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メトロ銀座ギャラリー 2021/3
銀座
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東京メトロ銀座駅コンコースには「メトロ銀座ギャラリー」があって、3面の展示スペースに
なっています。
4月29日までは、今年、女子美術大学を卒業・終了する6名の学生の作品を2回に分けて
展示されています。

陳柯佳 「荒唐無稽の子」
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ちょっとアニメのような雰囲気もあります。

鄭涵 「石」
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王曦 「果実」
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色合いも華やかな果物です。


以下は前半に展示されていた作品です。

趙恩彩 「Sweat sugar」
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自分の好きな物を拵えています。

midori 「DRAGON‘sLOVELY DANCE」
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胡冰清 「影」
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女子美術大学には中国からの留学生の方が多いようで、銀座駅を利用した折に、
いろいろな個性を楽しめます。


【2021/03/30 18:51】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「王 舒野展」と「佐々木岳人 漆芸展」 日本橋髙島屋
日本橋
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日本橋髙島屋美術画廊Xでは「王 舒野(ワン シュウイエ)展―非認識的視覚の瞬間」が
開かれています。
会期は4月12日(月)までです。

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王舒野(ワン シュウイエ)さん(1963~)は中国黒龍江省出身で、
現・清華大学美術学院を卒業後、1990年に来日しています。
自身の思想哲学の絵画による表現を追求し、「見る」という行為が自分の主観に
囚われていることを意識して描かれているそうです。

「時空ヌード・即(150)」
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「時空ヌード・即(151)」
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「時空ヌード・即(152)」
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ドローイング
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作品は具象と中小の境のようなおぼろげな画面で、見る人はそれぞれ自分なりの
見方、感じ方で作品に接することになります。


*****


同じ日本橋髙島屋美術工芸サロンでは3月30日(日)「佐々木岳人 
漆芸展―暁に光るー」が開かれています。

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佐々木岳人(1983~)は秋田県出身で、東京藝術大学大学院を卒業し、
漆芸に取組んでおられます。
展覧会では乾漆の技法を中心にした作品が展示されています。
ちょっと見ると漆芸とは分からない、面白い作品が揃っています。

「Mirage II」
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革製のポーチに見えますが、漆工芸の箱です。

「乾漆革塗り香合―黒薔薇―」
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革細工のように見えます。

「乾漆樽型酒器」
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器の底は夜の星のように輝いています。

「暁に光るー芒―」
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反りの無い珍しい形なので、坂本龍馬の佩刀のようです。

(参考)
「刀 銘 吉行」 坂本龍馬佩用 江戸時代(17~18世紀) 京都国立博物館
坂5-4-2010_003

坂本龍馬が脱藩に際して、兄の権平から貰い受けた刀で、龍馬が暗殺された時も
所持していたと言われています。
反りがほとんど無く、刃紋も真っ直ぐです。
これは大正時代に火災に遭い、反りを失って、研ぎ直しにより刃紋も変わったものです。

「暁に光るー雛菊―」
チラシの画像です。
拳銃の後ろには菊が描いてあります。
拳銃は龍馬が高杉晋作から贈られたスミス&ウェッソンです。


【2021/03/28 22:37】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「テート美術館所蔵 コンスタブル展」 三菱一号館美術館
東京
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丸の内の三菱一号館美術館で開かれている、「テート美術館所蔵 コンスタブル展」
ブロガー内覧会に行ってきました。
展覧会の会期は5月30日(日)までです。

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ロンドンのテート美術館の所蔵する、19世紀のイギリスの風景画家、ジョン・コンスタブル
(1776-1837)の作品を中心にした展示です。

会場の写真は特別の許可を得て撮影しています。

ジョン・コンスタブルは同時代のウィリアム・ターナー(1775-1851)と並ぶ風景画家で、
ターナーがヨーロッパ各地を訪ねてその地の風景を描いたのに対し、コンスタブルは
故郷のサフォークなど、自分の生活に密着した風景を生涯描き続けています。

