恵比寿
山種美術館で開かれている特別展、小林古径生誕140年記念「小林古径と速水御舟
―画壇を揺るがした二人の天才―」の2回目、今回は速水御舟です。
会期は7月17日(月・祝)までです。
速水御舟(1894-1935)は浅草生まれで、少年の頃から絵の才能を認められ、
松本楓湖(1840 – 1923)の画塾に入門しています。
後に日本美術院の同人になっていますが、先輩の小林古径より早く、
40歳で亡くなっています。
速水御舟 「錦木」 大正2年(1913) 山種美術館

初期の作品で、能などで知られる、秋田の錦木伝説を題材にしています。
若者が求婚の印である錦木(5種の木の枝)を恋する人の家の門に立てているところです。
錦木はたてなからこそ朽にけれけふの細布むねあはしとや 能因法師
速水御舟 「桃花」 大正12年(1923) 山種美術館

長女の初節句のために描かれた作品です。
宋時代の院体画風の描き方で、落款も痩金体という、徽宗の作り出した
細くて硬い書体になっています。
速水御舟 「春昼」 大正13年(1924) 山種美術館

埼玉県片山村(現・新座市)に住んだ頃の作品です。
農家の廂に拵えた鳩の巣に鳩が集まり、あわあわとした春の日の風情に満ちています。
速水御舟 「百舌巣」 大正14年(1925) 山種美術館

速水御舟の住んでいた目黒には野鳥が多く、邸内にもモズが巣を作っていました。
モズの巣と雛を描いていて、滲みやぼかしを使って巣の質感を上手く表しています。
宋画の雰囲気があり、緊張感と一種の凄味を感じます。
速水御舟 「炎舞」 大正14年(1925) 山種美術館 重要文化財


照明を暗くした第2室に展示されています。
夜の焚き火に集まる蛾の群れです。
やがて炎に焼かれてしまう蛾の舞う、一瞬の時を捉えています。
揺らぎながら燃える炎は仏画の不動の火炎に倣っていますが、暗い背景との
境はぼかされています。
煙が渦を巻いて昇り、集まった蛾は円を描いて飛び、円の中心を飛ぶ蛾は
小さく、周りの蛾は大きく描かれています。
立体感と動きのある画面です。
御舟は、背景の色について、「もう一度描けといわれても二度とは出せない色」と
述べているそうです。
「昆虫二題 葉蔭魔手・粧蛾舞戯」 大正 15年(1926) 山種美術館


「炎舞」の翌年の作品で、「葉蔭魔手」は蜘蛛の巣が放射状に広がり、「粧蛾舞戯」は
蛾の群れが光の渦に向かって収斂しています。
速水御舟は以後、このような題材の作品を描かなくなったそうです。
速水御舟 「翠苔緑苔」 昭和3年(1928) 山種美術館




四曲一双の金箔地の屏風で、右隻に枇杷と青桐、つつじです。
枇杷の木には、まだ青い実から熟れた実まで付いていて、木の下では
黒猫が振り向いています。
左隻には紫陽花と2匹の白兎です。
紫陽花は咲き始めから満開まで様々に咲いています。
白兎は、向こうに黒猫がいるのも知らずに、呑気に草をかじったり、
寝ころがったりしています。
全体に、右奥から左手前に広がり、右上から左下に下がっていく構図です。
琳派風の装飾性を極め、きっちりとまとまった、近代的な作品です。
御舟の言葉、「もし無名の作家が残ったとして、この絵だけは面白い絵だと
後世言ってくれるだろう」。
「紅梅・白梅」 昭和4年(1929) 山種美術館

まだ早春の冷気の残る夜に咲く梅の花です。
右下の老木の紅梅から左上の若木の白梅に視線を移すと、細い三日月も見えます。
「埃乃土人ノ灌漑」 昭和6年(1931) 山種美術館

小品で、欧州旅行の船旅の途中で見かけた、エジプトの情景です。
2つの跳ね釣瓶を使った水汲みの様子を描いています。
人物の姿は古代のエジプト絵画風で、1人は赤い腰巻に白い鉢巻、
1人は白い腰巻に赤白の鉢巻です。
左右対称の面白い構図で、烏が1羽、のんびり止まっています。
速水御舟 「椿ノ花」 昭和8年(1933) 山種美術館

椿の葉の艶やかさも表し、立体感があります。
速水御舟 「牡丹花(墨牡丹)」 昭和9年(1934) 山種美術館

亡くなる前年の作品です。
描線を使わず、墨のにじみによって花弁を描き出しています。
墨色でありながら、華やかです。
速水御舟はさまざまな作風を試みており、「炎舞」の凄味や「翠苔緑苔」の装飾性には
目を見張るものがあります。
小林古径、速水御舟という近代日本画を代表する二人の作品の展示される、
見逃せない展覧会です。
山種美術館のHPです。
chariot
山種美術館で開かれている特別展、小林古径生誕140年記念「小林古径と速水御舟
―画壇を揺るがした二人の天才―」の2回目、今回は速水御舟です。
会期は7月17日(月・祝)までです。
速水御舟(1894-1935)は浅草生まれで、少年の頃から絵の才能を認められ、
松本楓湖(1840 – 1923)の画塾に入門しています。
後に日本美術院の同人になっていますが、先輩の小林古径より早く、
40歳で亡くなっています。
速水御舟 「錦木」 大正2年(1913) 山種美術館

初期の作品で、能などで知られる、秋田の錦木伝説を題材にしています。
若者が求婚の印である錦木(5種の木の枝)を恋する人の家の門に立てているところです。
錦木はたてなからこそ朽にけれけふの細布むねあはしとや 能因法師
速水御舟 「桃花」 大正12年(1923) 山種美術館

長女の初節句のために描かれた作品です。
宋時代の院体画風の描き方で、落款も痩金体という、徽宗の作り出した
細くて硬い書体になっています。
速水御舟 「春昼」 大正13年(1924) 山種美術館

