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「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展 六本木 サントリー美術館
六本木・乃木坂
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六本木のサントリー美術館では、「河鍋暁斎 その手に描けぬものなし」展が
開かれています。
3月31日(日)まで、休館日は火曜日です。
会期中、細かい展示替えがあるので、展覧会のHPで確認してください。

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河鍋暁斎(かわなべきょうさい)(1831-1889)は幕末から明治にかけての絵師で、
はじめ歌川国芳に弟子入りし、その後狩野派に学び、後にさまざまな画法も手掛けて、
多彩な画業を展開しています。

第1章 暁斎、ここにあり!

河鍋暁斎を代表する作品の展示です。

「枯木寒鴉図」 明治14年(1881) 榮太樓總本鋪
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2月18日までの展示です。
第2回内国勧業博覧会で事実上の最高賞である妙技2等賞牌を受賞した作品です。
水墨画で、これにより戯画や風刺画の画家と思われていた河鍋暁斎の正統派の
画家としての評価は一気に高まったということですが、50歳頃のことですから、
画業としてはかなり遅い時期です。

「花鳥図」 明治14年(1881) 東京国立博物館
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3月4日までの展示です。
こちらも第2回内国勧業博覧会に出展された作品です。
華やかで細密な花鳥画ですが、雉に蛇が絡みつき、それを鷹が狙っているという、
凄味のある画面です。

「観世音菩薩像」 明治12年(1879)または18年(1885)以降 
 日本浮世絵博物館

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3月4日までの展示です。
細密な筆遣いで、楊柳観音と善財童子を描いていて、衣の透ける様子も
表されています。
暁斎は観音像をよく描いており、晩年には1日1枚観音を描くという
日課観音を励行しています。

「文読む美人図」 明治21年(1888)頃 河鍋暁斎記念美術館
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3月6日からの展示です。
江戸初期の風俗の女性が衝立にもたれて何か読んでいます。
紐のような細い帯を締め、左手を懐に入れて、大きな鶏の模様を見せています。
髪は立兵庫のようですが、輪が二つあります。


第2章 狩野派絵師として

暁斎は天保8年(1837)に歌川国芳に入門しますが、すぐ後の天保11年(1840)に
狩野派に入門しています。
国芳の弟子時代には、拾った生首を写生したという豪胆な逸話も残っています。
狩野派との関係は晩年まで続いており、当時の正統な画流を継いでいたことを
示しています。

「毘沙門天之図」(部分) 嘉永元年(1848) 河鍋暁斎記念美術館
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3月4日までの展示です。
駿河台狩野家の狩野洞白陳信に弟子入りした、10代の頃の絵で、現存する暁斎の
作品の中では最も早い時期のものです。
暁斎は狩野洞白の元では極めて優秀な門人だったということです。


第3章  古画に学ぶ

暁斎は中国絵画、狩野派、土佐派、円山派、浮世絵など、さまざまな作品を模写しています。
暁斎が学んだ作品も展示されています。

「鳥獣戯画 猫又と狸」 明治時代 河鍋暁斎記念美術館
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3月6日からの展示です。
赤い着物の猫、花飾りを付けた狸に、モグラ、イタチが一緒になって踊っています。
下絵なのか、猫の部分は紙を継ぎ足してあります。
猫又は山中に住む、猫のような妖怪、あるいは年を経た猫が化けた妖怪のことで、
徒然草にも登場しています。

「風神雷神図」 明治4年(1871)以降 株式会社虎屋
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3月6日からの展示です。
狩野派の伝統に基いた水墨画です。
風神と一緒に柳が描かれているのは、柳に風ということわざを示しているのでしょうか。

「美人観蛙戯図」 明治前半 河鍋暁斎記念美術館
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3月6日からの展示です。
夏の風情の絵で、縁側で団扇を手にした女性が蛙の相撲を眺めています。
控えの蛙たちは腕組みしたり、寝そべったり、煙管をくわえたり、鳥獣戯画を思わせます。
女性の顔は様式的な美人画とは異なり、ニュアンスのある表情をしています。

