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「或る未亡人の版画コレクション 版画家生活二十周年記念 重野克明新作展」 日本橋高島屋
日本橋
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日本橋高島屋美術画廊Xでは「或る未亡人の版画コレクション 版画家生活二十周年記念
重野克明新作展」が開かれています。
会期は11月20日(月)までです。

重野克明さん(1975~)は千葉市出身で東京藝術大学を卒業し、
さまざまな技法を使って、銅版画を制作しておられます。
今回は版画家の未亡人のコレクションの展示という趣向です。

「未亡人」 油彩
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60号の大きな作品です。

「友達からLINEがきたようだ」
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「野球未亡人」 絹本着彩
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「マシーン」
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「刷り師」 絹本着彩
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「外で刷れ!」
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「駒込のサウナ」
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「Summer dog」
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「スリーラビット」
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「くやしい」
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左「青年の歯痛」 右「青年の歯痛(濃)」
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以前、放送されていたスピーチ番組、「青年の主張」をもじっています。

何気ない日常の一部をスケッチした風で、どこかとぼけた味わいがあります。

2021年に日本橋高島屋美術画廊Xで開かれた「重野克明 新作銅版画展」の記事です。


【2023/11/12 19:24】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
メトロ銀座ギャラリー 2023年9月
銀座
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東京メトロ銀座駅コンコースには「メトロ銀座ギャラリー」があって、
3面の展示スペースに立体作品が展示されています。

11月23日までは武蔵野美術大学による「移動する視点、通路の彫刻」展が
開かれ、3名の作品が展示されています。

何 梓羽
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梯子付きの煙突かタンクのようにも見えます。

齊藤美帆
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シーソーのようなバランスを取っています。

鵜野亜梨沙
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何だか禅問答をしているようです。


【2023/11/11 19:56】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「北宋書画精華展」 根津美術館
表参道
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南青山の根津美術館では特別展、「北宋書画精華」が開かれています。
会期は12月3日(日)までです。

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会期中、一部展示替えがありますので、展覧会のHPでご確認下さい。
細かい作品が多いので単眼鏡の持参をお勧めします。

「五馬図巻」(部分) 李公麟 北宋時代 11世紀 東京国立博物館 重要美術品
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李公麟(1049 - 1106)は科挙の進士試験に合格した官僚で、画家、古物収集家
でもあります。
「五馬図巻」は西域の国から北宋に献上された5頭の馬を描いた図巻です。
画像の馬は于闐国(現在の新疆ウイグル自治区のホータン)から贈られた馬で、
異国風の男が手綱を持っており、馬や人物の顔の描写も実に的確です。
手綱や人物の顔は僅かに彩色され、白描の画家と思われていた李公麟のイメージを
変える作品とのことです。
清の皇室が保有し、乾隆帝も愛蔵していましたが、清の滅亡時に日本に流出し、
2018年に東京国立博物館の所蔵となりました。 
右側に「乾隆御覧之宝」や「古希天子」の印、左側に息子の嘉慶帝などの印が
押してあります。

「孝経図巻」(部分) 李公麟 北宋時代
 元豊8年(1085)頃 アメリカ・メトロポリタン美術館

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孔子の教えをまとめた孝経の本文に白描で絵が添えられています。
五刑章と広要道章第が書かれた部分です。
「五馬図巻」と並んで李公麟の描いた絵が揃う、珍しい機会です。

「江山楼観図巻」(部分) 燕文貴 北宋時代 10~11世紀 大阪市立美術館
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濃淡を使い分けた筆遣いで、山河を嵐が過ぎ去る様子を生き生きと描いています。
風雨に驚き、慌てて傘や荷物を担いで屋敷に駆け込む人たちも見えます。
燕文貴(生没年不詳)は北宋画院の画家です。

「寒林重汀図」 伝 薫源 五代 10世紀 兵庫・黒川古文化研究所
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林の中には道を行く人や家の中の人物も小さく描き込まれています。
薫源(934 - 962)は五代~北宋初期の画家で、江南風景画の祖とされています。
江南風景画は、そそり立つ山岳ではなく、穏やかな水辺の風景を描きます。
薫源の真筆は残っていないため、この絵はその作風を知る貴重な資料になっています。