埼玉県片山村(現・新座市)に住んだ頃の作品です。
農家の廂に拵えた鳩の巣に鳩が集まり、あわあわとした春の日の風情に満ちています。
速水御舟 「百舌巣」 大正14年(1925) 山種美術館

速水御舟の住んでいた目黒には野鳥が多く、邸内にもモズが巣を作っていました。
モズの巣と雛を描いていて、滲みやぼかしを使って巣の質感を上手く表しています。
宋画の雰囲気があり、緊張感と一種の凄味を感じます。
速水御舟 「炎舞」 大正14年(1925) 山種美術館 重要文化財


照明を暗くした第2室に展示されています。
夜の焚き火に集まる蛾の群れです。
やがて炎に焼かれてしまう蛾の舞う、一瞬の時を捉えています。
揺らぎながら燃える炎は仏画の不動の火炎に倣っていますが、暗い背景との
境はぼかされています。
煙が渦を巻いて昇り、集まった蛾は円を描いて飛び、円の中心を飛ぶ蛾は
小さく、周りの蛾は大きく描かれています。
立体感と動きのある画面です。
御舟は、背景の色について、「もう一度描けといわれても二度とは出せない色」と
述べているそうです。
「昆虫二題 葉蔭魔手・粧蛾舞戯」 大正 15年(1926) 山種美術館


「炎舞」の翌年の作品で、「葉蔭魔手」は蜘蛛の巣が放射状に広がり、「粧蛾舞戯」は
蛾の群れが光の渦に向かって収斂しています。
速水御舟は以後、このような題材の作品を描かなくなったそうです。
速水御舟 「翠苔緑苔」 昭和3年(1928) 山種美術館




四曲一双の金箔地の屏風で、右隻に枇杷と青桐、つつじです。
枇杷の木には、まだ青い実から熟れた実まで付いていて、木の下では
黒猫が振り向いています。
左隻には紫陽花と2匹の白兎です。
紫陽花は咲き始めから満開まで様々に咲いています。
白兎は、向こうに黒猫がいるのも知らずに、呑気に草をかじったり、
寝ころがったりしています。
全体に、右奥から左手前に広がり、右上から左下に下がっていく構図です。
琳派風の装飾性を極め、きっちりとまとまった、近代的な作品です。
御舟の言葉、「もし無名の作家が残ったとして、この絵だけは面白い絵だと
後世言ってくれるだろう」。
「紅梅・白梅」 昭和4年(1929) 山種美術館

まだ早春の冷気の残る夜に咲く梅の花です。
右下の老木の紅梅から左上の若木の白梅に視線を移すと、細い三日月も見えます。
「埃乃土人ノ灌漑」 昭和6年(1931) 山種美術館

小品で、欧州旅行の船旅の途中で見かけた、エジプトの情景です。
2つの跳ね釣瓶を使った水汲みの様子を描いています。
人物の姿は古代のエジプト絵画風で、1人は赤い腰巻に白い鉢巻、
1人は白い腰巻に赤白の鉢巻です。
左右対称の面白い構図で、烏が1羽、のんびり止まっています。
速水御舟 「椿ノ花」 昭和8年(1933) 山種美術館

椿の葉の艶やかさも表し、立体感があります。
速水御舟 「牡丹花(墨牡丹)」 昭和9年(1934) 山種美術館

亡くなる前年の作品です。
描線を使わず、墨のにじみによって花弁を描き出しています。
墨色でありながら、華やかです。
速水御舟はさまざまな作風を試みており、「炎舞」の凄味や「翠苔緑苔」の装飾性には
目を見張るものがあります。
小林古径、速水御舟という近代日本画を代表する二人の作品の展示される、
見逃せない展覧会です。
山種美術館のHPです。
恵比寿
山種美術館では特別展、小林古径生誕140年記念、「小林古径と速水御舟
―画壇を揺るがした二人の天才―」が開かれています。
会期は7月17日(月・祝)までです。

院展を代表する日本画家、小林古径(1883-1957)と速水御舟(1894-1935)の作品展で、
山種美術館の所蔵する小林古径のすべての作品が展示されています。
記事は2回に分け、今日は小林古径の記事を載せます。
小林古径は新潟県出身で、梶田半古(1870-1917)の画塾に入門しています。
同門に前田青邨、奥村土牛らがいます。
1914年には日本美術院の同人となっています。
小林古径 「闘草」 明治40年(1907) 山種美術館

五月五日の頃に草を持ち寄って、その優劣を競った、「草合わせ」という
四天王寺蔵の平安時代の扇面古写経にも描かれている遊びです。
手前の子は汗衫(かざみ)を着ています。
小林古径によれば、肌の色の表現に苦労したそうです。
小林古径 「極楽井」 明治45年(1912) 東京国立近代美術館

6月18日までの展示です。
小石川伝通院裏の宗慶寺にあった極楽井の水を汲む乙女たちです。
白木蓮は裏箔によって描かれているそうです。
イエズス会の紋章を模様にした着物やロザリオなど南蛮趣味をあしらって
いますが、清楚で気品に満ちています。
泉に少女たちの集まっている情景は、大伴家持の詠った、
「もののふの八十乙女らが汲みまがふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花」を
思い浮かべます。
安田靫彦は「この作品で古径芸術は八分通り完成」と述べています。
宗慶寺は小石川台地の麓にあり、地形からも湧水の出やすい場所だった
ことが分かります。
小林古径 「河風」 大正4年(1915) 山種美術館

黒の絣の浴衣姿の女が河原に置いた縁台に掛け、桔梗の団扇を持って
足を水に浸しています。
後ろに垂らした帯の色が鮮やかで、水の描き方にも特徴があります。
33歳頃の作品で、後の画風と違い、絵に生々しさがあります。
元は日本画家たちの後援者だった原三渓のために描かれた作品で
奥村土牛の旧蔵とのことです。
小林古径 「出湯」 大正10年(1921) 東京国立博物館