1章 イースト・バーゴルトのコンスタブル家

コンスタブルはロンドンの北東部のサフォーク州イースト・バーゴルトの製粉業者の子に
生まれています。
Google マップでイースト・バーゴルトの辺りを見ると、mill roadという名の道路があり、
粉屋さんがいたことが分かります。


2章 自然にもとづく絵画制作

コンスタブルは早くから戸外で油彩のスケッチを描いており、1814年から1817年に
かけては大型の作品も戸外での制作を試みています。
金属製の絵具チューブが開発される前の頃で、かなり手間のかかったことでしょう。

「フラットフォードの製粉所(航行可能な川の情景)」 1816 -17年
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馬が平底舟を曳いてきたところで、遠くにコンスタブルの家の製粉所が見えます。
コンスタブルにとっては子ども時代を思い出す、懐かしい風景です。

左「デダムの水門と製粉所」 1817年?
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デダムの製粉所はフラットフォードの製粉所の少し上流にありました。

3章 ロイヤル・アカデミーでの成功

コンスタブルは1819年にロイヤル・アカデミーの准会員に選ばれています。
初めてアカデミーの展覧会に出展したのは26歳の時で、1歳上のターナーが27歳で
アカデミーの正会員になったのに比べ、画家としてのスタートは遅くなっています。

左「ジェイムズ・アンドリュー師」 1818年
右「ジェイムズ・アンドリュー夫人」 1818年

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風景画を好んで描いたコンスタブルですが、肖像画も手掛けています。
ジェイムズ・アンドリューは学者で、東インド会社の軍事学校の校長を勤めています。


4章  ブライトンとソールズベリー

コンスタブルは結核を病む妻のため、1824年以降何度も南部サセックスのブライトンを
訪れています。

右「チェーン桟橋 ブライトン」 1826-27年
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コンスタブルが海岸を描いた唯一の大型作品とのことです。
遠くに見えるのが1823年に完成したチェーン桟橋です。
ブライトンは鉄道が敷かれる前からリゾート地としての開発が進んでいて、地元の漁師と
一緒に都会の女性も描かれています。
ターナーはよく大型の海岸の絵を描いていました。

ソールズベリー大聖堂の聖職者と親交のあったコンスタブルはよくソールズベリーを訪れ、
大聖堂などを描いています。


5章 後期のピクチャレスクな風景画と没後の名声

コンスタブルは晩年の1829年にアカデミー正会員に選ばれています。

右 ジョン・コンスタブル 「ウォータールー橋の開通式(ホワイトホールの階段、
1817年6月18日)」 1832年発表

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ウォータールー橋は1817年に開通した橋で、1815年にナポレオン軍を破った
ワーテルローの戦いを記念して命名されました。
アーチ型の橋で、後にモネがよく題材にしています。
手前では皇太子(後のジョージ4世)が乗船するところで、衛兵が整列し、
遠くウォータールー橋では祝砲の砲煙が上がっています。
自然の風景を得意としていたコンスタブルには珍しい都市の景色ですが、
華やかな盛儀を描き出しています。

左 ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー 「ヘレヴーツリュイスから出航する
ユトレヒトシティ64号」 1832年 東京富士美術館

ヘレヴーツリュイス(ヘレヴートスライス)はオランダの港町で、ユトレヒトシティ64号は
1688年のイギリス名誉革命の時、後にイングランド王となるオレンジ公ウィリアムが
イギリス議会に招かれ、出航した時の先導艦です。
歴史画と海景画が一体となっています。

この2作は1832年のアカデミーの展覧会に並べて展示されたことがあるそうです。
ターナーの灰色がかった色調に比べ、コンスタブルの色調は明るく多彩で、画面も
約2倍と大きく、自分の作品は見映えがしないと思ったターナーは展覧会の始まる
直前になって会場に置かれた自作の画面手前に赤い色彩の塊を描き加えて、
ブイとしています。