「喬松平遠図」 李成(款) 原本:五代~北宋時代
 10世紀 三重・澄懐堂美術館

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模本で、11月3日から11月19日までの展示です。
李成は五代~北宋初期の画家で、淡い水墨による山水画を描いています。
李成の作品は子孫が回収して回ったためほとんど残っておらず、「喬松平遠図」は
画風を良く伝えているとされています。

「孔雀明王像」 北宋時代 11世紀 京都・仁和寺 国宝
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11月21日からの展示です。
密教修法の孔雀経法を修する際の本尊で、大きく羽根を広げた孔雀に乗った
蓮華座に坐しています。
通常は一面四臂ですが、この像は三面六臂の珍しい姿です。

「伏波神祠詩巻」(部分)  黄庭堅 北宋時代
 建中靖国元年(1101) 東京・永青文庫 重要文化財

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前期と後期で巻替えがあります。
黄庭堅(1045 – 1105)は北宋の書家、詩人で、北宋四大書家の一人とされています。
唐の劉禹錫の詩、「経伏波神祠詩」を書き、自分の跋文を加えたものです。
湖南省壺頭の後漢の伏波将軍、馬援の祠を通り過ぎた時の詩で、書き出しは
蒙々篁竹下、有路上壺頭とあります。
進士に合格した官僚でもありますが、王安石の新法派と対立する旧法派に属していたため、
左遷と登用を繰り返しています。
政争に敗れても処刑されず復帰できたのは北宋初代皇帝趙匡胤の、言論を理由に
士大夫を殺してはならないという遺訓によるものです。

「霊山変相図」 北宋時代 10世紀 京都・清凉寺 国宝
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開祖の奝然(ちょうねん)が宋に渡って修行の後、持ち帰った国宝釈迦如来立像の
胎内に納められていた品々の一つです。
他には布で出来た五臓六腑や写経なども入っていました。
版画で、釈迦如来が霊鷲山(りょうじゅせん)で説法する様を表しており、法華経の
多宝塔も描かれています。
釈迦を取り巻く羅漢たちの表情も生き生きとしています。

「巻子本 古今和歌集序」(部分) 平安時代 12世紀 東京・大倉集古館 国宝
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前期と後期で巻替えがあります。
古今和歌集の仮名序は、撰者の一人の紀貫之の作とされています。
「花に鳴く鶯、水に住む蛙の声を聞けば、生きとし生きるもの、
いづれか歌をよまざりける。」の言葉が有名です。
北宋より渡った、白、朱、藍、緑などの色や地模様を変えた32枚の料紙に
書かれていて、色の濃い料紙の部分では字も太めになっています。
歌人として有名な藤原俊頼(1055-1129)の書と伝えられてきましたが、
現在では藤原行成の曾孫の藤原定実とされています。
巻子本古今和歌集と呼ばれる20巻のうち、巻子の形で現存しているのは
この巻だけで、他は断簡が散在しています。


展示室6のテーマは「北宋工芸」です。

「青磁牡丹文水注・承盤」 北宋時代 11世紀 個人蔵(根津美術館寄託)
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酒の容器で、お湯で温めるための承盤が付いています。
青磁は宋時代に特に盛んに作られました。

「白地石畳唐草文壺」 磁州窯系 北宋時代 11世紀
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白土を掛け、搔き取って唐草文や石畳文を表して、華やかです。
磁州窯は華北一帯で陶器を生産した民窯の総称です。

あちこちの美術館や寺院などの所蔵品も揃えた、力の入った展覧会です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は企画展「繍と織 華麗なる日本染織の世界」です。
会期は12月16日(土)から2024年1月28日(日)までです。


【2023/11/10 19:35】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
第10回「日展」  国立新美術館 その2
乃木坂・六本木
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国立新美術館で開かれている第10回「日展」の記事の2回目で、日本画・工芸・彫刻を
載せます。
会期は11月26日(日)まで、火曜日は休館日です。
会場は撮影可能です。


