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東京国立博物館の屏風絵と「医心方」の展示。
上野
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東京国立博物館の総合文化展(平常展)の屏風絵を観てきました。
3月21日までの展示です。

「虎に波図屏風」 岸駒 江戸時代・文政6年(1823)
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岸駒(1756または1749-1839)は越中高岡か加賀金沢の出身で、京都で各派の絵を学び、
有栖川宮家の庇護を受けるなど、京都で活躍した絵師です。
特に虎の絵で有名で、中国の商人から虎の頭蓋骨を入手して研究し、写実的な
虎の描写を目指していて、表現に凄味があります。

「鶴図屏風」 呉春 江戸時代・18世紀 個人蔵
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呉春(1752-1811)は京都の金座役人の家に生まれ、始め蕪村の弟子となって
俳諧と文人画を学びますが、蕪村の没後、円山応挙に近付き、四条派の祖と
なっています。
京都の門跡寺院、妙法院に出入りしていた頃の作品と考えられています。
応挙に学んだことの分かる、写実的で穏やかな絵柄です。

「秋冬山水図屏風」 円山応挙 江戸時代・18世紀
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華やぎのある金地の画面で、右隻には月が昇り、木々は濃淡で描き分けられています。
左隻は木々や民家、田の畔に雪が積もっています。
応挙らしい、優しく落着きのある作品です。


本館特別1室・特別2室では「全巻修理完了記念 日本最古の医学書・国宝
「医心方」の世界」の展示が行なわれています。
こちらも3月21日までの展示です。

「医心方」は平安時代前期の医師、丹波康頼(912-995)が永観2年(984)に
唐の医書を参考に編纂した全30巻の医学書で、日本最古の医学書です。
紙の劣化が激しいため、2015年から2020年に掛けて修理し、今回公開されました。

医心方 巻第二十一 婦人部
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医心方 巻第二十六 延年部
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送り仮名やヲコト点も付いています。

修理作業の写真も展示されています。

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江戸時代、徳川幕府の奥医師だった多紀氏は丹波康頼の子孫の家系です。


表慶館と法隆寺宝物館の間には梅が何本も植えられていて、今が満開でした。

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【2022/03/13 19:01】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展」 日本橋高島屋
日本橋
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日本橋高島屋本館8階ホールでは「デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展」
が開かれています。
会期は3月21日(月・祝)まで、入場料は一般500円です。

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メゾン・エ・オブジェは毎年パリで開かれているインテリアデザインの展示会です。

この展示会を日本橋高島屋でも開くという企画で、家具や照明器具、食器などが
多数展示されています。

未来のインテリアについてなかなか刺激になる、面白い展覧会です。

1部 過去にデザイナー・オブ・ザ・イヤーを受賞したデザイナーのうち、
    21名のデザインした椅子と照明の展示

パオラ・ナヴォーネ(イタリア)
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パトリック・ジュアン(フランス)
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フィリップ・スタルク(フランス)
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小銃の形をしたスタンドです。

インディア・マダヴィ(フランス)
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ノエ・デュショフール=ローランス(フランス)
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樹木のような形をしています。

パトリシア・ウルキオラ(スペイン)
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大きな茶筅のようなランプです。

吉岡徳仁(日本)
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2部 メゾン・エ・オブジェの最新作の展示

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3部 次世代の創作活動に贈られるライジング・タレント・アワードの受賞者の作品

マチュー・ペイルーレ・ギリニ
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狩野佑真
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坂下麦
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ロールリーヌ・ガリオ
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【2022/03/12 19:04】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
西武池袋9階庭園とCIAOちゅ~る×丸ノ内線
池袋
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西武池袋本店9階屋上の「食と緑の空中庭園」です。

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「睡蓮の庭」も春めいてきました。

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ウサギもいます。

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いなば食品は「CIAOちゅ~る」発売10周年を記念して、「CIAOちゅ~る」のCMに
応募・出演した猫の写真を東京メトロの銀座線・丸ノ内線に貼った特別車両
「ちゅ~るちゅ~るトレイン」を3月20日まで運行しています。

