六本木1丁目
六本木の泉屋博古館分館では、「神々のやどる器―中国青銅器の文様―」展が
開かれています。
会期は12月24日(月・祝)までです。

11月16日にブロガー内覧会があったので行ってきました。
野地耕一郎分館長の解説の後、泉屋博古館の廣川守副館長と山本尭学芸員の
解説を伺いました。
写真は特別の許可を得て撮影したものです。
泉屋博古館の所蔵する中国古代の青銅器の展示で、今回は動物や神を表す文様に
焦点を当て、どんな動物が表されているか分かりやすく解説した写真も添えられています。


中国では3千数百年前からの約700年間、青銅器が祭祀のため盛んに製作されていました。
文様の多くは動物で、想像上の動物もあり、神を動物の姿を借りて表したそうです。
「虎卣(こゆう)」 商後期 前11世紀

動物の部分を分かりやすく彩色した写真も付いています。

虎が後足と尾で立って、人を抱えた形をしています。
邪鬼を食べているのか人を守護しているのか、その意味は不明とのことです。
虎の他にも蛇、鹿、龍などや饕餮(とうてつ)文などが鋳出してあります。
卣は先祖に捧げる酒を容れる弦付きの壺です。
饕餮は何でも食ってしまう怪物で、魔除けとされ、よく青銅器の文様になっています。
「戈卣(かゆう)」 商後期 前12世紀


可愛いということで、泉屋博古館のスタッフの中で一番人気のある青銅器だそうです。
ミミズクが背中合わせになった形をしていて、饕餮、龍、鳥の文様が入っています。
蓋に「戈」の銘が入っていることから、この名があります。
「鬲父乙盉(れきふいつか)」 西周前期 前12世紀


酒を注ぐ器で、胴と蓋に龍が入っています。
把手の内側に「鬲父乙」の銘があります。
「犠首方尊(ぎしゅほうそん)」 商後期 前12世紀

犠首(動物の頭部)の付いた酒器です。
高さ53.3㎝、重さ10.5㎏あります。
そのレプリカです。

本物は厚さが2~3㎜と極めて薄く、再現しても6㎜になってしまうため、
重さも18㎏あるそうです。
商や周の時代に盛んだった、まつりごとの具として青銅器を用いる習慣はやがて廃れ、
個人の持物として霊力を持つ鏡が盛んに生産されるようになります。

「四螭文鏡(しちもんきょう)」 戦国後期 前3世紀


螭は水に棲むとされる、龍の一種です。
スリムな形で、唐草模様のようです。
京都府城陽市の久津川車塚古墳から出土した鏡も展示されています。
「三角縁四神四獣鏡」 三国時代 3世紀 重要文化財

三角縁神獣鏡は近畿地方を中心に大量に出土しており、邪馬台国の卑弥呼が
魏から賜った鏡の一部ではないかとの説もありますが、中国や朝鮮では
出土しておらず、国産ではないかとも言われています。
西宮市の黒川古文化研究所の所蔵する商後期の骨杯と骨柶の展示もあります。

原生のものより大きなアジア象の脚の骨を使った杯と柄杓の欠片で、大きなものは
高さ43㎝、幅14㎝もあったそうです。
表面にはびっしりと文様が彫ってあります。
饕餮、龍、鳳凰、四神などについて丁寧な解説があり、神や獣が時を経るにつれ、
形を変えていく様子も分かって、なかなか面白い展覧会です。
展覧会のHPです。
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六本木の泉屋博古館分館では、「神々のやどる器―中国青銅器の文様―」展が
開かれています。
会期は12月24日(月・祝)までです。

11月16日にブロガー内覧会があったので行ってきました。
野地耕一郎分館長の解説の後、泉屋博古館の廣川守副館長と山本尭学芸員の
解説を伺いました。
写真は特別の許可を得て撮影したものです。
泉屋博古館の所蔵する中国古代の青銅器の展示で、今回は動物や神を表す文様に
焦点を当て、どんな動物が表されているか分かりやすく解説した写真も添えられています。


中国では3千数百年前からの約700年間、青銅器が祭祀のため盛んに製作されていました。
文様の多くは動物で、想像上の動物もあり、神を動物の姿を借りて表したそうです。
「虎卣(こゆう)」 商後期 前11世紀

動物の部分を分かりやすく彩色した写真も付いています。

虎が後足と尾で立って、人を抱えた形をしています。
邪鬼を食べているのか人を守護しているのか、その意味は不明とのことです。
虎の他にも蛇、鹿、龍などや饕餮(とうてつ)文などが鋳出してあります。
卣は先祖に捧げる酒を容れる弦付きの壺です。
饕餮は何でも食ってしまう怪物で、魔除けとされ、よく青銅器の文様になっています。
「戈卣(かゆう)」 商後期 前12世紀


可愛いということで、泉屋博古館のスタッフの中で一番人気のある青銅器だそうです。
ミミズクが背中合わせになった形をしていて、饕餮、龍、鳥の文様が入っています。
蓋に「戈」の銘が入っていることから、この名があります。
「鬲父乙盉(れきふいつか)」 西周前期 前12世紀


酒を注ぐ器で、胴と蓋に龍が入っています。
把手の内側に「鬲父乙」の銘があります。
「犠首方尊(ぎしゅほうそん)」 商後期 前12世紀

犠首(動物の頭部)の付いた酒器です。
高さ53.3㎝、重さ10.5㎏あります。
そのレプリカです。

本物は厚さが2~3㎜と極めて薄く、再現しても6㎜になってしまうため、
重さも18㎏あるそうです。
商や周の時代に盛んだった、まつりごとの具として青銅器を用いる習慣はやがて廃れ、
個人の持物として霊力を持つ鏡が盛んに生産されるようになります。

「四螭文鏡(しちもんきょう)」 戦国後期 前3世紀


螭は水に棲むとされる、龍の一種です。
スリムな形で、唐草模様のようです。
京都府城陽市の久津川車塚古墳から出土した鏡も展示されています。
「三角縁四神四獣鏡」 三国時代 3世紀 重要文化財

三角縁神獣鏡は近畿地方を中心に大量に出土しており、邪馬台国の卑弥呼が
魏から賜った鏡の一部ではないかとの説もありますが、中国や朝鮮では
出土しておらず、国産ではないかとも言われています。
西宮市の黒川古文化研究所の所蔵する商後期の骨杯と骨柶の展示もあります。

原生のものより大きなアジア象の脚の骨を使った杯と柄杓の欠片で、大きなものは
高さ43㎝、幅14㎝もあったそうです。
表面にはびっしりと文様が彫ってあります。
饕餮、龍、鳳凰、四神などについて丁寧な解説があり、神や獣が時を経るにつれ、
形を変えていく様子も分かって、なかなか面白い展覧会です。
展覧会のHPです。
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