上野
上野の国立西洋美術館の版画素描展示室では、「ローマの景観 そのイメージと
メディアの変遷」展が開かれています。
会期は2019年1月20日(日)までです。

ローマの景観を描いた版画で有名な18世紀イタリアの版画家、ジョヴァンニ・バッティスタ・
ピラネージ(1720-1778)の作品を中心に、ローマを描いた作品や写真、35点が
展示されています。
写真は東京都写真美術館の所蔵する、木村伊兵衛や佐藤時啓の作品18点です。
ピラネージ 「ローマの景観」より「コロセウム」
エッチング、エングレーヴィング 1761年 国立西洋美術館

他に、コンスタンティヌス凱旋門、トラヤヌス記念柱、サン・ピエトロ広場、
パンテオンなどを描いた作品もあります。
18世紀には英国の上流階級の子弟は見聞を広めるため、道路が開かれて交通の
容易になったスイスを経由してイタリアに旅行する、グランド・ツァーが流行します。
その時に見た物を記憶に留め、故郷への土産にもするため、ローマなど
イタリアの景観を描いた版画の需要が高まります。
ピラネージはそれに応えて、1747年頃から生涯にわたって 「ローマの景観」の
制作を続けています。
19世紀に登場した写真もローマの風景を撮影する際、ピラネージの作品を
参考にしていたそうです。
ユベール・ロベール 「マルクス・アウレリウス騎馬像、トラヤヌス記念柱、
神殿の見える 空想のローマ景観」 1786年 国立西洋美術館


高さ161cmの大きな作品で、ローマの別々の場所にある建築やモニュメントを
並べています。
トラヤヌス帝記念柱、マルクス・アウレリウス帝騎馬像、オベリスク、
古代ローマ神殿などを組み合わせています。
ユベール・ロベール(1733-1808)はフランスの風景画家で、荒廃した古代神殿や
モニュメントのある風景を描いて、「廃墟のロベール」と呼ばれました。
展覧会のHPです。
国立西洋美術館では、「ルーベンス展―バロックの誕生」が開かれています。
会期は「ローマの景観」展と同じく、2019年1月20日(日)までです。
「ルーベンス展」の記事です。

常設展では国立西洋美術館が2018年度に収蔵した、ルーカス・クラーナハ(父)の
「ホロフェルネスの首を持つユディト」(1530年頃)が展示されています。

高さ37.2㎝の小品で、板に油彩で描かれています。
旧約聖書外典のユディト記の話で、ユディトは酔って寝込んだアッシリアの将軍
ホロフェルネスの首を刎ねて、ユダヤの町を救っています。
人気のある画題で、クラーナハはユディトを10数点描いています。
豪華な衣装と冷ややかな微笑みが魅力です。
2016年に同じ国立西洋美術館で開かれた、「クラーナハ展 500年後の誘惑」の記事です。
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上野の国立西洋美術館の版画素描展示室では、「ローマの景観 そのイメージと
メディアの変遷」展が開かれています。
会期は2019年1月20日(日)までです。

ローマの景観を描いた版画で有名な18世紀イタリアの版画家、ジョヴァンニ・バッティスタ・
ピラネージ(1720-1778)の作品を中心に、ローマを描いた作品や写真、35点が
展示されています。
写真は東京都写真美術館の所蔵する、木村伊兵衛や佐藤時啓の作品18点です。
ピラネージ 「ローマの景観」より「コロセウム」
エッチング、エングレーヴィング 1761年 国立西洋美術館

他に、コンスタンティヌス凱旋門、トラヤヌス記念柱、サン・ピエトロ広場、
パンテオンなどを描いた作品もあります。
18世紀には英国の上流階級の子弟は見聞を広めるため、道路が開かれて交通の
容易になったスイスを経由してイタリアに旅行する、グランド・ツァーが流行します。
その時に見た物を記憶に留め、故郷への土産にもするため、ローマなど
イタリアの景観を描いた版画の需要が高まります。
ピラネージはそれに応えて、1747年頃から生涯にわたって 「ローマの景観」の
制作を続けています。
19世紀に登場した写真もローマの風景を撮影する際、ピラネージの作品を
参考にしていたそうです。
ユベール・ロベール 「マルクス・アウレリウス騎馬像、トラヤヌス記念柱、
神殿の見える 空想のローマ景観」 1786年 国立西洋美術館


高さ161cmの大きな作品で、ローマの別々の場所にある建築やモニュメントを
並べています。
トラヤヌス帝記念柱、マルクス・アウレリウス帝騎馬像、オベリスク、
古代ローマ神殿などを組み合わせています。
ユベール・ロベール(1733-1808)はフランスの風景画家で、荒廃した古代神殿や
モニュメントのある風景を描いて、「廃墟のロベール」と呼ばれました。
展覧会のHPです。
国立西洋美術館では、「ルーベンス展―バロックの誕生」が開かれています。
会期は「ローマの景観」展と同じく、2019年1月20日(日)までです。
「ルーベンス展」の記事です。

常設展では国立西洋美術館が2018年度に収蔵した、ルーカス・クラーナハ(父)の
「ホロフェルネスの首を持つユディト」(1530年頃)が展示されています。

高さ37.2㎝の小品で、板に油彩で描かれています。
旧約聖書外典のユディト記の話で、ユディトは酔って寝込んだアッシリアの将軍
ホロフェルネスの首を刎ねて、ユダヤの町を救っています。
人気のある画題で、クラーナハはユディトを10数点描いています。
豪華な衣装と冷ややかな微笑みが魅力です。
2016年に同じ国立西洋美術館で開かれた、「クラーナハ展 500年後の誘惑」の記事です。
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