コンスタブルは油彩画を描く他に、彫師のデイヴィッド・ルーカスと協力して、
「イギリスの風景」という22点の版画の連作を制作しています。

左「教会の農場」 1830年頃
右「教会の農場」 1830年頃

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左は「イギリスの風景」のためにデイヴィッド・ルーカスに送った油彩のスケッチです。
教会には実際には存在しない尖塔が描き込まれていて、初期の写実重視に対し、
後期にはいわゆる「絵になる」(ピクチャレスク)な画面を目指しています。
右は同じ画題の完成度を上げた作品で、尖塔は描かれず、休息する少女が
描き込まれています。

右「ヴァリー・ファーム」 1835年
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フラットフォードに住む小作人、ウィリー・ロットの家を川の南岸から描いています。
牛が歩く後ろを男女を乗せた小舟が行く、ノスタルジックな風景で、
これもピクチャレスクな描き方です。
Google マップでもこのWilly Lott’s Cottageを確認することが出来ます。

「虹が立つハムステッド・ヒース」 1836年
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最後の展示室に置かれています。
ハムステッド・ヒースはロンドンにある広大な公園です。
虹と実際には存在しない風車も描かれ、ドラマチックな光景になっています。

同じ時期に活躍し、風景画の位置を高めたターナーとコンスタブルですが、
写実から始まりながらターナーが光と空気を追求していったのに対し、
コンスタブルがピクチャレスクに向かったというのは面白い対比です。

展覧会のHPです。


中庭に置かれた、エミリオ・グレコの「うずくまる女」(1971年)です。

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【2021/03/27 17:37】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「食と緑の空中庭園」 西武池袋本店9階屋上 2021/3
池袋
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西武池袋本店9階屋上にある「食と緑の空中庭園」です。

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モネのジヴェルニーの庭を模した「睡蓮の庭」も春めいてきました。

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池袋のマスコットのフクロウも羽根を休めています。

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ハレザタワーに午後の日が当たっていました。
右は池袋サンシャイン60です。

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【2021/03/26 20:07】 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「水墨画ー伝統とモダンー」& 「心やすらぐ花の水彩画&植物画」展 丸善丸の内本店
東京
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丸の内オアゾ内の丸善丸の内本店4階ギャラリーでは
日貿出版社創立55周年記念展、「水墨画ー伝統とモダンー」&
「心やすらぐ花の水彩画&植物画」が開かれています。
会期は3月30日(火)までです。
日貿出版社は水墨画と水彩画を中心にした書籍・雑誌を発行しています。

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水墨画と水彩画、植物画の小品の展示で、出展作家は以下の通りです。

(水墨画)
伊藤昌、久山一枝、塩澤玉聖、沈和年、藤﨑千雲、根岸嘉一郎、松井陽水

水彩、植物画
小野月世、小柳吉次、西丸式人、山田道惠

山水画から現代の都市風景を描いたものまで、さまざまな作品が揃っています。
画像の右は久山一枝さんの水墨画、左は植物画の小柳吉次さんの作品です。

小野月世さん(1969~)は水彩画家で、色彩は明るく華やか、水彩らしい水気と
透明感があります。

参考
「暖かな日」 30号
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2010年に日動画廊で開かれた、「小野月世展」に展示されていた作品です。


【2021/03/25 19:34】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
千鳥ヶ淵の桜
九段下
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千鳥ヶ淵の桜のが満開になったので、行ってきました。
早朝なので人も少なく、朝日が斜めに差していました。

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ニシキモクレンも咲いていました。
後ろはインド大使館です。

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武道館では大学の卒業式が行われていて、九段坂では
着物に袴姿の学生さんが集まっていました。


【2021/03/23 19:15】 街歩き | トラックバック(0) | コメント(0) |
「第97回白日会展」 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館では「第97回白日会展」が3月29日(月)まで開かれています。
火曜日は休館日です。

白日会は大正13年(1924)の発足時から写実を追求している団体で、
絵画部と彫刻部があります。
会場は撮影可能です。

山本大貴 「孤愁の窓辺」
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扇には優雅な雅宴画が描かれています。
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伊勢田理沙 「ちょっと深呼吸」
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伊勢田さんの絵には必ず猫がいます。 

