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日本橋三越 平山郁夫と大いなるシルクロード展
三越前
chariot

日本橋三越新館7階ギャラリーで2月22日(日)まで開かれている「平山郁夫と
大いなるシルクロード展」に行ってきました。

三越新館


シルクロードや古都を題材にした最近の作品を展示しています。
会場に入ると、大きな画面のキャラバンの絵が何枚も奥に向かって左右に
並んでいます。
右側に昼、左側に同じ絵柄で夜の情景です。

正面はシルクロードの終点、「古代ローマの遺跡 フォロ・ロマーノ」2008年です。
群青色の空の下にローマの遺跡が広がっています。
背景の中世の建築から、ふと、ジョットブルーを思い出します。

「古城(ジャイサルメール・インド)」2005年赤茶色に広がる砂漠の丘に建つ城です。
ジャイサルメールはパキスタンに近い砂漠の中の城塞都市とのことです。

「平成の洛中洛外 右隻」2003年
京都御所を中心にして、現代と昔の京都を同じ画面に入れ込んでいます。
洛中洛外図の技法に依っていますが、画面の境は緑の森と金箔の雲を使っています。
画面左下に祇園祭の山鉾巡行、左上に金閣が見えます。

「平成の洛中洛外 左隻」2004年
右隻の公家文化の象徴、京都御所に対して、武家文化の二条城を中心にしています。
堀のすぐ左に五重塔、画面右下に清水寺が見えます。

私が初めて展覧会場で観た平山郁夫の作品は「高耀る藤原京の大殿」1969年でした。
深い緑の大和三山に囲まれ、金色に輝く藤原京の情景は躍るような高揚感に
あふれていました。
都市を鳥瞰する図柄はこの「平成の洛中洛外」にもつながっています。

そういえば、三越のリニューアルのポスターは山口晃の洛中洛外図でした。
平山郁夫は建築物が中心ですが、山口晃は賑やかに行きかう人たちを
描き出しています。

「浄土幻想 宇治平等院」2004年
「浄土幻想 日野法界寺」2005年
共に、寺院、阿弥陀仏、天人、蓮華を紺地に金泥で描いています。

紺地に金泥は平安貴族の好んだ意匠のようです。
この写真は国立博物館の平常展に展示されていた、平基親が願主となった
紺紙金字のお経の見返し部分です。

経文


「流水無間断 奥入瀬渓流」1994年
平山郁夫には珍しい、歴史性や人の気配のない自然です。
青みがかった濃い緑の森の中を渓流がほとばしるように流れています。

「八雲立つ 出雲路古代幻想」1998年
国見の情景でしょうか、雲海の出雲平野を丘から眺めています。
宮殿の屋根が雲の間からかすかに臨めます。

いつもながらの平山郁夫の歴史のロマンへの情熱を感じる展覧会でした。

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【2009/02/08 19:38】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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