池内璋美 「秋麗」
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石井和江 「追憶」
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岡本徳子 「過ぎゆく夏」
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奥村絵美 「3月の記憶」
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木村友彦 「庭の七夕」
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久保嶺爾 「古梅香香(飛鳥)」
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佐久間香子 「夏草の団欒」
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中竹鞠子 「里」
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丹羽貴子 「夏の日」
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畑中那智子 「山靄」
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北斗一守 「春雷」
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間瀬静江 「童子変容―林檎の森へ―」
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山形彩月 「とき」
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山田浩子 「驟雨」
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工芸部門

奥田小由女 「花の門」
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宮田亮平 「シュプリンゲン 23-2」
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宮田さんは現在、日展理事長です。


彫刻部門

酒井華 「ブランケット」
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樹脂で出来た、触ってもよい彫刻で、つい触りたくなります。

境野里香 「猫吸い」
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石膏像で、こちらも触ってもよい彫刻です。


【2023/11/09 19:27】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
第10回「日展」 国立新美術館 その1
乃木坂・六本木
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六本木の国立新美術館では第10回「日展」が開かれています。
会期は11月26日(日)まで、火曜日は休館日です。

記事は2回に分け、今日は洋画部門の作品を載せます。
会場は撮影可能です。

大友義博 「時の輝き」
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小野月世 「光の庭」
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石田宗之 「遊於樹下世界」
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木原和敏 「空模様」
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國分真佐子 「秋麗」
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小関修一 「lace又は刺繍」
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中村龍介 「夏が来た」
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中山忠彦 「花と華」
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宮本佳子 「記念日」
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渡邊裕公 「いつの世も目指したのは平和のはず」
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青柳敏夫 「望郷」
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亀山裕昭 「empty house」
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黒木ゆり 「透明な時間」
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佐藤祐治 「教会の村」
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白井秀夫 「輝きの朝」
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高田啓介 「冬の海」
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中島健太 「匿名の地平線―ver.blue―」
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成田禎介 「岬の丘」
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西房浩二 「Smorzando」
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スモルツァンドは音楽用語で、「だんだん静まって」という意味です。

橋本弘幸 「生」
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早川二三郎 「通り抜けのある村」
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堀木達也 「漁村空間」
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【2023/11/07 19:15】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「青磁—世界を魅了したやきもの」展 出光美術館
日比谷・有楽町
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日比谷の出光美術館では、「青磁—世界を魅了したやきもの」展が開かれています。
会期は2024年1月28日(日)までです。
12月25日から〜1月4日は年末年始で休館です。

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青磁は植物灰を主成分にした青磁釉を施し、青緑色に発色した磁器のことです。
中国の越州窯や龍泉窯の他、高麗、日本、東南アジアに広がった青磁を特集した
展覧会です。

青磁になる前の西周や戦国時代の灰釉の陶器も何点か展示されています。

「青磁天鶏壺」 南北朝時代 出光美術館
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高さ47.2㎝の大きな壺で、薄く釉が掛けられています。
青磁は土と水と交通路に恵まれた江南地方で作られましたが、やがて北朝にも
広まっています。
この壺は北朝のものと思われます。

唐時代以降、青磁は碧玉のような色を好まれて多く作られ、特に北宋・南宋時代の
陝西省の耀州窯、浙江省の南宋官窯、越州窯や龍泉窯が有名です。

「青磁刻花牡丹文壺」 北宋時代 耀州窯 出光美術館
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高さ10.2㎝の小さな壺です。
耀州窯は陝西省銅川市黄堡鎮にあった窯で、唐代から金代まで続いています。
北宋時代はオリーブグリーンと呼ばれる緑色の釉が特徴で、片切彫りという技法で
牡丹を彫っています。