これは池袋から丸の内線で、車両丸ごと猫とちゅーるだらけです。

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【2022/03/11 18:34】 街歩き | トラックバック(0) | コメント(0) |
「第16回 サイトウヤスヒロ展」 丸善丸の内本店
東京
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丸の内オアゾ内の丸善丸の内本店4階ギャラリーBでは3月15日(火)まで、
「第16回 サイトウヤスヒロ展」が開かれています。

サイトウヤスヒロさん(1956~)は洋画家で、長くフランスでの滞在の後帰国し、
現在は日本で描いておられます。
題材はフランスの風景や室内で、色彩は柔らかく、風景も単純化され、
具体的な場所を特定しない描き方です。

「テホーム(深淵)」
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シベリアの上空で見た光景に想を得た作品です。
最近のサイトウさんは具象を離れ、光そのものを追求しておられます。


【2022/03/10 19:29】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ポーラ ミュージアム アネックス2022」展 前期 銀座 ポーラ ミュージアム アネックス
銀座一丁目
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銀座のポーラ ミュージアム アネックスでは「ポーラ ミュージアム アネックス2022」展が
開かれています。
会期は前期は3月13日(日)まで、後期は3月18日(金)から4月17日(日)までです。

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ポーラ美術振興財団による若手芸術家の海外研修に対する助成を行なった
アーティストの作品の展示です。

以下は前期の展示の3名です。

稗田直人さん(1990~)、2017年カナダで研修

「#NaotoHieda」 2022年
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公示現場などでよく見かけるターポリンというポリエステル製の特大の生地に
描かれています。


杉山夏実さん(1985~)、2017年ドイツで研修

「Recollection:In Between Humans and Places」
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流れるような映像と会話の音声で構成されています。


松田壯統さん(1982~)、2017-18年アイルランドで研修

「魂の循環図 1」 2022年
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お厨子に祀られているものがあります。

「始原の家」 2022年
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「Layout of Ise Shrine-Eest」 2022年
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伊勢神宮の正宮の平面図です。

「Layout of Ise Shrine-West」 2022年
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正宮は20年に一度の式年遷宮を行なって、隣の敷地で殿舎を建替えます。
西の敷地は古殿地と呼ばれ、現在、更地になっています。


【2022/03/08 19:14】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「山本桂右 油絵展 」西武池袋本店
池袋
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西武池袋本店では3月8日(火)まで、「山本桂右 油絵展」が開かれています。

山本桂右さん(1961~)は大阪市出身で、現在は白日会会友です。
元々は版画家ですが、現在は油彩画を描いておられます。

会場には風景画や静物画が展示されています。
作品はすっきりと清潔な雰囲気の写実で、日本画のような趣きもあります。
静物画では花を活けたガラス器の透明感も描き出しています。

「薫風」 
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板張りの大きな部屋をカーテンを揺らして風が通る、からりとした情景です。

山本さんは最近は窓の開いた室内を題材にしておられます。

(参考)
「薫風」
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「白日会第95回記念展」に出展された作品です。


【2022/03/06 20:55】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「空也上人と六波羅蜜寺」展 東京国立博物館
上野
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東京国立博物館本館特別5室では特別展、「空也上人と六波羅蜜寺」が開かれています。
会期は5月8日(日)までです。

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六波羅蜜寺は京都東山の三年坂近くにある真言宗の寺院です。

創建は平安中期の天暦5年(951年)に空也上人が疫病の蔓延に際し十一面観音が造立し、
本尊として安置した道場、西光寺に始まるとされています。
展覧会では六波羅蜜寺の所蔵する平安から鎌倉期の彫刻が展示されています。

