上野
上野の東京都美術館で開かれている「日本の美術館名品展」に行ってきました。
期間は7月5日(日)までです。
新緑の上野公園を通って行きました。


東京都美術館の入口です。

ポスターは、エゴン・シーレの「カール・グリュンヴァルドの肖像」です。

今度の展覧会は、日本の公立美術館100館の代表的所蔵作品220点が
集まるという、見逃すことの出来ない企画です。
全国に散らばっている美術館に行くのは大変ですが、この機会を使えば一度に
見ることが出来ます。
もう一度観たい作品があれば、その美術館に出掛けていく楽しみが増える
というものです。
作品に添えられている、各美術館からのメッセージには、それぞれの館の思いが
込められています。
1階は西洋絵画などです。
10番 カミーユ・ピサロ「エラニーの菜園」1899年 福島県立美術館
晩年に住んでいたエラニーの家の窓から見た風景ということです。
ピサロらしい、明るい穏やかな、いかにも印象派の色彩で、庭に点々と咲く
紅い花がアクセントになっています。
福島県立美術館のHPに載っている、作品の画像です。
14番 アンリ・ルソー「サン=ニコラ河岸から見たサン=ルイ島」1888年頃
世田谷美術館
セーヌ川沿いの風景で、川船のマストには三色旗、遠くにノートル・ダム大聖堂も
見えます。
抑えた色彩なので、太陽も月のようにも見え、静かで幻想的な風景です。
光の当たる所と陰の部分の描き分けも上手く、とても「日曜画家」のレベルでは
ありません。
16番 オディロン・ルドン「ペガサスに乗るミューズ」1907-10年
群馬県立近代美術館
夕焼け色の雲の湧き上がる中を、ミューズを乗せたペガサスが駆け上がります。
空の青が印象的で、前期のルドンの黒くて奇怪な絵とは大きく異なり、色彩に
喜びがあります。
18番 ピエール・ボナール「アンドレ・ボナール嬢の肖像」1890年 愛媛県美術館
この展覧会のポスターにもなっている作品です。
縦長の画面で、風に揺れる木の葉と長いスカート、駆け出す犬と、左上から
右下への流れがあります。
花の描き方などは装飾的で、ジャポニズムの影響が見られるということです。
24番 エゴン・シーレ「カール・グリュンヴァルドの肖像」1917年 豊田市美術館
これもポスターになっている作品です。
暗い背景の中で、椅子に掛けている白い服の人物が際立っています。
荒々しいタッチの画面ですが、組んだ手やシャツの描線は確かで、
力にあふれています。
エゴン・シーレは翌年にはスペイン風邪で、奥さんとほぼ同時に亡くなっています。
もし生きていたら、この後どんな作品を描いたろうかと思わせます。
豊田市美術館のHPに載っている、作品の画像です。
35番 モイーズ・キスリング「オランダの娘」1928年 北海道立美術館
今度の展覧会で一番印象に残った作品です。
民族衣装を着けた若い女性の肖像です。
単純化された描き方で、丸々とした腰、肩、レースを被った頭と積み重ねた
構図には安定したリズムがあります。
胸の前で交差したレースのショールに合わせるように、見事に太い腕も
交差させています。
印象的な上目遣いの目の青色に合わせるように、服も背景も青色でまとめ、
レースとエプロンは白、それにヘアバンドの黄色、ネックバンドと唇の赤色が
アクセントになっています。
キスリングはポーランド出身ということですが、全体の丸いユーモラスな感じ、
髪の毛や眉の描き方など、何となくロシアのマトリョーシカ人形に似ています。
続きはその2、その3に書きます。
そちらにも上野公園の風景の写真を少し載せています。
chariot
photo by taro
photo by taro
上野の東京都美術館で開かれている「日本の美術館名品展」に行ってきました。
期間は7月5日(日)までです。
新緑の上野公園を通って行きました。


東京都美術館の入口です。

ポスターは、エゴン・シーレの「カール・グリュンヴァルドの肖像」です。

今度の展覧会は、日本の公立美術館100館の代表的所蔵作品220点が
集まるという、見逃すことの出来ない企画です。
全国に散らばっている美術館に行くのは大変ですが、この機会を使えば一度に
見ることが出来ます。
もう一度観たい作品があれば、その美術館に出掛けていく楽しみが増える
というものです。
作品に添えられている、各美術館からのメッセージには、それぞれの館の思いが
込められています。
1階は西洋絵画などです。
10番 カミーユ・ピサロ「エラニーの菜園」1899年 福島県立美術館
晩年に住んでいたエラニーの家の窓から見た風景ということです。
ピサロらしい、明るい穏やかな、いかにも印象派の色彩で、庭に点々と咲く
紅い花がアクセントになっています。
福島県立美術館のHPに載っている、作品の画像です。
14番 アンリ・ルソー「サン=ニコラ河岸から見たサン=ルイ島」1888年頃
世田谷美術館
セーヌ川沿いの風景で、川船のマストには三色旗、遠くにノートル・ダム大聖堂も
見えます。
抑えた色彩なので、太陽も月のようにも見え、静かで幻想的な風景です。
光の当たる所と陰の部分の描き分けも上手く、とても「日曜画家」のレベルでは
ありません。
16番 オディロン・ルドン「ペガサスに乗るミューズ」1907-10年
群馬県立近代美術館
夕焼け色の雲の湧き上がる中を、ミューズを乗せたペガサスが駆け上がります。
空の青が印象的で、前期のルドンの黒くて奇怪な絵とは大きく異なり、色彩に
喜びがあります。
18番 ピエール・ボナール「アンドレ・ボナール嬢の肖像」1890年 愛媛県美術館
この展覧会のポスターにもなっている作品です。
縦長の画面で、風に揺れる木の葉と長いスカート、駆け出す犬と、左上から
右下への流れがあります。
花の描き方などは装飾的で、ジャポニズムの影響が見られるということです。
24番 エゴン・シーレ「カール・グリュンヴァルドの肖像」1917年 豊田市美術館
これもポスターになっている作品です。
暗い背景の中で、椅子に掛けている白い服の人物が際立っています。
荒々しいタッチの画面ですが、組んだ手やシャツの描線は確かで、
力にあふれています。
エゴン・シーレは翌年にはスペイン風邪で、奥さんとほぼ同時に亡くなっています。
もし生きていたら、この後どんな作品を描いたろうかと思わせます。
豊田市美術館のHPに載っている、作品の画像です。
35番 モイーズ・キスリング「オランダの娘」1928年 北海道立美術館
今度の展覧会で一番印象に残った作品です。
民族衣装を着けた若い女性の肖像です。
単純化された描き方で、丸々とした腰、肩、レースを被った頭と積み重ねた
構図には安定したリズムがあります。
胸の前で交差したレースのショールに合わせるように、見事に太い腕も
交差させています。
印象的な上目遣いの目の青色に合わせるように、服も背景も青色でまとめ、
レースとエプロンは白、それにヘアバンドの黄色、ネックバンドと唇の赤色が
アクセントになっています。
キスリングはポーランド出身ということですが、全体の丸いユーモラスな感じ、
髪の毛や眉の描き方など、何となくロシアのマトリョーシカ人形に似ています。
続きはその2、その3に書きます。
そちらにも上野公園の風景の写真を少し載せています。
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【2009/06/15 23:14】
【2009/06/15 23:14】