「虎図」 19世紀 東京・正行院
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全期間の展示です。
正行院は台東区谷中にある、暁斎の墓のあるお寺です。
暁斎が1か月半、こちらに逗留したお礼に描いたものと言われています。


第4章  戯れを描く、戯れに描く

暁斎は戯画や酒席などで即興で描く席画でも知られています。
明治3年(1870)には政治風刺の戯画による筆禍事件を起こして牢に入れられたため、
翌年にはそれまで名乗っていた「狂斎」を「暁斎」に改めています。

「風流蛙大合戦之図」(部分) 元治元年(1864) 河鍋暁斎記念美術館
暁斎006

全期間の展示です。
元治元年の第一次長州征伐を蛙合戦(かわずがっせん)に見立てた、
大判3枚続きの浮世絵です。
蛙はメスを争って大勢のオスが争う蛙合戦を繰り広げることで知られています。
右の六葉葵紋の旗を立てた徳川勢が、左の沢潟紋の長州勢を水鉄砲で攻撃しています。
実際の第一次長州征伐では戦闘は行われていません。

「名鏡倭魂 新板」 明治7年(1874) イスラエル・ゴールドマン・コレクション
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全期間の展示です。
中教院(神道の国教化を目的として教部省が設置した大教院の県別組織)の
依頼で描いています。
刀工の栗原謙司信秀が鍛え、研ぎ師の本阿弥平十郎成重が磨いた
名鏡の輝きが悪魔外道を退治しているところです。
百鬼夜行図のような絵で、追われている者にはキリスト教を表すと思われる
洋服を着た鳥もいますが、卍模様の着物の者もいます。
卍は仏教の象徴ですから、大教院は仏教とは合わなかったようです。

「貧乏神図」 イスラエル・ゴールドマン・コレクション
全期間の展示です。
ぼろを着て破れ団扇を腰に差した痩せこけた貧乏神が立っていて、足元には注連縄が
輪を作ってあり、貧乏神が出て来られないようにしています。
軸装も違う布を継ぎはぎしていて、貧乏気分を出しています。


第5章  聖俗/美醜の境界線

暁斎は聖と俗、美と醜の織り成す妖しい世界をよく描いています。

「地獄太夫と一休」 絹本着彩 1871-89年 
 イスラエル・ゴールドマン・コレクション

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全期間の展示です。
地獄太夫は室町時代の遊女で、山賊にかどわかされて堺に遊女として
売られますが、現世の不幸は前世の行ないの故であるとして、
着物には地獄変相図を刺繍していたそうです。
一休宗純とも親交があったということで、三味線を鳴らす骸骨の上で
一休が踊っています。
打掛には地獄変相図ではなく、七福神や珊瑚、寿の文字、帯には
遊ぶ唐子と布袋様が描かれています。
絵の場面は山東京伝の「本朝酔菩提全伝」に拠っています。
客の一休が僧であるのに酒を飲み、魚を食べるので、地獄太夫はいぶかしく思い、
座敷を出て中を窺うと、一休は骸骨の姿をした芸妓たちと一緒に踊っていたと
いうことです。
暁斎は地獄太夫の絵をよく描いています。

「暁斎楽画第九号 地獄太夫がいこつの遊戯ヲゆめに見る図」 
 明治7年(1874) 河鍋暁斎記念美術館

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骸骨たちが乱痴気騒ぎを繰り広げる中で、赤い法衣をまとった地獄太夫は
深く瞑想しているようです。
達磨が面壁九年で悟りを開いたのなら、10年の年季を勤めなければ
ならない遊女はもっと深い悟りを得る筈だ、という意味があるそうです。

「閻魔・奪衣婆図」 明治12~22年(1879~89) 林原美術館
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3月6日からの展示です。
遊女が閻魔大王を踏み台にして、短冊を枝を掛けています。
若衆は奪衣婆(だつえば)の白髪を抜いているのでしょうか。
奪衣婆は三途の川で亡者の衣服を剥ぎ取る鬼で、閻魔大王の妻ともされています。


