。
写真は平常展の時に撮影したものです。
燕子花の花を螺鈿、葉を漆絵、橋を鉛板で表し、箱の内側には川波が描かれています。
根津美術館では4月14日から、恒例の尾形光琳の国宝「燕子花図屏風」の展示があります。

「蔦細道図屏風」 伝俵屋宗達筆・烏丸光広賛  
 江戸時代・17世紀 京都・相国寺 重要文化財

燕子花003

5月8日からの展示です。
伊勢物語の駿河の宇津ノ谷峠の場面です。
蔦の茂る細道で在原業平が知り合いの修行者に出会い、都に残した女への手紙を
言づてます。

  駿河なる宇津の山辺のうつつにも夢にも人に逢わぬなりけり

人物は描かず、金箔地を緑色の土坡で区切り、濃淡を付けた蔦の葉をあしらっています。
デザイン感覚にあふれた画面構成です。


「色絵竜田川文透彫反鉢」 尾形乾山 江戸時代・18世紀 岡田美術館 重要文化財
名作img289 (8)

5月8日からの展示です。

伊勢物語の主人公とされる在原業平の歌に拠っています。

ちはやぶる神代もきかず竜田川からくれなゐに水くくるとは

「初音蒔絵火取母」 室町時代・15世紀 神奈川・東慶寺 重要文化財
名作img289 (7)

火取母(ひとりも)は衣に香をたきしめるときに香炉を入れる容器です。
松竹梅にウグイスが絵が描かれ、源氏物語の「初音」の帖にある歌の一部を
芦手書きにしています。
芦手書きは絵の中に文字を忍ばせておく装飾技法です。
明石の上が娘の明石の姫君に送った歌です。

  年月を松にひかれてふる人に今日鴬の初音きかせよ

「初音蒔絵櫛箱」 幸阿弥長重 江戸時代・17世紀 徳川美術館 国宝
名作img289 (2)

5月8日からの展示です。
「初音の調度」の中の一対です。
「初音の調度」は3代将軍徳川家光の娘の千代姫が尾張家2代光友に
嫁した時の道具類で、技巧を凝らした華麗な蒔絵が施され、葵の紋も入っています。


第4章 つながるモチーフ/イメージ

山水、花鳥、人物などのモチーフによるつながりです。

「松林図屏風」 長谷川等伯 安土桃山時代・16世紀 東京国立博物館 国宝
等2-28-2010_003等2-28-2010_002

右隻
等2-28-2010_002

左隻
等2-28-2010_003

5月6日までの展示です。
遠くにかすかに見える山を頂点にした、ゆるやかな三角形の構図で、
霧の中に濃く薄く現われる松林の情景は、等伯独自の画境です。
近づいて観ると、松の枝は簡潔ながら力強く描かれています。
下描きではないかとも言われていますが、様式性や装飾性を超えて、
自分たちが現実に観て感じている自然の佇まいを描き出しています。

「吉野山図」 六曲一双(左隻) 渡辺始興 江戸時代 18世紀
東花004

5月8日からの展示です。
琳派風の装飾的で、華やかな作品です。
色彩が穏やかで、山の連なりにリズム感があります。
渡辺始興(1683-1755)は狩野派、大和絵の様式の絵を描き、尾形光琳にも
師事したとされています。

「蓮池図屏風」 鎌倉時代・13世紀 奈良・法隆寺 重要文化財
法013

蓮池水禽は中国の江南で良く描かれた画題で、鎌倉時代に日本に受容されている
とのことです。
法隆寺のは現存最古の蓮池図で、中国画の画風をそのまま伝えています。
岡倉天心が明治17年(1884)にフェノロサらとともに関西の古社寺を
調査した時、この絵を「大作妙品」と高く評価しています。

「白蓮図」 酒井抱一 江戸時代・19世紀 京都・細見美術館
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抱一得意の、縦長の画面を活かした作品で、白蓮がふわりと浮き上がり、
花びらは落ちかけていますが、下の池にはつぼみが顔を出しています。

「洛中洛外図屏風 舟木本」 岩佐又兵衛 江戸時代・17世紀 東京国立博物館 国宝
右隻
京002

左隻
京005

滋賀県の舟木家に伝わったことから、この名があります。
上京と下京を別の視点から見る従来の方式と違って、東寺の五重塔の上からの
視点で、右隻の右端に豊臣家の象徴の方広寺大仏殿、左隻の左端に徳川家の象徴、
二条城を置いた形です。
右隻には喧嘩の場面、左隻にはお裁きの場面が描かれているのも象徴的です。
戦国大名の荒木村重の子とされる岩佐又兵衛の作で、特徴は2728人もの人物が
描かれているということで、どれも活き活きとした姿です。