6月27日からの展示です。
小林古径 「静物」 大正11年(1922) 山種美術館

小林古径の描いた唯一の油絵ということで、写実的ですが、背景が無地の
ところは日本画風です。
きっちりとして気品のある描き方は、やはり小林古径です。
落款は痩金体という、北宋の徽宗の作り出した細くて硬い書体になっています。
この時期は西洋画と日本画の間で心が揺れていた頃とのことです。
前田青邨も一時は洋画に転向しようかと悩んだ時期もあるとのことですから、
日本画を続けていくのは大変だったようです。
小林古径はこの絵を描いた年に39歳で前田青邨とともに欧州に留学しています。
大英博物館では東晋の画家、顧愷之(こがいし:344?-405?)の「女史箴図巻
(じょししんずかん)」を見て逆に東洋画の線描に目覚め、模写しています。
小林古径 「琴」 昭和 2年(1927) 個人蔵
娘さんがモデルとのことで、赤い縞模様の着物姿の少女が琴の前に正座して、
爪箱を膝に置き、琴爪を指に嵌めているところです。
きりっとした顔の描線は演奏前のちょっと緊張した表情を見事に描き出しています。
同じ構図で着物の柄の違う作品を京都国立近代美術館が所蔵しています。
小林古径 「清姫」 8枚連作のうち「日高川」 昭和5年(1930) 山種美術館

紀州の安珍清姫伝説を絵巻物風に8枚続きの絵に仕立てたものです。
安珍を追う清姫が日高川に阻まれている場面です。
灰色の満々とした水に向って伸ばした手が清姫の絶望を表しています。
なびく髪の下にかすかに金色が塗られています。
小林古径 「清姫」 8枚連作のうち「鐘巻」 昭和5年(1930) 山種美術館

道成寺に逃げ込んだ安珍は釣鐘を降ろしてもらってその中に身を隠しますが、
蛇となった清姫は鐘に巻付き、焔を吹いて安珍を焼き殺してしまいます。
この絵では蛇ではなく、龍の姿に描かれています。
白い体や前脚を伸ばして鐘に掛けた姿は、「日高川」での手を伸ばした
清姫の姿に照応しています。
すさまじい場面ですが、古画のようで気品があります。
小林古径 「清姫」 8枚連作のうち「入相桜」 昭和5年(1930) 山種美術館

鐘の中で焼き殺された安珍と、日高川に身を投げた清姫の亡骸は共に比翼塚に葬られ、
桜が植えられ、入相桜と呼ばれます。
悲恋の物語は最後に満開の桜によって優しく慰められています。
小林古径はこの作品を気に入っていて、一生手元に置いておくつもりだったのを、
山種美術館の設立のお祝いに寄贈したとのことです。
小林古径 「白華小禽」 昭和5年(1930) 山種美術館

泰山木に止まっているのは瑠璃でしょうか。
葉の艶や厚みも表されています。
小林古径 「弥勒」 昭和 8年(1933) 山種美術館



この作品のみ、撮影可能です。
奈良県室生の大野寺の対岸にある像高11.5mの弥勒如来の磨崖仏で、
鎌倉時代に興福寺の僧、雅縁の発願により彫られ、承元3年(1209)に
後鳥羽上皇の臨席で開眼供養がされています。
弥勒(みろく、マイトレーヤ)は釈迦入滅後、56億7千万年後にこの世に現れ、
人びとを救済するとされている未来仏です。
小林古径は制作の前年に速水御舟と共に京都奈良を旅行しており、その時の
写生を元に描いています。
実際の磨崖仏は岩を彫ってあるため、この絵のようにはっきりとは見えません。
線描により、生きた弥勒の表情になっています。
柴を担いで行く人と比べると、その大きさが分かります。
院展に発表した時は評判が芳しくなかったそうで、手元に20年置いて手を加えています。
小林古径 「三宝柑」 昭和14年(1939) 山種美術館

6月18日までの展示です。
研ぎ澄まされた線描による日本画ですが、陰影も付けられ、立体感があります。
小林古径 「唐蜀黍」 昭和14年(1939) 東京国立近代美術館

6月20日からの展示です。
「猫」 昭和21年(1941) 山種美術館

耳を立て、両足を揃えた凛々しい姿で、この構図に決まるまで試行錯誤を重ねています。
小林古径は欧州に留学した時、大英博物館所蔵の古代エジプトのバステト神も
写生しており、その姿も参考にしています。
永青文庫所蔵の昭和6年(1931)作の「髪」も古代エジプト芸術に倣っています。
いつ観ても、小林古径の描写の巧みさ、線描の見事さ、そして作品の気品の高さには
感動を覚えます。
山種美術館のHPです。
chariot
山種美術館では特別展、小林古径生誕140年記念、「小林古径と速水御舟
―画壇を揺るがした二人の天才―」が開かれています。
会期は7月17日(月・祝)までです。

院展を代表する日本画家、小林古径(1883-1957)と速水御舟(1894-1935)の作品展で、
山種美術館の所蔵する小林古径のすべての作品が展示されています。
記事は2回に分け、今日は小林古径の記事を載せます。
小林古径は新潟県出身で、梶田半古(1870-1917)の画塾に入門しています。
同門に前田青邨、奥村土牛らがいます。
1914年には日本美術院の同人となっています。
小林古径 「闘草」 明治40年(1907) 山種美術館

五月五日の頃に草を持ち寄って、その優劣を競った、「草合わせ」という
四天王寺蔵の平安時代の扇面古写経にも描かれている遊びです。
手前の子は汗衫(かざみ)を着ています。
小林古径によれば、肌の色の表現に苦労したそうです。
小林古径 「極楽井」 明治45年(1912) 東京国立近代美術館

6月18日までの展示です。
小石川伝通院裏の宗慶寺にあった極楽井の水を汲む乙女たちです。
白木蓮は裏箔によって描かれているそうです。
イエズス会の紋章を模様にした着物やロザリオなど南蛮趣味をあしらって
いますが、清楚で気品に満ちています。
泉に少女たちの集まっている情景は、大伴家持の詠った、
「もののふの八十乙女らが汲みまがふ寺井の上の堅香子(かたかご)の花」を
思い浮かべます。
安田靫彦は「この作品で古径芸術は八分通り完成」と述べています。
宗慶寺は小石川台地の麓にあり、地形からも湧水の出やすい場所だった
ことが分かります。
小林古径 「河風」 大正4年(1915) 山種美術館