第6章 珠玉の名品

小さな画帖の展示で、会期中、場面替えがあります。

『「風俗鳥獣戯画帖」のうち「髑髏と蜥蜴」』 
 明治2~3年(1869~70) 個人蔵

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全期間の展示で、期間中に場面替えがあります。


第7章 暁斎をめぐるネットワーク

お雇い外国人として来日し、鹿鳴館や三菱一号館などを設計したジョサイア・コンドル
(1852-1920)は日本文化への関心が深く、河鍋暁斎に弟子入りして絵画を学び、
暁斎の臨終も見届けています。
そのコンドルの旧蔵品や、暁斎にゆかりの場所に伝わった作品の展示です。

「野見宿禰と当麻蹶速図」 明治7年(1874) 東京・湯島天満宮
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大きな絵馬で、全期間の展示です。
奉納者は湯島三組街地主・店中と書かれています。
野見宿禰(のみのすくね)は日本書紀に出てくる人物で、当麻蹶速(たいまのけはや)と
相撲を取り、踏み殺して勝っています。
土師氏の祖先とされ、土師氏より出た菅原氏の一族に菅原道真がいることから、
菅原道真を祀る天満宮とも縁の深い人物です。

「半身達磨」 1885年 イスラエル・ゴールドマン・コレクション
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全期間の展示です。
ジョサイア・コンドルの旧蔵です。
ロンドンのオークションで、55ポンドで落札したということです。
大胆な筆遣いの衣の表現と、毛の一本一本までていねいに描き込む
細密さが一体となった、暁斎の技量の高さを示す作品です。
暁斎は仏画も多く手掛け、晩年は毎日、観音を描いていたそうです。

『河竹黙阿弥作 「漂流奇譚西洋劇」 パリス劇場表掛りの場』 
 明治12年(1879) がす資料館

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3月4日までの展示です。
新富座の興行の宣伝に描かれていて、後ろから光を当てて、画面を浮き上がらせる
行灯絵になっています。
「漂流奇譚西洋劇」は漂流民の親子が西洋を巡るというお話で、
背景はパリのオペラ座、人物はアメリカ総領事夫妻とのことです。
ガス灯が描かれていて、がす資料館の所蔵です。

「暁斎画談 外篇」 瓜生政和著、河鍋暁斎画 明治20年(1887) 
 河鍋暁斎記念美術館

全4冊の版本で、暁斎の学んだ各流派の絵が手本として描かれています。
開かれているページには筆禍事件を起こして牢に入れられた時の様子が
描かれています。
暁斎は奔放に描いていた画家のように思われがちですが、写生を怠らず、
狩野派を始め、多くの流派の作品を真剣に学んでいたことを示しています。
格子の中の狭い空間に大勢が押し込められていて、劣悪な環境だったことが分かります。

「暁斎絵日記」 河鍋暁斎記念美術館・大東急記念文庫
暁斎は絵日記を書き続けていて、日々の出来事や交友の様子をこまめに記しています。
探検家の松浦武四郎は暁斎に自分の涅槃図を依頼しますが、自分の好きな物も
描かせようと、あれこれ持ち込んで来るので、筆が進まず、完成するのに5年も
掛かったそうです。
出来上がりが遅いので、武四郎が嫌味を言っている様子も描かれています。
松浦武四郎の涅槃図は現在、重要文化財に指定されています。


河鍋暁斎は最近人気のある画家で、何回か展覧会が開かれています。
この展覧会も初めて観る作品が多く、暁斎の幅広い画業を知り、その魅力を
存分に味わえる展覧会です。

2015年に三菱一号館美術館では「画鬼・暁斎―KYOSAI 幕末明治のスター絵師と
弟子コンドル」展が開かれていました。

「画鬼・暁斎」展の記事です。

「画鬼・暁斎」展のブロガー内覧会の記事です。

2017年にBunkamuraザ・ミュージアムでは、ゴールドマン コレクション、「これぞ暁斎!
世界が認めたその画力」展が開かれていました。

「これぞ暁斎!」展の記事です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「左脳と右脳で楽しむ日本の美」展です。
会期は4月27日(土)から6月2日(日)までです。


