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東京都美術館 「日本の美術館名品展 2」
上野
chariot
photo by taro

前回の「日本の美術館名品展 1」の続きです。

天気の良い日で、上野公園の空に白い雲が浮かんでいました。

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ポスターは藤田嗣治の「私の夢」です。

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2階は日本の洋画などです。

85番 藤田嗣治「私の夢」 1947年 新潟県立美術館・万代島美術館
これもポスターになっている作品です。
横たわる裸婦の周りに狐や猿、猫などがさまざまな姿で取り巻いています。
藤田得意の裸婦と猫などの取り合わせですが、この動物たちは何だか
妖怪のようにも見えてきます。
1947年の作品ですから、戦後2年目、戦争画を描いた責任を一身に背負わされた
藤田の心の裡を表しているのでしょうか。


88番 岡鹿之助「信号台」 1926年 目黒区美術館
89番 岡鹿之助「遊蝶花」 1951年 下関市立美術館

かっちりとした画面構成の、点描による風景画です。
同じ点描でも、本家のスーラやシニャックに理屈っぽさ感じるのに比べ、
岡鹿之助には柔らかい味わいがあります。
遊蝶花とはパンジーのことだそうです。


90番 清水登之「パリ夜街」 1926年 栃木県立美術館 
清水登之は栃木県生まれです。  
夜の街角に若い男女や水兵、親子連れなどが居ます。
店の入口には男が座り込み、子供が別の子の肩車に乗って、窓から中の様子を
見ようとしています。
画面の中心には、黒い服を着て悠然と歩く神父の姿があり、聖と俗が
一緒になっています。
猫を追う犬の姿はユーモラスで、清水登之がこの世界をどう見ていたかが
分かります。


100番 野田英夫「牛乳ワゴン」 1936年 福島県立美術館
アメリカの街角で、牛乳を配る馬車の御者台に座る親子を正面から描いています。
移民してきたばかりなのでしょうか、二人ともこわばった表情で目を見開き、
前を見つめています。
馬を操れるのは、農民だったからでしょうか。
日々の苦闘を示す表情ですが、私には、馬車を牽く馬は力強く道を蹴って
前に進んでいるようにも見えます。
野田英夫は日系アメリカ人で、日本とアメリカを往復して、アメリカの現実を
描いていましたが、30歳で亡くなり、作品数も少ないそうです。


111番 国吉康雄「夜明けが来る」 1944年 岡山県立美術館
国吉康雄は岡山県生まれです。
ベランダの手摺りに持たれて、女性がぼんやりと外を眺めています。
題名からすると、夜明け前の時間なのでしょうか。
大きなスペイン風の髪飾りを着けていますが、国吉特有の、深い憂いが
煙のように漂っています。
1944年は第二次大戦の終わる前年ですから、日系人としてアメリカにいた
国吉としては、夜明けが来るのが近いような思いがあったのでしょうか。


131番 斉藤真一「星になった瞽女(みさお瞽女の悲しみ)」 1971年 倉敷市立美術館
斉藤真一は倉敷市生まれです。
斉藤真一は盲目の旅芸人、瞽女(ごぜ)を数多く描いています。
雪の野にすわった瞽女が、円空仏のような顔に涙を流しています。
膝元の三味線には袋が掛けられ、もう鳴ることはありません。
遠くの、雪を戴いた山々には紅い夕陽が残り、空には宵の明星が輝いています。
斉藤真一独特の、民俗の世界です。

倉敷市立美術館のHPのコレクションリストに作品の画像が載っています。

続きはその3に書きます。


上野公園のボート池には足漕ぎボートが並んでいました。

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池の横ではカモが昼寝しています。

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蓮池では、蓮の葉が伸びてきていました。

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【2009/05/17 08:43】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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