「青磁下蕪花生」 南宋官窯 南宋時代 出光美術館 重要文化財
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ふっくらとした形の青磁の瓶です。
藤色をした貫入(釉薬のヒビ)が適度にあって、アクセントを付けています。
官窯(宮廷の窯)の製品だけあって、上品な姿です。

「青磁碗」 南宋時代 龍泉窯 出光美術館
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径11.3㎝の小さな碗で、口縁のすぐ下をややすぼめ、口縁を広げています。
高台の部分は釉薬を剥ぎ取ってあります。
龍泉窯は浙江省龍泉市周辺にあった窯で、南宋から元時代に青磁を生産していました。
澄んだ青色の、貫入(釉薬のヒビ)のほとんど無い器体が特徴です。

「青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆」 龍泉窯
 南宋時代 東京国立博物館 重要文化財

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平重盛の所持と伝えられる品ですが、制作の時代はもっと新しいようです。
足利義政の所有となったときにひび割れが生じたので、明に送って代わりの品を
求めたところ、今ではこのような品は作れないとのことで、鎹(かすがい)を打って
修理してきたとの言い伝えがあります。
その鎹を大きな蝗(いなご)に見立てた命銘です。
馬蝗は馬に取り付いたイナゴではなく、ヒルだという説もあります。
ごく薄手の茶碗で、澄み切った青色をしており、優美な逸品です。
ただ、茶碗として使った後は無いとのことです。

「青磁筍形瓶」 龍泉窯 南宋時代 根津美術館 重要文化財
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澄んだ青色をした青磁は砧青磁と呼ばれています。
竹の節のような輪があるので、筍の名があります。
4代将軍徳川家綱から堀田正俊に下され、堀田家に伝来しています。

「青磁貼花牡丹文不遊環耳瓶」 龍泉窯 南宋~元時代 出光美術館 
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古代青銅器の形を模していますが、耳に付けた環は釉薬によって器に
貼り付いて動かないので、「不遊環」の名が付いています。

「青磁袴腰香炉」 龍泉窯 南宋時代~元時代 出光美術館 重要文化財
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3本足の青銅器を模した径約22㎝の大きな香炉で、胴の部分が袴を着けた
ような形から名付けられました。
日本にも多く伝わり、寺院などで用いられたようで、鎌倉の円覚寺にも伝存しています。

「青磁透彫蓮花文香炉」 龍泉窯 元時代 根津美術館
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小さな香炉で、よく使われていたのか、割れて金継ぎが入っています。

「青磁鎬文壺」 龍泉窯 元時代 出光美術館
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高さ32.6㎝の大きな蓋付壺で、胴の張った酒会壺と呼ばれる形です。
堂々とした姿をしており、胴に巡らせた縦筋が見事で、蓮の葉形の蓋には茎を模した
摘みが付いています。

「珠光青磁茶碗」 同安窯系 南宋時代 出光美術館
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室町時代の茶人、村田珠光がこの系統の器を抹茶茶碗に採用した
ことによる命名です。
青磁といっても、龍泉窯のような格式の高い青磁ではなく、龍泉窯を模して
福建省周辺で焼かれた粗製の青磁です。
薄緑色で、作りは浅く、外側には櫛目模様、見込みにも丸く猫掻き文
と呼ばれる引っ掻き模様が入り、底には緑色の釉薬が溜まっています。
村田珠光はこのようなくだけた物を好んだとのことです。

「青磁陰刻牡丹唐草文瓢形水注・承盤」 高麗時代 出光美術館
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翡色青磁と呼ばれる濃い青緑色で、一面に浅く牡丹唐草文が彫ってあります。
温めるための承盤が付いており、酒器として使われたものと思われます。
高麗青磁は朝鮮半島南部で焼かれました。

「青磁染付宝尽文大皿」 鍋島藩窯 江戸時代中期 出光美術館
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白磁の上に青磁と染付を施し、笙、隠れ蓑、軍配、宝珠、巻物、法螺貝、びんざらさ、
砂金袋などの宝を並べています。
鍋島焼は幕府や大名への贈答品として制作された高級磁器です。