【2019/02/12 20:29】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
丸の内散歩
東京
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丸の内を散歩しました。

「KITTE」の1階にあったカフェ、「東京ロビー 丸の内店」は「スターバックスコーヒー
KITTE丸の内店」に替わりました。

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2018年10月に丸の内二重橋ビルが竣工し、中に入った東京會舘が今年1月に
リオープンしています。

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丸の内仲通りに置かれている新しい彫刻です。

「無題」 加藤泉 2018年
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「つくしんぼう」 桑田卓郎 2018年
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ベンチにラグビーボールを持ったくまモンがいました。

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ラグビーワールドカップ2019の開催地の一つが熊本県ということで、
熊本県職員のくまモンも広報活動を行なっているようです。

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【2019/02/10 20:46】 街歩き | トラックバック(0) | コメント(0) |
「天の花 五木玲子展」 丸善丸の内本店
東京
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丸善丸の内本店4階ギャラリーでは「天の花 五木玲子展」が開かれています。
会期は2月12日(火)までです。

五木玲子さん(1934~)は金沢市出身で、父は衆議院議員、金沢市長だった岡良一、
夫は小説家の五木寛之さんです。
早稲田大学文学部及び東邦大学医学部を卒業し、53歳で初めてカルチャーセンターで
裸婦を描いたということです。
その後、パステル画やリトグラフを手掛け、五木寛之さんの著書などの装画も描いています。
展覧会では初期から近作までの装画の原画やリトグラフなど、約70点が展示されています。

「森に聴く」 リトグラフ 2003年
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「綿の木 II」 銅版画 2018年
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描かれるのは植物で、生命の強さと儚さ、妖しさが表れています。


【2019/02/09 19:17】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
浅草 「アンヂェラス」閉店
浅草
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浅草の喫茶店、「アンヂェラス」が3月17日に閉店することを知って、
急いで行ってきました。
場所は台東区浅草1-17-6です。

浅草への地下鉄銀座線はレトロ車両でした。

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「アンヂェラス」は終戦の翌年の昭和21年(1946)の創業で、空襲の焼け跡に逸早く
建ったようです。
11時の開店時間には閉店と聞いて駆け付けたのでしょうか、15人のお客さんが
順番待ちをしていました。

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クッキー、シュトーレン、アーモンド菓子などが販売されています。

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パリの街を描いた包装紙です。

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木造3階建て、礼拝堂をイメージしたというヨーロッパ風の店内は吹き抜けになっています。
「アンヂェラス」という名も、カトリックの「お告げの祈り」に由来するとのことです。
閉店の理由は建物の老朽化のためとのことですが、壊すのはまことに
勿体ない建築です。

ショーケースには伝統的なケーキが揃っています。

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2階席です。

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2階席から吹抜けを見たところでです。

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手塚治虫にも愛されたお店です。

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お店のカード、マッチ、ティッシュです。

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マッチの裏は美食家だった喜劇俳優、古川緑波の絵です。

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クリスタルマウンテン770円と名物のアンヂェラス(ブラック)330円です。

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クリスタルマウンテンは上のカップにコーヒーの粉とお湯が入っていて、
ドリップ式に下のカップに滴り落ちます。
アンヂェラスはロールケーキで、チョコレートでコーティングしたブラックと、
ホワイトチョコレートでコーティングしたホワイトがあります。

他のお客さんもケーキや店内の写真を撮っていました。


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物日(ものび)という言葉も浅草らしさを表しています。

以下の記事にあるように、私にとって思い入れの深いお店で、何とも名残惜しく、
席を立ちがたい思いがしました。

2008年に「アンヂェラス」に行った時の記事です。

2009年に「アンヂェラス」に行った時の記事です。

「アンヂェラス」のHPです。


【2019/02/08 20:29】 お店 | トラックバック(0) | コメント(6) |
「子どものための建築と空間展」 パナソニック汐留ミュージアム
新橋
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新橋のパナソニック汐留ミュージアムでは「子どものための建築と空間展」が
開かれています。
会期は3月24日(日)まで、水曜日は休館日です。

