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「鏨(たがね)の華―光村コレクションの刀装具―」 南青山 根津美術館
表参道
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南青山の根津美術館では企画展、「鏨(たがね)の華―光村コレクションの刀装具―」が
開かれています。
会期は12月17日(日)までです。

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初代根津嘉一郎は光村印刷の創始者、光村利藻(みつむらとしも、1877-1955)の
収集した刀装具コレクションを明治42年(1909)に譲り受けています。
展覧会ではこのコレクションを中心に約130点が展示されています。

「聖衆来迎図大小揃金具」 後藤一乗 江戸時代 19世紀 個人蔵 重要文化財
後藤一乗(1791-1876)は京都の金工で、名門後藤家の一門ですが、
後藤家の伝統を超えて、新しい意匠にも取組んでいます。
銅の地に黄金の阿弥陀如来や諸菩薩があしらわれた、まことに華やかな刀装具です。

「粟穂図大小揃金具」 荒木東明 江戸時代 19世紀 個人蔵
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荒木東明(1817-1870)は幕末の京都の金工で、後藤一乗に師事し、
粟の穂の意匠で有名です。
黒い赤銅地に粟穂の細かい粒が金色に輝いています。

「呂洞賓図小柄」 塚田秀鏡 明治30年代 19~20世紀 根津美術館
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塚田秀鏡(1848-1918)は明治大正期の金工で、絵を柴田是真に学んでいます。
銘に、「應光村利藻之需要 眞雄斎秀鏡」とあり、光村利藻はよく名画を題材にした物を
注文しています。

(参考)「呂洞賓図」 雪村 16世紀 大和文華館 重要文化財
雪村1

呂洞賓(りょどうひん)は唐時代の仙人で、さまざまな術を会得したとされています。
呂洞賓が龍に乗って見上げる先には別の龍が現れ、蓋を取った小瓶からも
小さな龍が2匹、立ち昇っています。

光村利藻は刀装具を収集するだけでなく、金工や刀工を保護し、武士の消滅に伴う
技術の断絶を防ぎ、継承を助けています。
また、得意の写真技術を活かして、明治36~40年(1903~07)に名品図録
「鏨廼花(たがねのはな)」を刊行しています。

猿蟹合戦や桃太郎を題材にした「御伽噺図揃金具」や「鬼念仏・笛吹地蔵図目貫」
「鍾馗鬼図大小鍔」など、ユーモラスな意匠もあって、どれも精巧で緻密な細工がなされ、
その技量には驚くばかりです。
 

展示室5は「国宝 根本百一羯磨」の展示です。

「根本百一羯磨」は正式には「 根本説一切有部百一羯磨」(こんぽんせついっさいうぶ
ひゃくいつこんま)といい、今更一部一切経(いまこういちぶいっさいきょう)の一部で、
教団の議事運営や行事の作法を記したものです。
今更一部一切経は奈良時代に盛んに行われた、仏教経典のすべてを書写する
一切経書写の一つです。
根本百一羯磨は全10巻あり、巻第五を白鶴美術館、巻第六を根津美術館、
他は正倉院聖語蔵が所蔵しており、今回、巻第五と巻第六が並べて展示されています。
通常、1行17字詰めに対し、1行12~13字で書写しており、大字経といわれる形式です。

「 根本説一切有部百一羯磨」 巻第五(今更一部一切経) 念林老人筆 1巻 
 奈良時代 宝亀5−7年(774−776) 白鶴美術館 重要文化財

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「根本説一切有部百一羯磨」 巻第六(今更一部一切経) 念林老人筆 1巻
 奈良時代 宝亀5−7年(774−776)  国宝

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展示室6のテーマは「歳暮の茶」で、年の瀬の茶会にふさわしい茶道具が展示されています。

「大海茶入 銘 節季」 室町時代 16世紀
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幅の広い形の茶入を大海と言います。

掛花入は「銘 ふくら雀」で、瓢を切った丸い形を冬に羽毛をふくらませた、
ふくら雀になぞらえています。

蒲生氏郷作の花入、「銘 唐よし」も展示されています。
竹の根を切った豪快な花入です。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は特別展、「墨と金 狩野派の絵画」です。
会期は2018年1月10日(水)から2月12日(月・祝)です。

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【2017/12/02 17:17】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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