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「漆表現の現在Vol.3 」展 日本橋髙島屋
日本橋
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日本橋髙島屋美術画廊Xでは「漆表現の現在Vol.3 」展が開かれています。
会期は3月13日(月)までです。

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2019年に同じ日本橋髙島屋美術画廊Xで開かれた「漆表現の現在 Vol.2」に続く企画で、
漆による造形作家6名の作品が展示されています。
石川県は輪島漆器、山中漆器、金沢漆器と、漆芸の盛んな所で、金沢美術工芸大学でも
工芸科で漆工芸を教えています。
富山大学芸術文化学部出身の森田志宝さん以外は金沢美術工芸大学出身です。

遠藤茜
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座ってみたくなるクッションです。 


斎藤みどり
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乾漆による艶やかな造形です。


中村有希
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紙製で、金箔を貼り、卵殻や夜光貝を散りばめてあります。
 

松浦悠子
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古色を帯びた漆らしさのある風合いです。


森田志宝 
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長い絹糸に漆を塗ってあり、小さな漆玉が連なっています。


王麗楠
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布に漆を塗ってあり、「増殖」をテーマにしています。

まさに漆には様々な表現があるものだと思いました。

「漆表現の現在 Vol.2」展の記事です。


【2023/02/28 19:05】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「FACE展2023」 新宿 SOMPO美術館
新宿
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新宿のSOMPO美術館では「FACE展2023」が開かれています。
会期は3月12日(日)までです。

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FACEは損保ジャパン美術財団の公益財団法人への移行を期に創設された
公募コンクールで、今回が11回目です。
会場には応募した1,064名の新進作家から選ばれた、受賞作品9点を含む
入選作品81点が展示されています。
会期中、観覧者投票による「オーディエンス賞」の選出も行われます。
会場は撮影可能です。

黄地香の子 「庭/”早春図”」 岩絵具・和紙
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石庭のようにも波間に浮かぶ蓬莱山のようにも見えます。

小谷里奈 「透き間」 紙本彩色
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樹木を点描で表しています。

戸田麻子 「Toda Calling/BODY」 油彩・パネル
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レオナルド・ダ・ヴィンチの「受胎告知」と「サルバトール・ムンディ」を組合わせ、
背景は熊本の水前寺公園という、面白い画面構成です。

滑川道広 「Hold me tight」 鉛筆・ダーマドグラフ・ジェッソ・麻紙
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こちらもレオナルド・ダ・ヴィンチの「東方三博士の礼拝」に拠っていますが、
登場しているのは動物たちです。

能登真理亜 「Oasis」 紙本彩色
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大都会を背にして、まさに涼やかでみずみずしいオアシスです。

橋口 元 「リズム」 水彩・アクリル・鉛筆・キャンバス
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さらりとした味わいがあります。

廣門愛由 「源」 水干絵具・岩絵具・麻紙
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春日鹿曼荼羅ならぬ象曼荼羅になっていて、鳥、蝙蝠、魚、化石も一緒に居ます。

福田良亮 「花と魚」 油彩・キャンバス
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思い切って大胆に単純化された構図で、観て楽しくなります。

真柴 毅 「潮風」 油彩・キャンバス
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不思議な現実感があります。

桃山 三 「花兜-ただ春を乞う」 ミクストメディア・キャンバス
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花で飾られた兜を被った子どもたちが集まり、七福神も居て、
何とも装飾的で賑やかな画面です。
最初は華やかさに気を取られて気が付きませんでしたが、
よく観ると子どもたちが乗っているのはロシアの戦車です。

吉田桃子 「Still milky_tune #4」 アクリル・ポリエステル布
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グランプリ受賞作品です。


新藤杏子 「Farewell」 油彩・キャンバス
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FACE展2023のグランプリ受賞作品も展示されています。
油彩ですが、水彩のような透明感のある色調です。
エコーとナルキッソスの物語に想を得ているとのことです。
私はジョン・エヴァレット・ミレーの「オフィーリア」を思い出しました。