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日本の近現代で、学校や公園など、子どもたちのための空間のデザインの変遷の中で、
先駆的、独創的なものを紹介する展示です。

旧開智学校 立石清重設計 1876年 重要文化財
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開智学校は長野県松本市にあった、明治6年(1873)に開校した小学校です。
校舎は明治9年(1876)に竣工し、昭和38年(1963)まで校舎として使用され、
その後移築され、現在は博物館となっています。
文明開化の時代を象徴する擬洋風建築で、正面玄関ポーチには唐破風の屋根が載り、
キューピッドが校名を書いた額を掲げ、欄間彫刻のような龍も飾られています。
建設費のほとんどは町民などの寄付金でまかなわれたそうで、学校への
期待の大きさがうかがえます。

私は明治時代に小学生だった人についての話を聞いたことがあります。
その人は、家族の中で小学校に行くのは自分たち兄弟が初めてであり、
学校から帰ってくると、どんなことを教えてもらったのか皆から訊かれるので、
間違ったことを話すわけにはいかず、懸命に勉強したそうです。
明治という時代の持つ、教育への熱気の伝わる話です。

自由学園明日館 フランク・ロイド・ライト、遠藤新設計 1922~1927年 重要文化財
フランク・ロイド・ライトは帝国ホテル旧館を設計しています。
三角形や菱形を取り入れたモダンなデザインが印象的です。

八幡浜市立日土小学校 松村正恒設計 1956年、1958年 重要文化財
木造建築で、従来のような廊下の横に教室を並べるのではなく、廊下と教室を分離した
クラスター型という形で、教室の両側から光を取り入れています。

最近の先進的な小学校建築の傾向を見ると、従来の知識の習得、学力の向上を
中心としたものから、個性の尊重、多様性の重視、そして自然環境との調和を
目指していて、日土小学校はその先駆的な形であったことが分かります。

タコすべり台 前田環境美術株式会社(旧前田屋外美術株式会社) 1965年~
全国各地の公園にある、タコの形をした滑り台です。
日本を代表する遊具として、デンマークのコペンハーゲンにも設置されているそうです。

他にも、さまざまな教育関係の資料が展示されていて、とても興味深い展覧会です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は、「ギュスターヴ・モロー展― サロメと宿命の女たち ―」です。
会期は4月6日(土)から6月23日(日)までです。

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【2019/02/07 19:19】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「小原古邨展」 神宮前 太田記念美術館
明治神宮前
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神宮前の太田記念美術館では「小原古邨展」が
開かれています。
会期は3月24日(日)までです。
約150点の作品が展示されますが、2月24日(日)までの前期と、3月1日(金)からの
後期で、全作品が展示替えされます。

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小原古邨(1877-1945)は明治、大正、昭和にかけて活躍した日本画家、版画家で、
花鳥画を得意としており動物や草花を優しく描いています。
作品は浮世絵の技術を基に木版画となって販売され、海外では人気作家となっています。
国内より海外で人気が高いというのは、同じ版画家の川瀬巴水と似ています。

小原古邨は金沢市の生まれで、父は加賀前田家の筆頭家老、本多家の家臣でした。
東京に出て、鈴木華邨に日本画を習い、上達してやがて東京帝国大学・東京美術学校の
教授になっています。
その頃、アーネスト・フェノロサの勧めで、欧州向けの色刷り版画の下絵の制作を始めます。
画号は「古邨」の他、「祥邨」、「豊邨」を用いています。

特に、新しい芸術を目指して渡邊庄太郎の渡邊版画店が版元となって売り出した、
「新版画」では高度な彫りと刷りの技術と相まって、高い評価を得ています。

「踊る狐」 個人蔵
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前期の展示です。
鳥獣戯画に倣ったのでしょう、戯画的なものもあります。
狐の毛の柔らかさまで表現されています。

「蓮に雀」 個人蔵
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前期の展示です。
古邨は特に鳥を多く題材にしています。

