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「不滅のシンボル 鳳凰と獅子」展 サントリー美術館
六本木・乃木坂
chariot

六本木のサントリー美術館では、「不滅のシンボル 鳳凰と獅子」展が
開かれています。
開館50周年記念「美を結ぶ。美をひらく。」4回シリーズの第2回にあたります。
会期は7月24日(日)までで、休館日は火曜日です。

鳳凰001


日本人に長く親しまれてきた瑞鳥の鳳凰と霊獣の獅子にまつわる絵画や工芸品、
約130点の展示です。
展示期間は細かく分かれ、かなりの展示替があるので、あらかじめ展覧会のHPで
確認されると良いでしょう。

第1章 暮らしの中の鳳凰と獅子―御輿・獅子舞・狛犬

「日吉山王・祇園祭礼図屏風」 六曲一双のうち右隻 
 室町時代~桃山時代/16世紀 サントリー美術館

船を連ねて近江坂本の日吉神社に繰り込む祭礼の一団です。
2艘の船を並べた上に乗る神輿の屋根には鳳凰が据えられています。
警護の者たちは長大な刀をかついでいます。

7月4日までの展示です。

第2章 古代における鳳凰と獅子―銅鏡や磚をめぐって

「鳳凰文磚(せん)」 飛鳥時代/7世紀 奈良・南法華寺 重要文化財
大きな一種のタイルで、須弥壇の側面に貼られていたらしいとのことです。
旧官製はがきに使われていた、懐かしい図柄です。

第3章 獅子舞と狛犬―正倉院の頃から始まる守護獣の歴史

「金銅獅子唐草文鉢」 奈良時代/8世紀 岐阜・護国之寺 国宝
鳳凰009

かなり見えにくいのですが、表面に獅子唐草模様が線彫りされています。

第4章 仏教における獅子―文殊菩薩像を中心に

「文殊渡海図」 鎌倉時代/13世紀 京都・醍醐寺 国宝
鳳凰002

獅子の背に乗って善財童子を先頭に海を渡る文殊菩薩とその一行です。
獅子は文殊菩薩の乗り物とされています。
文殊菩薩のお顔は凛々しく、獅子は堂々とした姿をしています。
衣装には截金が入っているようで、とても華やかな図像です。
文殊菩薩の渡海というのは典拠未詳とのことです。

6月27日までの展示です。

「後醍醐天皇御像」 南北朝時代 神奈川・清浄光寺(遊行寺) 重要文化財
後醍醐天皇の有名な肖像画です。
天皇としての礼冠を着けながら袈裟をまとい、密教の法具を持つ、
まさに異形の姿です。
獅子座といわれる台座の側面に獅子が描かれています。

6月20日までの展示でした。

第5章 鳳凰降臨―彫像や神宝にみる高貴なシンボル

「鳳凰」 模造 京都・平等院
宇治の平等院の屋根に置かれている鳳凰で、鳳凰堂の名前の由来の一つと
いわれています。
1万円札の裏面のデザインにも使われています。

鳳凰(旧金閣所在) 室町時代 京都・鹿苑寺
鳳凰006

金閣の屋根に据えられていた鳳凰で、補修のため屋根から取り外してあったため、
火災での焼失を免れたとのことです。

第6章 よみがえる鳳凰―東アジアにおける鳳凰図の展開

「鳳凰石竹図」 林良 中国・明時代/15-16世紀 
 京都・相国寺 重要文化財

鳳凰003

岩の上に立ち、朝日を眺める、厳しい姿の鳳凰です。
水墨ですが体の一部に朱色が入っているとのことで、かすかに色の名残が見えます。
林良は明時代中期の画院画家(宮廷画家)です。

「旭日鳳凰図」  伊藤若冲 宝暦5年(1755) 宮内庁三の丸尚蔵館 
きわめて細密な描き込みと、目を見張る華麗な彩色の鳳凰です。
いつもながら伊藤若冲の迫力には気圧されます。

7月4日までの展示です。

「白鳳図」 神坂雪佳 大正時代末/20世紀 細見美術館
白い鳳凰で、縦長の画面に気品のある姿を描いています。
伊藤若冲の鳳凰とは対照的で、極彩色とは異なる優美さがあります。

7月4日までの展示です。

「桐鳳凰図屏風」(右隻) 六曲一双 狩野探幽 
 江戸時代/17世紀 サントリー美術館

鳳凰012

桐は鳳凰の留まる木といわれ、よく鳳凰と組にして描かれます。
屏風の飾り金具には葵の紋が入っています。
広い金地につがいと雛の鳳凰を置いた絵柄から見て、公式の場の調度として
使われたのでしょう。

