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「没後150年 歌川国芳展」 六本木 森アーツセンターギャラリー
六本木
chariot

六本木ヒルズの森アーツセンターギャラリーでは「没後150年 歌川国芳展」が
開かれています。
会期は2012年2月12日(日)までで、年末年始も休まず開館しています。

国001


幕末の浮世絵師、歌川国芳《寛政9年(1798)~文久元年(1861)》の作品
約420点の展示です。
1月17日までの前期と1月19日からの後期で、ほとんどの作品が展示替えに
なります。

歌川国芳は歌川広重と同じ寛政9年に江戸日本橋で生まれています。
歌川豊国に弟子入りし、やがて「通俗水滸伝豪傑百八人」のシリーズが評判となります。

「通俗水滸伝豪傑百八人之壹人 浪裡白跳張順(ろうりはくちょうちょうじゅん)」 
 1828-29年頃

国003

水泳の達人、張順が敵の水門を打ち破る場面です。
国芳は武者や豪傑の絵に特に優れており、その活躍する姿は豪快で、
江戸の人々は観て胸のすくような気分になったことでしょう。
会場でも、赤や青の濃厚な武者、豪傑のコーナーは躍動感があって、
特に活き活きとしていました。

「坂田怪童丸」 1836年頃 前期展示
国009

坂田金時の幼少時代、つまり金太郎さんです。
熊の代わりに鯉と相撲を取っています。
金太郎の赤はいかにも強そうで、滝の水しぶきも効果的です。
鯉は滝を登ると龍になるといわれ、この絵も出世を祈る吉祥図になっています。

「宮本武蔵の鯨退治」 1847年頃 前期展示
国002

大判3枚続きを使ってダイナミックな画面を作っていて、黒と白の対照が明快です。
盛り上がる波の構図は葛飾北斎の「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」を参考に
しているのでしょうか。

「相馬の古内裏」 1845-46年頃 前期展示
国007

大判3枚続きで、山東京伝の「善知(うとう)安方忠義伝」より、大宅太郎光圀が
妖術を使う滝夜叉姫(たきやしゃひめ)と戦う場面です。
原作では数百人の骸骨が登場するということですが、この絵では巨大な骸骨が
描かれています。
西洋の骨格図を参考にしていて描写は正確とのことです。

「忠臣蔵十一段目夜討之図」 1831-32年頃 後期展示
国008

吉良邸討入の場面ですが、どこか変わった雰囲気の光景です。
オランダの銅版画の図柄を使っているためで、西洋式の遠近法が見られ、
人物には影もあり、建物も日本家屋にしてはおかしな形です。
国芳が西洋画に関心を持っていたことが分かります。

「絵鏡台合かゞ身 猫/しゝ・みゝづく・はんにやあめん」 1842年頃 前期展示
国011

猫の瞬間芸です。
団扇の片面に描いてあって、裏面は影絵になっていて、獅子頭、みみずく、般若の面が
映っている仕掛けです。

大の猫好きだった国芳は猫の絵をよく描いています。
幼い頃に国芳に弟子入りしたことのある川鍋暁斎の思い出では、国芳の周りには
何匹も猫が居り、懐にも入っていて、弟子たちが騒いでいても国芳は構わなかった
ということです。

「猫の当字 ふぐ」 1842年頃  前期展示
国006

体の柔らかい猫の姿を上手く使っていて、毛の柄も効果的です。
「ふ」の字の猫は本物のふぐのようです。

「たとゑ尽の内」 1852年 前期展示
国004

大判3枚続きで、3枚揃っての展示は今回が初めてとのことです。
猫にまつわるたとえを絵にしています。
猫に小判、猫に鰹節、猫舌などが描いてあります。

「きん魚づくし ぼんぼん」 1842年頃 後期展示
国005

金魚の家族の夕涼みです。
団扇の替わりに魚をすくう網を持ち、蛙の子供の手を引いたり、
柳ならぬ水草を見上げたりしています。
金魚を使って家族のほのぼのとした情景を表しています。
この作品は新発見の絵で、初公開とのことです。

「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」 1847年頃 通期展示
国010

裸の男が寄ってたかって人の顔を作っています。
特に鼻の部分に上手く使われています。

水野忠邦の天保の改革(1841~1843)により役者絵、美人画を贅沢品として
禁止された頃に特にこのような戯画を多く描いています。
根っからの江戸っ子町人の国芳は幕府の禁令にもめげずに規制をかいくぐって
描き続けています。

国芳が機知や洒落っ気にあふれた人だったことは作品からも伝わります。
羽織を嫌い、どてらを好んでいたという国芳は自画像もどてらを着た後ろ姿で、
江戸っ子の心意気と少しシャイなところを見せています。
同年生まれの広重の叙情とは趣きが違いますが、江戸という都市の生んだ
庶民文化の代表と言えます。

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