板谷波山の青磁も3点、展示されています。

「青磁下蕪花瓶」 板谷波山 昭和32年(1957) 出光美術館
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龍泉窯に倣った伝統的な下蕪型の青磁で、植物模様を加えています。
本来は皿の装飾の鎬文蓮弁を工夫して瓶に用いています。
葆光彩磁で有名な板谷波山ですが、中国の青磁や白磁など幅広く研究しています。

青磁の前の灰釉に始まり、青磁の最盛期の南宋時代を中心に高麗や日本の作品もあって、
青磁の長い歴史を辿ることが出来ます。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は生誕300年記念「池大雅 ―陽光の山水」展です。
会期は2024年2月10日(土)から3月24日(日)までです。


【2023/11/05 18:54】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」 国立科学博物館 その2
上野
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上野の国立科学博物館で開かれている特別展、「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」の
記事を2回に分け、今日は2回目、料理について載せます。
会期は2024年2月25日(日)までです。

縄文カレンダー
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同じ縄文時代でも佐賀県の東名(とうみょう)貝塚と岩手県の崎山貝塚では
食べる物に違いがあります。 
崎山貝塚は太平洋に面しており、ブリやカツオ、マグロ、オットセイも食べています。

東名遺跡の出土物
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シカ、イノシシ、貝類などを食べていました。

卑弥呼の食膳を再現
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春を想定して、ゼンマイ、タケノコ入りの玄米の炊き込みご飯、マダイの塩焼き、
サトイモ、タケノコ、豚肉の煮物、ハマグリとイイダコのワカメ汁、アワビの焼物、
ショウサイフグの一夜干し、炒りエゴマ風味キビモチ、アワ団子のシソの実あえ、
ゆでワラビです。
邪馬台国が大和にあったか北九州にあったかで、食物も変わってくるでしょう。

長屋王の食卓
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牛乳を煮詰めた蘇や、醤油に似た醤が登場しています。
長屋王(684-729)は天武天皇の孫で有力な皇族でしたが、
藤原氏の陰謀とされる長屋王の変で自害しています。

当時の庶民の食事
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精白度の低い米と青菜の汁に塩が付くという、何とも質素な食事です。

平安時代、保延3年(1137)に崇徳天皇が仁和寺に行幸した時の大臣の御膳
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味付けしてない鮑、生鯛、鮭、干し鳥で、酢や塩を付けて食べます。
左は交菓子(まぜくだもの)で、栗、棗、カヤノミが盛ってあります。
天皇・関白の御膳は更に品数が増えます。
崇徳天皇(1119 - 1164)は後に上皇となりますが、保元元年(1156)の保元の乱に敗れて
讃岐に流され、都に帰ることも叶わず亡くなり、後に怨霊として恐れられています。

天正10年(1582)に京都で織田信長が徳川家康を饗応した時の食事の再現
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五の膳まであり、これは一の膳です。
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信長は自ら膳を家康の前まで運んだとありますから、大変な接待ぶりです。
饗応役は明智光秀で、俗説では材料に腐臭がするのを怒った信長に饗応役を解かれた
光秀が恨んだのが本能寺の変の原因となっています。

江戸時代には蕎麦、寿司、天麩羅などの屋台が盛んでした。
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江戸には地方から集まった独身者が多く、便利な外食が重宝されました。
寿司の具は酢で締めたコハダなど江戸前の魚で、脂気の多いマグロは下魚とされていました。

嘉永7年(1854)の2度目のペリー艦隊の来航時に幕府が横浜でもてなした時の食膳
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贅を尽くしていますが、生の魚を使う和食は欧米人にはかなり不評だったようです。
幕府も薩摩藩もこれを知って、饗応の席に西洋料理を取り入れようと努めています。

明治20年(1887)に明治天皇夫妻がドイツからの賓客をもてなした時の午餐会の食卓
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ドイツの皇族が来られたのでしょうか。
当時の日本は西洋文明の代表であるフランス料理を懸命に学んでいました。