黒の絣の浴衣姿の女が河原に置いた縁台に掛け、桔梗の団扇を持って
足を水に浸しています。
後ろに垂らした帯の色が鮮やかで、水の描き方にも特徴があります。
33歳頃の作品で、後の画風と違い、絵に生々しさがあります。
元は日本画家たちの後援者だった原三渓のために描かれた作品で
奥村土牛の旧蔵とのことです。
小林古径 「出湯」 大正10年(1921) 東京国立博物館

6月27日からの展示です。
小林古径 「静物」 大正11年(1922) 山種美術館

小林古径の描いた唯一の油絵ということで、写実的ですが、背景が無地の
ところは日本画風です。
きっちりとして気品のある描き方は、やはり小林古径です。
落款は痩金体という、北宋の徽宗の作り出した細くて硬い書体になっています。
この時期は西洋画と日本画の間で心が揺れていた頃とのことです。
前田青邨も一時は洋画に転向しようかと悩んだ時期もあるとのことですから、
日本画を続けていくのは大変だったようです。
小林古径はこの絵を描いた年に39歳で前田青邨とともに欧州に留学しています。
大英博物館では東晋の画家、顧愷之(こがいし:344?-405?)の「女史箴図巻
(じょししんずかん)」を見て逆に東洋画の線描に目覚め、模写しています。
小林古径 「琴」 昭和 2年(1927) 個人蔵
娘さんがモデルとのことで、赤い縞模様の着物姿の少女が琴の前に正座して、
爪箱を膝に置き、琴爪を指に嵌めているところです。
きりっとした顔の描線は演奏前のちょっと緊張した表情を見事に描き出しています。
同じ構図で着物の柄の違う作品を京都国立近代美術館が所蔵しています。
小林古径 「清姫」 8枚連作のうち「日高川」 昭和5年(1930) 山種美術館

紀州の安珍清姫伝説を絵巻物風に8枚続きの絵に仕立てたものです。
安珍を追う清姫が日高川に阻まれている場面です。
灰色の満々とした水に向って伸ばした手が清姫の絶望を表しています。
なびく髪の下にかすかに金色が塗られています。
小林古径 「清姫」 8枚連作のうち「鐘巻」 昭和5年(1930) 山種美術館

道成寺に逃げ込んだ安珍は釣鐘を降ろしてもらってその中に身を隠しますが、
蛇となった清姫は鐘に巻付き、焔を吹いて安珍を焼き殺してしまいます。
この絵では蛇ではなく、龍の姿に描かれています。
白い体や前脚を伸ばして鐘に掛けた姿は、「日高川」での手を伸ばした
清姫の姿に照応しています。
すさまじい場面ですが、古画のようで気品があります。
小林古径 「清姫」 8枚連作のうち「入相桜」 昭和5年(1930) 山種美術館

鐘の中で焼き殺された安珍と、日高川に身を投げた清姫の亡骸は共に比翼塚に葬られ、
桜が植えられ、入相桜と呼ばれます。
悲恋の物語は最後に満開の桜によって優しく慰められています。
小林古径はこの作品を気に入っていて、一生手元に置いておくつもりだったのを、
山種美術館の設立のお祝いに寄贈したとのことです。
小林古径 「白華小禽」 昭和5年(1930) 山種美術館

泰山木に止まっているのは瑠璃でしょうか。
葉の艶や厚みも表されています。
小林古径 「弥勒」 昭和 8年(1933) 山種美術館



この作品のみ、撮影可能です。
奈良県室生の大野寺の対岸にある像高11.5mの弥勒如来の磨崖仏で、
鎌倉時代に興福寺の僧、雅縁の発願により彫られ、承元3年(1209)に
後鳥羽上皇の臨席で開眼供養がされています。
弥勒(みろく、マイトレーヤ)は釈迦入滅後、56億7千万年後にこの世に現れ、
人びとを救済するとされている未来仏です。
小林古径は制作の前年に速水御舟と共に京都奈良を旅行しており、その時の
写生を元に描いています。
実際の磨崖仏は岩を彫ってあるため、この絵のようにはっきりとは見えません。
線描により、生きた弥勒の表情になっています。
柴を担いで行く人と比べると、その大きさが分かります。
院展に発表した時は評判が芳しくなかったそうで、手元に20年置いて手を加えています。
小林古径 「三宝柑」 昭和14年(1939) 山種美術館

6月18日までの展示です。
研ぎ澄まされた線描による日本画ですが、陰影も付けられ、立体感があります。
小林古径 「唐蜀黍」 昭和14年(1939) 東京国立近代美術館

6月20日からの展示です。
「猫」 昭和21年(1941) 山種美術館

耳を立て、両足を揃えた凛々しい姿で、この構図に決まるまで試行錯誤を重ねています。
小林古径は欧州に留学した時、大英博物館所蔵の古代エジプトのバステト神も
写生しており、その姿も参考にしています。
永青文庫所蔵の昭和6年(1931)作の「髪」も古代エジプト芸術に倣っています。
いつ観ても、小林古径の描写の巧みさ、線描の見事さ、そして作品の気品の高さには
感動を覚えます。
山種美術館のHPです。
銀座
銀座和光本館6階のセイコーハウス銀座ホールでは「時の移ろいに想いを込めて博物誌
-滝口和男-暮らしとともに-」展が開かれています。
会期は6月4日(日)まで、入場は無料です。
滝口和男さん(1953~)は京都生まれの陶芸家で、白川に窯を築いて制作されています。
展覧会では、人形や動物など、おもちゃ箱を開けたような小さな可愛い作品が
きらきらと展示室いっぱいに並んでいます。
また、釉薬を使わない、オブジェのような作品も展示されています。
「窯変超長皿と絵変豆猪口揃」

