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「ミケランジェロと理想の身体展」 国立西洋美術館
上野
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上野の国立西洋美術館では、「ミケランジェロと理想の身体展」が開かれています。
会期は9月24日(月・休)までです。

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イタリア・ルネッサンスの彫刻家、ミケランジェロ(1475-1564)の彫刻2点を中心に、
男性美を表現した古代ギリシャ・ローマとルネッサンス期の作品、約70点が
展示されています。


「アメルングの運動選手」 紀元前1世紀 フィレンツェ国立考古学博物館蔵
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古代オリンピックの選手でしょうか、発達した筋肉が強調されています。
片足に重心をかけた、コントラポストという形をしています。
コントラポストは人体表現にやわらかさと動きを与えます。

古代ギリシャ彫刻でも、アルカイック期のクーロス(男性像)やコレー(女性像)は
まだ片足を前に出しただけで、左右対称の形をしていました。

(参考)
「コレー像」 前530年頃 アテネ、アクロポリス、エレクテイオンより出土 
 アテネ、アクロポリス博物館蔵
ギリシャ2

2016年に東京国立博物館で開かれていた、「古代ギリシャ―時空を超えた旅―」の
時の写真です。

次のクラシック期に人体表現は自然になり、コントラポストも生まれます。

「ヘラクレス」 紀元前4世紀後半 フィレンツェ国立考古学博物館蔵
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ギリシャ神話の英雄、ヘラクレスがライオンと闘った棍棒を持った姿で表されています。
高さ約50㎝の小像で、堂々とした体格をしていて、コントラポストのポーズで立っています。

「アキレウスとケイロン」 65-79年 ナポリ国立考古学博物館蔵
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フレスコ画で、ギリシャ神話の英雄アキレウスに、ケンタウロスの賢者ケイロンが
竪琴を教えているところで、アキレウスはコントラポストのポーズです。
ポンペイ郊外のエルコラーノの邸宅にあった壁画で、エルコラーノは紀元79年の
ヴェスヴィオ火山の噴火で埋没しています。

「プットーとガチョウ」 1世紀半ば ヴァチカン美術館蔵
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古代にもよく幼児の像が制作されています。
愛らしい姿ですが、捉まっているガチョウは文句を言っています。


ヴィンチェンツォ・デ・ロッシ 「ラオコーン」 
 1584年頃 ローマ、個人蔵、ガッレリア・デル・ラオコーンテ寄託

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この作品のみ撮影可能です。
古代ギリシャの彫刻、「ラオコーン」は1506年にローマで発掘され、ルネッサンス芸術に
大きな影響を与えています。
トロイアの神官、ラオコーンと2人の息子が海蛇に取り付かれ、殺されるところで、
苦しむラオコーンの肉体には力がみなぎり、劇的な場面となっています。
教皇ユリウス2世に呼ばれ、ローマで霊廟建設に当たっていたミケランジェロも
実際に見ています。
コピーもいくつか造られていて、これもその一つです。

ミケランジェロ・ブオナローティ 「若き洗礼者ヨハネ」  高さ130cm 1495-96年 
 ウベダ、エル・サルバドル聖堂/ハエン(スペイン)、エル・サルバドル聖堂財団法人蔵

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洗礼者ヨハネはヨルダン川でイエスに洗礼を授けた人物とされ、皮衣を着
た姿で表されます。
20歳頃の作品で、少年のように若い洗礼者ヨハネです。
コントラポストのポーズはルネッサンス期の彫刻にも受け継がれています。
メディチ家の注文で制作されましたが、すぐに行方不明になり、20世紀になって
スペイン北部ウベダのエル・サルバドル聖堂にあるのが発見されますが、
直後にスペイン内戦(1936-1939)に巻き込まれ、破壊されてしまいます。
残った14個の石片を使って、1990年代からイタリアで修復され、2013年に
公開されたということで、残っていた顔の上半分は少し黒くなっています。