展覧会のHPです。


【2023/02/26 20:02】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「江戸絵画の華」展  第2部 京都画壇と江戸琳派 出光美術館
日比谷・有楽町
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日比谷の出光美術館では「江戸絵画の華」展の第2部「京都画壇と江戸琳派」が
開かれています。
会期は3月26日(日)までです。

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アメリカのエツコ&ジョー・プライス夫妻のコレクションの一部が2019年に
出光美術館のコレクションに加わって初めて公開される展覧会です。
第2部は京都の円山応挙と江戸の酒井抱一を中心にした展示です。

先ず、京都画壇の作品の展示です。

「懸崖飛泉図屏風」 円山応挙 寛政元年(1776)
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左隻部分
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右隻
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注文主の居室の都合なのか、四曲・八曲一双という珍しい形です。
右上の滝から左下の松まで水の流れが続き、間には雌雄の鹿も見えます。
奥行きと広がりのある、静かな情景です。

「赤壁図」 円山応挙 安永5年(1789)
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北宋の詩人、蘇軾(蘇東坡)が「前赤壁賦」と「後赤壁賦」に詠んだ景色です。
舟遊びしている長江の水面には月が映っています。

「雪松図屏風」(左隻) 源琦 寛政4年(1792)
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源琦(1747 – 1797)は円山応挙の高弟で、長沢蘆雪と並び称せられていました。
三井記念美術館の所蔵する応挙の「雪松図屏風」の忠実な模写で、最初見た時、
応挙の屏風があると思いました。
よく観ると、応挙に比べ、筆遣いがやや穏やかになっています。

「虎図」 円山応挙 天明5年(1785)
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掛軸の縦長の画面に頭と前脚だけを描き入れて、迫力があります。
毛並みも一本ずつ丁寧に描かれ、質感が伝わってきます。

虎の絵は他に源琦、森狙仙、岸駒の描いたものがあります。

続いて、江戸琳派の酒井抱一、酒井道一、鈴木其一、鈴木守一、中村芳中、
中野其明などの作品の展示です。
中村芳中は大阪の絵師ですが、尾形光琳に私淑しています。

「四季草花図・三十六歌仙図色紙貼交屏風」(左隻) 酒井抱一 江戸時代
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金砂子地の屏風の右から左に季節の草花が移ろい、左隻には朝顔、紅葉、葡萄、
ツワブキなどが描かれ、三十六歌仙の色紙が貼ってあります。
すべて抱一が手掛けた作とのことです。

紀貫之

さくらちるこの下風はさむからでそらにしられぬ雪ぞふりける

源順
水の面に照る月なみをかぞふればこよひぞ秋のもなかなりける

中務
鶯の声なかりせば 雪消えぬ 山里いかで春を知らまし

「十二か月花鳥図」 酒井抱一 江戸時代
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十二幅対の一部です。
人気の高い画題だったようで、現在6種類残っており、工房で制作していたと
思われます。

「扇面流し図屏風」(右隻) 鈴木守一 江戸時代~明治時代
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江戸琳派風の鮮やかな色彩の流水に扇面を流しています。
右隻の扇には紅梅、菫と蕨、百合とセンノウ、牡丹、薄と鶉などが描かれています。
武者絵は平家物語の屋島の戦いで、平家方の平景清が源氏方の美尾谷十郎国俊の
兜を掴んだら錣(しころ)が引き千切られたという場面です。
鈴木守一(1823-1889)は鈴木其一の子で、江戸琳派の画風を継いでいます。


第1部の「若冲と江戸絵画」もそうでしたが、今回も逸品揃いの展示で、
プライスコレクションの質の高さには感心します。

展覧会のHPです。


【2023/02/25 20:04】 未分類 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「エミール・ガレとドーム兄弟」展 日本橋三越本店
三越前
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日本橋三越本店7階催物会場では「エミール・ガレとドーム兄弟」展が開かれています。
会期は2月27日(月)まで、入場料は一般1000円です。

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諏訪市の北澤美術館の開館40周年を記念して、同館の所蔵するエミール・ガレと
ドーム兄弟のガラス作品、約90点が展示されています。
美術館の創立者の北澤利男氏がガラス作品の収集を始めたのは約40年前に
三越本店で開かれたアール・ヌーヴォー展を観て感銘を受けたのがきっかけとのことです。