輪つなぎや亀甲輪つなぎの模様に今年の干支の兎をあしらった猪口です。
「行く年来る年を継ぐものたち」

陶器の蓋物と楽しそうな十二支の動物たちです。
丸い器は蓋物で、雪だるまのいる京都の冬景色が描かれています。
和光のショーウインドウにも滝口さんの作品が置かれています。


展覧会のHPです。
***
同じ銀座の日動画廊では6月6日(火)まで、「第60回記念 太陽展」が開かれています。
会期中は無休です。

日動画廊ではお馴染みの、現在活躍中の多くの画家の作品を中心にした、
毎年恒例の展覧会です。
レオナール・フジタや岡鹿之助、長谷川利行など、代表的な物故作家の作品も
展示されています。
香月泰男 「くちなし花」 1968年頃

くちなしの花は初夏に咲きます。
敗戦後の過酷なシベリア抑留を経験した香月泰男(1911-1974)の絵は、
花一輪にも何か重いものがあります。
展覧会のHPです。
日動画廊の前の外堀通りはこの頃になると紫陽花が咲き始めます。


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銀座和光本館6階のセイコーハウス銀座ホールでは「時の移ろいに想いを込めて博物誌
-滝口和男-暮らしとともに-」展が開かれています。
会期は6月4日(日)まで、入場は無料です。
滝口和男さん(1953~)は京都生まれの陶芸家で、白川に窯を築いて制作されています。
展覧会では、人形や動物など、おもちゃ箱を開けたような小さな可愛い作品が
きらきらと展示室いっぱいに並んでいます。
また、釉薬を使わない、オブジェのような作品も展示されています。
「窯変超長皿と絵変豆猪口揃」

輪つなぎや亀甲輪つなぎの模様に今年の干支の兎をあしらった猪口です。
「行く年来る年を継ぐものたち」

陶器の蓋物と楽しそうな十二支の動物たちです。
丸い器は蓋物で、雪だるまのいる京都の冬景色が描かれています。
和光のショーウインドウにも滝口さんの作品が置かれています。


展覧会のHPです。
***
同じ銀座の日動画廊では6月6日(火)まで、「第60回記念 太陽展」が開かれています。
会期中は無休です。

日動画廊ではお馴染みの、現在活躍中の多くの画家の作品を中心にした、
毎年恒例の展覧会です。
レオナール・フジタや岡鹿之助、長谷川利行など、代表的な物故作家の作品も
展示されています。
香月泰男 「くちなし花」 1968年頃

くちなしの花は初夏に咲きます。
敗戦後の過酷なシベリア抑留を経験した香月泰男(1911-1974)の絵は、
花一輪にも何か重いものがあります。
展覧会のHPです。
日動画廊の前の外堀通りはこの頃になると紫陽花が咲き始めます。


みなとみらい
横浜ロイヤルパークホテルのレストラン&バンケット「フローラ」に行ってきました。
場所は横浜市西区みなとみらい2-2-1-3です。
地下1階の階段です。

「フローラ」はこの奥、左です。



広い店内はカーペット敷きで、席もゆったり取ってあり、ホテルのお店なので、
応対もていねいです。


窓からドックヤードガーデンが見えます。
ドックヤードガーデンは日本に現存する最古の商船用石造りドックである、
旧横浜船渠第2号ドック跡を公園にしたものです。



オープンオムライス&海老フライ2250円です。

こちらはシーフードカレー2300円です。

辛さも穏やかで、美味しいです。
ドリンクバー400円もあります。

「フローラ」は6月12日から当分の間、営業を休止するとのことです。
横浜に行った時はよく「フローラ」を利用していたので、営業休止とはとても残念なことです。
chariot
横浜ロイヤルパークホテルのレストラン&バンケット「フローラ」に行ってきました。
場所は横浜市西区みなとみらい2-2-1-3です。
地下1階の階段です。

「フローラ」はこの奥、左です。



広い店内はカーペット敷きで、席もゆったり取ってあり、ホテルのお店なので、
応対もていねいです。


窓からドックヤードガーデンが見えます。
ドックヤードガーデンは日本に現存する最古の商船用石造りドックである、
旧横浜船渠第2号ドック跡を公園にしたものです。



オープンオムライス&海老フライ2250円です。

こちらはシーフードカレー2300円です。

辛さも穏やかで、美味しいです。
ドリンクバー400円もあります。

「フローラ」は6月12日から当分の間、営業を休止するとのことです。
横浜に行った時はよく「フローラ」を利用していたので、営業休止とはとても残念なことです。
日本大通り
横浜の大さん橋ふ頭の横にある横浜開港資料館に行ってきました。
場所は横浜市中区日本大通3です。


横浜開港資料館は安政元年(1854)に日本が開国をアメリカと約束した日米和親条約が
締結された場所です。
アメリカ側代表はペリー提督です。
「ペリー提督横浜上陸の図」

前年に続く2度目のペリー艦隊の来航の場面で、この時に日米和親条約が結ばれています。
沖の一番右橋の船が艦隊の旗艦ポーハタンです。
白地に赤い三階菱の旗は警備に当たっていた豊前小倉藩小笠原家の旗です。
小倉藩は約10年後の慶応元年(1865)の第二次長州征討では、逆に対岸の長州藩に
攻め立てられ、一時は小倉城も奪われています。
右の祠の横にある木はタマクスで、慶応2年の横浜の大火や大正12年の関東大震災で
焼失しましたが、その度に根元から芽が出て成長し、現在も資料館に中庭にあります。

1853年に浦賀に来航したペリー提督の艦隊(黒船)の旗艦、サスケハナと、
翌年の2度目の来航時に旗艦となったポーハタンの模型が展示されています。

サスケハナ(右)とポーハタン(左)はほぼ同型の蒸気機関による外輪船です。
展覧会のHPです。
横浜に停泊している船2隻も見てきました。
初代日本丸は1930年に進水した航海練習船です。

1984年に退役し、現在は重要文化財に指定され、横浜ランドマークタワー横の
日本丸メモリアルパークに係留されています。
国際信号旗を掲げる満船飾がされています。
氷川丸は1930年に竣工した貨客船です。