白の部分が残っていた石片で、全体の約40%に当たります。
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ミケランジェロ・ブオナローティ 「ダヴィデ=アポロ」 高さ147cm 1530年頃 
 フィレンツェ、バルジェッロ国立美術館蔵

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フィレンツェを支配していたメディチ家を市民は1527年に追放しますが、神聖ローマ皇帝
カール5世が介入して、1530年にフィレンツェは陥落し、メディチ家が復帰しています。
ミケランジェロはフィレンツェ防衛の要塞建築を指揮していたため、罰せられる
ところでしたが、何とか赦されています。
そこで、皇帝と教皇の連合軍の司令官のバッチョ・ヴァローリの御機嫌取りで制作した
作品とのことです。
これもコントラポストの形ですが、左腕を右肩に大きく回し、体をねじって、上に向かって
渦を巻くような動きを作っています。
若々しい姿ですが、顔には憂いの表情が浮かんでいます。
しかし、製作途中でミケランジェロは教皇パウルス3世に呼ばれ、ローマに行ってしまい、
作品は未完成のまま残されています。
彫られているのは旧約聖書に登場するダヴィデ王か、ギリシャ神話の神アポロらしい
のですが、未完成のためどちらか分からないままとなっています。
肩に背負っている物が投石器ならダヴィデ、矢筒ならアポロとなります。

(参考)
ミケランジェロ・ブオナローティ 「十字架を持つキリスト(ジュスティニアーニのキリスト)」
1514-1516年 大理石 バッサーノ・ロマーノ、サン・ヴィンチェンツォ修道院付属聖堂
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2017年に三菱一号館美術館で開かれた、「レオナルド×ミケランジェロ展」の時の
写真です。
やはりコントラポストになっています。


ミケランジェロの2つの彫刻を中心にした展示ですが、古代とルネッサンス、両時代の
男性像が数多く展示されていて、しっかり比較して観ることが出来ました。
特にコントラポストという表現方式を面白く思いました。

仏教彫刻では左右対称の仏像が多いですが、コントラポストと同じ、重心を片足に置く
形も多くあります。

(参考)
「八大童子立像」 運慶作 6軀 
 鎌倉時代・建久8年(1197)頃 和歌山・金剛峯寺 国宝
運慶img222 (5)

2017年に東京国立博物館平成館で開かれた、「運慶展」の時の写真です。

展覧会のHPです。


【2018/06/30 19:07】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「銀座びいどろ 池袋店」と睡蓮の庭
池袋
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「銀座びいどろ 池袋店」は西武池袋本店の8階にあります。

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スペイン料理のお店で、店内は40席ほどで全席禁煙、仕切りが多く落着いた雰囲気です。
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ピカソが飾ってあります。
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東京野菜パエリアセット1490円を注文しました。
パエリアは一人前ずつ注文できます。
パエリアは炊き上がるのに少し時間がかかるので、スープとタパスが出ます。

冷たいコーンスープです。
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3種のタパス盛り合わせはスペインオムレツ、ピンチョス、コロッケが並んでいます。
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パエリアにはナス、カボチャ、オクラ、ズッキーニなどが載っています。
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ドリンクはコーヒーにしました。
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他にもいろいろメニューがあって、手軽にスペイン料理を楽しめるお店です。


9階屋上の「食と緑の空中庭園」にある、モネのジヴェルニーの庭を模した
「睡蓮の庭」を見てきました。

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睡蓮は咲き始めたところです。
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「四季なりミカン」です。
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虫さんが夢中で食事をしていました。
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【2018/06/29 20:32】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『八木夕菜「NOWHERE」』展 銀座 ポーラ ミュージアム アネックス
銀座一丁目
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銀座のポーラ ミュージアム アネックスでは、『八木夕菜「NOWHERE」』展が
開かれています。
会期は7月8日(日)まで、会期中は無休、入場無料です。

