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「美人画の系譜 」展 西武池袋本店
池袋
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西武池袋本店の西武アート・フォーラムでは、「美人画の系譜 V ―近代と現代―」展が
開かれています。
会期は1月11日(火)までです。
西武池袋本店は1月1日も開店しています。

上村松園、鏑木清方など伝統的日本画の美人画と、現代の日本画家による
美人画の展示です。

上村松園 「夕涼み」
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団扇を手にした浴衣姿の女性が簾を持ち上げています。
帯は夏らしく花火の模様です。
松園は後に同じような構図で「新蛍」という作品を描いています。

(参考)
上村松園 「新蛍」 1927年 山種美術館
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鏑木清方 「小雪」
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梅模様の着物の女性です。
鏑木清方(1878-1972)は、西の松園、東の清方と呼ばれた美人画の大家です。

伊東深水 「とんぼ玉」
美人画img438 (2)

麻の葉柄の着物に菊模様の帯の女性がとんぼ玉のかんざしに手をやっています。
とんぼ玉は色付きのガラス玉のことで、かんざしや帯留などの飾りに使われました。
伊東深水(1898-1972)は鏑木清方に師事しています。

宮北千織 「光の窓」
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ステンドグラスを背に浮かび上がる女性の姿です。
宮北千織さんは日本美術院の同人です。

川口絵里衣 「呼吸」
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ペン画です。

顧洛水 「遊・心 III」
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高資婷 「薔薇のように咲く」
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坂根輝美 「抱く」
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丁子紅子 「予感」
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中西 麻莉子 「ささやき」
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福田季生 「見つめる先」
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松原亜実 「あてやか」
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同じ日本画でも伝統的美人画に対し、現代美人画は時代の変化を写して、
髪形も変わっています。

blogを始めて15年経ちました。
今年もコロナ禍が続き、あまりカフェにも行けませんでした。
それでもblogを読んでいただき、本当に有難うございました。
来年も良いお年をお迎え下さい。


【2021/12/31 16:55】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
独りお茶会
茶道具
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お茶の作法も知らず、お茶会に出たこともない私ですが、今までいろいろお茶道具を
見てきたので、その中から幾つか選んで独りお茶会を開いてみようと思います。

先ず、茶室を選びます。

「如庵」 江戸時代 元和4年(1618)頃 国宝
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東京国立博物館の所蔵する模型です。
織田信長の弟、織田有楽斎が建仁寺の塔頭に建てた茶室で、その後、
各地に移転され、現在は犬山の明治村に建てられています。
屋根は杮葺き、二畳半台目という、二畳半と台目畳(3/4の長さの畳)の大きさで、
利休の待庵の二畳より広いです。

日本橋の三井記念美術館には如庵の一部を模した部屋が設けられています。
畳に置かれているのは安藤緑山の精巧な木彫、「仏手柑」です。

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和歌にちなんだ道具を集めてみました。

床の間の掛物です。

「佐竹本三十六歌仙絵 斎宮女御」(部分) 鎌倉時代 13世紀 個人蔵 重要美術品
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斎宮女御は醍醐天皇の孫で、伊勢斎宮を務め、後に村上天皇の女御となったことから
斎宮女御と呼ばれています。
その身分の高さから、几帳と屏風を立て、畳の上にいる姿で描かれています。
添えられている歌は斎宮女御の代表作です。

  ことのねにみねの松風かよふらし いづれのおよりしらべそめけむ


「色絵鶏撮丸香炉」 野々村仁清 江戸時代・17世紀 泉屋博古館
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香炉の蓋の横を向いた鶏が撮みになっています。
羽毛の描き具合が面白く、胴の唐草、蓋の牡丹模様の赤と緑が華やかです。

鶏にちなんだ清少納言の歌を選んでみました。

  夜をこめてとりのそら音ははかるとも よに逢坂の関はゆるさじ  


「色絵鶉図香合」 野々村仁清 江戸時代前期 出光美術館
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何とも可愛い香炉で、羽根を縁取る金彩も鮮やかです。