「空也上人立像」 康勝作 鎌倉時代・13世紀 重要文化財
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空也は南無阿弥陀仏をひたすら唱える口称念仏の祖とされます。 
像高117.6㎝の比較的小さな像で、空也が南無阿弥陀仏と唱える度に六体の
阿弥阿弥陀仏となって口から飛び出したという逸話を形にしています。
皮衣を着け、裾をからげて脛を出し、草鞋履きで、小腰をかがめて鉦を提げ、
右手に撞木、左手に鹿杖(かせづえ)を持って念仏を唱え、その言葉が
阿弥陀仏となっています。
目には玉眼が入っていて、生ける空也を見るようです。
後ろの長い皺は皮衣を表しているそうです。
作者は運慶の四男で、像の銘に「康勝」とあり、康勝は法橋に任じられていますが、
法橋の銘が入っていないので、若い時期の作と思われています。

今回は像の後ろ側も見ることが出来る貴重な機会です。

「地蔵菩薩立像」 平安時代・11世紀 重要文化財 
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今昔物語に、地獄に落ちた源国挙が地蔵菩薩に救われたことから、仏師の定朝に
作らせた菩薩像との伝えがあります。
等身大の大きさで、左手に長い頭髪を持つ珍しいお姿で、鬘掛地蔵(かづらかけじぞう)と
呼ばれています。
これは昔、貧しい娘が母を亡くしたが葬式の費用も無く嘆いていると、一人の僧侶が
現れてねんごろに弔いをしてくれたそうです。
そこで娘はせめてものお礼にと自分の長い髪を切って僧侶に渡し、後にかねてから
母子で参詣していた六波羅蜜寺を訪れたところ、地蔵菩薩像がその髪を手にしていた
ということです。
地蔵菩薩は地獄に落ちた亡者を救ってくれる菩薩として信仰を集めてきました。
鎌倉時代の作の、地獄で亡者を裁く閻魔王座像も展示されています。
六波羅は京都の町から東山に向かう境にあり、葬送の地とされ、この世とあの世の
境とされてきました。
六波羅蜜寺も近くの六道珍皇寺もこの世とあの世を結ぶお寺としての役割を
果たしてきました。

「地蔵菩薩坐像」 運慶作 鎌倉時代・12世紀 重要文化財
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運慶が夢で見た地蔵菩薩の姿を彫ったとされ、夢見地蔵とも呼ばれています。
左手に薬壺を載せ、右手はその形からすると錫杖を手にしていたのでしょうか。
若々しいお顔で、衣の彫りも明快です。

「伝平清盛坐像」 鎌倉時代・13世紀 重要文化財
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平清盛像として教科書などによく載っている像です。
平家物語などで想像する清盛像とは印象が少し異なりますが、清盛像と呼ばれる
ようになったのは江戸時代のことだそうです。
六波羅の地は平家一門の屋敷が立ち並んでいた所で、平家都落ちの際には
放火に巻き込まれて堂宇が焼失しています。
その後、京都に進駐した北条氏の拠点になり、承久の乱の後には六波羅探題が
置かれています。

「四天王像のうち持国天像」 平安時代・10世紀 重要文化財
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空也は十一面観音像の造立と同時に四天王像を造立しています。
会場には鎌倉時代に補作された増長天を含め、四体が展示されています。
像高約180㎝、一木造の堂々とした姿です。

展覧会のHPです。


【2022/03/05 23:52】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」 その4 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館で開かれている「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」の
記事、その4です。
会期は5月30日(月)まで、火曜日は休館日です。

今回は最後で第4回、印象派などの作品です。

ジョゼフ・マロード・ウィリアム・ターナー
「ヴェネツィア、サンタ・マリア・デッラ・サルーテ聖堂の前廊から望む」 1835年頃

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色彩の濃淡が効果的に使われていて、青い空が大きく広がり、船の影は水に
溶け込むように映っています。
ターナーはイタリア旅行で大きな感銘を受け、特にヴェネツィアにはその後も
何度も訪れているそうです。

