乃木坂
「加山又造展 1」の続きです。

第4章 花鳥画の世界―「いのち」のかたち
装飾的な画風は第2章と同じです。
「音」1972年
加山又造のよく描く、小品の猫シリーズです。
親子のシャム猫が白萩を見つめています。
萩を揺らせる風の音を聞いたのでしょうか。
白くふわふわとした体に黒い足と尻尾、青い瞳、白い髭、金色の爪の
宝石のような姿です。
真横から見た猫の姿は、古代エジプト絵画のような様式美があります。
「牡丹」屏風1979年
背の高い、大きな金地の屏風の画面左に数輪の黒牡丹、右に彩色の
牡丹を配しています。
水墨の黒牡丹は村上華岳の描く牡丹を思わせ、覆いかぶさってくるような
迫力があります。
「夜桜」屏風1982年
左側に満開の夜桜、右側にかがり火が高く炎を上げて燃えています。
籠で吊るしたかがり火からこぼれ、地面を照らしている火の粉が幻想的です。
加山又造の魅力の一つの、妖しさが好く表れています。
「月と秋草」屏風1996年
月と薄、女郎花、竜胆などの秋草を装飾的に描いています。
琳派の酒井抱一と同じ、洗練された作品です。
第5章 水墨画―色彩を超えた「色」
「水墨山水図」屏風1978年
松の描き方は長谷川等伯の「松林図」に倣っています。
加山又造の水墨画は描き込みが緻密なため、全体に画面が濃い印象があります。
「月光波濤」屏風1979年
海岸の岩にぶつかり、吹き上がる波頭は写真のようにリアルな一方で、
大きな満月に掛かる雲は琳派のたらし込みの技法が使われています。
写実と装飾を一つの画面に納め、墨一色による圧倒的な迫力を見せています。
第6章 生活の中の「美」
着物の手描き模様、陶磁器の絵付け、洋食器の柄のデザイン、雑誌の表紙絵、
宝飾品のデザインと、加山又造の多彩な活動を観ることができます。
工芸は俵屋宗達や尾形光琳・乾山以来の琳派の伝統ですが、加山又造の
装飾性も工芸と好くなじむことが分かります。
一見すると他の作者かと思うような4つの異なる画風、他の画家の作品や画風を
積極的に摂り入れる貪欲さ、その中で一貫した装飾性・様式性、加山又造の
スケールの大きさが実感できる展覧会です。
chariot
「加山又造展 1」の続きです。

第4章 花鳥画の世界―「いのち」のかたち
装飾的な画風は第2章と同じです。
「音」1972年
加山又造のよく描く、小品の猫シリーズです。
親子のシャム猫が白萩を見つめています。
萩を揺らせる風の音を聞いたのでしょうか。
白くふわふわとした体に黒い足と尻尾、青い瞳、白い髭、金色の爪の
宝石のような姿です。
真横から見た猫の姿は、古代エジプト絵画のような様式美があります。
「牡丹」屏風1979年
背の高い、大きな金地の屏風の画面左に数輪の黒牡丹、右に彩色の
牡丹を配しています。
水墨の黒牡丹は村上華岳の描く牡丹を思わせ、覆いかぶさってくるような
迫力があります。
「夜桜」屏風1982年
左側に満開の夜桜、右側にかがり火が高く炎を上げて燃えています。
籠で吊るしたかがり火からこぼれ、地面を照らしている火の粉が幻想的です。
加山又造の魅力の一つの、妖しさが好く表れています。
「月と秋草」屏風1996年
月と薄、女郎花、竜胆などの秋草を装飾的に描いています。
琳派の酒井抱一と同じ、洗練された作品です。
第5章 水墨画―色彩を超えた「色」
「水墨山水図」屏風1978年
松の描き方は長谷川等伯の「松林図」に倣っています。
加山又造の水墨画は描き込みが緻密なため、全体に画面が濃い印象があります。
「月光波濤」屏風1979年
海岸の岩にぶつかり、吹き上がる波頭は写真のようにリアルな一方で、
大きな満月に掛かる雲は琳派のたらし込みの技法が使われています。
写実と装飾を一つの画面に納め、墨一色による圧倒的な迫力を見せています。
第6章 生活の中の「美」
着物の手描き模様、陶磁器の絵付け、洋食器の柄のデザイン、雑誌の表紙絵、
宝飾品のデザインと、加山又造の多彩な活動を観ることができます。
工芸は俵屋宗達や尾形光琳・乾山以来の琳派の伝統ですが、加山又造の
装飾性も工芸と好くなじむことが分かります。
一見すると他の作者かと思うような4つの異なる画風、他の画家の作品や画風を
積極的に摂り入れる貪欲さ、その中で一貫した装飾性・様式性、加山又造の
スケールの大きさが実感できる展覧会です。
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