鶉(うずら)を詠んだ、藤原俊成の歌があります。

  夕されば野辺の秋風身にしみて 鶉鳴くなり深草の里   


「信楽水指 銘 三夕」 桃山時代・16〜17世紀 三井記念美術館
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共蓋付きで、肩から口縁に掛けて落ち込んだ矢筈口で、ヘラの跡に勢いがあり、
肩の辺りに深く溝が彫られています。
無釉ですが、一部に灰の自然釉が掛かっています。
土の赤色を夕焼けに見立て、寂蓮・西行・藤原定家の詠んだ夕暮れの歌(三夕の歌)に
ちなんで命名しています。

  さびしさはその色としもなかりけり 槙立つ山の秋の夕暮れ  寂蓮

  心なき身にもあはれは知られけり 鴫立つ沢の秋の夕暮れ 西行

  見渡せば花も紅葉もなかりけり 浦の苫屋の秋の夕暮れ


「唐物文琳茶入 銘 若草」 南宋~元時代・13~14世紀 泉屋博古館
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文琳とは林檎の異名で、ふっくらした形から名付けられています。
釉が下まで垂れた、なだれのあるのが景色になっています。
「若草」は後陽成天皇(1571-1617)の命銘です。
新古今集の後鳥羽院宮内卿の歌に拠っているとのことです。
 
  うすくこき野辺のみどりの若草に 跡までみゆる雪のむら消え


「鼠志野茶碗 銘 山の端」 
 安土桃山~江戸時代・16~17世紀 根津美術館 重要文化財

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化粧掛けを掻き落として文様を付け、白釉を掛けています。
 
  五月雨ははれんとやする山端に かかれる雲のうすくなりゆく

花園天皇(1297-1348)の歌にちなんだ銘です。
花園天皇は実感に基いた歌風を旨とする京極派の歌人で、
この歌にもその姿勢がうかがえます。


「志野茶碗 銘 卯花墻」 桃山時代・16~17世紀 三井記念美術館 国宝
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白い釉を垣根に咲く卯の花に見立てています。
切り立った形で、歪みを持たせ、へらの跡も付け、桃山風の豪快な姿を
しています。
ぷつぷつと気泡の浮いた肌も鮮やかで力強さがあります。

名は箱書きの片桐石州の書いた古歌に拠っています。

  山里の卯の花墻のなかつ道 雪踏み分けし心地こそすれ


「志野茶碗 銘 橋姫」 桃山時代・16-17世紀 東京国立博物館
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かなり背の高い茶碗です。
片側に橋、片側に屋形のようなものがあっさりと描かれています。
橋姫は橋の守り神で、宇治橋などに祀られていました。
古今集の詠み人知らずの歌に橋姫を詠った歌があります。

  さむしろに衣かたしき今宵もや 我をまつらん宇治の橋姫


「夕顔図黒茶碗」 尾形乾山 江戸時代 18世紀 大和文華館
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源氏物語の夕顔の巻にちなんだ図柄です。
厚塗りで大きく夕顔の絵が描かれ、茶碗の曲面まで絵画の画面として使われています。
室町時代の歌人、三条西実隆の歌が書かれています。

  よりてだに露の光りやいかにとも 思ひもわかぬ花の夕がほ


【2021/12/30 19:15】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「三人展 -異想 夜想 妄想- 内田麻ゆ 北山翔一 鈴木友晴」 日本橋髙島屋美術画廊X
日本橋
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日本橋髙島屋美術画廊Xでは「三人展 -異想 夜想 妄想- 内田麻ゆ 北山翔一 
鈴木友晴」が開かれています。
会期は2022年1月10日(月・祝)までです。

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原真一東京藝術大学彫刻科教授の選んだ3人の彫刻家の作品が展示されています。


内田麻ゆ(1980~)

「SWAN」
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二つ折りの紙で絵具を挟んで左右対称の画面を作るデカルコマニーの手法を
立体に応用しています。

「GIRLS」
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北山翔一(1988~)

「Spirit(=彫刻家)」
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作りかけの人物像に現れる年輪が面白い形を見せています。