エミール・ガレ(1846-1904)はフランス、ナンシー出身のデザイナー・ガラス工芸家で、
陶磁器・ガラス器の製造販売会社の経営者の子に生まれ、1877年に経営を任されています。
ナンシーに留学していた高島得三との交流を通じて日本の文物や植物の知識も得ています。

エミール・ガレ 「菊にカマキリ文月光色鉢」 1884-89年
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父の会社を受継いだガレが1878年のパリ万博に初めて自分の名前で出品した作品です。
月光色ガラスと命名した、涼やかな淡青色のガラスを用いています。
菊とカマキリ「という、ジャポニスムを意識した取り合わせです。

エミール・ガレ 「菊花文鶴頸花瓶」 モデル制作1884年頃、1900年頃復刻
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長い頸にも菊を散らし、流水文も見える、ジャポニスムいっぱいの花瓶です。

エミール・ガレ 「蔓日々草文碗」 1895年頃
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小さな作品で、日本の器に想を得ています。
蔓日々草(ツルニチニチソウ)はヨーロッパ原産で、春に淡い紫色の5弁の花を咲かせます。

エミール・ガレ 脚付杯「フランスの薔薇」 1901年
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ナンシー中央園芸協会長の引退記念の制作で、協会長の故郷であるロレーヌ地方に咲く
ロサ・ガリカ(フランスの薔薇)という種類の野生の薔薇です。
薔薇は1870年の普仏戦争でドイツに敗れたフランスを表しているそうです。
普仏戦争にはガレも従軍していますが、フランスの敗北により、ガレの故郷の
アルザス・ロレーヌの一部はドイツに割譲されています。

エミール・ガレ 花形ランプ「アプチロン」 1900-1904年
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エジソンの白熱電球の発明に応じて、ガレは花形の電気照明器具を制作しています。
アプチロンは下向きに花が咲きます。

エミール・ガレ 「芥子文ランプ」 1902-1904年
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幻覚作用のある芥子は夜や夢の象徴でもあります。


オーギュスト(1853-1909)、アントナン(1864-1930)のドーム兄弟はロレーヌ地方の
出身で、ナンシーで父の経営するガラス工場を受け継ぎ、アール・ヌーヴォーや
次の時代のアール・デコ様式のガラス器を制作しています。

ドーム兄弟 「水辺の花文花瓶(コウホネ)」 1897年
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コウホネは日本原産の水生植物で、春から秋に黄色い花を付けます。
ジャポニスムを表した作品で、首は水辺を好む蜻蛉で飾られています。

ドーム兄弟 「黄金の雨とアネモネ」 1900年頃
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金を加えた金赤ガラスを用いた、黄金色に輝く作品です。
1900年のパリ万博に出品後、長くドーム家に所蔵されていました。

ドーム兄弟 「花畠文シリーズ プレリアル」 1900年
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プレリアルはフランス革命後に一時使われた暦で、牧草月といい、5月20日から
6月18日頃を差します。

ドーム兄弟 「すみれのシリーズ」 1905年頃
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特に評判の高かったシリーズで、その愛らしさが好まれました。

ドーム兄弟 花瓶「蜘蛛に刺草」 1910年頃
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細かい棘を持つ刺草(イラクサ)に蜘蛛が巣を掛けている、妖しい雰囲気を持つ器です。
人に嫌がられるイラクサと蜘蛛に共感を寄せたヴィクトル・ユーゴーの言葉が
彫られています。

会場は照明の具合もほど良く、作品をじっくりと堪能できる展覧会です。



【2023/02/24 19:12】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「お雛さま  岩崎小弥太邸へようこそ」展 丸の内 静嘉堂文庫美術館
二重橋前・東京
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丸の内に昨年開館した静嘉堂@丸の内(静嘉堂文庫美術館)では「お雛さま 
岩崎小弥太邸へようこそ」展が開かれています。
会期は3月26日(日)までです。

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三菱財閥の4代目総帥、岩崎小弥太(1879-1945)の麻布鳥居坂の邸宅
(現国際文化会館)を飾っていた雛人形などの展示です。