中山忠彦 「ミモザの頃」
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河野桂一郎 「はじまり」
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木原和敏 「ほどく」
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宮本佳子 「心待ち」
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大友義博 「家路」
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吉岡諒二 「通勤」
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黒木ゆり 「透明な時間」
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坂本忠夫 「残影 III」
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中谷晃 「瑠璃色の庭園」
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井坂仁 「爛舞」
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長谷川晶子 「光の方へ(ジヴェルニーの庭)」
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松尾文隆 「モレの水車小屋」 
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シスレーもよくモレ=シュル=ロワンの風景を描いています。

長船善祐 「空の底」 
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林勝久 「福浦漁港」
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有藤富雄 「波の戯れは」
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原太一 「朝」 
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ニューヨークの街角で新聞を読むウサギです。

尾本知子 「ある日の横浜開港資料館」
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青い屋根の建物の中にカフェ、「オージャルダンドゥペリー」があります。

亀山裕昭 「マザーフッド」
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亀井輝雄 「中馬街道」
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尾張三河から信州に馬で荷を運ぶ街道で、オランダ風景画のような色合いです。

稲葉瑞穂 「朝光不二」
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三澤忠 「黒姫山」
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山田利男 「想い出の道(A)」
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雪の塊は厚塗りされています。
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ヤダシンタロウ 「Memento mori, Carpe diem(いつか訪れる己の死を忘れずに,
 今ここにある時間を生きる)」

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東日本大震災の津波の跡が克明に描かれています。
題名は古代ローマの格言に依っています。


【2021/03/21 18:12】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ポーラ ミュージアム アネックス展2021―自動と構成―」 ポーラ ミュージアム アネックス
銀座一丁目
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銀座のポーラ ミュージアム アネックスでは「ポーラ ミュージアム アネックス展2021
―自動と構成―」が開かれています。
会期は4月18日(日)まで、4月12日(月)は休館日です。

ポーラ美術振興財団での若手芸術家の在外研修に対する助成対象に選ばれた
アーティストのうち4名の作品の展示です。

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上田暁子 「Side of Theatre」 2019年
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布が翻った中に小さく人の姿や人のような形も見える、不思議な情景です。
別の作品の中にはルソーの「眠るジプシー女」も見えます。

倉和範 「Axiom」 2021年
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Axiomとは公理という意味です。
3枚のパネルにそれぞれ言葉が明滅しています。

花房(鈴木)紗也香 「inside and outside-atelier-」 2021年
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作品は切り絵のような平面的な画面、明るい色調など、マティスを思わせるものがあります。
ピンクの壁にはマティスの切り絵のような絵が貼ってあります。
装飾性のある絵は見ていて楽しいものです。

花房(鈴木)紗也香 「絵の中」 2020年
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山本しほり 「Bloom(02/01/2021,I Miss You)」 2021年
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長い紙にインクでびっしりと赤い線が描き込まれています。
森や波の重なりのようにも見えます。

展覧会のHPです。


【2021/03/20 20:11】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
『第4回 人形と絵の「春」展』 丸善丸の内本店
東京
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丸善丸の内本店4階ギャラリーでは『第4回 人形と絵の「春」展』が開かれています。
会期は3月27(火)までです。

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出展した作家は以下の通りです。

青の羊 Uncreerアンクレール 今井亜樹 今井キラ ウエノミホコ En 小畑すみれ
KIOKUDROP萩原まさえ 喜藤敦子 雲母りほ 桐原ユウ くらはしれい くり くるはらきみ
黒木こずゑ 戸井田いづこ 小暮千尋 こみねゆら こやまけんいち 柴田貴史 
すかいみさき 鈴木ゆきよ せいこ 青扇 せきぐちよしみ 高田美苗 田中アユミ 
田中早苗 ちゃお 鳥居椿 Trevor brown 中井柘榴 西村勇魚 野村直子 坂東可菜
日香里 保坂有美 maiko 松田珠江 マツモトヒラコ まな MIKA 水樹尚子 宮本香那
むらいゆうこ 目黒ミロ 森下ことり 山崎明咲 ヤマダミンカ 山吉由利子 ようし 
横瀬和江 吉水たか代 吉村眸 りのん RUBY