右:「泡箱」 手前:「波箱」 奥:「霧箱」
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鈴木友晴(1983~)

「夜は濡れている」
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少女とアジサイとカタツムリが一緒になった、異形の塊です。

「水溜まり」
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【2021/12/28 20:39】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
東京長浜観音堂 川並 聖観音立像
東京
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「東京長浜観音堂」は東京駅八重洲口からさくら通りを進み、小路を左に入った
八重洲セントラルビルの4階にあります。
場所は中央区日本橋2-3-21です。

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滋賀県長浜市は2016年に上野不忍池畔に「東京にある、長浜の観音堂」を
コンセプトに「びわ湖長浜KANNON HOUSE」を開設し、長浜市にある観音像
約20体が入れ替わりで展示されていました。

「KANNON HOUSE」2020年10月に閉館しましたが、長浜の観音文化の
保存伝承のための支援者を得るため、2021年7月から長浜の観音像を
出張展示する「東京長浜観音堂」を開設しています。
約2か月ごとに観音像を入れ替えて展示を行う予定で、今回は3回目の展示です。

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2022年1月10日(月曜・祝日)までは長浜市余呉町川並の地蔵堂の聖観音立像が
展示されています。

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平安時代、12世紀の制作とみられ、像高97.5㎝、ヒノキとみられる一材から
彫り出しています。
丸顔の優しい表情で、彫眼が施され、腰をやや左に捻り、左手に蓮華を持ち、
衣文の彫りは浅く簡略化されていますが、お顔はていねいに彫られています。

川並は余呉湖の西にある集落で、天の羽衣伝説で知られています。

「東京長浜観音堂」のHPです。


【2021/12/26 19:37】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
丸の内のクリスマス飾り  2021/12
東京
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丸の内エリアでは「ハリー・ポッター」をモチーフにしたクリスマスツリーや
イルミネーションが飾られています。
2021年は映画シリーズの第1作「ハリー・ポッターと賢者の石」の公開から
20周年ということによるものです。

丸ビル1階のマルキューブ
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新丸ビル4階
シリーズ作品が紹介され、撮影スポットもあります。
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丸の内オアゾ1階
「ファンタスティック・ビースト」をテーマにしています。
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今日はクリスマスということで、聖母子像の中で私の好きな作品を載せます。

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 「ロザリオの聖母」 1650-55 年
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2015年に三菱一号館美術館で開かれた「プラド美術館展」に出展された作品です。
ムリーリョ(1617-1682)がまだ、もやのかかったようなやわらかな描き方をする前の
時期の作品で、聖母マリアがドメニコ修道会の創始者聖ドメニコ(1170-1121)に
ロザリオを与えたという伝承に基いています。
縦166㎝の大きな作品で、こちらを見つめる聖母子のみを描いています。
赤の衣服と青のマントの色合いにも品があり、気高さを感じます。

今まで観た、聖母子像を集めた記事です。


【2021/12/25 18:40】 街歩き | トラックバック(0) | コメント(0) |
2021年のクリスマス飾り
大手町
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今年のクリスマス飾りを集めてみました。

日本橋髙島屋
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銀座三越
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帝国ホテル
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帝国ホテルの1000本の薔薇
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ザ・ペニンシュラ東京
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丸の内KITTE
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大手町タワーのOOTEMORI
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泉ガーデンタワー
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JR上野駅
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新お茶の水ソラシティの広場
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ソラシティの中
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東京ドームのラクーア
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銀座鳩居堂には来年の干支、寅が飾ってありました。
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【2021/12/24 20:23】 街歩き | トラックバック(0) | コメント(0) |
「経塚真代・石神照美 二人展」と「上条衿作品展」 丸善丸の内本店
東京
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丸善丸の内本店4階ギャラリーBでは、「経塚真代・石神照美 二人展 「クラウドシュガー
-snow-」」が開かれています。
会期は12月28日(火)までです。

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経塚真代さんは札幌在住で、木粉粘土によって小さな少女の人形を制作しておられます。
人形は首が長く、撫で肩の姿で、ふわっとした、風に晒されたような表情をしています。
女性が金魚のランチュウを散歩に連れ出そうと鎖で引っ張っている、ユーモラスな
人形もありました。


