表参道
南青山の根津美術館では特別展、「新・桃山の茶陶」が開かれています。
会期は12月16日(日)までです。

備前、志野、唐津、伊賀など、桃山時代に花開いた、日本の茶陶の展示です。
「水指 銘 青海」 備前 無釉陶器 室町時代 16世紀 徳川美術館重 要文化財

ずっしりと焼き締められた備前焼です。
備前焼の歴史は古く、後に茶器としても用いられるようになっています。
「黄瀬戸立鼓花入 銘 旅枕」 美濃 施釉陶器
桃山時代 16世紀 和泉市久保惣記念美術館 重要文化財

鼓のような面白い形をしています。
「黄瀬戸宝珠香合」 美濃 施釉陶器 桃山時代 16~17世紀 根津美術館

黄瀬戸は桃山時代を中心に焼かれた美濃焼のうち、黄色い釉薬を掛けた物です。
天辺の緑色がアクセントになっています。
「志野秋草文水指」 美濃 施釉陶器 桃山~江戸時代 16−17世紀 根津美術館

志野焼は美濃焼の一種で、茶人の志野宗信が作らせたのが始まりとされています。
「志野茶碗 銘 卯花墻(うのはながき)」 美濃 施釉陶器
桃山時代 16~17世紀 国宝 三井記念美術館

12月4日までの展示です。
白い釉を垣根に咲く卯の花に見立てています。
切り立った形で、歪みを持たせ、へらの跡も付け、桃山風の豪快な姿を
しています。
ぷつぷつと気泡の浮いた肌も鮮やかで力強さがあります。
日本で焼かれた茶碗で国宝に指定されているのは、これと本阿弥光悦作の
「白楽茶碗 銘 不二山」の二つだけです。
「鼠志野茶碗 銘 山の端」 美濃 施釉陶器
桃山時代 16~17世紀 根津美術館 重要文化財

五月雨ははれんとやする山端にかかれる雲のうすくなりゆく
花園天皇(1297-1348)の歌にちなんだ銘です。
花園天皇は実感に基いた歌風を旨とする京極派の歌人で、
この歌にもその姿勢がうかがえます。
「織部松皮菱形手鉢」 美濃 施釉陶器
桃山~江戸時代 17世紀 北村美術館 重要文化財

型を使って複雑な形に仕上げています。
織部焼は美濃焼の一種で、桃山時代に古田織部の考案で始められたとされています。
「絵唐津葦文徳利」 唐津 施釉陶器 桃山~江戸時代 17世紀 根津美術館

大きな徳利で、のびやかな筆遣いで葦が描かれています。
唐津焼は天正年間に始まったと思われ、茶器も生活雑器も作っています。
「耳付水指」 伊賀 無釉陶器 桃山~江戸時代 17世紀 個人蔵

どっしりと武骨な形をしていて、緑色のビードロ釉に味わいがあります
伊賀焼も古くからの焼物ですが、桃山時代に茶器も作り始めています。
最近、京都三条中之町の発掘により、多数の陶器が発見され、桃山時代から
江戸時代初期の茶陶の商店街、三条瀬戸物屋町の存在が明らかになっています。
展覧会では、そこで発掘された陶器類も展示されています。
お店によって、扱っていた茶陶の種類に変化があったようです。
展示室5は「手鑑」の展示です。
手鑑は歴史上有名な人物の歌集や写経などを切断した古筆切を貼り込んだ、
筆跡アルバムです。
古筆とは近世までに書写された写本類のことで、大部分は歌集などの仮名書きの
写本です。
古筆は近世になると珍重され、分割されて古筆切という断簡の形で流布します。
この古筆切を集めたアルバムが古筆手鑑(こひつてかがみ)で、江戸時代に発達します。
古筆手鑑の制作には専門の鑑定家が当たり、筆者を特定し、配列を決めています。
「手鑑文彩帖」 紙本・彩箋墨書 奈良~江戸時代 8~19世紀

展示室6のテーマは「茶人の正月-開炉-」です。
11月は茶室で炉が開かれ、席中が一新されることから、茶人の正月と呼ばれます。
「夕陽山水図」 馬麟筆・理宗賛
絹本墨画淡彩 南宋時代 宝祐2年(1254) 重要文化財

11月18日までの展示です。
遠山と夕焼け空、四羽のつばめが描かれ、詩が添えられています。
馬麟は馬遠の子で、南宋画院の画家、理宗(1205-1264)は南宋第5代皇帝です。
山含秋色近
鷰渡夕陽遅
「瀬戸正木手茶入 銘 正木」 江戸時代 17世紀

2色の釉薬でくっきりと色分けされ、正木の紅葉になぞらえて、
この銘が付けられています。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は企画展、「酒呑童子絵巻 鬼退治のものがたり」です。
会期は1月10日(木)から2月17日(日)までです。