北太平洋航路で運用され、太平洋戦争中は病院船として利用されています。
現在は重要文化財に指定され、大さん橋ふ頭の近くの山下ふ頭に係留されています。
山下公園はバラが満開でした。




chariot
横浜の大さん橋ふ頭の横にある横浜開港資料館に行ってきました。
場所は横浜市中区日本大通3です。


横浜開港資料館は安政元年(1854)に日本が開国をアメリカと約束した日米和親条約が
締結された場所です。
アメリカ側代表はペリー提督です。
「ペリー提督横浜上陸の図」

前年に続く2度目のペリー艦隊の来航の場面で、この時に日米和親条約が結ばれています。
沖の一番右橋の船が艦隊の旗艦ポーハタンです。
白地に赤い三階菱の旗は警備に当たっていた豊前小倉藩小笠原家の旗です。
小倉藩は約10年後の慶応元年(1865)の第二次長州征討では、逆に対岸の長州藩に
攻め立てられ、一時は小倉城も奪われています。
右の祠の横にある木はタマクスで、慶応2年の横浜の大火や大正12年の関東大震災で
焼失しましたが、その度に根元から芽が出て成長し、現在も資料館に中庭にあります。

1853年に浦賀に来航したペリー提督の艦隊(黒船)の旗艦、サスケハナと、
翌年の2度目の来航時に旗艦となったポーハタンの模型が展示されています。

サスケハナ(右)とポーハタン(左)はほぼ同型の蒸気機関による外輪船です。
展覧会のHPです。
横浜に停泊している船2隻も見てきました。
初代日本丸は1930年に進水した航海練習船です。

1984年に退役し、現在は重要文化財に指定され、横浜ランドマークタワー横の
日本丸メモリアルパークに係留されています。
国際信号旗を掲げる満船飾がされています。
氷川丸は1930年に竣工した貨客船です。

北太平洋航路で運用され、太平洋戦争中は病院船として利用されています。
現在は重要文化財に指定され、大さん橋ふ頭の近くの山下ふ頭に係留されています。
山下公園はバラが満開でした。




六本木一丁目・神谷町
虎ノ門の大倉集古館では特別展、「愛のヴィクトリアン・ジュエリー 華麗なる英国の
ライフスタイル」が開かれています。
会期は6月25日(日)までです。

英国のヴィクトリア女王(1819-1901)は1837年に18歳で王位に就いています。
夫のアルバート公との仲も良く、大英帝国全盛期の女王として64年間君臨しています。
このヴィクトリア時代のジュエリーを中心にして、 龝葉アンティークジュウリー美術館の
所蔵する約190件が展示されています。
「ヴィクトリア女王のミニアチュールペンダント」
ゴールド、シルバー、ダイヤモンド、エナメル 1858年6月14日

お付きの女官たちに与えたペンダントで、裏に8名の女官のイニシャルが入っています。
叔父のジョージ4世から贈られたティアラ、イヤリング、ネックレスを着けた姿で、
戴冠式20周年を控えての記念でしょうか。
女王の女官については、即位から間もない1839年に女官の人事について女王と
次期首相候補が衝突するという「寝室女官事件」が起きています。
「エナメル&サファイア、ダイヤモンドネックレス」 カルロ・ジュリア―ノ作 1880年頃

天然真珠を連ね、サファイアは丸くカットされています。
カルロ・ジュリア―ノ(1831-1895)はナポリ出身で、ロンドンに移り工房を開いています。
古代やルネッサンス期の意匠や技法を取り入れた宝飾品で知られています。
「ゴールドスプレーブローチ」
ゴールド、ルビー、エメラルド、ガーネット、ターコイズ 19世紀初期

スプレーブローチは肩に留めるブローチで、花の形をしています。
「ティーセット」 シルバー 1860‐61年
トレー、ティーポット、コーヒーポット、シュガーポット、クリーマー

イギリスで最初のコーヒーハウスは1650年にオクスフォードで開店したとされています。
トーマス・トワイニングは1706年にロンドンに最初の紅茶店を開店しています。
コーヒー、紅茶、砂糖は輸入品で始めは上流階級の嗜好品でした。
ジェットの宝飾品も展示されています。
モーニングジュエリーとして木の化石である黒いジェットが定着したのは
アルバート公を亡くしたヴィクトリア女王がジェットを着けていたことによるものです。
ジュエリーの展示ですので、精巧な細工を鑑賞するには単眼鏡を持参されると良いでしょう。
展覧会のHPです。
近くのスウェーデン大使館にはウクライナ国旗も掲げられていました。

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虎ノ門の大倉集古館では特別展、「愛のヴィクトリアン・ジュエリー 華麗なる英国の
ライフスタイル」が開かれています。
会期は6月25日(日)までです。

英国のヴィクトリア女王(1819-1901)は1837年に18歳で王位に就いています。
夫のアルバート公との仲も良く、大英帝国全盛期の女王として64年間君臨しています。
このヴィクトリア時代のジュエリーを中心にして、 龝葉アンティークジュウリー美術館の
所蔵する約190件が展示されています。
「ヴィクトリア女王のミニアチュールペンダント」
ゴールド、シルバー、ダイヤモンド、エナメル 1858年6月14日

お付きの女官たちに与えたペンダントで、裏に8名の女官のイニシャルが入っています。
叔父のジョージ4世から贈られたティアラ、イヤリング、ネックレスを着けた姿で、
戴冠式20周年を控えての記念でしょうか。
女王の女官については、即位から間もない1839年に女官の人事について女王と
次期首相候補が衝突するという「寝室女官事件」が起きています。
「エナメル&サファイア、ダイヤモンドネックレス」 カルロ・ジュリア―ノ作 1880年頃

天然真珠を連ね、サファイアは丸くカットされています。
カルロ・ジュリア―ノ(1831-1895)はナポリ出身で、ロンドンに移り工房を開いています。
古代やルネッサンス期の意匠や技法を取り入れた宝飾品で知られています。
「ゴールドスプレーブローチ」
ゴールド、ルビー、エメラルド、ガーネット、ターコイズ 19世紀初期