石神照美さんも札幌在住で、粘土(陶)で小さな家などを制作しておられます。
シンプルな形で、肌合いは粉引茶碗の趣きがあります。

二人の作品を並べるとよく響き合い、隣の丸善の売り場からはオルゴールの
「パッフェルベルのカノン」も聞こえてきて、どこか懐かしい雰囲気が生まれます。

二人展の詞書きです。

  雪の中には人々の忘却が含まれているという
  その忘却を砂糖に混ぜて食べてみたら
  あるはずのない時間が見えてきた

*****

また、ギャラリーAでは、「イラストレーションの色彩美 上条衿作品展」が開かれています。
会期は同じく12月28日(火)までです。

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上条衿さんも札幌在住のイラストレーターで、明快な線描で女性を描いておられます。
ロマンティックな雰囲気はフォンス・ミュシャに通じるものがあります。

今回の展覧会は3人とも札幌住まいという、珍しい取り合わせでした。


【2021/12/23 19:10】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「空間博物学の新展開/UMUT SPATIUM」 東京大学総合研究博物館本館
本郷三丁目
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東京大学本郷キャンパスにある東京大学総合研究博物館本館では特別展示、
「空間博物学の新展開/UMUT SPATIUM」が行なわれています。
会期は未定、入場は無料、開館日は木曜日、金曜日で、入館予約が必要です。

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松本文夫東京大学総合研究博物館特任教授による展示ツアーもあるので、
申し込んで行ってきました。

博物館の展示では捨象される建築の要素である空間に注目した企画です。
館内は撮影可能です。
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3Dプリンタで制作した1/300模型の公共建築群
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手前真中は丹下健三の広島平和記念資料館です。

1/100模型の個人住宅群
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手前真中に安藤忠雄の住吉の長屋があります。
その右の平らな建物はルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエのファンズワース邸です。

イスタンブールのハギア・ソフィア
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巨大なドームで有名です。

兵庫県小野市の浄土寺浄土堂
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鎌倉時代の建築で、長い柱が直接屋根を支える、大仏様という様式なのが分かります。
東大寺南大門も同じ様式ですが、当時でも特別に長い用木を調達するのは難しく、
以後は廃れたそうです。
東大寺南大門を見たことがありますが、天井板が無いので、下から見上げると
柱が屋根を支えているのが分かります。

落水荘
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旧帝国ホテルを設計した建築家、フランク・ロイド・ライトの設計です。

滝の上に張り出している部分です。
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ビルバオのグッゲンハイム美術館
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フランク・ゲーリーの脱構築主義建築の代表作です。

ロンドンのテート・モダン
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ジャック・ヘルツォークとピエール・ド・ムーロンのコンビによる設計です。
火力発電所を改造した美術館で、高い煙突が残っています。

ヘドマルク博物館
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スヴェレ・フェーンの設計で、ノルウェーの教会の遺跡を保存し、
その上に建てられています。

ル・ランシーの教会
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鉄筋コンクリートの建築を追及したオーギュスト・ペレの設計です。
塔の外観はアール・デコ風で、側廊の壁は一面ステンドグラスで覆われ、
荘厳な内部空間を生み出しています。
模型は繊細な壁面も再現しています。

建築の記憶 松本文夫デザイン
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古代エジプトから現代まで、建築の一部を集めてあります。

近接性の空間 松本文夫デザイン 
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中央が自分の空間、右がZOOMなどでつながった他者、左は密なコミュニティを
表しています。

住居の歴史 松本文夫デザイン
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穴居生活に始まり、現代に到る住居の変遷です。
木に乗っている屋根は、住居は屋根から始まったのか床から始まったのかという
議論を表しているそうです。

旧東京帝国大学の建築がイタリアの工房に依頼して制作されています。

法科大学講義室(煉瓦造)
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動物地質学教室(煉瓦造)
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法医学教室(煉瓦造)
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東京医学校本館(木造)
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関東大震災にも耐え、現存している唯一の建築で、現在は博物館の小石川分館として
小石川植物園に移築されています。
現在、耐震性能が不完全と判定され、休館中です。