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八木夕菜さんは写真家で、建築事務所勤務の後、国内外の建築を撮影した
素材による作品を制作しています。


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ひとつになる世界
アクリルの中に建築の写真が入っています。

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写真の上にアクリルが乗っています。

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バウハウスの字が浮いて見えます。
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くずれゆく世界
幾何学のアルゴリズムを使って、建築の写真の一部を崩しています。

フランスのナントの大聖堂です。
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タンパンの所が崩れています。
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ホテルオークラ旧本館のロビーです。
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ホテルオークラは現在、建て替え中ですが、谷口吉郎設計のロビーは建て替え後も
復元されることが決まったそうです。


反射や屈折によって見え方がいろいろ変わり、建築の面白さが増す、面白い展示です。

展覧会のHPです。


毎年この季節の銀座の風物、七夕飾りです。

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銀座のパンダもサッカーW杯の日本チームを応援しています。

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【2018/06/28 19:27】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「はじめての古美術鑑賞―漆の装飾と技法―」 南青山 根津美術館
表参道
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南青山の根津美術館では企画展、「はじめての古美術鑑賞―漆の装飾と技法―」が
開かれています。
会期は7月8日(日)までです。

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漆は縄文時代には塗料として使われており、奈良時代には中国から漆の装飾が
伝えられています。

展覧会では日本で発展した蒔絵や、中国や朝鮮から渡り、唐物漆器として珍重されてきた
漆工芸品が展示され、その技法も解説されています。

「春日山蒔絵硯箱」 室町時代 15世紀 重要文化財
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8代将軍足利義政愛用の硯箱の一つです。
鳴く鹿に秋草を配し、銀の満月には薄がかかっています。
雅びで繊細な作品で、義政の洗練された好みを伝えています。
この硯箱は古今集の壬生忠岑の歌に依っています。

  山里は秋こそことにわびしけれ鹿の鳴く音に目をさましつつ

鹿、山、秋、月などから春日山が連想され、作品名にもなったそうです。

春日山蒔絵硯箱にはいろいろの蒔絵の技法が使われています。

葦手(あしで)
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和歌の一部の字を絵の中に忍ばせる技法です。

平文(ひょうもん)
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金属の板を貼って、漆で塗り込め、表面を研ぎ出します。

高蒔絵(たかまきえ)
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漆を高く盛り上げて、立体感を出します。

梨子地(なしじ)
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細かい金粉を蒔いた後、漆で塗り込めます。

「花白河蒔絵硯箱」 室町時代 15世紀 重要文化財
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8代将軍足利義政の所持とされる品で、満開の桜の下に公達を描き、幹などに
花・白・河の文字を葦手書きで表しています。
新古今和歌集の飛鳥井雅経の歌に拠っています。

  なれなれてみしはなこりの春そとも なとしら河の花の下かけ

「嵯峨山蒔絵硯箱」 室町時代 15−16世紀 重要文化財
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蓋表には雅楽の大太鼓、蓋裏と箱には山の端の月、樹木、屋敷などが描かれています。
葦手(あしで)文字で、嵯峨、乃、御幸、絶にし、千代の字が配され、後撰和歌集の
在原行平の歌が表されています。

  さがの山みゆき絶にし芦川の千世のふる道跡はありけり

夕顔蒔絵板戸 柴田是真・三浦乾也合作 江戸時代 19世紀
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小さな板戸に立体感のある分厚い塗りで夕顔を描いています。
瓢箪の部分は尾形乾山の系統の陶工、三浦乾也の作です。

「業平蒔絵硯箱」 柴田是真 明治時代 19世紀 
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伝尾形光琳作の「業平蒔絵硯箱」を模した作品で、伝尾形光琳作と並べて
置かれています。
原作は狩衣の線や扇の骨を錫の板で作ってあるのを、錫の粉や灰墨を使って
蒔絵で再現してあるそうです。