五世大木平藏 「岩﨑家雛人形のうち内裏雛」 昭和時代初期  20世紀
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岩崎小弥太が孝子夫人のために特注したお雛様です。
男雛は皇太子の着る鴛鴦丸(えんおうまる)文様の黄丹袍(おうにのほう)、
冠は立纓(りゅうえい)です。
女雛は牡丹文の十二単を着て、髪はおすべらかし、宝冠には岩崎家の替紋の
花菱紋が打ってあります。

他に三人官女、五人囃子、随身、道具類など一式が展示されています。

「立雛 次郎左衛門頭」 江戸時代 18~19世紀
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災厄を託して海や川に流す人形(ひとがた)から発展した形です。
衣装には目出度い松竹梅と高砂の翁媼が描かれています。
次郎左衛門雛は丸顔の引目鉤鼻が特徴で、幕府御用も勤めた京の人形師の
雛屋次郎左衛門が創めたとされています。

「子供五人囃子」 江戸時代 18世紀
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北尾重政(1739 – 1820)の作と思われます。
雪持笹の振袖に結び柏の裃の少年が大鼓を打っています。

「曜変天目」(稲葉天目) 建窯 宋時代 12~13世紀 国宝
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徳川家光から春日局に下され、子孫の稲葉家に伝えられたのでその名があります。
曜変天目は日本に数点あるだけの大変珍しい品で、特にこの稲葉天目は有名です。
小さな天目茶碗ですが、見込みの斑文は星のように輝き、観る角度によって
その色も微妙に変わり、小さな宇宙を観るような景色です。

野々村仁清 「色絵吉野山図茶壷」 江戸時代 17世紀 重要文化財
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壷の周りにぐるりと、桜が満開の吉野山を描いています。
黒い空と金の雲との取り合わせがとても華やかで、仁清らしい濃厚な味わいです。

川端玉章 「墨梅図屏風」 19~20世紀
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六曲一双の屏風で、初公開とのことです。
右上と左下から枝が向かい合って延びています。
川端玉章(1842-1913)は円山応挙の孫弟子の中島来章に入門しています。
東京に出て高橋由一から洋画も学び、後には東京美術学校の教授も勤めています。

前田青邨 「蘭陵王」 昭和11年(1936)
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「蘭陵王」は雅楽の演目の一つです。
北斉の武人皇族、高長恭(541 ~ 573)の活躍を演じるものです。
前田青邨(1885-1977)は小弥太夫妻の日本画の師でした。
前田青邨の作品は4点、展示されています。

展覧会のHPです。


【2023/02/23 19:07】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「ポーラ ミュージアム アネックス展 2023―自立と統合―」 銀座 ポーラ ミュージアム アネックス
銀座一丁目
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銀座のポーラ ミュージアム アネックスでは「ポーラ ミュージアム アネックス展 2023
―自立と統合―」が開かれています。
前期3名、後期3名のポーラ美術振興財団による若手芸術家の在外研修助成を
受けた方々の作品の展示です。
前期は3月12日(日)まで、会期中は無休です。

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國川裕美

國川裕美さん(1988~)は東京芸術大学彫刻家を卒業、大学院彫刻科修士課程を
修了し、イタリアで研修されています。

温かみのある、大きな石彫のハシビロコウです。
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後ろ側に何か彫ってあります。
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こちらは小さな陶製のハシビロコウです。
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石棺のように見えます。
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今年の1月に日本橋髙島屋美術画廊Xで開かれた「國川裕美展」の記事です。


星野薫

星野薫さん(1990~)は多摩美術大学絵画学科を卒業し、ドイツで研修されています。

ドイツビールの瓶が面白い形に変形しています。

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ラベルが貼り並べられています。

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吉濱翔

吉濱翔さん(1985~)は沖縄県 出身で、沖縄県立芸術大学美術工芸学部絵画専攻を
卒業し、イギリスで研修されています。

写真と映像の展示です。

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展覧会のHPです。


【2023/02/21 21:14】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「三井家のおひなさま」展 三井記念美術館 2023年
三越前
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日本橋の三井記念美術館では3年ぶりに「三井家のおひなさま」展が開かれています。
会期は4月2日(日)までです。

