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日本橋高島屋 「日本の美と出会う」展
日本橋
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日本橋高島屋では、細見美術館開館10周年記念展「日本の美と出会う
-琳派・若冲・数寄の心-」を開催しています。
期間は6月15日(月)までと、短いのでご注意ください。

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細見美術館は大阪の実業家のコレクションをもとにした、京都の美術館です。
今回は琳派と伊藤若冲を中心に展示されています。

残念なことに作品リストが備えられていないので、「弐代目 青い日記帳」さんが
代わりに作られたリストを使わせていただきます。

4番 尾形光琳「柳図香包」
小さな金地に、さらりと緑の柳を描いています。
紙包みの裏側なのか、折り目が見えます。
弁当を包んだ竹皮の裏にきれいな絵を描いておいて、食べ終わったら
竹皮を惜しげもなく川に流してしまった、という光琳の逸話を思い出します。

10番 中村芳中「白梅小禽図屏風」
琳派のたらし込みで描いた白梅の古木に、鳥が止まって鳴いています。
梅の花は丸く大まかで、鳥の顔もユーモラスです。

11番 中村芳中「月に萩鹿図」
絵柄は俵屋宗達風の鹿のシルエットですが、やはり顔がユーモラスです。
中村芳中の絵には、俳画風のおっとりとした味わいがあります。
中村芳中は大阪を中心に活躍した絵師で、1819年(文政2年)没とのことです。

15番 神坂雪佳「色紙貼付屏風」
梅に小家、かきつばたに小家などは、のどかな琳派風の絵柄です。
神坂雪佳(1866-1942)は琳派を学び、京都で活躍した画家とのことです。

23番 酒井抱一「桜に小禽図」
縦長の画面を上手く使い、桜の幹から下がる枝、枝に咲く桜、枝の先に止まる
青い小鳥を配しています。
この小鳥は細見美術館のHPの中を飛び回っています。

24番 鈴木其一「糸瓜に朝顔」
画面真中に大きな糸瓜が一本ぶら下がる、大胆で、とぼけた構図です。
左下の二輪の朝顔の青色がさわやかです。

25番 鈴木其一「雪中竹梅小禽図」
竹に積もった雪がなだれ落ち、雀が慌てて飛び立つ瞬間を捉えています。
滝のように落ちる雪の描写が面白いです。

38番 伊藤若冲「糸瓜群虫図」
青い糸瓜が何本も成っている周りに、蝶、トンボ、カマキリ、バッタ、カタツムリ
などが群れています。
いかにも夏らしい生命力を感じます。

40番 伊藤若冲「海老図」
墨絵による二匹の海老です。
若冲といえば鶏の絵で有名ですが、海老も生き生きとしています。

45番 伊藤若冲「花鳥図押絵貼屏風」
墨絵で、花と、鶏、オシドリ、カワセミ、鴉、雀などが描かれています。
濃淡を使い分けた描写には勢いがあり、力にあふれています。

琳派の穏やかな絵を観てきた後で、若冲のコーナーに入ると、その迫力に、
頬を打たれたような気がします。
墨絵だと、若冲特有の、くどいほどの色彩が無い分だけすっきりとして、
筆の描写力を楽しめます。

48番 森狙仙「猿図」
子猿が親猿にノミを取ってもらっているところです。
写実的でありながら、ほのぼのとした情感があります。
森狙仙(1747-1821)は、動物、特に猿の絵を得意とし、大阪を中心に活動した
絵師とのことです。

55番 「四条河原図巻」
江戸時代の京都四条河原の風俗です。
猿回し、熊や鷲や珍鳥の見世物と並んで、能舞台をしつらえて、「道成寺」を
演じています。
ちょうど、蛇となった白拍子が僧たちに祈り伏せられているところです。
能が河原から出てきたという昔を偲ばせます。

他にも、俵屋宗達と本阿弥光悦の色紙、千利休の手紙、葛飾北斎の
肉筆美人画など、とても見所の多い展覧会なので、会期が2週間というのは
勿体無いことです。

お向かいの丸善では創業140年記念「檸檬」万年筆の限定販売をしていました。
梶井基次郎の「檸檬」は京都丸善を舞台にしています。

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近所のガクアジサイは雨で濡れていました。

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【2009/06/07 11:58】 美術館・博物館 | トラックバック(1) | コメント(0) |
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日本橋高島屋8階ホールにて開催中の 細見美術館開館10周年記念展「日本の美と出会う-琳派・若冲・数寄の心-」に行って来ました。 見つけてみよう!: 伊藤若冲「糸瓜群虫図」の中に11匹の生き物が描かれています。 会場で発見出来ました?詳しくは以前書いたこち
【2009/06/15 23:16】

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