中国の漆工芸品です。

「螺鈿人物文八角合子」 木胎漆塗螺鈿 南宋時代 12世紀
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机に向かって絵を描く女性、香を焚いたり、団扇を持つ侍女が螺鈿(らでん)を使って
描かれています。
八角形の枠に合わせて、欄干や机、香の台の線が揃えられています。
机の上の紙には絵も線彫りされるなど、細かい細工がされています。

「堆黒屈輪文香合」 木胎漆塗 元時代 14世紀
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堆黒(ついこく)は素地に黒漆を何層にも塗り重ねて厚みを出し、
彫り込んで模様を出す技法で、宋時代に始まっています。
屈輪文(ぐりもん)は渦巻文様のことです。
間に朱漆も塗って、赤い線を出し、器を華やかにしています。


展示室5のテーマは、「茶道具の銘と和歌」です。

銘を和歌から採った茶道具の展示です。

「文琳茶入 銘 亀尾」 薩摩 施釉陶器 江戸時代 17世紀
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胴の白い部分を瀧に見立てています。

  亀の尾の山の岩根をとめておつる瀧のしら玉千世の数かも

古今集所収の紀惟岳(きのこれおか、生没年未詳)の歌です。

「鼠志野茶碗 銘 山の端」 美濃 施釉陶器 桃山~江戸時代 17世紀 重要文化財
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  五月雨ははれんとやする山端にかかれる雲のうすくなりゆく

花園天皇(1297-1348)の歌にちなんだ銘です。


展示室6のテーマは、「季夏の茶の湯 ─名水点て─」です。

名水点ては夏の茶席の趣向で、名水を汲んで茶を点てるものです。

「青磁擂座三足水盤」 龍泉窯 施釉陶器 元時代 14世紀
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水を張って草花を活ける鉢です。

「広沢切」 伏見天皇筆 鎌倉時代 14世紀
床の間には広沢切が掛けられています。
和歌や書に優れた伏見天皇の御製集の断簡です。

  あめのゝちのゆふべのいけは水すみてうつる木ずゑのいろぞすゞしき

展覧会のHPです。


次回の展覧会は企画展、「禅僧の交流 墨蹟と水墨画を楽しむ」です。
会期は9月1日(土)から10月8日(月・祝)です。


【2018/06/26 19:16】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ハリオカフェ(HARIO CAFE)」 日本橋
三越前
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ハリオカフェ(HARIO CAFE)は日本橋三越本店の小路を入った所にあります。
場所は中央区日本橋室町1-12-15です。


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耐熱ガラスメーカーのHARIOの経営する、今年の3月にオープンしたお店で、
1階は手作りのガラスアクセサリーショップです。

カフェは2階に15席、3階に12席ほどあり、全席禁煙、HARIOの製品が並び、
2面がガラス壁の明るい店内です。

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隣は蕎麦の利久庵です。

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コーヒーの木の植木鉢も置いてあります。

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注文は席で受けます。
ペーパーウエイトも可愛いコーヒーポットの形をしています。

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エチオピア700円とカラメルフィグ300円です。

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カップもHARIOです。
ドリップで淹れるエチオピアはやや酸味系で、すっきりとして美味しいです。

落着いた雰囲気で、静かにコーヒーを味わえるお店です。


【2018/06/24 20:35】 お店 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「戊辰戦争 菊と葵の500日」 竹橋 国立公文書館
竹橋
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竹橋の国立公文書館では、平成30年度第1回企画展、「戊辰戦争 菊と葵の500日」が
開かれています。
会期は6月30日(土)まで、入場無料、日曜日は休止です。

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国立公文書館は国立近代美術館の隣にあります。

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明治150年になるのを記念しての企画で、慶応4年(1868)1月の鳥羽伏見の戦いに始まり、
明治2年(1869)5月の五稜郭の戦いの終結で終わった戊辰戦争に関する資料が
展示されています。
展示室は撮影可能です。

