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「洋画家たちの青春―白馬会から光風会へ」展 東京ステーションギャラリー
東京
chariot

東京駅の東京ステーションギャラリーでは、「洋画家たちの青春―
白馬会から光風会へ」展が開かれています。
会期は5月6日(火)までです。
入館料は一般900円です。

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光風会100回展を記念しての展覧会で、白馬会とそのメンバーによって
結成された光風会、光風会から別れた団体で活動した画家たち、
67人の約80点の作品が展示されています。
約半数は30代までの若い時期の作品とのことです。

黒田清輝 「鉄砲百合」 1909(明治42)年 石橋財団石橋美術館
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外交派と呼ばれた明るい色彩による作品です。
黒田清輝(1866-1924)たちが教官となって、1896年に東京美術学校に
西洋画科が設置されています。
黒田は同じ年に白馬会を結成しています。

藤島武二 「うつつ」 1913(大正12)年 東京国立美術館
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藤島武二(1867-1943)は黒田と同じ鹿児島県出身で、黒田と同時に
西洋画科の教官となり、白馬会にも参加しています。
厳めしい顔をした人ですが、感覚的な雰囲気を持った作品を多く
描いています。

久米桂一郎 「林檎拾い」 1892(明治25)年 久米美術館
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フランス滞在中に描いた作品で、印象派風の作風です。
久米桂一郎(1866-1934)はフランスでは黒田とともにラファエル・
コランに学び、白馬会の結成にも加わっています。
岩倉具視たちの遣欧米使節団に同行して「米欧回覧実記」を著した
久米邦武の長男で、久米邦武は「米欧回覧実記」で得た政府の報奨金で、
桂一郎を欧州に留学させています。

中澤弘光 「カフェの女」 1920(大正9)年 宮崎県立美術館
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外交派風の明るい色彩で、日本髪を結ってビールの栓を抜くカフェーの
女給さんを描いて、大正ロマン時代の雰囲気があります。
中澤弘光(1874-1964)は東京美術学校で黒田清輝に師事し、
白馬会の結成に参加しています。
白馬会の解散した翌年の1912年に中澤弘光ら白馬会のメンバー7人によって
光風会が結成されています。

杉浦非水 「非水創作図案集」(文雅堂)より 
 1926(大正15)年 愛媛県美術館
 
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杉浦非水(1876-1965)は東京美術学校の日本画選科に入学し、
在学中に黒田の指導を受けています。
デザイナーとして光風会の結成に参加し、光風会の出版物などを
手掛けています。

辻永 「ハルビンの冬」 1917(大正6)年 石橋財団石橋美術館
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ロシア風の板塀や、冬の日の明るい照り返しが印象的です。
ハルビンはロシアに統治されていた時期があり、ロシア人が
多く住んでいました。
辻永(1884-1974)は東京美術学校で岡田三郎助に師事し、
白馬会にも出品しています。
光風会会員となり、戦後は日展理事長を勤めています。

内田巌 「イギリスの女A」 1931(昭和6)年 神奈川県立近代美術館 
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暗く重量感のある画面です。
1929年に始まった世界大恐慌の影も感じられます。
内田巌(1900-1953)は東京美術学校で藤島武二に師事しています。
光風会会員でしたが、1936年に猪熊弦一郎や小磯良平らとともに
新制作協会を結成しています。
戦後、藤田嗣治の戦争協力を糾弾した人物としても知られています。

藤島武二、岡田三郎助、和田英作、児島虎次郎、猪熊弦一郎、小磯良平、
須田剋太、脇田和らの作品も展示され、日本の洋画の一つの流れを
形成してきた光風会の歴史をたどることの出来る展覧会です。


展覧会のHPです。


次回の展覧会は「ジャン・フォートリエ展」です。
会期は5月24日(土)から7月13日(日)までです。

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【2014/04/25 22:19】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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