本郷三丁目

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東京大学本郷キャンパスにある東京大学総合研究博物館本館では特別展示、
「赤門―溶姫御殿から東京大学へ」が行なわれています。
会期は5月28日（日）まで、入場は無料で、休館日は月曜日です。





本郷邸開設400年周年、東京大学設立140周年を記念しての展示です。

東京大学本郷キャンパスの赤門は、文政10年（1827）に、11代将軍徳川家斉の息女、
溶姫（やすひめ、ようひめ：1813－1869）が加賀前田家13代藩主斉泰（1811－1884）に
輿入れするにあたって建てられた門です。




徳川将軍の息女を迎えるということで、加賀藩は約5200坪の御殿（御住居のちに御守殿）を
新築しており、赤門（正式名は御守殿門）もこの時建てられています。
将軍の息女の嫁ぎ先であることを表すため、朱色に塗られ、赤門の名の由来となっています。

藩邸の御殿部分の図面


この両側に家臣の住居があります。

女中部屋


名前が書いてあり、相部屋だったようです。

溶姫御殿の瓦


葵紋が入っていて、火災の跡が無いことから、安政2年（1855）の安政江戸地震で
被災したものと思われます。

出土した双葉葵紋の食器


徳川家から来た女中であることを表しているようです。

九谷焼の小杯


加賀藩の支藩で九谷焼を産する大聖寺藩から溶姫御殿付女中への献上品と考えられます。

屋号の刻まれた徳利




当時のデリバリー食器で、いろいろな店の屋号が刻んであります。
溶姫御殿と他の御殿では主に出入りしている店が違っているようです。
出入り業者も徳川家から付いてきたきたのでしょうか。

貝殻や魚骨


高級食材のカモやアワビ、当時は下魚だったマグロもあります。

蚊遣り豚


今でも使えそうです。

鏡、かんざし、銭


便槽に落ちていたものです。
便槽の土からは鉛が検出され、女中たちが鉛を含んだ白粉を使っていたことが分かります。

赤門の修繕見積書


明治36年の東京帝国大学赤門の修繕見積書で、営繕掛に出されています。

加賀藩邸は慶応4年（1868）に本郷春木町からの出火でその大部分を焼失しています。
この年、溶姫は幕末維新の混乱を避けるために移っていた金沢で亡くなり、
加賀藩は新政府軍に属して出兵し、長岡藩と戦っています。

東京大学本郷キャンパスに残る加賀藩邸の遺構についての記事です。

展示のHPです。