スプレーブローチは肩に留めるブローチで、花の形をしています。
「ティーセット」 シルバー 1860‐61年
トレー、ティーポット、コーヒーポット、シュガーポット、クリーマー

イギリスで最初のコーヒーハウスは1650年にオクスフォードで開店したとされています。
トーマス・トワイニングは1706年にロンドンに最初の紅茶店を開店しています。
コーヒー、紅茶、砂糖は輸入品で始めは上流階級の嗜好品でした。
ジェットの宝飾品も展示されています。
モーニングジュエリーとして木の化石である黒いジェットが定着したのは
アルバート公を亡くしたヴィクトリア女王がジェットを着けていたことによるものです。
ジュエリーの展示ですので、精巧な細工を鑑賞するには単眼鏡を持参されると良いでしょう。
展覧会のHPです。
近くのスウェーデン大使館にはウクライナ国旗も掲げられていました。

日本橋
日本橋髙島屋美術画廊Xでは「星山耕太郎展 CROWD」が開かれています。
会期は6月5日(月)までです。


星山耕太郎さん(1979~)は多摩美術大学で日本画を専攻し、分割した画面を
集めて肖像画をつくる、「サイコロジカル・コラージュ(心理的コラージュ)」という
技法の作品を制作されています。
マンガのコマ割りにも影響を受けているそうです。
展示作品は一部を除き、抽選販売となります。
「四聖」

イエス・キリスト、ソクラテス、仏陀、孔子が合体しています。
「Jam IV」

「無明」

左「菱田春草」 右「微笑みの女」

左「Georges Braque」 右「Paul Klee」

ジョルジュ・ブラックとパウル・クレーです。
左「Max Ernst」 右「Stanley Kubrick」

マックス・エルンストとスタンリー・キューブリックです。
統一された人格というものの危うさを感じさせる作品です。
chariot
日本橋髙島屋美術画廊Xでは「星山耕太郎展 CROWD」が開かれています。
会期は6月5日(月)までです。


星山耕太郎さん(1979~)は多摩美術大学で日本画を専攻し、分割した画面を
集めて肖像画をつくる、「サイコロジカル・コラージュ(心理的コラージュ)」という
技法の作品を制作されています。
マンガのコマ割りにも影響を受けているそうです。
展示作品は一部を除き、抽選販売となります。
「四聖」

イエス・キリスト、ソクラテス、仏陀、孔子が合体しています。
「Jam IV」

「無明」

左「菱田春草」 右「微笑みの女」

左「Georges Braque」 右「Paul Klee」

ジョルジュ・ブラックとパウル・クレーです。
左「Max Ernst」 右「Stanley Kubrick」

マックス・エルンストとスタンリー・キューブリックです。
統一された人格というものの危うさを感じさせる作品です。
日本橋
「黒澤文庫」は日本橋髙島屋新館の4階にあります。

文庫と言っても喫茶店で、店内は書斎と骨董店を一緒にしたようなつくりです。
10時30分の開店から間もない時間だったので、他のお客さんもあちこち写真を
撮っていました。


SPAMの缶詰の隣の梶井基次郎は代表作の「檸檬」のイメージとは
かなり異なる風貌をしています。

水出しコーヒーも置いてあります。

メニューもいろいろあります。




ガレットもあります。

グッドモーニングブレンド1210円です。

ミカフェートの豆を使っていて、すっきりと美味しく、量もたっぷりあります。
カップはロイヤルアルバートのオールド・カントリー・ローズです。
ロイヤルアルバートは1896年の創業で、1904年にロイヤルの称号を得ています。
こちらはカフェラテ1320円です。

ちょっと頑張り過ぎなところもありますが、いろいろ見所があって、面白いお店です。
chariot
「黒澤文庫」は日本橋髙島屋新館の4階にあります。

文庫と言っても喫茶店で、店内は書斎と骨董店を一緒にしたようなつくりです。
10時30分の開店から間もない時間だったので、他のお客さんもあちこち写真を
撮っていました。


SPAMの缶詰の隣の梶井基次郎は代表作の「檸檬」のイメージとは
かなり異なる風貌をしています。

水出しコーヒーも置いてあります。

メニューもいろいろあります。




ガレットもあります。

グッドモーニングブレンド1210円です。

ミカフェートの豆を使っていて、すっきりと美味しく、量もたっぷりあります。
カップはロイヤルアルバートのオールド・カントリー・ローズです。
ロイヤルアルバートは1896年の創業で、1904年にロイヤルの称号を得ています。
こちらはカフェラテ1320円です。

ちょっと頑張り過ぎなところもありますが、いろいろ見所があって、面白いお店です。
銀座一丁目
銀座のポーラ ミュージアム アネックスでは西島雄志「瑞祥 zui-shou ─ 時の連なり ─」
が開かれています。
会期は6月4日(日)まで、会期中は無休です。

西島雄志さん(1969~)は銅線を渦状に巻き、それをびっしり並べた像を
制作されています。
「shin-shi ♯03」 2023年

3本足の八咫烏(やたがらす)は神武天皇の道案内をした導きの神です。
日本サッカー協会のシンボルにもなっています。
「吉祥 kichi-shou」 2021年


翼を連ねて飛んでいます。
「瑞雲 zui-un」 2022年



龍と鳳凰が宙を舞っています。
「真神 makami」 2021年

真神はニホンオオカミを神格化したものです。
暗闇の中に聖獣が赤銅色に輝く、見応えのある展示です。
展覧会のHPです。
chariot
銀座のポーラ ミュージアム アネックスでは西島雄志「瑞祥 zui-shou ─ 時の連なり ─」
が開かれています。
会期は6月4日(日)まで、会期中は無休です。