ギュスターヴ・クールベ 「漁船」 1865年
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クールベは海の景色を好み、よく描いています。

ジャン=レオン・ジェローム 「ピュグマリオンとガラテア」 1890年頃
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ギリシャ神話のお話で、ピュグマリオンは自分の彫った理想の女性ガラテアの彫刻
に恋してしまい、憐れんだ女神アフロディテは彫刻に生命を与え、ピグマリオンは
ガラテアと結ばれます。
ミュージカルや映画の「マイ・フェア・レディ」はこのお話を元にしています。
ガラテアの足はまだ白い石ですが、上半身は人間になっています。
ジャン=レオン・ジェローム(1824 - 1904)はフランスの新古典主義の画家で、
歴史や神話などを描いています。

カミーユ・コロー 「遠くに塔のある川の風景」 1865年
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穏やかな水辺の風景で、点景の人物も描かれています。

オノレ・ドーミエ 「三等客車」 1862–64年頃
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運賃の安い三等客車に乗って揺られている庶民の姿です。
オノレ・ドーミエ(1808-1879)は社会風刺の版画で有名ですが、油彩画も
多く描いています。

エドゥアール・マネ 「剣を持つ少年」 1861年
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敬愛するベラスケスの影響の感じられる作品です。

アルフレッド・シスレー 「ヴィルヌーヴ=ラ=ガレンヌの橋」 1872年
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ヴィルヌーヴ=ラ=ガレンヌはパリの北にある、セーヌ川に面した町です。

オーギュスト・ルノワール 「海辺にて」 1883年
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印象主義では対象を明確に描けないとの不満から、古典主義的な作風に
移った頃の作品です。
それでもルノワールらしく色彩は豊富です。

オーギュスト・ルノワール 「ヒナギクを持つ少女」 1889年
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晩年は再び印象主義の作風になっています。

クロード・モネ 「木馬に乗るジャン・モネ(1867–1914年)」 1872年
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ジャン・モネは長男で、「日傘の女」ではカミーユと一緒に描かれています。
が、父に先立って亡くなっています。

エドガー・ドガ 「踊り子たち、ピンクと緑」 1890年頃
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目が悪くなってきた頃の作品ですが、衣装の緑が鮮やかで、踊り子の何気ない動きを
スナップ写真のように巧みに捉えています。

ポール・ゴーギャン 「タヒチの風景」 1892年
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ゴーギャンは1891年にタヒチに渡り、南洋の風物に魅了されています。

フィンセント・ファン・ゴッホ 「花咲く果樹園」 1888年
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パリから明るい南仏アルルに移った年の作品で、春の喜びを描いています。

ポール・セザンヌ 「リンゴと洋ナシのある静物」 1891–92年頃
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テーブルに置かれた果物、画面を区切るテーブルや壁、何気ない情景ですが、
揺るぎないものがあります。

クロード・モネ 「睡蓮」 1916–19年 
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視力の衰えた晩年の連作の一つで、睡蓮と水に映る景色を荒々しい程の筆捌きで
描いています。

ルネサンスからポスト印象派まで、各時代の代表的作家の作品が揃った、
大変見応えのある展覧会です。

展覧会のHPです。


【2022/03/04 19:06】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」 その3 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館で開かれている「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」の
記事、その3です。
会期は5月30日(月)まで、火曜日は休館日です。

前回のバロックに続き、ロココ時代の絵画などです。

ジャン・シメオン・シャルダン 「シャボン玉」 1733–34年頃
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そっとシャボン玉を吹く男とそれを覗いている子どもです。
ジャン・シメオン・シャルダン(1699-1779)はロココ時代の画家ですが、静かな雰囲気の
風俗画や静物画で有名です。