フランス人形系、日本人形系など、約60名の作家のさまざまな人形と絵が
会場いっぱいに並んでいます。
可愛く、そしてちょっと妖しい人形が多いようで、フランス人形も表情は日本人の好みに
あわせているようです。
モコモコとしたペンギンの人形もありました。


【2021/03/19 19:28】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「メタセコイアー生きている化石は語るー」 国立科学博物館
上野
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上野の国立科学博物館では企画展、「メタセコイアー生きている化石は語るー」が
開かれています。
会期は4月4日(日)までです。
入館は日時指定制で、予約が必要です。

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メタセコイア命名80周年を記念しての企画展です。
メタセコイアは日本には約100万年前まで生えていましたが、その後に絶え、化石だけが
残りました。
メタセコイアという名前は、化石を発見した植物学者の三木茂博士(1901~1974)が
常緑樹のセコイアに似ている落葉樹であることから「変わったセコイア」という意味で
付けたものです。
三木博士による化石の研究によって、針葉樹にしては珍しい落葉樹であることなど、
その特徴が分かってきました。

三木博士が最初に報告したメタセコイア 大阪市立自然史博物館蔵
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種子や小枝などを岩石や泥から取り出して、標本にしています。

メタセコイア 筑波実験植物園
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丸い球果(種子の塊)が付いています。

セコイアとメタセコイアの比較
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日本では化石がおもに新生代第3期層(約6,430万年前から約260万年前)で発見
されるなど、北半球に広く分布していました。
古くは中生代白亜紀(約1億4,500万年前から6,600万年前)の化石もありますが、
約4,000前から始まった寒冷化やヒマラヤ山脈の隆起、ロッキー山脈の形成などの
造山活動による大陸の乾燥化で絶滅したと考えられていました。

それが1946年に中国湖北省で原生種が発見されています。
そのため生きた化石と呼ばれ、高さは50mにもなり、樹齢500年近い木もあるそうです。
1946年は太平洋戦争が終わった翌年で、中国では国民党と共産党による国共内戦が
再び活発になった頃ですから、よくこのような研究調査が出来たものだと思います。

湖北省のメタセコイアの種や挿し木は研究者によって日本の大学や植物園にも送られ、
現在では各地の公園などに植えられています。
文京区の小石川植物園に植えられているメタセコイアのうち、22本は日本で最も早く
植えられたものと言われています。
日本は生育環境として適しているそうで、街路樹にもなっています。

紅葉が見事で、東京では練馬区の石神井公園、葛飾区の水元公園、調布市の
神代植物公園、多摩市の桜ヶ丘公園などで楽しむことが出来ます。

メタセコイア樹幹化石 前期更新世 約200万年前 八王子市楢原出土 筑波大学蔵
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中央自動車道の工事現場で発見された巨大な化石です。
200万年前は湿地林だった所で、当時はゾウもいたようです。

メタセコイアと暮らした植物たち
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仙台の埋もれ木細工
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約500万年の木材の化石を細工した伝統工芸で、メタセコイアを使った品もあります。


並木の木だという程度の知識しかなかったメタセコイアですが、太古の時代から続く
興味深い植物であることを知りました。

展覧会のHPです。


上野山下のサクラは3月初めにはもう満開でした。

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【2021/03/18 19:07】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「VOCA展2021 現代美術の展望―新しい平面の作家たち─」 上野の森美術館
上野
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上野の森美術館では「VOCA展2021 現代美術の展望―新しい平面の作家たち─」が
開かれています。
会期は3月30日(火)までで、休館日はありません。

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VOCA展は全国の学芸員、ジャーナリスト、研究者などに40歳以下の
若手作家を推薦してもらい、その作家が平面作品の新作を出品する
というもので、今年で28回目になります。
VOCAとは、"THE VISION OF CONTEMPORARY ART"のことです。
今回は30名の作家の作品が展示されています。