「戊辰所用錦旗及軍旗真図」
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戊辰戦争で新政府軍が用いた錦旗や軍旗は年を経て劣化するので、その姿を後の世に
留めておくため、画家の浮田可成に命じて描かせたものです。

「慶明雑録」
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戊辰戦争についての薩摩藩側の記録です。
展示個所は小銃六番隊監軍、児玉平蔵の書簡で、鳥羽伏見の戦いで、弟の良四郎が
幕府伝習歩兵隊との戦闘で「本込(もとごめ)」を分捕ったとあります。
「本込」とは後装式シャスポー銃のことで、薩摩郡軍の前装式であるミニエー銃より
優れた銃です。

「新撰組手負之者医学所江罷越之儀申上候書付」
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「新撰組手負之者山口次郎医学所江罷越候儀ニ付申上候書付」
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鳥羽伏見の戦いで幕府軍として戦った新選組の隊士が江戸の幕府医学所に
来ることを伝える文書で、江戸城多聞櫓に保管されていました。
近藤勇や医学所頭取の松本良順の名も見えます。

山口次郎とは新選組の撃剣師範を務めた剣豪の斎藤一のことで、会津まで転戦し、
後に西南戦争では警視庁部隊の隊員として従軍しています。
警視庁を退職後は東京高等師範学校附属東京教育博物館(現在の国立科学博物館)や
東京女子高等師範学校(現在のお茶の水女子大学)に勤め、最後は本郷真砂町で
亡くなっています。
師範学校では凄味のある事務員だったことでしょう。

「有栖川宮家記」
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有栖川宮家の記録で、東征軍大総督に任命された熾仁親王の下、参謀として
西郷吉之助(隆盛)の名があります。

「仙台藩記」
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仙台藩の記録で、仙台に到着した奥羽鎮撫総督が仙台藩主に対し、会津藩主
松平容保を討伐するよう命じている部分です。
結局、仙台藩は従わず、逆に総督の参謀の世良修蔵を殺害し、奥羽越列藩同盟の
結成へと進みます。

「佐竹義堯戦争届」
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久保田藩(佐竹藩)12代藩主、佐竹義堯が新政府に提出した、秋田での戦闘の記録です。
久保田藩は奥羽越列藩同盟に入っていましたが、途中で離脱し、南部藩と戦闘を
始めています。
記録には南賊(南部藩)士分藤田繁次郎の首級を奪ったとあり、他にも戦利品として
金子二十六両、西洋太鼓、早合入胴乱(弾薬ケース)などが分捕った者の名前とともに
書かれています。
分捕った金子を着服しなかった兵士も律儀ですが、細かく書き出して報告する
久保田藩も律儀です。

「陸軍裁判所記」
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五稜郭の戦いで降伏し、揚り屋(牢屋)に入れられていた榎本釜次郎(武揚)を、
明治4年に親類預けとした記録です。


戊辰戦争の跡は東京にも残っています。

上野の山の彰義隊士の墓です。
上野戦争は慶応4年(1868)5月15日(新暦では7月4日)に起こり、西郷隆盛らの指揮する
新政府軍のため、半日で壊滅しています。
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谷中の経王寺には彰義隊士が逃げ込み、新政府軍が射ち込んだ銃弾の跡が
門扉に残っています。
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常設展示には日清講和条約、日露講和条約、サンフランシスコ平和条約の
原本も展示されています。

昭和12年に制定された、第1回文化勲章の議案書です。

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洋画家の岡田三郎助、藤島武二、日本画家の竹内恒吉(栖鳳)、横山秀麿(大観)も
受賞しています。

