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「横山大観-東京画壇の精鋭-」展 山種美術館
恵比寿
chariot

山種美術館では特別展、生誕150年記念、「横山大観-東京画壇の精鋭-」展が
開かれています。
会期は2月25日(日)までです。

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横山大観(1868-1958)の生誕150年と没後60年を記念して、山種美術館の所蔵する
大観の作品、全40点を展示する展覧会です。


横山大観 「作右衛門の家」 1916年

大2-14-2010_006

桐の木が大きな葉を付け、栗の木には青い実が成る中を、男が馬に食べさせる
草を担いで帰って来るところです。
厩では待つ馬が嬉しそうに足掻いています。

横山大観 「喜撰山」 1919年
大観001

百人一首の喜撰法師の歌に拠った絵で、喜撰法師は宇治に住んでいたとされます。

 わが庵は都のたつみしかぞすむ世をうぢ山と人はいふなり

金箋紙(裏に金箔を押した鳥の子紙の表面を薄く剥いだもの)に描いた
最初の作品で、明るく温かい地色が映えています。
京都の土の赤さを表現するために使ったと考えられるそうです。

横山大観 「木兎」 1926年 
大2-14-2010_002

森の中のミミズクです。
深々とした木立は墨の濃淡で表され、目にだけ色が入っています。
大観は動物好きだったそうで、この絵にも温かい眼差しが感じられます。


横山大観 「心神」 1952年
若010 (3)

「心神」には「富士山」の意味もあるということです。
大観は富士山の絵を数多く描いています。
晩年の作品で、雲海に屹立する富士の孤高の姿に、
敗戦後の日本の復興への思いを込めているのでしょう。

展覧会では小林古径、前田青邨など、大観の再興した日本美術院の画家や、
同じ東京画壇で活躍した山口蓬春、東山魁夷などの作品も展示されています。

山口蓬春 「卓上」 1952年
西005

日本画とは思えないようなキュビズム風のモダンな作品ですが、装飾的なところは
やはり日本画です。
山口蓬春は洋画出身ということもあってか、近代西欧画を積極的に取り入れています。

前田青邨 「蓮台寺の松陰」 1967年
前田004

嘉永7年(1854)、前年に続き来航したペリーの艦隊が下田沖に停泊していた時に、
吉田松陰は外国への密航を企て、下田の蓮台寺に潜伏しています。
その時の松陰の姿を描いたもので、研ぎ澄まされた線描によって、行灯の光に
照らされた若々しい松陰の顔を描き出しています。


東山魁夷 「年暮る」 1968年
教科書1

親交の深かった川端康成に、京都の風景の残っている今のうちに描くように
奨められ、取り組んだ作品の一つです。
河原町にあるホテルの屋上からの景色で、町家の屋根にも、遠くのお寺にも
雪が積もっています。
手前の家の窓に一つ、明かりが点いていて、いかにも京都の暮れの情景です。

2013年に横浜美術館で開かれた「横山大観展 良き師、良き友」の記事です。

東京国立近代美術館では4月13日(金)から5月27日(日)まで、京都国立近代美術館では
6月8日(金)から7月22日(日)まで、「生誕150年 横山大観展」が開かれます。

山種美術館のHPです。


次回の展覧会は企画展、「桜 さくら SAKURA 2018 ―美術館でお花見!―」です。
会期は3月10日(土)から5月6日(日)までです。

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【2018/01/25 21:28】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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