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「立雛」 文化12年(1815)
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災厄を託して海や川に流す人形(ひとがた)から発展した形です。
松は男、藤は女、撫子は子どもを表しています。
簡素な姿ですが、金地に緑と赤の華やかで上品な色彩です。

「内裏雛」 三世大木平藏製 明治28 年(1895)
三井苞子(北三井家十代・高棟夫人)旧蔵

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内裏雛は江戸の人形師、原舟月の考案した写実的なお雛様で、
瞳にガラスや水晶が入っています。
私たちが見慣れている現代のお雛様はこの内裏雛の系統です。

「次郎左衛門雛」 二代永徳齋 明治~大正時代 20世紀
三井鋹子(北三井家十一代・高公夫人)旧蔵

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次郎左衛門雛は丸顔の引目鉤鼻が特徴で、幕府御用も勤めた京の人形師の
雛屋次郎左衛門が創めたとされています。
江戸後期に江戸で流行し、公家や諸大名家では雛人形の本流とされたそうです。

「内裏雛」 二代永徳齋 明治~大正時代 20世紀
三井鋹子(北三井家十一代・高公夫人)旧蔵

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永徳齋は江戸時代から昭和まで四代にわたり、江戸、東京で活躍した人形師です。

「内裏雛」 四世大木平藏 明治33 年(1900)
三井興子(伊皿子三井家九代・高長夫人)旧蔵

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今の人形に伝わる古今雛と呼ばれる面長の顔立ちです。

「紫宸殿雛人形」 五世大木平藏 昭和9年(1934)
浅野久子氏(北三井家十一代・高公長女)旧蔵

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北三井家十一代・高公の長女で浅野セメントの浅野久弥に嫁いだ久子氏の
寄贈品で、久子氏の初節句に祖父の三井高棟より贈られた品です。
御殿付きの雛人形は江戸時代の末から昭和20年頃にかけて西日本で
流行したそうです。

「内裏雛」 五世大木平藏 昭和9年(1934)
浅野久子(北三井家十一代・高公長女)旧蔵

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男雛は最も格式の高い黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)を着ています。

「雛人形・雛道具段飾りのうち五人官女」 五世大木平藏 昭和9年(1934年)
浅野久子氏(北三井家十一代・高公長女)旧蔵

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「御所人形 大名行列」 五世大木平藏製 昭和8年(1933) 丸平文庫蔵
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毛槍や挟み箱を担いだ奴さん、弓、鉄砲を担いだ徒武者、騎馬武者など、
58体の人形が行列を組んでいます。
奴さんの一人はかがんで草鞋のひもを結んでいます。
錫杖を持った烏帽子姿の侍や坊主頭の医者も加わっています。
蒔絵を施したお駕篭は6人で担いでいて、なぜか振袖姿です。
付けている紋は、三井家の四つ目結です。
四つ目結は近江源氏佐々木氏の紋で、三井家は遠祖を佐々木氏と名乗っています。

「御所人形 神輿」 五世大木平藏製 昭和8年(1933) 個人蔵
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21体の可愛い御所人形たちが足並みを揃えてお神輿を担いでいて、威勢の良い
掛け声も聞えてきそうです。
酒樽を抱えてご機嫌でひっくり返っている人形もいて、おかげで片方の担ぎ手は
一人足りません 。
氏子たちの腹掛けにも四つ目結の紋が付いています。

御所人形は江戸時代、幕府の役人や参勤交代の大名が朝廷に挨拶に
伺った時に朝廷からお土産として贈られていて、明治になってから
御所人形と呼ばれるようになっています。


特集展示として、 近年の寄贈品の展示があります。 

「花見の図」 河鍋暁斎 明治時代 19世紀
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花見酒ですっかり酔っぱらって出来上がった男女で、天狗の面を付けた男は
片肌田脱ぎになって酒樽を担ぎ、草履も脱げ、団子の串を持った女は着物も
はだけています。
それを蓆を敷いておもちゃを売っている老婆が眺めています。
表装には桜の木が描かれていて、花見の絵になっています。