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南青山の根津美術館では特別展、「新・桃山の茶陶」が開かれています。
会期は12月16日(日)までです。

備前、志野、唐津、伊賀など、桃山時代に花開いた、日本の茶陶の展示です。
「水指 銘 青海」 備前 無釉陶器 室町時代 16世紀 徳川美術館重 要文化財

ずっしりと焼き締められた備前焼です。
備前焼の歴史は古く、後に茶器としても用いられるようになっています。
「黄瀬戸立鼓花入 銘 旅枕」 美濃 施釉陶器
桃山時代 16世紀 和泉市久保惣記念美術館 重要文化財

鼓のような面白い形をしています。
「黄瀬戸宝珠香合」 美濃 施釉陶器 桃山時代 16~17世紀 根津美術館

黄瀬戸は桃山時代を中心に焼かれた美濃焼のうち、黄色い釉薬を掛けた物です。
天辺の緑色がアクセントになっています。
「志野秋草文水指」 美濃 施釉陶器 桃山~江戸時代 16−17世紀 根津美術館

志野焼は美濃焼の一種で、茶人の志野宗信が作らせたのが始まりとされています。
「志野茶碗 銘 卯花墻(うのはながき)」 美濃 施釉陶器
桃山時代 16~17世紀 国宝 三井記念美術館

12月4日までの展示です。
白い釉を垣根に咲く卯の花に見立てています。
切り立った形で、歪みを持たせ、へらの跡も付け、桃山風の豪快な姿を
しています。
ぷつぷつと気泡の浮いた肌も鮮やかで力強さがあります。
日本で焼かれた茶碗で国宝に指定されているのは、これと本阿弥光悦作の
「白楽茶碗 銘 不二山」の二つだけです。
「鼠志野茶碗 銘 山の端」 美濃 施釉陶器
桃山時代 16~17世紀 根津美術館 重要文化財

五月雨ははれんとやする山端にかかれる雲のうすくなりゆく
花園天皇(1297-1348)の歌にちなんだ銘です。
花園天皇は実感に基いた歌風を旨とする京極派の歌人で、
この歌にもその姿勢がうかがえます。
「織部松皮菱形手鉢」 美濃 施釉陶器
桃山~江戸時代 17世紀 北村美術館 重要文化財

型を使って複雑な形に仕上げています。
織部焼は美濃焼の一種で、桃山時代に古田織部の考案で始められたとされています。
「絵唐津葦文徳利」 唐津 施釉陶器 桃山~江戸時代 17世紀 根津美術館

大きな徳利で、のびやかな筆遣いで葦が描かれています。
唐津焼は天正年間に始まったと思われ、茶器も生活雑器も作っています。
「耳付水指」 伊賀 無釉陶器 桃山~江戸時代 17世紀 個人蔵

どっしりと武骨な形をしていて、緑色のビードロ釉に味わいがあります
伊賀焼も古くからの焼物ですが、桃山時代に茶器も作り始めています。
最近、京都三条中之町の発掘により、多数の陶器が発見され、桃山時代から
江戸時代初期の茶陶の商店街、三条瀬戸物屋町の存在が明らかになっています。
展覧会では、そこで発掘された陶器類も展示されています。
お店によって、扱っていた茶陶の種類に変化があったようです。
展示室5は「手鑑」の展示です。
手鑑は歴史上有名な人物の歌集や写経などを切断した古筆切を貼り込んだ、
筆跡アルバムです。
古筆とは近世までに書写された写本類のことで、大部分は歌集などの仮名書きの
写本です。
古筆は近世になると珍重され、分割されて古筆切という断簡の形で流布します。
この古筆切を集めたアルバムが古筆手鑑(こひつてかがみ)で、江戸時代に発達します。
古筆手鑑の制作には専門の鑑定家が当たり、筆者を特定し、配列を決めています。
「手鑑文彩帖」 紙本・彩箋墨書 奈良~江戸時代 8~19世紀

展示室6のテーマは「茶人の正月-開炉-」です。
11月は茶室で炉が開かれ、席中が一新されることから、茶人の正月と呼ばれます。
「夕陽山水図」 馬麟筆・理宗賛
絹本墨画淡彩 南宋時代 宝祐2年(1254) 重要文化財

11月18日までの展示です。
遠山と夕焼け空、四羽のつばめが描かれ、詩が添えられています。
馬麟は馬遠の子で、南宋画院の画家、理宗(1205-1264)は南宋第5代皇帝です。
山含秋色近
鷰渡夕陽遅
「瀬戸正木手茶入 銘 正木」 江戸時代 17世紀

2色の釉薬でくっきりと色分けされ、正木の紅葉になぞらえて、
この銘が付けられています。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は企画展、「酒呑童子絵巻 鬼退治のものがたり」です。
会期は1月10日(木)から2月17日(日)までです。

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