渋谷
渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは、「ロマンティックロシア展」が開かれています。
会期は2019年1月27日(日)までです。

ロシア美術の作品約20万点のコレクションで知られる、モスクワのトレチャコフ美術館の
所蔵する19世紀後半から20世紀初めの絵画作品、約70点が展示されています。
展示は風景、人物、子ども、生活など、題材別にされています。
イワン・クラムスコイ 「忘れえぬ女」 1883年

毛皮のコートを着た若い女性が馬車の上からこちらを見ています。
サンクトペテルブルクの街頭で出会った女性の印象を基に描いたものでしょうか。
瞳は黒く、東洋風の面影があり、その表情は謎めいています。
背景は薄く描かれ、女性の姿を際立たせています。
イワン・クラムスコイ(1837-1887)は西欧風のアカデミズムによる美術教育に対抗し、
ロシア的な写実主義を提唱する「移動派」を1870年に発足させています。
移動派の名前は全国を移動して展覧会を開いたことによるものです。
イワン・クラムスコイ 「月明かりの夜」 1880年

夜の庭のベンチで、白い衣装の女性が月の光に照らされて池の白い睡蓮を眺めています。
幻想的な雰囲気の作品で、写実的でありながらロマンティックな作風は移動派の特徴です。
以下の作家もすべて移動派に参加しています。
風景画は全体の半分近く、33点あり、春夏秋冬に分けて展示されています。
アブラム・アルピーホフ(1862-1930) 「帰り道」 1896年

夕暮れの広漠とした平原を馬車が行き、馬の脚は砂ぼこりを立てています。
春の景色で、野の花も咲いています。
イワン・シーシキン 「正午、モスクワ郊外」 1869年

広々とした夏の草原には白雲が沸き上がり、金色に輝くライ麦の間の道を
農民が行き、遠くの村には教会の尖塔も見えます。
いかにもロシアらしい情景で、この展覧会で一番印象に残った作品です。
イワン・シーシキン(1832-1898)はロシアの代表的な風景画家です。
シーシキンの風景画は5点、展示されています。
ワシーリー・バクシェーエフ 「樹氷」 1900年

木々に付いた樹氷は日光を浴びて照り輝き、人の姿はなく、静まり返っています。
ワシーリー・バクシェーエフ(1862-1958)は風景画を得意としています。
長命だったようで、ロシア革命、第二次大戦を生き抜いています。
ウラジーミル・マコフスキー 「ジャム作り」 1876年

ロシア人の好きなダーチャ(郊外の簡易別荘)で、暖かい陽射しの下、
老夫婦がのんびりジャムを作っています。
ウラジーミル・マコフスキー(1846-1920)は庶民の生活や社会の様子を
描いた画家です。
ワシーリー・コマロフ(1868-1918) 「ワーリャ・ホダセーヴィチの肖像」 1900年

ざっくりとした筆遣いで、赤色が効果的に使われています。
フランスでは印象派の興った時期に当たりますが、どれも分かりやすい写実画で、
特に風景画には魂のこもった写実を感じます。
ロシア絵画をまとめて観る機会はあまり無い中で、見応えのある展覧会です。
2012年には同じ渋谷のBunkamura、ザ・ミュージアムで、「国立トレチャコフ美術館所蔵
レーピン展」が開かれていました。
「レーピン展」の記事です。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は、「クマのプーさん展」です。
会期は2019年2月9日(土)から4月14日(日)です。

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渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムでは、「ロマンティックロシア展」が開かれています。
会期は2019年1月27日(日)までです。

ロシア美術の作品約20万点のコレクションで知られる、モスクワのトレチャコフ美術館の
所蔵する19世紀後半から20世紀初めの絵画作品、約70点が展示されています。
展示は風景、人物、子ども、生活など、題材別にされています。
イワン・クラムスコイ 「忘れえぬ女」 1883年

毛皮のコートを着た若い女性が馬車の上からこちらを見ています。
サンクトペテルブルクの街頭で出会った女性の印象を基に描いたものでしょうか。
瞳は黒く、東洋風の面影があり、その表情は謎めいています。
背景は薄く描かれ、女性の姿を際立たせています。
イワン・クラムスコイ(1837-1887)は西欧風のアカデミズムによる美術教育に対抗し、
ロシア的な写実主義を提唱する「移動派」を1870年に発足させています。
移動派の名前は全国を移動して展覧会を開いたことによるものです。
イワン・クラムスコイ 「月明かりの夜」 1880年

夜の庭のベンチで、白い衣装の女性が月の光に照らされて池の白い睡蓮を眺めています。
幻想的な雰囲気の作品で、写実的でありながらロマンティックな作風は移動派の特徴です。
以下の作家もすべて移動派に参加しています。
風景画は全体の半分近く、33点あり、春夏秋冬に分けて展示されています。
アブラム・アルピーホフ(1862-1930) 「帰り道」 1896年

夕暮れの広漠とした平原を馬車が行き、馬の脚は砂ぼこりを立てています。
春の景色で、野の花も咲いています。
イワン・シーシキン 「正午、モスクワ郊外」 1869年

広々とした夏の草原には白雲が沸き上がり、金色に輝くライ麦の間の道を
農民が行き、遠くの村には教会の尖塔も見えます。
いかにもロシアらしい情景で、この展覧会で一番印象に残った作品です。
イワン・シーシキン(1832-1898)はロシアの代表的な風景画家です。
シーシキンの風景画は5点、展示されています。
ワシーリー・バクシェーエフ 「樹氷」 1900年

木々に付いた樹氷は日光を浴びて照り輝き、人の姿はなく、静まり返っています。
ワシーリー・バクシェーエフ(1862-1958)は風景画を得意としています。
長命だったようで、ロシア革命、第二次大戦を生き抜いています。
ウラジーミル・マコフスキー 「ジャム作り」 1876年

ロシア人の好きなダーチャ(郊外の簡易別荘)で、暖かい陽射しの下、
老夫婦がのんびりジャムを作っています。
ウラジーミル・マコフスキー(1846-1920)は庶民の生活や社会の様子を
描いた画家です。
ワシーリー・コマロフ(1868-1918) 「ワーリャ・ホダセーヴィチの肖像」 1900年

ざっくりとした筆遣いで、赤色が効果的に使われています。
フランスでは印象派の興った時期に当たりますが、どれも分かりやすい写実画で、
特に風景画には魂のこもった写実を感じます。
ロシア絵画をまとめて観る機会はあまり無い中で、見応えのある展覧会です。
2012年には同じ渋谷のBunkamura、ザ・ミュージアムで、「国立トレチャコフ美術館所蔵
レーピン展」が開かれていました。
「レーピン展」の記事です。
展覧会のHPです。
次回の展覧会は、「クマのプーさん展」です。
会期は2019年2月9日(土)から4月14日(日)です。

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