「両替年代記蒔絵硯箱」 象彦(八代西村彦兵衛)製 昭和初期
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外見は和綴じの冊子の形をしていて、蓋を開けると中は両替尽くしという
凝った意匠です。
銭を数える金枡をかたどり、硯は分銅の形をしています。
蓋の裏には慶長小判や寛永通宝などが貼り付けてあります。
両替商としても栄えた三井家の歴史を物語っています。

御所丸茶碗 朝鮮時代 17世紀
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茶室、如庵に置かれています。
御所丸とは桃山時代から江戸時代初期に掛けての朝鮮との御用貿易船のことで、
対馬藩宗氏が仲介しています。
日本の茶人の注文により朝鮮で焼かれ、朝鮮貿易船で運ばれた品と思われます。
楕円形で白釉と黒釉の掛かった片身替りと呼ばれる色合いになっています。
えぐるようなへらの削り跡も付いていて、個性の強い姿をしています。


「陶製福雛」 近代
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展示室入口に置かれています。
福助とお福さんでしょうか。

展覧会のHPです。


こちらは隣の日本橋三越の新館入口に飾られている内裏雛です。

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【2023/02/19 18:57】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「LIFE ~いきものたちの世界~」 銀座 日動画廊
銀座
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銀座の日動画廊では3月1日(水)まで、「LIFE ~いきものたちの世界~」が
開かれています。
日曜日祝日は休廊です。

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現役の作家約40名が生き物を描いた作品に、物故作家の作品も加えて
展示されています。

朝井閑右衛門 「赤い月」
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猛獣と人物が一緒に描かれ、大きな赤い月も出て、何か不穏な雰囲気があります。

松樹路人 「翡翠」
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小さな作品で、色鮮やかなカワセミが木の枝に留まっています。

奥谷博 「白虍」
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ホワイトタイガーの頭で、白い毛筋もていねいに描き込まれ、とても迫力があります。

多くの作家の方がいろいろな生き物を描いていて、この人はこんな風に
猫を表現するのかなど、観ていて楽しく、なかなか面白い展覧会です。


【2023/02/18 18:24】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「丸猫展 Catアートフェスタ Part2」 丸善丸の内本店 2023年
東京
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2月22日(水)は猫の日ということで、 丸善丸の内本店4階ギャラリーでは「丸猫展 
Catアートフェスタ Part2」が開かれています。
会期は2月22日までです。
2月19日(日)は法定点検のため丸善全館が休業とのことです。

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出展作家は以下の通りです。
五十嵐俊介(張り子)/稲田 敦(アート刺繍・はんこ・イラスト・人形)/岡村洋子(陶芸)
奥平浩美(ジュエリー)/小澤康麿(陶芸・絵画)/春日 粧(染色)/桐山 暁(銅版画)
小出信久(ミニチュア木彫り)/小島美知代(立体造形)/月魚ひろこ(陶芸)
なつめみちこ(粘土・立体作品)/平林義教・利依子(七宝焼)/布施和佳子(絵画)
細山田匡宏(立体造形)/正木 卓(陶芸)/水谷 満(陶芸他)/宮内久美子(絵画・造形)
目羅健嗣(絵画・立体)/柳岡未来(陶芸)

招き猫や応援団の猫、塀の上の猫など、いろいろな猫がどっさり揃っています。

布施和佳子さんの作品では猫の弾くアップライトピアノの上に猫たちが集まっています。

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ギャラリーだけでなく、丸善4階の店舗スペースのかなりの部分も使って、
さまざまな猫グッズが展示販売され、フロアは猫尽くしになっています。


【2023/02/17 18:36】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(2) |
「原広司 建築に何が可能か-有孔体と浮遊の思想の55年-」展 湯島 国立近現代建築資料館
湯島
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湯島の国立近現代建築資料館では、「原広司 建築に何が可能か
-有孔体と浮遊の思想の55年-」展が開かれています。
会期は3月5日(日)まで、入館は無料です。
場所は文京区湯島4-6-15で、旧岩崎邸庭園に隣接しています。

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資料館へのアクセスは資料館のHPで、ご確認下さい。

展示室は撮影可能です。

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原広司氏(1936~)はJR京都駅ビル、新梅田シティ・スカイビル、札幌ドームなどの
設計で知られる建築家です。

