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神田明神薪能
御茶ノ水
chariot

神田明神では神田祭の一つとして薪能を催しています。
この神田明神薪能「明神能・幽玄の花」に行ってきました。

神田明神の随身門に夕陽が当たっています。

の1


今年は第7回で、5月14日(木曜日)午後6時から開かれました。
演目は大蔵流狂言「千鳥」、金剛流能「清経」です。

拝殿入口に舞台を仮設し、前の広場に大きなテントを張って客席にします。
全席指定で、S席6000円、A席4000円、B席3000円です。

の2


の3


狂言「千鳥」は、金払いの悪い主人の言いつけで酒屋に酒を買いにやらされた
太郎冠者が、尾張の津島祭の様を語りながら、酒屋を油断させ、体よく酒樽を
騙し取ってくるというものです。

にぎやかなお話ですが、津島という尾張の町が、狂言に登場するほど、室町の
頃には栄えていたことが分かります。

能「清経」は世阿弥の作で、源氏に逐われ、平家一門と共に西国に落ちた後、
世をはかなんで入水した平清経の亡霊が妻の夢に現われ、入水に至る様を
語ります。

平清経は平重盛の三男で、平清盛の孫にあたります。
一門の他の人々は一の谷や壇ノ浦の戦いで討たれましたが、清経はその前に
戦わぬうちに二十一歳で入水しています。
武門の生まれでありながら、繊細な心の人だったのでしょう。

能の清経は修羅道に墜ちるものの、入水の前に唱えた念仏の功徳によって
成仏します。

舞台の上で演じられる清経の姿を観ていると、本当の清経の亡霊を観るようです。

能の修羅物といわれる演目では、非業の死を遂げた武者の多くは、「実盛」「頼政」
「忠度」のように亡者のままで、さ迷っています。

世阿弥の頃の人々も、目の前の若い清経の亡霊を観て哀れを感じ、成仏して
ほしいと思ったことでしょう。
その思いによって、ありがたくも清経が成仏を果たす結末となったのでしょうか。


の4

随身門の周りにはろうそくが並べられていました。

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【2009/05/22 21:00】 街歩き | トラックバック(0) | コメント(0) |
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