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「神の宝の玉手箱」展 六本木 サントリー美術館
六本木・乃木坂
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六本木のサントリー美術館では六本木開館10周年記念展、「神の宝の玉手箱」展が開かれています。
会期は7月17日(月)までで、休館日は火曜日です。

玉手箱0


手箱は貴人の手回り品を入れる調度品で、蒔絵や螺鈿で飾られて神々へ奉納され、
神宝となったりもしています。
展覧会では、手箱やその他の神宝が展示されています。

「浮線綾螺鈿蒔絵手箱」 鎌倉時代 13世紀 サントリー美術館 国宝
手箱14

修理後、初公開です。
一面に螺鈿の模様を施した手箱で、北条政子の所持とも伝えられています。
浮線綾文様は公家の用いた、花を象った文様で、1個の文様を作るために
13個もの貝のピースが使われています。
立派な装飾の手箱を玉手箱と呼ぶ訳が分かります。

手箱8


蓋裏も6月21日から26日まで展示されます。

手箱3

蒔絵で一面に梅、葵、菊、女郎花などの草花の絵が描かれています。

「籬菊螺鈿蒔絵手箱」 復元模造 北村昭斎 作  
 平成8~11年(1996~1999) 神奈川・鶴岡八幡宮

手箱5

原品は鎌倉時代の作で、北条政子が鶴岡八幡宮に奉納した品と伝えられていましたが、
明治6年(1873)のウィーン万博に出品された後、帰国の途中の海難事故で海没しています。
今頃は龍宮城にあることでしょう。
詳細な絵図と同じ意匠の硯箱が残っていたので、復元することが出来たそうです。

「松梅蒔絵手箱および内容品」 
 室町時代 16世紀 鹿児島・枚聞神社 重要文化財

手箱9

手箱10

6月26日までの展示です。
枚聞神社(ひらききじんじゃ)は薩摩半島の南端にある神社です。
龍宮の玉手箱と伝えられていて、中には化粧道具一色が揃っています。

「秋野鹿蒔絵手箱」 鎌倉時代 13世紀 島根・出雲大社 国宝
手箱4

螺鈿の鳥が輝いていて、空間の扱いも効果的です。

「桐蒔絵手箱および内容品」 
 南北朝時代 明徳元年(1390)頃 和歌山・熊野速玉大社 国宝

手箱6

手箱7

6月26日までの展示です。
熊野速玉大社古神宝の一つで、化粧道具も揃っています。
化粧には呪術的な意味もあり、化粧道具を納めた手箱は神聖な品と見做されていたようです。

「衵 萌黄地小葵浮線綾丸文二重織」 
 南北朝時代 明徳元年(1390)頃 和歌山・熊野速玉大社 国宝

手箱0

6月26日までの展示です。
これも熊野速玉大社古神宝の一つで、衵(あこめ)は下着と表着の間に着る衣です。
文様のある織物の上に色糸で浮線綾文を織り出しています。

「石山寺縁起絵巻」 第五巻(部分) 谷文晁 筆 江戸時代 19世紀 サントリー美術館
手箱1

手箱2

富貴な者の邸宅で、室内には手箱などの調度品も見えます。


他にも、鏡、檜扇、衣装などさまざまな神宝も展示されている、面白い展覧会です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は六本木開館10周年記念展、「おもしろびじゅつワンダーランド2017」展です。
会期は8月1日(火)から8月31日(木)までです。

ワンダー6-15-2017_001

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【2017/06/15 17:35】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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