「湯女図」 江戸時代・17世紀 MOA美術館 重要文化財
5月13日までの展示です。
下げ髪や切り揃えた髪の女性が5人、桜、文箱、松皮菱などの模様の小袖を着て、
そぞろ歩いています。
その姿は活き活きとして、生命力にあふれています。

「風俗図屏風(彦根屏風)」 江戸時代・17世紀 彦根城博物館 国宝
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5月16日からの展示です。
小さな屏風で、教養人のたしなみの四芸を題材にした「琴棋書画図」を
元にしていて、遊里の情景を写しています。

「誰が袖美人図屏風」 江戸時代・17世紀 根津美術館
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5月13日までの展示です。
右隻には大きく桜や松が描かれ、屋外と室内が一体化しています。

左隻では扇面散らしの屏風の前に立つ三つ巴文の小袖に唐輪髷の遊女が
鹿の子絞りに木の葉文の小袖を着て三味線を持つ禿(かむろ)から何かを
受け取るように手を差し出しています。
刀掛けには大小が、衣桁には武士好みの菖蒲柄の袴が掛かっています。

誰006

「見返り美人図」 菱川師宣 江戸時代・17世紀 東京国立博物館
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肉筆浮世絵で、玉結びの髪に吉弥結びの帯、振袖は菊と桜の花の丸模様です。
後ろ姿にすることで、後ろ結びである吉弥結びを見せ、左袖をひるがえして
模様を際立たせています。
洛中洛外図のような都市景観図から、集団を描いた作品に、さらに一人を描く
美人画に進んでいく様子が分かります。

「くだんうしがふち」 葛飾北斎 江戸時代・19世紀 東京国立博物館
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5月13日までの展示です。
九段坂と牛ヶ淵、田安門に続く土手を描いていて、坂は極端にデフォルメされています。
後ろから押されて坂を上る荷車や槍を立てて下ってくる武家の主従も見えます。
九段坂には荷車を押すのを手伝って駄賃を取る人足もいたそうです。
現在は画面右外に靖国神社、左外に日本武道館があります。

参考 現在の九段坂
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「道路と土手と塀(切通之写生)」 岸田劉生 1915年 東京国立近代美術館 重要文化財
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夏の朝でしょうか、電信柱の影が長く伸びています。
強い日の光に照らされた白い石垣とコンクリートの壁は、細密に立体的に
描き込まれ、ぎらぎらと光っています。
右側の崖は対照的に黒い影になっています。
真中の地面は盛り上がって、まるで生き物のような迫力があります。
劉生は北斎などの浮世絵にも通じていたので、「くだんうしがふち」を見たことが
あるのでしょう。

文字通り名作が揃い、それぞれのつながりが分かるように展示されていていて、
見応えのある展覧会です。


「名作誕生-つながる日本美術」展、前編の記事です。

展覧会のHPです。


【2018/04/19 19:14】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「名作誕生-つながる日本美術」展 前編 東京国立博物館
上野
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上野の東京国立博物館では特別展、「名作誕生-つながる日本美術」が
開かれています。
会期は5月27日(日)までです。
会期中、細かい展示替えがありますので、展覧会のHPでご確認ください。
内容が多いので、前編、後編に分けて、記事にします。

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岡倉天心たちによって明治22年(1889)に創刊された日本・東洋美術の月刊研究誌、
「國華」の創刊130周年を記念しての展覧会で、
日本美術の作品同士の影響関係や共通する美意識に着目した展覧会で、仏像、
絵画、工芸品など、約130件が展示されています。

第1章 祈りをつなぐ

仏像、仏画、説話画などの展示です。

「十一面観音菩薩立像」 奈良時代・8世紀 大阪・道明寺 重要文化財
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像高約50㎝のカヤと思われる材による、足元の台座まで含めた一木造で、
細密な彫りが施され。頭に比べ体が短いのが特徴です。
道明寺は古代豪族、土師氏の氏寺だった寺で、菅原道真も土師氏の出です。

「伝薬師如来立像」 奈良時代・8世紀 奈良・唐招提寺 重要文化財

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像高約160㎝の足元の台座まで含めた一木造で、頬はふくらみ、堂々とした体躯で、
太腿の張りが大きく、衣文の流れが面白い形を作っています。
鑑真に伴われた唐の仏師の作の可能性があり、日本には良い石材が無いので、
カヤの木などを使った一木造の像が作られたということです。

