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古今集 元良親王 花のごと
花のごと
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花のごとよのつねならばすぐしてし昔は又もかへりきなまし

花が毎年咲くように、世の中が常に変わらないものだったなら、
過ごしてきた昔もまた帰ってくるのに。

古今集春歌下98番の歌で、よみ人しらず(作者不明)の歌です。

花は年ごとに当たり前のように繰り返し咲くのに、自分は年ごとに老いるばかりで、
昔に戻ることはできない、と嘆いています。

花、おそらく桜を見ての想いで、漢詩の「年々歳々花相似 歳々年々人不同」を
踏まえているのでしょう。
漢詩の方は断定的に言い切って、諦めが感じられますが、この歌の詠いぶりは抒情的で、
未練を残しています。
「かへりきなまし」に、言いしれぬ余情があります。

過ぎた昔を懐かしく惜しむ想いがするのは、年齢を重ねないと起きない心の動きでしょう。
この歌を詠んだ人の「昔」とは、どんなだったのだろうと思わせます。

作者は元良親王とも云われているとのことです。
元良親王は陽成天皇の第一皇子で、色好みの評判が高かったそうです。
そうであれば、「昔」もさぞ華やかな日々だったことでしょう。


元良

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【2009/04/10 22:22】 文学 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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