昭和64年1月7日に小渕恵三官房長官が新元号を発表した時に掲げた、
「平成」の書です。

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展覧会のHPです。


次回の企画展は「平家物語 妖しくも美しき」展です。
会期は7月21日(土)から9月1日(土)までです。

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【2018/06/23 17:13】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「上野精養軒 3153店」 2018/6
上野
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「UENO3153(さいごうさん)」の3階にある、「上野精養軒 3153店」に
夕方、寄りました。
場所は台東区上野公園1-57です。

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100席ほどのお店で、全席禁煙、店内は広くゆったりしています。

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舌平目と小海老セット1680円です。

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オムライス1380円です。

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料理も美味しく、老舗の安定感のあるお店です。

以前、「上野精養軒 3153店」に行った時の記事です。


上野不忍池の蓮の葉もいっぱいに茂りました。
右側の建物は精養軒の本店です。

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【2018/06/22 19:37】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「山田純嗣展 絵画をめぐって―2・3・2―」 日本橋髙島屋美術画廊X
日本橋
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日本橋髙島屋美術画廊Xでは「山田純嗣展 絵画をめぐって―2・3・2―」が
開かれています。
会期は6月25日(月)までです。

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山田純嗣さん(1974-)は長野県飯田市出身で、名画を立体化し、それを撮影した
写真の上にエッチングやペインティングを重ねる、「インタリオ・オン・フォト」と
名付けた技法によって制作しています。

葛飾北斎の「諸国瀧廻り 木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」を高さ70㎝の立体にした物です。
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粘土などで出来ていて、瀧の部分には箔を貼ってあります。
2次元の浮世絵が3次元化されて、面白い造形です。 

インタリオ・オン・フォトによる平面作品です。
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また2次元に戻っていて、モノクロ写真のネガに彩色したような、ちょっと不思議な景色です。

酒井抱一の「夏秋草図屏風」の夏の部分を立体化しています。
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揺れる夏草が手前に浮き出ています。

インタリオ・オン・フォトによる平面作品です。
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夏草が浮彫のような感じになります。

仙厓の「〇△□」のインタリオ・オン・フォトもあります。
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後から描いた線が上になっています。
地の部分には仙厓の絵などがぎっしり詰まっています。

平面から立体、立体から平面と移す過程で加工が入って、原作とは違った世界が
見えてくる、なかなか面白い造形です。


日本橋髙島屋では中原淳一の原画を人形にした、スーパードルフィーが
展示されていました。

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【2018/06/21 19:12】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「渡辺香奈展 Perfect Blue」 銀座 日動画廊
銀座
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銀座の日動画廊では6月26日(火)まで、「渡辺香奈展 Perfect Blue」が
開かれています。
日曜日は休廊です。

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渡辺香奈さん(1980~)は岩手県出身で、花や女性を勢いのある動きの中で
描いています。
2012に文化庁海外研修としてスペインに留学し、2014年までベラスケスなど
スペイン絵画を学んでいます。

「Perfect Blue」 M100
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作品は新国立劇場のバレリーナの方にポーズを取ってもらったそうで、腕を伸ばした
背中の鍛えられた筋肉も描き出しています。
画面を横にすると、葛飾北斎の「神奈川沖浪裏」にも似ています。
本の絵は、ホセ・デ・リベーラの「隠者の聖パウロ」の一部で、生を表すパンには
光が当たり、死を表す頭骸骨は陰になっています。

渡辺さんによれば、自分が青一色の世界に居れば、青色を意識せず、赤色など
別の色をを見て初めて自分の青色に気付く、ということを描いています。
これはスペインの文化に触れることで、今までの自分の持っていた日本の文化と
いうものを客観的に意識したことに始まるそうです。
スペインの画家たちは、近所の土を絵具に混ぜて特有の色彩を出すなど、
油彩というものを使いこなしていて、教科書的な日本の描き方とはかなり違うことに
驚いたそうです。

「Perfect Magenta」 F130
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赤の世界の中に青が少し入っています。
折り紙の蝶は、外からちょっと見ただけではたその場所の良い所だけが見えることを
表しているそうです。
実際にそこで暮らすと、現実の姿が見えてくるもので、それは本物の蝶で表します。
ダリアはメキシコ原産で、スペインを通じてヨーロッパに伝わった花です。