2012年に三菱一号館美術館で開かれた「シャルダン展」の記事です。

アントワーヌ・ヴァトー 「メズタン」 1718–20年頃
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メズタンはイタリアの喜劇、コメディア・デラルテの登場人物です。
叶わぬ恋を嘆いて歌いますが、女性は後ろを向いています。
ジャン=アントワーヌ・ヴァトー(1684-1721)はロココを代表する画家の一人で、
庭園での優雅な宴などの様子を描く雅宴画(フェート・ギャラント)という
ジャンルを始めています。

フランソワ・ブーシェ 「ヴィーナスの化粧」 1751年
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ブーシェの特徴の青を基調にした、優雅この上ない作品です。
ポンパドゥール夫人のために建てられたベルヴュー城内に飾られた作品で
「ヴィーナスの水浴」(ワシントン・ナショナルギャラリー蔵)と対になっていたそうです。
フランソワ・ブーシェ(1703-1770)はロココを代表する画家の一人で、ルイ15世や
愛妾ポンパドゥール夫人に寵愛されています。

ジャン・オノレ・フラゴナール 「二人の姉妹」 1769–70年頃
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少女の白い肌と黄色いドレスが光を受けて輝いています。
ジャン=オノレ・フラゴナール(1732-1806)はロココの最期を飾る画家で、
ブーシェやシャルダンに師事したことがあります。
「ぶらんこ」が特に有名ですが、フランス革命でロココ様式が廃れると、
不遇のうちに亡くなったそうです。

エリザベート・ルイーズ・ヴィジェ・ル・ブラン
「ラ・シャトル伯爵夫人(マリー・シャルロット・ルイーズ・
ペレット・アグラエ・ボンタン、1762–1848年)」 1789年

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ヴィジェ・ル・ブラン(1755-1842)はマリー・アントワネットのお抱え画家として
フランス宮廷で活躍し、フランス革命が起きると外国で亡命生活を
送りますが、王党派の立場を貫いています。

2011年に三菱一号館美術館で開かれた「ヴィジェ・ルブラン展」の記事です。

マリー・ドニーズ・ヴィレール
「マリー・ジョゼフィーヌ・シャルロット・
デュ・ヴァル・ドーニュ(1868年没)」 1801年

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この展覧会で最も印象に残った作品です。
スケッチブックを持った女性が逆光の中でこちらを見て、画家の姿を写し取っています。
割れた窓ガラスの向こうには寄り添う男女の姿が見えますが、これは何を表している
のでしょうか。
窓の外の景色などキリコを思わせるところもあって、シュルレアリスムのような雰囲気も
感じる、不思議な作品です。
長い間、ダヴィッドの作と思われていましたが、1996年になってヴィレールの作品と
判定されたそうです。
ヴィレールの経歴は不詳ですが、1799年から数回、サロンに出品していたようです。

フランシスコ・デ・ゴヤ・イ・ルシエンテス 
「ホセ・コスタ・イ・ボネルス、通称ペピート(1870年没)」 1810年頃

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おもちゃの馬の手綱と軍帽を持った姿で、太鼓や銃剣と一緒に描かれています。
ナポレオンのフランス軍に占領されていたスペインで独立戦争(1808-1814)が
起きていた時期で、時代の状況が現れています。

ジョシュア・レノルズ
「レディ・スミス(シャーロット・デラヴァル)と
子どもたち(ジョージ・ヘンリー、ルイーザ、
シャーロット)」 1787年

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3人の子どもたちと一緒に描かれた上流階級の婦人です。
ジョシュア・レノルズ(1723-1792)はイギリスのロイヤル・アカデミーの初代会長に
なった人で、特に肖像画に優れていました。
ネルソン提督の愛人だったエンマ・ハミルトンをヴィーナスに模して描いてもいます。

展覧会のHPです。


【2022/03/03 19:06】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」 その2 国立新美術館
乃木坂
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六本木の国立新美術館で開かれている「メトロポリタン美術館展 西洋絵画の500年」の
記事、その2です。
会期は5月30日(月)まで、火曜日は休館日です。