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展示室には小石川分館の内部各所の映像も移されていて、屋根裏を見ると
外観は西洋建築風でありながら構造は在来の日本建築であることが分かります。

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後に建てられた煉瓦建ての校舎の多くが関東大震災で損壊したのに、
木造の旧東京医学校本館が無事だったのは面白いところです。


興味深い展示で、松本教授の解説はとても勉強になりました。

展示のHPです。


東京大学赤門と銀杏の黄葉です。

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【2021/12/21 19:41】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「呉亜沙 個展 私とあなたの間にあるもの」 日本橋 不忍画廊
日本橋
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日本橋の不忍画廊では「呉亜沙 個展 私とあなたの間にあるもの」が開かれています。
会期は12月25日(土)までです。

呉亜沙さん(1978~)は少女やウサギの登場する作品を描いておられます。
時間や記憶、他者との関係などがテーマで、童話のような優しい描き振りで
作者の世界観を表しています。

初めての絵本、「いってらっしゃい、おかえりなさい」の刊行を記念した展覧会で、
40点以上の作品が展示されています。

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「私とあなたの間にあるものースペクトルー」
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「私とあなたの間にあるものー情報ー」
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展覧会のHPです。

呉亜沙さんの作品は2009年に国立新美術館で開かれた「DOMANI・明日展2009」にも
出展されていました。

参考 「樹海」
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「DOMANI・明日展2009」での出展作品です。

「DOMANI・明日展2009」の記事です。


不忍画廊は日本橋高島屋の南隣にある第二中央ビルの4階にあります。
場所は中央区日本橋3丁目8-6で、1階は喫茶店の「げるぼあ」です。

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【2021/12/19 19:11】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「第60回記念 ミニヨン展」銀座日動画廊とメトロ銀座ギャラリー
銀座
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銀座の日動画廊では12月26日(日)まで、「第60回記念 ミニヨン展」が開かれています。
会期中は無休です。

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4号以下の小品を一堂に集めた年末恒例の展覧会で、物故者から若手までの作品
約400点が壁一面に展示されています。
今年は展示の最初に花の絵が並んでいました。

朝井閑右衛門 「薔薇」
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厚塗りの豪華な薔薇です。

小磯良平 「婦人像」 
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暖かな色調でまとめられ、黄色い服に輝きがあり、赤いスカーフがポイントに
なっています。

***

東京メトロ銀座駅コンコースの「メトロ銀座ギャラリー」では12月18日まで
3人の作家の作品が展示されています。

小見拓 「任意の部分より」

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カツノユキコ 「繋いでつくるカタチ」

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澤田志功

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澤田さんの作品には静かな幻想性があります。


【2021/12/18 19:18】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「タリーズコーヒー&TEA六本木一丁目店」 2021/12
六本木一丁目
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泉ガーデンタワー1階の「タリーズコーヒー&TEA六本木一丁目店」で一休みしました。
場所は港区六本木1丁目6-1で、「PAUL」の隣になります。

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大倉集古館の「篁牛人展~昭和水墨画壇の奇才~」を観た帰りに寄りました。
すぐ近くに大倉集古館、智美術館、泉屋博古館分館があり、展覧会の後の
一休みに良いお店です。
なお、泉屋博古館分館は改装工事中で、泉屋博古館東京と改名して2022年3月に
リニューアルオープンの予定です。

「篁牛人展」の記事です。

前の広場でカプチーノSをいただきました。

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大倉集古館から来る途中、スウェーデン大使館の横を通ったら、子供たちの歌う
「サンタルチア」続いて「清しこの夜」が聞こえてきました。
クリスマスの集まりだったのでしょう。
泉ガーデンの方を眺めると、ビルの間の夕焼け空を旅客機が横切って行きました。

