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山種美術館 上村松園/美人画の粋展 1
半蔵門・九段下
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三番町の山種美術館では「没後60年記念 上村松園/美人画の粋」展が
開かれています。
会期は7月26日(日)までです。


千鳥ヶ淵の桜も緑が濃くなりました。

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山種美術館は10月に広尾に新美術館が完成するので、三番町での
展覧会は今回が最後になります。

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上村松園の作品18点を含め、59点の女性画を展示しています。

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12番 上村松園「蛍」 1913年
江戸時代の風俗で、浴衣姿の女性が蚊帳を吊ろうとして、足元に蛍を見つけ、
ふと手を止めている瞬間です。
日常の何気ない仕草の中に、美しいものを見出すという、松園らしい作品です。
帯は江戸時代特有の、ぼってりした感じですが、浴衣の模様は絞り染めの
百合で、かなり豪華です。
蚊帳から浴衣が透けて見えるところも、美人画家としての技です。

目許は、絵の描かれた大正時代風で、甘く、ぼうっとしています。
その後の昭和の作品を観ていくと、目許がはっきりしてくるのが分かります。
時代の好みの変化なのでしょう。

15番 上村松園「盆踊り」 1934年頃
色紙ほどの小さな絵で、笠を被って刀を差した男と、扇を持った女が踊る様を、
墨でさらっと描いています。
おっとりとした趣きは与謝蕪村の俳画のようで、上村松園が様々な絵画を
勉強して、自分のものにしていたことが分かります。

18番 上村松園「砧」 1938年
能の名作、「砧」に題材を採った作品で、都に上ったまま戻って来ぬ夫を
待ちわびる妻の姿です。
晩秋の風物である、布を叩いて柔らかくする道具の砧が足元に置いてあり、
ともしびが灯っています。
戦国から江戸初期の風俗で、小袖は橘の模様ですが、打掛は枯葉を散らし、
時の移りを暗示しています。
打掛のうぐいす色は松園のよく用いた色で、展示してある他の作品にも
多く見られます。
上村松園の色彩はふっくらと柔らかく、温かみのある独特のもので、
他の画家には無い魅力です。

26番 上村松園「牡丹雪」 1944年
雪の降る中を、傘を傾けて、二人の町娘が歩いています。
一人は、寒いのでしょう、袂で傘の柄をくるむ様にして持ち、片手で裾を
持ち上げ、前かがみになっています。
もう一人は御高祖頭巾を被り、後ろを振り向いています。
動きのある絵ですが、清らかで、凛とした趣きがあります。
この清らかさこそが、松園の作品を際立ったものにしています。

1944年といえば、敗戦の前年ですが、上村松園はその時にあっても、
自分の世界を描き続けていたことになります。

続きは次の回に書きます。

展覧会のHPです。


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【2009/06/05 07:20】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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山種美術館で開催中の 「没後60年記念 上村松園/美人画の粋」展に行って来ました。 今年10月に広尾に引っ越しする山種美術館。平成10年(1998)から慣れ親しんだここ千鳥ヶ淵で開催される最後の展覧会です。山種美術館(館長:山?妙子 所在地:東京都千代田区三番...
【2009/06/18 20:38】

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