後の時代の一木造の薬師如来も6体展示されていますが、9世紀から10世紀に
進むにつれ、姿がやさしくなっていくのが分かります。
最初の展示室に大きな一木造の仏像が並んでいる様は壮観です。

「普賢菩薩像」 平安時代・12世紀 東京国立博物館 国宝
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5月6日までの展示です。
普賢菩薩は女人往生を説く法華経に登場するので、特に女性の信仰を集めています。
白象に乗った、この上なく優美な姿で、天蓋には花が飾られ、蓮華座には金箔を糸の
ように細く切って貼付ける截金が施されているのが見えます。
明治41年の「國華」では、平安時代の最大傑作と評されています。

「普賢菩薩騎象像」 平安時代・12世紀 大倉集古館 国宝
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優しい顔立ちの菩薩で、袖には切金模様が見えます。
定朝の弟子に始まる円派の作と考えられ、乗っている象の体の長いところが
ユーモラスです。

「普賢十羅刹女像」 平安時代・12世紀 根津美術館 重要文化財
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5月8日からの展示です。
普賢菩薩が唐風の衣装の十羅刹女を従えています。
十羅刹女は法華経陀羅尼品に登場する10人の鬼神で、法華経信者を守護します。

「平家納経 観普賢経」  平安時代・長寛2年(1164) 広島・厳島神社 国宝
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5月6日までの展示です。
平家納経は平家一門が厳島神社に奉納した、法華経30巻を中心にした経典で、
観普賢経は法華経の中の結びのお経です。
見返には十羅刹女のうちの黒歯が剣を持ち、和装の女房姿で描かれています。
法華経への女性の信仰の深さが知られます。

「扇面法華経冊子」 平安時代・12世紀 東京国立博物館 国宝
5月8日からの展示です。
扇面に貴族や庶民の様子を描いた上に法華経を写し、冊子の形にしています。
宮廷周辺の女性の発願で制作されたと考えられるとのことで、大阪の四天王寺に
伝来しました。

「聖徳太子絵伝」 秦致貞 平安時代・延久元年(1069) 東京国立博物館 国宝
全10面の大きな絵で、5月6日までは6面、5月8日からは4面が展示されます。
聖徳太子の事績が描かれており、聖徳太子信仰の高まりを伝えています。

「聖徳太子絵伝」 遠江法橋 鎌倉時代・元亨3年(1323) 大阪・四天王寺 重要文化財
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6幅の掛軸で、5月6日までの展示です。
この絵では画面下に蘇我馬子と物部守屋の戦いが描かれています。
四天王寺は聖徳太子による建立と伝えられる寺院です。
聖徳太子の事績を絵にした聖徳太子絵伝の成立はかなり古く、絵伝を参詣者へ
見せる建物、四天王寺絵堂は8世紀後半には存在していたそうです。

「真言八祖行状図(龍智)」 保延2年(1136) 出光美術館 重要文化財
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真言宗の龍猛、龍智、金剛智、不空、善無畏、一行、恵果、空海の事績を描いた
大きな8幅の掛軸で、5月6日までと5月8日からで、4幅ずつ展示されます。
龍智は南インドの人で、龍猛から密教を授かり、これを金剛智に伝えています。
紅葉の風景の中で、左には龍智と玄奘、下には龍智と金剛智、善無畏、
右上には楽器を持った二人の人物が描かれています。
明治の廃仏毀釈で廃寺となった、奈良県の内山永久寺の旧蔵です。


第2章 巨匠のつながり

雪舟と中国絵画、宗達と古典など、継承と新しい工夫によるつながりです。

「山市晴嵐図」 玉澗 南宋~元時代・13世紀 出光美術館 重要文化財
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4月29日までの展示です。
大きな空間の中に、山中の人家、行く人、小橋などが簡略に描かれています。
無駄の無い、観ていて心地の良い作品です。
玉澗(ぎょくかん)は南宋末期から元初期の禅僧の画家で、簡潔で勢いのある
筆遣いを特徴にしていて、日本の水墨画に大きな影響を与えています。
東山御物の「瀟湘八景図巻」の中の一つで、他に「遠浦帰帆」(徳川美術館蔵)、
「洞庭秋月」(個人蔵)が現存しています。