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【2021/12/17 20:45】 お店 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「篁牛人展~昭和水墨画壇の奇才~」 虎ノ門 大倉集古館
六本木一丁目・神谷町
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虎ノ門の大倉集古館では生誕120年記念、「篁牛人展~昭和水墨画壇の奇才~」が
開かれています。
会期は2022年1月10日(月・祝)までです。

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篁牛人(たかむらぎゅうじん、1901~1984)は富山市の浄土真宗本願寺派の寺院、
善照寺に生まれています。

はじめは工芸デザインを手掛けますが、40歳頃から水墨画に専念します。

渇筆という、墨をあまり付けない筆で描く技法と、針金のように強い鉄線描を使って、
中国などの古典を題材にした作品を描いています。

題材は中国などの古典から由来するものですが、牛人の描き振りは独特で、
そのボリュームとスピード感には圧倒されます。

藤田嗣治や小杉放菴の影響を受けたそうで、迷いの無い線描は藤田嗣治を
思わせるものがあります。

「金時と熊」 1947年 紙本墨画 軸装 富山市篁牛人記念美術館
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双幅で右幅が熊、左幅が金太郎です。
熊は渇筆で何度も塗りを重ねて量感を見せ、形には動きと力強さがあります。

「仙翁移居」 1948年 紙本墨画 軸装 富山市篁牛人記念美術館
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詩仙と呼ばれながら、その奔放さのため宮廷を追い出された李白を描いたものと
されています。
酒を容れる大きな瓢箪を担いでいるところが李白を思わせます。
小さな黒犬も描かれています。
ふくろう、尺取虫、蝸牛、蝶、蛇などいろいろな動物が描き込まれるのも
牛人の絵の特徴です。
なかなか評価されなかった牛人自身に重ね合わせているのかもしれないということです。

篁牛人の渇筆は厚塗りを繰り返すので、福井県産の麻を漉いた麻紙を使うのですが、
絵があまり売れず、酒飲みだった篁は高価な麻紙を買えなくなり、渇筆を諦め
10年ほど放浪することになります。
麻紙は古代には使われていて、その後廃れてしまっていたのを小杉放菴が紙職人と
共に努力して復元したものです。
その後、後援者を得たことで紙を購入出来るようになったので、大画面の屏風絵も
手掛けるようになります。

「蛟龍」 右隻 1967年 紙本墨画彩色 富山市篁牛人記念美術館
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6曲1双の屏風で、左右の隻にまたがって様を描いています。
蛟龍は水に棲み、雷雨に乗って天に昇り、龍になるとされています。
雲が渦巻く中で蛟龍が大きくのたうつ、金彩も交えた迫力一杯の画面です。

「風神雷神」 左隻 1968年 紙本墨画 富山市篁牛人記念美術館
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6曲1双の屏風で、俵屋宗達とは逆に右隻に雷神、左隻に風神を置いています。
巨木のように太い手足と、どこかユーモラスな顔をしています。

「西王母と小鳥」 1969年 紙本墨画 富山県水墨美術館
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西王母は西方の崑崙山に居る女神で、天界の女主人とされています。
大きな作品で、堂々とした体躯で横たわり、周りには小鳥、ふくろう、蝸牛、
尺取虫などが揃っています。

「渓流の樵」 1963年 紙本彩色 富山市篁牛人記念美術館
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篁牛人は水墨画家ですが、彩色画も描いていて、何点か展示されています。

「天台山豊干禅師」 1948年頃 紙本墨画 額装 富山県水墨美術館
横6m近い大作で、大きな岩に座る豊干禅師と背を丸めた巨大な虎が描かれています。
岩は小杉放菴の好んで描いた題材でもあります。
豊干は唐時代の禅僧で、虎に乗って歩き、同じ寺には寒山拾得も居たといわれています。

ともかく、どの作品も型破りの力強さ、躍動感があり、そしてユーモラスという、
何とも面白い画家です。
どの団体にも属せず、戦後の時代に水墨で中国などの古典を題材にしていたため、
あまり知られなかったというのは惜しいことです。

展覧会のHPです。


夕暮の大倉集古館です。

せDSC04596


如来立像(北魏時代)が見えます。

せDSC04595


【2021/12/16 18:13】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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