西島雄志さん(1969~)は銅線を渦状に巻き、それをびっしり並べた像を
制作されています。
「shin-shi ♯03」 2023年

3本足の八咫烏(やたがらす)は神武天皇の道案内をした導きの神です。
日本サッカー協会のシンボルにもなっています。
「吉祥 kichi-shou」 2021年


翼を連ねて飛んでいます。
「瑞雲 zui-un」 2022年



龍と鳳凰が宙を舞っています。
「真神 makami」 2021年

真神はニホンオオカミを神格化したものです。
暗闇の中に聖獣が赤銅色に輝く、見応えのある展示です。
展覧会のHPです。
銀座
銀座和光本館6階のセイコーハウス銀座ホールでは「十四代 今泉今右衛門展
-暮らしとともに-」が開かれています。
会期は5月21日(日)まで、入場は無料です。
鍋島焼の今右衛門窯十四代、人間国宝の今泉今右衛門氏(1962~)の作品展です。
今回は茶碗や皿など、日常生活に使いやすい食器を中心にした約80点の展示です。
端正でありながら、華やかさがあり、親しみやすい絵柄と形です。
「色絵薄墨墨はじき梅萩文花瓶」

色絵雪花吹墨墨はじき雪白樺文花瓶

青が爽やかです。
色絵墨色墨はじき草花文象香炉

ハイビスカスに覆われた可愛い象です。
色絵薄墨墨はじき珠樹文虎置物

珠樹は想像上の樹木で、黒と金に輝いています。
左から
色絵雪花墨色墨はじき椿文茶盌
色絵薄墨墨はじき椿文茶盌
色絵雪花墨色墨はじき椿文茶盌

左から
色絵薄墨墨はじき雪文碗
色絵雪花墨はじき桜文碗
色絵薄墨墨はじき芙蓉文碗

墨はじきとは白く残す部分を墨で描くとその部分は染付の絵具をはじき、
焼成すると墨も焼き飛んで白く残るという、鍋島に伝わる技法です。
展覧会のHPです。
chariot
銀座和光本館6階のセイコーハウス銀座ホールでは「十四代 今泉今右衛門展
-暮らしとともに-」が開かれています。
会期は5月21日(日)まで、入場は無料です。
鍋島焼の今右衛門窯十四代、人間国宝の今泉今右衛門氏(1962~)の作品展です。
今回は茶碗や皿など、日常生活に使いやすい食器を中心にした約80点の展示です。
端正でありながら、華やかさがあり、親しみやすい絵柄と形です。
「色絵薄墨墨はじき梅萩文花瓶」

色絵雪花吹墨墨はじき雪白樺文花瓶

青が爽やかです。
色絵墨色墨はじき草花文象香炉

ハイビスカスに覆われた可愛い象です。
色絵薄墨墨はじき珠樹文虎置物

珠樹は想像上の樹木で、黒と金に輝いています。
左から
色絵雪花墨色墨はじき椿文茶盌
色絵薄墨墨はじき椿文茶盌
色絵雪花墨色墨はじき椿文茶盌

左から
色絵薄墨墨はじき雪文碗
色絵雪花墨はじき桜文碗
色絵薄墨墨はじき芙蓉文碗

墨はじきとは白く残す部分を墨で描くとその部分は染付の絵具をはじき、
焼成すると墨も焼き飛んで白く残るという、鍋島に伝わる技法です。
展覧会のHPです。
銀座
銀座の日動画廊では5月22日(月)まで、「陶山充展 NOTRE-DAME PARIS」が
開かれています。
日曜祝日は休廊です。
陶山充さん(1958~)は福岡県出身、現在は沖縄県の西表島に住んで
制作しておられます。
細密で静かな写実で、題材はアーティチョーク、鳥の巣、楽譜、トランプ、
メリーゴーラウンド、フランスの地下鉄の切符など、さまざまです。
「ノートルダム大聖堂」

2019年の火災に遭う前の姿です。
彫刻でびっしり埋まったファサードを描いた絵もあります。
ちょっと懐旧的な雰囲気もある、観ていて飽きない作品です。
***
東京メトロ銀座駅コンコースには「メトロ銀座ギャラリー」があって、
3面の展示スペースに立体作品が展示されています。
7月19日までは「藝大 Art Journey」展が開かれ、2022年度の東京藝術大学の
卒業・修了作品の中から選ばれた10名の作品が順次、展示されます。
鈴木夏海 「empty warmth」

流木に新しい生命が取り付いています。
5月13日までの展示でした。
5月18日までは以下の3名の作品が展示されます。
Venturova Kristyna 「再会」


チェコ出身の方で、ガラスのビーズで粘土で作った元の形を再現して、
レースで編んだような大きな器を作っています。
福島周平 「Package」

大きなソファを包んでいますが、実際にはソファは無く空洞です。
新海友樹子 「wannabe Me」


それぞれの人形が作者の分身ということで、にぎやかに集まっています。
chariot
銀座の日動画廊では5月22日(月)まで、「陶山充展 NOTRE-DAME PARIS」が
開かれています。
日曜祝日は休廊です。
陶山充さん(1958~)は福岡県出身、現在は沖縄県の西表島に住んで
制作しておられます。
細密で静かな写実で、題材はアーティチョーク、鳥の巣、楽譜、トランプ、
メリーゴーラウンド、フランスの地下鉄の切符など、さまざまです。
「ノートルダム大聖堂」

2019年の火災に遭う前の姿です。
彫刻でびっしり埋まったファサードを描いた絵もあります。
ちょっと懐旧的な雰囲気もある、観ていて飽きない作品です。
***
東京メトロ銀座駅コンコースには「メトロ銀座ギャラリー」があって、
3面の展示スペースに立体作品が展示されています。
7月19日までは「藝大 Art Journey」展が開かれ、2022年度の東京藝術大学の
卒業・修了作品の中から選ばれた10名の作品が順次、展示されます。
鈴木夏海 「empty warmth」

流木に新しい生命が取り付いています。
5月13日までの展示でした。
5月18日までは以下の3名の作品が展示されます。
Venturova Kristyna 「再会」


チェコ出身の方で、ガラスのビーズで粘土で作った元の形を再現して、
レースで編んだような大きな器を作っています。
福島周平 「Package」

大きなソファを包んでいますが、実際にはソファは無く空洞です。
新海友樹子 「wannabe Me」


それぞれの人形が作者の分身ということで、にぎやかに集まっています。