大正時代の中華料理
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焼売と揚州炒飯
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日清日露戦争をきっかけに中国との行き来が増えるにつれ、安価で作りやすく、
栄養価が高いということで、中華料理が広まりました。
西洋料理が皇室など上からの普及だったのに対して、中華料理は庶民から広まっています。

西洋料理は普及につれ、洋食として進化していきます。
もう和食の一種と言えます。

ビーフカツレツとライスカレー
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明治5年(1872)刊の仮名垣魯文著、河鍋暁斉画の料理指南書「西洋料理通」では
ライスを丸く盛りつけた中にカレーを入れるとあります。

1969年4月30日の「サザエさん」によると、磯野家のレパートリーはオデン、やきザカナ、
カレーライス、コロッケ、チャーハンのようです。
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コロッケはフランス料理のクロケットが元ですが、大正6年(1917)に「コロッケの唄」が
流行したりして、庶民の日常食になりました。

雑煮文化圏マップ
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東日本の切り餅、西日本の丸餅の境界線です。
石川県小松市は丸餅で、日本海航路で普及した昆布が入っています。
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材料と料理、それぞれについて多彩な展示が揃っていて、和食とういものの成り立ちを
考えることの出来る、興味深く面白い展覧会です。

展覧会のHPです。


【2023/11/04 18:06】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「LEON TERASHIMA 版画展」と「谷口智則展」 丸善丸の内本店
東京
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丸善丸の内本店4階ギャラリーAでは、「LEON TERASHIMA 版画展-Beautiful time-」が
開かれています。
会期は11月7日(火)までです。

LEON TERASHIMAさんは画家、音楽家で、ヨーロッパなどの風景を
輝くような明るい色彩で描いておられます。
基本は写実で、白い点々や鳥を飛ばせて画面に動きを与えています。

「美しき時間」
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バルセロナにある、ガウディが1905年に建てたラ・ペドレラ(カサ・ミラ)のようです。

***

ギャラリーBでは、「谷口智則展~絵本の世界~」が開かれています。
会期は11月7日(火)までです。

谷口智則さん(1978~)は大阪出身で、金沢美術工芸大学日本画専攻卒業の
絵本作家です。

展覧会では絵本の原画や版画・書籍・グッズなどが展示販売されています。
いろいろな動物たちも一緒になった、ほのぼのと楽しい世界です。

「海賊サンタの海賊船」
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12月も近いということで、サンタさんも登場しています。


【2023/11/03 19:58】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」 国立科学博物館 その1
上野
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上野の国立科学博物館では特別展、「和食 ~日本の自然、人々の知恵~」が
開かれています。
会期は2024年2月25日(日)までです。

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日本人の慣れ親しんできた和食の、素材と料理についてさまざまな視点から
紹介する展示です。
記事は2回に分け、今日は素材について載せ、4日(土)の2回目に料理について載せます。

日本と大陸では地質も地形も異なるので、天然水もヨーロッパに比べ硬度の低い
軟水になっています。
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国内各地でも硬度はかなり違います。
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日本はキノコの種類が豊富で、気候の違いに応じて、いろいろのキノコがあります。
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シイタケ(左)とナラタケ(右)です。
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各地域の山菜です。
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きゃらぶきの美味しいフキです。
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花が咲いた状態の野菜の標本です。
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野菜の日本に渡来した時期はさまざまで、ダイコンは弥生時代以前からありますが、
ネギは飛鳥・奈良時代、ハクサイは江戸時代です。
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ダイコンにもいろいろあります。
細くてとても長いのは守口漬で有名な守口大根です。
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練馬名物だった練馬大根(左)は水分が少なく、沢庵漬に向いているのですが、
最近は生産が激減しています。
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マグロにもいろいろあります。
一番大きいのはクロマグロです。
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キハダは文字通り黄色い色をしています。
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ビンナガは胸びれが長いのでこの名があります。
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ナガコンブの標本が頭の上を長く延びています。
北海道東部に分布し、長さ20mになり、昆布巻きに使われます。
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展覧会のHPです。


【2023/11/02 21:12】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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