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東京都美術館 「日本の美術館名品展 3」
上野
chariot
photo by taro

前回の「日本の美術館名品展 2」の続きです。

美術館の外観です。

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3階は日本画などです。

141番 竹内栖鳳「絵になる最初」 1913年 京都市美術館
竹内栖鳳は京都市生まれです。
絵のモデルになるため着物を脱いだ少女が、その着物で体を隠して、羞いの
表情を見せている瞬間です。
顔を半ば隠している左手の仕草に気持ちが良く出ています。
有名な「班猫」もそうですが、一瞬を捉えて描き出すのは、なかなか技量が
ないと出来ません。
竹内栖鳳の弟子の上村松園も、「花がたみ」という作品を描く時に、狂女の
心を表す手の形について、栖鳳の助言を受けたそうです。

京都について紹介しているHPに載っている、作品の画像です。


157番 村上華岳「観世音菩薩施無畏印像」 1928年 兵庫県立美術館
村上華岳は兵庫県育ちです。
村上華岳はこの作品をはじめ、仏画の掛軸を数多く描いています。
柔らかな線描で描かれたどの仏も、お顔はまるく大きく、半眼のまなざしは
とても優しく、かすかに微笑んでおられます。
私は以前、山種美術館の「村上華岳展」で、会場いっぱいに並んだ仏画を
観たことがあります。
至福の時と言ってよいものでした。


159番 速水御舟「女二題 其一」1931年 福島県立美術館
160番 速水御舟「女二題 其二」1931年 福島県立美術館

伸び伸びとした線描で、奥さんをモデルにして、着物姿で座る女性を描いています。
片方は黒っぽい色の着物で、両手を上げて、髪を束ねているところです。
もう片方は白の浴衣で、日本髪を結い、両手を後ろに回し、少し背を反らせて、
後ろ手で帯を整えています。
浴衣の女性の側には、カットグラスに入った緑色の西洋梨があり、髪に挿した
翡翠のかんざしと調和しています。
いかにも夏らしい涼やかな絵柄で、何気ない動作を上手く捉えているのですが、
面白いのは女性がむっとした顔をしていることです。
それで画面が生き生きしてくるのですから、不思議です。
相手が奥さんだから、こういう珍しい表情を描けたのでしょうが、その容赦の無い
描写力は、さすが速水御舟です。

福島県立美術館のHPに載っている、作品の画像です。


161番 小倉遊亀「童女入浴」1926年 滋賀県立近代美術館
小倉遊亀は滋賀県生まれです。
二人の女の子が湯気の立つ湯舟に浸かって、ゆだっています。
一人は髪を束ねようとして櫛を手に持ち、首まで浸かったもう一人はそれを
見上げています。
二人の表情がとてもユーモラスです。
何気ない日常の一駒ですが、小倉遊亀にはセンスの良さと優しさがあり、
心を和ませてくれます。

井原市立田中美術館での展覧会に出品された時の、ポスターです。


181番 高山辰雄「食べる」 1973年 大分県立芸術会館
高山辰雄は大分県生まれです。
子供が独り、食卓に向かって何か食べている姿をシルエットで描いています。
生きることの哀しみの伝わる作品です。
高山辰雄はよく、食べる、ということをテーマにしています。
この絵は練馬区立美術館で開かれていた「高山辰雄遺作展」で観たことがあり、
ここで再会出来たという思いがします。

他にも、多くの作家の絵画、彫刻、版画が展示されていますので、展覧会のHP
載っている展示品リストで調べてから行かれると良いでしょう。


美術館の中庭では、東京都が公認した、ヘブンアーティストと呼ばれる人が
大道芸を披露しています。
この人はオペラを歌っていました。

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上野公園の噴水が水煙を上げています。

0116上5


噴水前広場です。

0122上10

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【2009/05/18 23:05】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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