「倣夏珪山水図」  雪舟等楊  室町時代・15世紀 山口県立美術館寄託
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5月8日からの展示です。
雪舟は明に渡り、中国画を学んでいます。
夏珪は南宋の画家で、山水画を得意としていました。

「潑墨山水図」  雪舟等楊  室町時代・15世紀 根津美術館
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5月6日までの展示です。
潑墨は墨を散らし、ぼかすようにして描く技法です。

「天橋立図」 雪舟等楊 室町時代・15世紀 京都国立博物館 国宝
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5月8日からの展示です。
高い視点から見下ろした、ほぼ実景に近い景色ですが、一部は実景と
異なる加工もされているそうです。
部分的に朱も入った水墨で、広々とした空間を感じる画面です。

「四季花鳥図屏風」 雪舟等楊 室町時代・15世紀 京都国立博物館 重要文化財
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右隻
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5月6日までの展示です。
雪舟は中国画の画風を、四季の屏風という和の様式に取り入れ、新たな花鳥画を
作り上げたということです。

「四季花鳥図」 狩野元信 8幅のうち4幅 
 室町時代・16世紀 京都・大徳寺大仙院 重要文化財

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5月6日までの展示です。
元信の代表作で、大きな画面は緻密に描き上げられ、色彩も華やかです。
雪舟に比べ、画面構成がすっきりとしていて、障壁画の制作を得意とする
狩野派の始まりを見せています。

「平治物語絵巻六波羅合戦巻断簡」 鎌倉時代・13世紀 石橋財団ブリヂストン美術館
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5月13日までの展示です。
平安末期の平治元年に起こり、源義朝と平清盛が戦った平治の乱を描いています。
弓を持った騎馬武者と長刀を手にした徒歩武者が駆けています。
ボストン美術館所蔵の「三条殿夜討巻」や東京国立博物館所蔵の「六波羅行幸巻」と
同じセットの「六波羅合戦絵巻」の断簡で、破損した1巻から切り取ったと推定されています。

「扇面散屏風」 俵屋宗達 江戸時代・17世紀 宮内庁三の丸尚蔵館
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5月13日までの展示です。
絵の描かれた扇面が、八曲一双の金屏風に並んでいます。
題材は平治物語や伊勢物語で、「六波羅合戦絵巻」の場面も使われています。
左下は筒井筒の段で、女が自分でご飯をよそっているのを、
男が見て幻滅しています。
俵屋宗達に始まる琳派はよく古典を下敷きにした作品を描いています。

「雪梅雄鶏図」 伊藤若冲 江戸時代・18世紀 京都・建仁寺両足院
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両足院は建仁寺の塔頭で、多くの書籍・美術品を所蔵しています。
若冲得意の鶏を描いていて、白と赤の対比が鮮やかです。

「鶏図押絵貼屏風」 伊藤若冲 江戸時代・18世紀 細見美術館 
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六曲一双の屏風で、右隻は5月6日まで、左隻は5月8日からの展示です。
尾羽を立てた元気の良い雄鶏がずらりと並んでいます。

「仙人掌群鶏図襖」 伊藤若冲 江戸時代・18世紀 大阪・西福寺
名作img278 (3)

金箔地の襖に、仙人掌(サボテン)と一緒に、雄や雌、ヒヨコなど、さまざまな柄と姿の
鶏がにぎやかに描かれています。
いろいろな形の取り合わせの面白さを狙っています。

続きは次回、後編で。

展覧会のHPです。


【2018/04/17 19:43】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「数寄屋橋茶房」 2018/4
銀座
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東急プラザ銀座の6階にある「数寄屋橋茶房」に行ってきました。
場所は中央区銀座5-2-1です。

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6階のキリコラウンジの半分が「数寄屋橋茶房」になっています。
27mの吹抜けから江戸切子を模した大きなオブジェが下がっています。
こちらは広くて座席もゆったりしており、数寄屋橋の交差点も見渡せるので、
ときどき立ち寄ります。

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ランチのメニューです。

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鶏挽肉と根菜セット1350円です。

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こちらの色鮮やかなアルミニウムは

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小町弁当1600円で、みそ汁と小さな和菓子も付いています。

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見た目にもきれいで、美味しいランチです。

キリコラウンジからは銀座の景色を広々と見渡せます。

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東急プラザ銀座の屋上にも上がってみました。

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隣のソニービルの解体工事はほぼ終わりました。

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エルメスの屋上の騎馬像はこの日も旗をなびかせていました。

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以前、「数寄屋橋茶房」に行った時の記事です。


【2018/04/15 18:08】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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Author:chariot
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