VOCA賞 尾花賢一 「上野山コスモロジー」 インク・ワトソン紙、木枠
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東京国立博物館、西洋美術館、東京藝術大学やテント村など、上野にまつわる絵が
集まっています。
絵は水木しげるのマンガのような描き振りで、上野という場所の多様さを示しています。

VOCA奨励賞 鄭 梨愛 「Vision」 布に昇華転写、フック・ステンレスパイプ・木材
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映像が布に転写されていて、なにかおぼろげな気配です。

VOCA奨励賞 水戸部七絵 「Picture Diary 20200910」「Picture Diary 20200904」
 油彩、麻布・木製パネル

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目一杯に厚塗りをした絵日記で、とても元気そうです。

VOCA佳作賞・大原美術館賞 岡本秀 「複数の真理とその二次的な利用」
 紙本着色、額に写真をマウント

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襖の開け閉めで、見える画面と空間が異なるだろうという、面白い趣向です。

VOCA佳作賞 弓指寛治 「鍬の戦士と鉄の巨人」
 アクリル ・鉛筆・ペン・新聞紙、木製パネル

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旧満州国を走っていた南満州鉄道株式会社(満鉄)のあじあ号が脱線転覆し、
左側には開拓民の集団、右側には現代の農業が描かれています。
あじあ号は蒸気機関車の特急で、満州国のシンボルでした。
弓指さんの祖父は14歳で満洲に渡って鉄道のレールの敷設作業に従事したそうです。
画面には満洲の作物ではないサツマイモも描かれています。

武田竜真 「Skin Deep Beauty No.12 13 14」
 アクリル・樹脂・ゴム・鉄・ステンレススチール

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立体的に見えてしまいますが、平面です。

西田卓司 「like tears in rain」 ワニス・アクリル・水性塗料・木製パネル
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家屋の展開図のように立体を平面で表しています。
組立てると立派な犬小屋が出来そうです。

仁添まりな 「火願」 岩絵具・金箔・絹本・パネル
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蝶や鳥が水辺に集う黄金郷です。

八木佑介 「共喰い」 アクリル・土絵具・岩絵具・顔料・カンヴァス
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密集した電柱と電線が空を支配しています。

2020年の「VOCA展2020」の記事です。


【2021/03/16 18:22】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「入江明日香展 夢と現のあわいに戯れて」 銀座和光本館
銀座
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銀座和光本館6階の和光ホールでは、「入江明日香展 夢と現のあわいに戯れて」が
開かれています。
会期は3月21日(日)まで、入場は無料です。

入江明日香さん(1980-)は東京都出身で、和紙に刷った銅版画に水彩で彩色する技法で
制作をされています。

作品はアニメのような躍動感、日本画の装飾性、水彩の瑞々しさ、そして幻想と怪奇が
混じり合い、独特の世界を繰り広げています。

「十二支図―丑―」 
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縦84㎝の、十二支を描いたシリーズです。

「十二支図―寅―」
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「十二支図―酉―」
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「猫祭り」
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縦40㎝の小品で、浮世絵のまとい持ちのように童子が屋根付きの郵便ポストを
担いでいて、猫も一緒に躍っています。

「Paris」 
二曲一隻の屏風で、エッフェル塔やパリの家並みとノートルダム大聖堂の怪物
ガーゴイル、狼、などがコラージュされています。
屋根の上に雀が並んでいて、ちょっとユーモラスです。

入江明日香さんは文化庁が1967年度から実施している、若手芸術家を研修のため
海外に派遣する、「新進芸術家海外研修制度」で2012年にフランスに留学しています。
新進芸術家海外研修制度の成果を発表の場として国立新美術館で毎年開かれる
「DOMANI・明日展」で、入江さんの作品は2014年に展示されました。

2014年の「17 th DOMANI・明日展」の記事です。


【2021/03/14 19:44】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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