三越前
日本橋三越本店7階催物会場では「棟方志功の福光時代展 信仰と美の出会い」が
開かれています。
会期は1月7日(月)まで、入場料は一般800円です。

棟方志功(1903-1975)は1945年に富山県の福光(ふくみつ)町、現在の南砺市に
疎開のため移住し、1954年に東京に戻るまで過ごしています。
40歳台の元気な時期で、棟方は多くの作品を残しています。
「鐘渓頌」全24点の内、「唐衣」 1945年 木版・彩色 雪梁舎美術館寄託

六曲一双の屏風に貼られた24点の内の一つで、陽刻と陰刻が程良く混ざっています。
尊敬する河井寛次郎に捧げた作品で、河井寛次郎は京都の五条坂の窯を「鐘渓窯」と
名付けています。
棟方は柳宗悦や河井寛次郎など、民芸運動の人たちと交流し、強い影響を受けています。
棟方は河井寛次郎の紹介で、福光町の浄土真宗大谷派光徳寺の住職、高坂貫昭と
知り合った縁で、戦時中は光徳寺に疎開しています。
そこで棟方は浄土真宗の教えを深く身に沁み込ませています。
「五智菩薩図」 1946年 書・倭画 西方寺蔵

襖の嵌められた室内の写真

襖に1枚ずつ、菩薩などの絵と共に、萬里水運慈航又何處(仏の慈悲により
迷いから悟りへの長い航海はどこまでも続く)と書かれています。
西方寺は南砺市にある、浄土真宗大谷派の寺院です。
棟方の作品には、祈り、信仰心が強く表れています。
「御松図」 1946年 倭画 西方寺蔵

襖絵で、生命力のみなぎる松が画面いっぱいに、あふれるように描かれています。
「四季福光風景」全4点の内、「小矢部早春」
1953年 倭画 福光美術館蔵

福光の四季の自然を描いた肉筆画の掛軸です。
棟方は自分の日本画を倭画(やまとが)と呼んでいます。
ミミズクと、福光を流れる小矢部川を描き、歌に詠んでいます。
小矢部川 雪解けおるも 吾妹子(わぎもこ)の 矢羽根紫 袂香ふも
万葉調の歌で、越中の国(富山県)は大伴家持が国司として赴任したこともあります。
他にも代表作の「二菩薩釈迦十大弟子図」など、多数の力作が展示されており、
もっと広い会場で長く展示されてもよさそうな、充実した展覧会です。
2012年に同じ三越本店で開かれた「棟方志功 幻の肉筆画展」の記事です。
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日本橋三越本店7階催物会場では「棟方志功の福光時代展 信仰と美の出会い」が
開かれています。
会期は1月7日(月)まで、入場料は一般800円です。

棟方志功(1903-1975)は1945年に富山県の福光(ふくみつ)町、現在の南砺市に
疎開のため移住し、1954年に東京に戻るまで過ごしています。
40歳台の元気な時期で、棟方は多くの作品を残しています。
「鐘渓頌」全24点の内、「唐衣」 1945年 木版・彩色 雪梁舎美術館寄託

六曲一双の屏風に貼られた24点の内の一つで、陽刻と陰刻が程良く混ざっています。
尊敬する河井寛次郎に捧げた作品で、河井寛次郎は京都の五条坂の窯を「鐘渓窯」と
名付けています。
棟方は柳宗悦や河井寛次郎など、民芸運動の人たちと交流し、強い影響を受けています。
棟方は河井寛次郎の紹介で、福光町の浄土真宗大谷派光徳寺の住職、高坂貫昭と
知り合った縁で、戦時中は光徳寺に疎開しています。
そこで棟方は浄土真宗の教えを深く身に沁み込ませています。
「五智菩薩図」 1946年 書・倭画 西方寺蔵

襖の嵌められた室内の写真

襖に1枚ずつ、菩薩などの絵と共に、萬里水運慈航又何處(仏の慈悲により
迷いから悟りへの長い航海はどこまでも続く)と書かれています。
西方寺は南砺市にある、浄土真宗大谷派の寺院です。
棟方の作品には、祈り、信仰心が強く表れています。
「御松図」 1946年 倭画 西方寺蔵

襖絵で、生命力のみなぎる松が画面いっぱいに、あふれるように描かれています。
「四季福光風景」全4点の内、「小矢部早春」
1953年 倭画 福光美術館蔵

福光の四季の自然を描いた肉筆画の掛軸です。
棟方は自分の日本画を倭画(やまとが)と呼んでいます。
ミミズクと、福光を流れる小矢部川を描き、歌に詠んでいます。
小矢部川 雪解けおるも 吾妹子(わぎもこ)の 矢羽根紫 袂香ふも
万葉調の歌で、越中の国(富山県)は大伴家持が国司として赴任したこともあります。
他にも代表作の「二菩薩釈迦十大弟子図」など、多数の力作が展示されており、
もっと広い会場で長く展示されてもよさそうな、充実した展覧会です。
2012年に同じ三越本店で開かれた「棟方志功 幻の肉筆画展」の記事です。
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