前回のルネサンスの時代が終り、バロック、そしてオランダ絵画です。

アンニーバレ・カラッチ 「猫をからかう二人の子ども」 1587–88年頃
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エビを猫の耳に近付けて喜んでいる子どもたちで、猫はむかついた顔をしています。
アンニーバレ・カラッチ(1560-1609)はバロックを代表する画家で、マニエリスムの
技巧や奇抜さを離れ、古典様式を復活させたとされています。

カラヴァッジョ(本名 ミケランジェロ・メリージ) 「音楽家たち」 1597年
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初期の作品で、パトロンだったデル・モンテ枢機卿の邸宅に居た頃に描かれています。
モデルを雇う金が無く、自分をモデルにしていた頃の作品ですが、カラヴァッジョの
特徴の明暗を強調した絵になっています。

2016年に国立西洋美術館で開かれた「カラヴァッジョ展」の記事です。

ジョルジュ・ド・ラ・トゥール 「女占い師」 おそらく1630年代
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若い裕福な男が女占い師の話に気を取られている隙に、娘たちが財布や装身具を
掠め取ろうとしています。
カラヴァッジョの影響を受けた画家で、幼子イエスがロウソクを掲げる「大工ヨセフ」で
有名ですが、このような明るい色彩でありながら、しれっと冷ややかな作品も描いています。

ペーテル・パウル・ルーベンス 
「聖家族と聖フランチェスコ、聖アンナ、幼い洗礼者聖ヨハネ」 1630年代初頭/中頃

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左下と右上を結ぶ画面になっていて、バロックを代表するルーベンスらしい、
堂々とした描き振りの人物群です。

ディエゴ・ロドリゲス・デ・シルバ・イ・ベラスケス 「男性の肖像」 1635年頃
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無地を背景に黒い髪、黒い服の男性がこちらを見つめている、落着いた雰囲気の
肖像画です。

クロード・ロラン(本名 クロード・ジュレ) 「日の出」 1646–47年頃
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朝日が木々や遠くの丘を照らし、牛や羊を追う人が点景のように描かれています。
クロード・ロラン(1600年代 - 1682)はフランス古典主義の画家で、理想化された
古代の風景を得意としています。

ニコラ・プッサン 「足の不自由な男を癒す聖ペテロと聖ヨハネ」 1655年
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エルサレムの神殿で奇跡を起こすペテロとヨハネです。
ラファエロの「アテネの学堂」に倣った堂々とした画面です。
ニコラ・プッサン(1594 - 1665日)もクロード・ロランと並ぶフランス古典主義の画家で、
二人は仲が良かったようです。

バルトロメ・エステバン・ムリーリョ 「聖母子」 おそらく1670年代
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もやのかかったような柔らかな描き方をする前の時期の作品で、気品と優しさに
満ちています。

ヨハネス・フェルメール 「信仰の寓意」 1670–72年頃
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プロテスタントの国、オランダにしては珍しいカトリックの寓意の散りばめられた作品で、
カトリック教徒の注文で描かれたものと思われます。
女性の身振りが大げさで、フェルメールらしさに欠けるところがあります。

レンブラント・ファン・レイン 「フローラ」 1654年頃
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フローラはローマ神話の春と花の女神で、多くの画家に描かれています。
レンブラントも妻のサスキアをモデルにして描いています。
この絵の頃はサスキアは既に亡くなっており、ヘンドリッキエを愛人にしていた時期です。
若い時の「フローラ」の華やかさに対し、こちらは深みと翳りがあります。

ヤン・ステーン 「テラスの陽気な集い」 1670年頃
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ヤン・ステーンお得意の乱痴気騒ぎで、左の酔っぱらって座っている男はヤン・ステーン
自身とのことです。
ヤン・ステーン(1626-1679)はオランダの風俗画家で、
猥雑な情景の風俗画で知られています。

展覧会のHPです。


【2022/03/01 18:28】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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