「伊藤邸」 1967年
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リビングは竪穴式住居の趣きがあります。

「那覇市立城西小学校」 1987年
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集落のような構造です。

「飯田市美術博物館」 1988年
南アルプスの山並みと調和しています。

「新梅田シティ・スカイビル」 1993年
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オフィス棟とホテル棟をつないだ連結超高層の構造になっています。

「JR京都駅ビル」 1997年
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有孔体の思想によって大きな吹き抜けの空間が開いています。

「札幌ドーム」 2001年
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庭づくり・ガードニングという概念を取り入れているそうです。

「有孔体と浮遊の思想2022」
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代表作の主要空間や建築概念を集成したコンセプトモデルです。
有孔体、浮遊、親自然、多様な構造などの思想を取り込んでいるそうです。

展覧会のHPです。


【2023/02/16 19:24】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「PRINTED/MATTER 阿部大介 大西伸明 湯浅克俊」展 日本橋髙島屋
日本橋
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日本橋髙島屋美術画廊Xでは「PRINTED/MATTER 阿部大介 大西伸明
湯浅克俊」展が開かれています。
会期は2月14日(火)までです。

阿部大介

切り広げたスニーカーが並んでいます。
たDSC08346

たDSC08348

木の薄切りです。
たDSC08362

つぶれた小さなタイヤです。
たDSC08358


大西伸明

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木の枝がオブジェになっています。
たDSC08340


湯浅克俊

写真を基に木版で再現しています。
たDSC08372

たDSC08376


【2023/02/14 20:50】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「大安寺の仏像」展 東京国立博物館 
上野
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上野の東京国立博物館の本館 11室では特別企画「大安寺の仏像」が開かれ、
大安寺蔵の観音像3体と四天王像4体が展示されています。
会期は3月19日(日)までです。

大安寺img354 (1)


大安寺は奈良市にある真言宗の寺院で、舒明天皇(593-641)の創建と伝えられます。
一時は南都七大寺の一つで、東大寺や興福寺と並ぶ大寺でした。

大安寺img354 (2)


「楊柳観音菩薩立像」 奈良時代・8世紀 重要文化財
大安寺img366 (2)

大安寺img366 (7)

楊柳観音は病苦から救う観音で、柳の枝を持つことからその名があります。
台座まで含めた一木造で、すっきりとした体躯に憤怒の表情を浮かべています。
胸の石帯や彫り出した胸飾りには唐の影響が見られるそうです。

「不空羂索観音菩薩立像」 奈良時代・8世紀 重要文化財
大安寺img366 (3)

大安寺img366 (6)

不空羂索観音は衆生を漏れなく救う観音で、8臂の姿で表されます。
一木造の堂々とした姿で、8本の腕は後世の作のため、像の元の名称は
不明とのことです。

「聖観音菩薩立像」 奈良時代・8世紀 重要文化財
大安寺img366 (4)

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肩幅が広く、胸や腕の装飾も一材から彫り出しています。
聖観音は1面2臂の観音のことで、頭に化仏を置きます。
この像の頭の化仏は後世の作で、像の元の名称は不明とのことです。

「持国天立像」 奈良時代・8世紀 重要文化財
大安寺img366 (8)

甲冑の胸には華やかな花の模様が彫られています。

「増長天立像」 奈良時代・8世紀 重要文化財
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「広目天立像」 奈良時代・8世紀 重要文化財
大安寺img366 (11)


「多聞天立像」 奈良時代・8世紀 重要文化財
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動きのある形で、唐風の編んだ靴を履いていますが、袴の裾を短くしているのは
天平時代の特徴とのことです。

観音像も四天王像も一木造らしく直立形で、量感があります。

「弘法大師坐像」 江戸時代・18世紀
大安寺img366 (1)

右手に密教の法具の五鈷杵を、左手に数珠を持つ、流布している弘法大師像の
姿に則っています。
大安寺は始め、奈良仏教の三論宗の寺院でしたが、天長6年(829)に空海が
別当になっています。


【2023/02/12 19:49】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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