6月27日までの展示です。

第7章 工芸にみる鳳凰と獅子―唐物や茶道具を中心に

「青磁鳳凰耳花生(砧青磁)」 南宋時代/12-13世紀 
 五島美術館 重要文化財

鳳凰005

代表的な青磁の形で、耳に簡略化された鳳凰が付いています。
鳳凰や獅子は工芸品の取っ手やつまみによく使われています。

「玳皮盞(鸞天目)」 南宋時代/12-13世紀 中興名物 
 三井記念美術館 重要文化財

室町三井010

この茶碗を三井記念美術館の「室町三井家の名品 卯花墻と箱根松の茶屋」展で
観た時の記事には以下のように書きました。

「玳皮盞(たいひさん)とは天目茶碗の一種で、外側にタイマイの甲羅(べっ甲)の
ような模様の出ている物を言います。
この茶碗は見込に二羽の尾長鳥と蝶、底に梅花が描かれ、鸞天目(らんてんもく)
とも呼ばれています。
見込の細かい地模様の華やかな茶碗です。
小堀遠州の所持していた品です。
中興名物とは「雲州名物帳」によって、小堀遠州好みの茶道具として
選ばれた品です。」

第8章 屏風に描かれた鳳凰と獅子―「唐獅子図屏風」から若冲まで

「唐獅子図屏風」 六曲一双 (右隻)狩野永徳 (左隻)狩野常信 
 (右隻)安土桃山時代/16世紀 (左隻)江戸時代/17世紀 宮内庁三の丸尚蔵館

皇10-8-2009_002

この屏風を東京国立博物館での「皇室の名宝―日本美の華」展で観た時の記事には
以下のように書きました。

「右隻は狩野永徳作で、安土桃山時代の代表作です。
教科書などでお馴染みですが、元は毛利家の所蔵で、豊臣秀吉から
贈られた品との説もあります。
かなり大きな屏風で 、見上げるばかりです。
二頭の獅子は、雌雄でしょう、力強く地面を踏みしめ、顔も恐ろしげで、
威圧感に満ちています。
この屏風を背にして、家来に向えば、主の威厳も数等上がりそうです。

左隻は孫の狩野常信作で、江戸時代の作品です。
右隻に合わせて描かれたとのことですが、時はすでに泰平の世、雰囲気も
かなり変わってきます。
一頭の獅子が踊るように後ろ足を跳ね上げています。
右隻の獅子の子供ということでしょうか、軽やかで、顔もユーモラスな表情です。」

7月6日からの展示です。

「樹花鳥獣図屏風」(左隻) 六曲一双 伊藤若冲 
 江戸時代/18世紀後半 静岡県立美術館

鳳凰010

不思議な、変わった雰囲気の屏風です。
画面を方眼紙のような細かい桝目で埋め、一桝ずつ色を塗る「桝目描」という
技法を使っています。
一種の点描法で、伊藤若冲の独創ということです。
よく観ると桝目も残っていて、一つ一つ丁寧に色を塗っていったことが分かります。
とても賑やかな画面はタイル画のように見えて、お風呂屋さんの壁を思い出します。
それにしても伊藤若冲という人はいろいろなことを考えるものです。

第9章 獅子の乱舞―芸能と獅子をめぐって

「石橋図」 礒田湖龍斎 江戸時代/18世紀 出光美術館
ヴィ8-4-2010_004

この絵を出光美術館での「日本美術のヴィーナス-浮世絵と近代美術」展で
観た時の記事には以下のように書きました。

「石橋(しゃっきょう)は、寂照法師が中国の清涼山の麓にかかる石橋のたもとで、
文殊菩薩の乗り物である獅子が牡丹と戯れるのを見たという故事を演劇化した
ものです。
目出度い演目で、能や歌舞伎でよく演じられています。
着物の両袖を脱ぎ、牡丹の花をかざして華やかに踊る様を、躍動的な構図で
描いています。
紅白の色の対比も効果的です。」

7月6日からの展示です。

第10章 江戸文化にみる鳳凰と獅子―色絵陶磁器から水墨画まで

「色絵獅子鈕鞠形香炉」 野々村仁清 江戸時代/17世紀後半 サントリー美術館
鳳凰013

鞠の形をした小さな香炉で、獅子を蓋のつまみにして、煙出しは牡丹の形を
しています。
赤い線と青い獅子の対比が華やかです。
獅子が戯れると毛が絡まりあって毛玉の球になり、その中から勇ましい
獅子の子ができるという言い伝えによっています。

第11章 蘭学興隆から幕末へ―洋風画と浮世絵をめぐって

「獅子図」 小田野直武 江戸時代/18世紀
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秋田蘭画の作品です。
写実を目指して影も付け、ライオンに近い姿になっていますが、たてがみの具合は
ベートーヴェンのようです。

6月29日からの展示です。

第12章 不滅のシンボル―人間と共に生きる鳳凰と獅子

「大獅子図」 四曲一隻 竹内栖鳳 明治35年(1902) 藤田美術館
鳳凰008

1900年に渡欧した時にアントワープの動物園で観たライオンの姿で、
帰国を遅らせてまで重ねた写生を元にしています。
金地に等身大より大きめのライオンだけを置き、たてがみや顔の毛も細かく
描き分け、瞳の光まで描き出しています。
獅子からライオンに変わるための、竹内栖鳳の写実への執念が偲ばれます。

6月27日までの展示です。

鳳凰と獅子がどれだけ我々の文化の中に溶け込み活躍しているか、
改めて納得した展覧会でした。

展覧会のHPです。

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【2011/06/22 01:24】 美術館・博物館 | トラックバック(4) | コメント(0) |
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