「Perfect Magenta」 F8
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本の絵は、ムリーリョの「小鳥のいる聖家族」の一部です。

「La Paciencia」
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Pacienciaは忍耐という意味です。
渡辺さんとしては珍しい、左右対称に近い構図で、腕を後ろにそらした肩の筋肉の
盛り上がりが強調されています。
本の絵はスルバランの「神の子羊」です。

「一輪を花束にして」 M8
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一輪の花の、蕾から開花して枯れていくまでを一つの画面に描いています。
人の人生の一つ一つの場面に似ているように思えるとのことで、時の流れを
意識しています。
小品ですが、椿の花がこちらに向かってあふれ出してくるような迫力があります。

「一輪を花束に」 M4
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渡辺さんの作品には、外に向かって大きく広がっていく、運動性、躍動感があり、
バロック的と言えます。

2015年に日本橋三越本店で開かれた「渡辺香奈 洋画展」の記事です。

2011年に日動画廊で開かれた「渡辺香奈展 流れにめぐるものたちへ」の記事です。


【2018/06/19 20:45】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ザ クリーム オブ ザ クロップ 渋谷ヒカリエ店」 2018/6
渋谷
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「ザ クリーム オブ ザ クロップ 渋谷ヒカリエ店」に、朝行ってきました。
場所は渋谷区渋谷2-21-1です。

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渋谷ヒカリエの1階の角にある、自家焙煎コーヒーの売店で、イートインは
間仕切りの内側にカウンター席と背の高いテーブル席が数席あります。

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朝、8時から開いていて、モーニングセットもあります。

パンオレザンとコーヒーのセットは650円です。
カレーパンのセットも650円です。

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注文の都度ドリップで淹れるコーヒーはくっきりと美味しく、最近、再開発の進んでいる
渋谷の活気を味わえるお店です。

以前、「ザ クリーム オブ ザ クロップ 渋谷ヒカリエ店」に行った時の記事です。


【2018/06/17 19:00】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『内田正泰 「心の詩」作品展』 丸善丸の内本店 2018/6
丸の内オアゾ内の丸善丸の内本店4階ギャラリーAでは、
『内田正泰 「心の詩」作品展』が6月19日(火)まで開かれています。

内田正泰さん(1922~)は今年96歳で、100色以上の色紙をちぎって貼る、
はり絵の技法によって、懐かしい日本の四季の風景を詩情豊かに
描き出しています。

展覧会では夏の景色を中心にして、新作のはり絵の原画と版画や代表作など、
約50点が展示されています。

「梅雨あけ」 
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梅雨の明けた青い空を白い雲が流れ、緑の野でも雲の影が流れています。

2013年に同じ丸善丸の内本店で開かれた『内田正泰 「心の詩」作品展』の記事です。


梅雨の花、紫陽花の写真も少し載せます。

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【2018/06/16 17:26】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「ドリップマニア エキュート日暮里店」
日暮里
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「ドリップマニア エキュート日暮里店」はJR日暮里駅の改札内にあります。

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小さなお店で、席の間は狭く、全席禁煙、約20席あります。
JR東日本系列のお店で、東京23区内にあるのはこちらだけです。

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日暮里ブレンドS410円です。

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ここのコーヒーは店名の通り、1杯ずつハンドドリップで淹れるので、
すっきりとして飲みやすく、美味しいです。

BGMにトップオブザワールドが流れていて、元気も出てきました。
朝7時から開いていて、駅ナカでドリップコーヒーが飲める、重宝なお店です。

少し前に行ったのですが、隣の上野駅ではパンダのグッズがたくさん売られていました。

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アメ横のジオラマもありました。

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【2018/06/15 20:44】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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Author:chariot
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