「鵞鳥」個人蔵
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前期の展示です。
首を伸ばして啼く、いかにも賑やかなガチョウです。

「紫陽花に蜂」 渡邊木版美術画舗蔵
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前期の展示です。
渡邊版画店の新版画では色彩はより鮮やかに、画面はより明快になります。

以下は後期の展示です。

「月に木菟」 個人蔵
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ミミズクもよく描いています。
前期には、夜行性のミミズクが昼間眠そうにしていると、
相談事があるのか雀たちが呼び掛けている絵もあります。

「月夜の烏」 渡邊木版美術画舗蔵
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渡邊版画店より売出しの作品では、黒いカラスは刷りの技術により、
羽毛に立体感を出して摺り出しています。

「猫と提灯」 渡邊木版美術画舗蔵
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子猫が鼠を捕まえている図柄は小林清親の有名な作品、
「猫と提灯」(1877)に倣っているようです。

参考
小林清親 「猫と提灯と鼠」 明治10年(1877) ボストン美術館
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今まで小原古邨についてよく知らず、作品を見たこともなかったのですが、
この展覧会でその画業と魅了を知ることができました。

展覧会のHPです。


【2019/02/05 20:27】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「Little Darling Coffee Roasters (リトル ダーリン コーヒー ロースターズ)」 南青山
乃木坂
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「Little Darling Coffee Roasters (リトル ダーリン コーヒー ロースターズ)」は
SHARE GREEN MINAMI AOYAMAの中にあります。
場所は港区南青山1-12-32で、青山霊園の東隣り、国立新美術館からだと、
「ウエスト青山ガーデン」を過ぎた所にあります。

アメリカンな看板です。

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広場ではフラワーショップのいろいろな草花が売られています。

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広場に面した、倉庫を改造した店内は全席禁煙、大きな焙煎機を囲む
細長いカウンター席と大テーブルの席を合わせて20席ほど、外にテラス席もあります。

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美味しいフラットホワイト(500円)で一休みしました。

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からっとした雰囲気で、国立新美術館での展覧会の帰りに利用するのにも
良さそうなお店です。


【2019/02/03 17:54】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「染付―世界に花咲く青のうつわ」展 丸の内 出光美術館
有楽町・日比谷
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丸の内の出光美術館では「染付―世界に花咲く青のうつわ」展が開かれています。
会期は3月24日(日)までです。

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染付とは白い地にコバルト顔料を使って絵を描き、釉薬を掛けて焼き、
藍色を出す技法です。
中国では青花と呼ばれ、14世紀の元時代に完成した技法です。

まず、オリエントの青の世界が紹介されています。

「藍釉金彩文字文タイル」 イラン 15世紀
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金彩を使い、ナスタアリーク体という書体で書かれているそうです。

「青花牡丹唐草文八角燭台」 景徳鎮官窯 明・永楽時代
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西アジアの金属の燭台の形を模しています。
官窯の作品らしく、模様が細密に描き込まれています。
同じく西アジアで使用された、移動用に胴が扁平になった金属の水筒を模した
扁壷も展示されています。

「青花龍濤文天球瓶」 景徳鎮官窯 明・永楽時代
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白抜きで3本爪の龍を浮き出させ、体の部分には細かい線刻が施されています。
官窯の製品で、5本爪が皇帝の用いる器なのに対し、3本爪は外国などへの
贈答品だったようです。
明時代の染付はコバルトの精製が不十分なため、滲みが出ることがあるということで、
この器も滲みが見られます。

「古染付葡萄棚文水指」 景徳鎮窯 明時代末期
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八角形の水指で、吉祥文様のブドウが描かれていて、蔓の渦巻きが楽しい
リズムを生んでいます。
古染付とは明の天啓年間(1621-27)に焼かれた染付雑器の日本での呼び名で、
素朴で庶民的な味わいが茶の世界で好まれています。
材料も粗悪なため、釉薬が剥がれて地の土が見えていますが、茶人はこれを
「虫喰い」と呼んで景色の一つとして楽しんでいます。

