大手町
宮内庁三の丸尚蔵館では、「明治美術の一断面 —研ぎ澄まされた技と美」展が
開かれています。
会期は12月24日(月・振替休)まで、入館は無料です。
11月25日までの前期と12月1日からの後期で一部の展示替えがあります。

日本美術の大きな変革期だった明治時代に制作された絵画、彫刻、工芸、写真の展示で、
江戸時代から続く超絶技巧と、西洋の影響を受けた迫真的な写実が特徴となっています。
「竹籠に葡萄虫行列図花瓶」 初代宮川香山 明治10年(1877) 全期間展示

器に立体的な造形を施す高浮彫で有名な初代宮川香山(1842-1916)の作品です。
竹籠の中のブドウの蔓を虫たちが大名行列を組んで歩いています。
同じ形の壺を2つ揃えるのは陶磁器の輸出先である西洋の好みに合わせたものです。
2016年にサントリー美術館で開かれた、「没後100年 宮川香山展」の記事です。
「七宝四季花鳥図花瓶」 並河靖之 明治32年(1899) 全期間展示

並河靖之(1845-1927)は色の境目に金属線を置く有線七宝で有名です。
並河靖之の特徴の艶やかな紫がかった黒を背景に、薄紅の桜の花、反対側に
新緑のもみじを配しています。
2017年に東京都庭園美術館で開かれた、「並河靖之七宝展」の記事です。
「矮鶏置物」 高村光雲 明治22年(1889) 前期展示

日本美術協会美術博覧会に雄のチャボが出展され、宮内省買上げとなりましたが、
宮内省から雄1羽だけでは淋しいので雌も作ってほしいとの依頼があり、
雌雄のつがいになったそうです。
雄のチャボは片脚を上げ、尾羽を立てています。
「官女置物」 旭玉山 明治34年(1901) 前期展示

象牙を彫る牙彫で、象牙をうまくつなぎ合わせて、牙彫には珍しい高さ50㎝近い
大きな作品にしています。
原型造りに1年、牙彫に2年かかっており、衣装には向かい蝶や桜花の文様も彫られた、
精巧なつくりです。
旭玉山(1843-1923)は牙彫作家で、東京美術学校の教授も勤めています。
高村光雲の回想によれば、明治時代の彫刻は輸出用の牙彫が盛んで、
木彫は少なかったそうです。
「瓦片鳩」 山田宗美 明治38年(1905) 後期展示

古瓦に止まっている鳩です。
山田宗美(1871-1916)は石川県加賀市出身で、1枚の鉄板から打ち出す
鍛金の技法により制作しています。
「和気清麿奏神教図」 佐久間文吾 明治23年(1890) 全期間展示


佐久間文吾(1868-1940)は本多錦吉郎(1851-1921)に学んだ洋画家で、
明治美術協会の創立に参加しています。
若い頃の作品で、明治美術協会らしい、歴史を題材にした写実的で暗めの画面です。
和気清麻呂(733-799)は道鏡が皇位に就くのを阻む宇佐八幡宮の神託を称徳天皇に
奏上したことで有名です。
奏上の場面で、その顔には清麻呂の決然とした気迫がみなぎっており、歴史画として
見事な出来栄えです。
「群猿之図」 川端玉章 明治23年(1890)頃 後期展示

川端玉章(1842-1913)は応挙の孫弟子の中島来章に入門しています。
東京に出て高橋由一から洋画も学び、後には東京美術学校の教授も勤めています。
大きな作品で、うねるように上昇していく岩と藤の木には勢いがあり、それに
取り付く猿たちの動きを上手く捉えています。
展覧会のHPです。
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宮内庁三の丸尚蔵館では、「明治美術の一断面 —研ぎ澄まされた技と美」展が
開かれています。
会期は12月24日(月・振替休)まで、入館は無料です。
11月25日までの前期と12月1日からの後期で一部の展示替えがあります。

日本美術の大きな変革期だった明治時代に制作された絵画、彫刻、工芸、写真の展示で、
江戸時代から続く超絶技巧と、西洋の影響を受けた迫真的な写実が特徴となっています。
「竹籠に葡萄虫行列図花瓶」 初代宮川香山 明治10年(1877) 全期間展示

器に立体的な造形を施す高浮彫で有名な初代宮川香山(1842-1916)の作品です。
竹籠の中のブドウの蔓を虫たちが大名行列を組んで歩いています。
同じ形の壺を2つ揃えるのは陶磁器の輸出先である西洋の好みに合わせたものです。
2016年にサントリー美術館で開かれた、「没後100年 宮川香山展」の記事です。
「七宝四季花鳥図花瓶」 並河靖之 明治32年(1899) 全期間展示

並河靖之(1845-1927)は色の境目に金属線を置く有線七宝で有名です。
並河靖之の特徴の艶やかな紫がかった黒を背景に、薄紅の桜の花、反対側に
新緑のもみじを配しています。
2017年に東京都庭園美術館で開かれた、「並河靖之七宝展」の記事です。
「矮鶏置物」 高村光雲 明治22年(1889) 前期展示

日本美術協会美術博覧会に雄のチャボが出展され、宮内省買上げとなりましたが、
宮内省から雄1羽だけでは淋しいので雌も作ってほしいとの依頼があり、
雌雄のつがいになったそうです。
雄のチャボは片脚を上げ、尾羽を立てています。
「官女置物」 旭玉山 明治34年(1901) 前期展示

象牙を彫る牙彫で、象牙をうまくつなぎ合わせて、牙彫には珍しい高さ50㎝近い
大きな作品にしています。
原型造りに1年、牙彫に2年かかっており、衣装には向かい蝶や桜花の文様も彫られた、
精巧なつくりです。
旭玉山(1843-1923)は牙彫作家で、東京美術学校の教授も勤めています。
高村光雲の回想によれば、明治時代の彫刻は輸出用の牙彫が盛んで、
木彫は少なかったそうです。
「瓦片鳩」 山田宗美 明治38年(1905) 後期展示

古瓦に止まっている鳩です。
山田宗美(1871-1916)は石川県加賀市出身で、1枚の鉄板から打ち出す
鍛金の技法により制作しています。
「和気清麿奏神教図」 佐久間文吾 明治23年(1890) 全期間展示


佐久間文吾(1868-1940)は本多錦吉郎(1851-1921)に学んだ洋画家で、
明治美術協会の創立に参加しています。
若い頃の作品で、明治美術協会らしい、歴史を題材にした写実的で暗めの画面です。
和気清麻呂(733-799)は道鏡が皇位に就くのを阻む宇佐八幡宮の神託を称徳天皇に
奏上したことで有名です。
奏上の場面で、その顔には清麻呂の決然とした気迫がみなぎっており、歴史画として
見事な出来栄えです。
「群猿之図」 川端玉章 明治23年(1890)頃 後期展示

川端玉章(1842-1913)は応挙の孫弟子の中島来章に入門しています。
東京に出て高橋由一から洋画も学び、後には東京美術学校の教授も勤めています。
大きな作品で、うねるように上昇していく岩と藤の木には勢いがあり、それに
取り付く猿たちの動きを上手く捉えています。
展覧会のHPです。
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