六本木・乃木坂
六本木のサントリー美術館では「琉球 美の宝庫」展が開かれています。
会期は9月2日(日)までで、休館日は火曜日です。

現在の沖縄はかつて琉球と呼ばれ、15世紀に尚氏によって統一されています。
そして、地の利を生かし、万国津梁(万国の架け橋)として、中国、日本、
東南アジア各地との交易で栄えています。
展覧会では染織、漆芸、絵画など、琉球の美術工芸が紹介されています。
会期中、細かい展示替があるので、展覧会のHPでご確認ください。
「玉冠(付簪)」 第二尚氏時代 18~19世紀 那覇市歴史博物館 国宝

8月22日からの展示で、それまでは復元品が展示されています。
金、銀、水晶、珊瑚、瑪瑙などの玉で飾られ、かんざしには龍が彫ってあります。
琉球は1406年に尚氏(第一尚氏)によって統一されますが、内乱などの後、1469年に
第二尚氏によって再統一されています。
琉球の染織は型染めである紅型(びんがた)が有名ですが、絣などさまざまな
織物もあります。
「紅色地龍宝珠瑞雲模様衣裳」 第二尚氏時代
18~19世紀 那覇市歴史博物館 国宝

7月30日までの展示です。
少年の衣装で、王家の印の龍、宝珠、瑞雲が紅型で描かれています。
琉球は気温、湿度が適度に高く、漆芸に適しており、漆工芸が盛んです。
「黒漆雲龍螺鈿大盆」 第二尚氏時代
18~19世紀浦添市美術館 沖縄県指定文化財

直径約85㎝の、タライほどもある大きなお盆で、黒漆の地に螺鈿の2匹のが
嵌め込まれています。
爪は5本あり、5本爪の龍は中国の皇帝のみが使用する意匠なので、
清への朝貢品と同型の品と思われます。
琉球王国は明や清の冊封を受け、朝貢使を送っています。
使節が朝貢品を持参すると中国皇帝は気前よくそれに倍する下賜品を
贈ってくれるので、朝貢貿易が成り立ちます。
「美御前御揃」 第二尚氏時代 15~18世紀 那覇市歴史博物館 国宝

王家の祝宴に用いられた膳で、金杯、銀杯や、ガラス玉で飾られた瓶が載っています。
朱漆の膳には、金で尚氏の家紋の左三つ巴が描かれています。
琉球王国は1609年に薩摩の島津氏の侵攻を受け、征服されますが、
王国としては存続し、清への朝貢を続けています。
琉球の島津氏と清への両属という特殊な関係は1879年の沖縄県の
設置によって終わります。
絵画も多く展示され、中国絵画の影響を強く受けていることが分かります。
「雪中雉子之図 座間味庸昌(殷元良)」 第二尚氏時代
18世紀 沖縄県立博物館・美術館 沖縄県指定文化財

8月6日までの展示です。
座間味庸昌(1719-1767)は琉球王国の宮廷画家で、清に渡り、絵を学んでいます。
殷元良は中国名です。
隣に展示されている、清の画家、章声の「雪中花鳥図」の模写ですが、
独自性も見られます。
沖縄に雪が降ることはほとんでありません。
進貢船や交易船で賑わう港を描いた屏風も展示されていて、交易の拠点だった
琉球の様を示しています。
沖縄は太平洋戦争の戦禍を受け、多くの貴重な文物が失われています。
それでも被害を免れ、展示されている「琉球国王尚家関係資料」など、美術工芸品の
数々の素晴らしさには驚きます。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は「京都・醍醐寺―真言密教の宇宙―」展です。
会期は9月19日(水)から11月11日(日)までです。

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六本木のサントリー美術館では「琉球 美の宝庫」展が開かれています。
会期は9月2日(日)までで、休館日は火曜日です。

現在の沖縄はかつて琉球と呼ばれ、15世紀に尚氏によって統一されています。
そして、地の利を生かし、万国津梁(万国の架け橋)として、中国、日本、
東南アジア各地との交易で栄えています。
展覧会では染織、漆芸、絵画など、琉球の美術工芸が紹介されています。
会期中、細かい展示替があるので、展覧会のHPでご確認ください。
「玉冠(付簪)」 第二尚氏時代 18~19世紀 那覇市歴史博物館 国宝

8月22日からの展示で、それまでは復元品が展示されています。
金、銀、水晶、珊瑚、瑪瑙などの玉で飾られ、かんざしには龍が彫ってあります。
琉球は1406年に尚氏(第一尚氏)によって統一されますが、内乱などの後、1469年に
第二尚氏によって再統一されています。
琉球の染織は型染めである紅型(びんがた)が有名ですが、絣などさまざまな
織物もあります。
「紅色地龍宝珠瑞雲模様衣裳」 第二尚氏時代
18~19世紀 那覇市歴史博物館 国宝

7月30日までの展示です。
少年の衣装で、王家の印の龍、宝珠、瑞雲が紅型で描かれています。
琉球は気温、湿度が適度に高く、漆芸に適しており、漆工芸が盛んです。
「黒漆雲龍螺鈿大盆」 第二尚氏時代
18~19世紀浦添市美術館 沖縄県指定文化財

直径約85㎝の、タライほどもある大きなお盆で、黒漆の地に螺鈿の2匹のが
嵌め込まれています。
爪は5本あり、5本爪の龍は中国の皇帝のみが使用する意匠なので、
清への朝貢品と同型の品と思われます。
琉球王国は明や清の冊封を受け、朝貢使を送っています。
使節が朝貢品を持参すると中国皇帝は気前よくそれに倍する下賜品を
贈ってくれるので、朝貢貿易が成り立ちます。
「美御前御揃」 第二尚氏時代 15~18世紀 那覇市歴史博物館 国宝

王家の祝宴に用いられた膳で、金杯、銀杯や、ガラス玉で飾られた瓶が載っています。
朱漆の膳には、金で尚氏の家紋の左三つ巴が描かれています。
琉球王国は1609年に薩摩の島津氏の侵攻を受け、征服されますが、
王国としては存続し、清への朝貢を続けています。
琉球の島津氏と清への両属という特殊な関係は1879年の沖縄県の
設置によって終わります。
絵画も多く展示され、中国絵画の影響を強く受けていることが分かります。
「雪中雉子之図 座間味庸昌(殷元良)」 第二尚氏時代
18世紀 沖縄県立博物館・美術館 沖縄県指定文化財

8月6日までの展示です。
座間味庸昌(1719-1767)は琉球王国の宮廷画家で、清に渡り、絵を学んでいます。
殷元良は中国名です。
隣に展示されている、清の画家、章声の「雪中花鳥図」の模写ですが、
独自性も見られます。
沖縄に雪が降ることはほとんでありません。
進貢船や交易船で賑わう港を描いた屏風も展示されていて、交易の拠点だった
琉球の様を示しています。
沖縄は太平洋戦争の戦禍を受け、多くの貴重な文物が失われています。
それでも被害を免れ、展示されている「琉球国王尚家関係資料」など、美術工芸品の
数々の素晴らしさには驚きます。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は「京都・醍醐寺―真言密教の宇宙―」展です。
会期は9月19日(水)から11月11日(日)までです。

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