「祥瑞蜜柑水指」 景徳鎮窯 明時代末期 
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祥瑞(しょんずい)とは、日本の茶人の好みに応じて、景徳鎮で作られた
磁器のことです。
ミカンのように丸くふくらんだ形には安定感があります。
片面にはオシドリ、牡丹、竹、虫などが描かれていますが、反対側には
丸紋という小さな丸い模様を三段にして並べてあります。
半分ずつ違う絵柄にする片身替りというデザインは中国には無く、
日本からの注文であることを示しています。

「青花臙脂紅彩龍文瓶」 一対 清「大清乾隆年製」銘 景徳鎮官窯
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青花(染付)で波、佩飾(はいしょく)、雷文、雲気文が描かれ、臙脂紅で龍とコウモリが
描かれています。
コウモリ(蝙蝠)の蝠は福と同音の吉祥文様です。
精緻な作りで、龍の顔には濃淡を付けて立体的に表現されています。
5本爪の龍は皇帝専用の品だけに描かれるので、宮廷調度品だったと思われます。

「青花秋草文壺」  朝鮮 朝鮮王朝時代
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朝鮮の染付には柔らかで優しい風情があります。

「青花貼花文壺(手焙)」 ベトナム 16-17世紀
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ベトナムの染付で、全体に滲んでいるところにひなびた味わいがあります。
茶室での手焙(てあぶり)として使われていました。

「白地藍彩犬形把手付水注」 オランダ デルフト窯 18世紀
染付img453 (4)

東洋の陶磁器はヨーロッパにもたらされると、あちこちの工房で
それに倣った製品が作られています。
ザクロの模様を真似たブルーオニオン柄が描かれています。
ブルーオニオンは現在でもマイセンなどの定番の絵柄になっています。

「染付草花文樽形瓶」 肥前窯 江戸時代前期
染付img453 (1)

日本では17世紀初めに肥前で染付が始まったそうです。
祝樽の形を模していて、桜の枝に着物が掛けてあり、誰が袖模様になっています。
日本では素焼きした素地に描きますが、中国では素焼きせずに描くという違いが
あるそうです。

「青磁染付秋草文皿」 鍋島藩窯 江戸時代中期
染付img453 (3)

鍋島特有の端正な絵柄で、青磁と秋草模様の染付を組合わせています。

「彩磁六方香爐」 板谷波山 昭和時代前期
 染付img453 (7)

口径6.5㎝の六角形の小さな器で、松竹梅が描かれています。
板谷波山の特徴の、薄いヴェールのような釉薬を掛けた葆光釉
(ほこうゆう)といわれる技法によっています。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「六古窯(仮)」展です。
会期は4月6日(土)から6月9日(日)です。

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【2019/02/02 18:27】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「時の花-イイノナホ展-」 銀座 ポーラ ミュージアム アネックス
銀座一丁目
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銀座のポーラ ミュージアム アネックスでは「時の花-イイノナホ展-」が開かれています。
会期は2月17日(日)まで、会期中は無休、入場無料です。

イイノナホさん(1967~)は北海道生まれの新宿育ちのガラス工芸作家で、
シャンデリアやランプなどを制作しています。

「蔵扉のかみさま」 2018年
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展示室の最初に置かれていて、扉にガラスの神様が貼り付いています。

展示室
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「時の花」 2018年
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ぶどうの実がたわわに実ったシャンデリアです。

「手を伸ばす人」 2009年
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「高揚」 2009年
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「花と根」 2018年
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「夕暮れの鳥」 2018年
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「珠を運ぶ女」 2018年
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カーマスコットのような趣きです。

「雪と3人」 2018年
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「TAO」 2018年
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「Kirakira lamp」 2013年
イIMG_0707

電気スタンドです。

「Bonbon」 2013年
イIMG_0708


イイノさんの作品にはどれも優しさと可愛さがあります。

イイノさんはブログも持っていて、詩的な文章を綴っています。

展覧会のHPです。


【2019/02/01 19:13】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
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