上野
上野の東京国立博物館平成館では御即位記念特別展、「正倉院の世界
―皇室がまもり伝えた美―」が開かれています。
会期は11月24日(日)までです。
11月4日までの前期と6日からの後期でかなりの展示替えがありますので、
展覧会のHPでご確認ください。

天皇陛下の即位を記念して、正倉院宝物と法隆寺献納宝物を同時に展示する展覧会です。
正倉院宝物は聖武天皇、光明皇后遺愛の品を東大寺に献納したものを中心にしたもので、
現在は宮内庁の正倉院事務所が管理しています。
「東大寺献物帳」(国家珍宝帳)(部分)
奈良時代・天平勝宝8歳(756年) 正倉院宝物

前期の展示です。
五巻ある献納品の目録の内の国家珍宝帳で、盧舎那仏に奉献すると記されています。
法隆寺献納宝物は孝謙天皇が献納した父聖武天皇の遺愛の品など、飛鳥・奈良時代の
宝物で、明治時代に法隆寺から皇室に献納され、現在は東京国立博物館の所蔵と
なっています。
「法隆寺献物帳」(部分) 奈良時代・天平勝宝8歳(756年) 東京国立博物館 国宝
前期の展示です。
孝謙天皇が献納した父聖武天皇の遺愛の品の目録です。
末尾には藤原仲麻呂や藤原永手らの自署もあります。
藤原仲麻呂は後に孝謙天皇が僧道鏡を寵愛したことに反発して、恵美押勝の乱(764年)を
起こし、敗死しますが、藤原永手は孝謙天皇に従っています。
「平螺鈿背円鏡」 中国 唐時代・8世紀 正倉院宝物


国家珍宝帳に載っている品で、前期の展示です。
螺鈿や琥珀で花鳥文を表し、間に小さなラピスラズリやトルコ石を埋めています。
単眼鏡で見ると、螺鈿には繊細な毛彫りが施されているのが分かります。
後期には似たデザインの「平螺鈿背八角鏡」が展示されます。
「螺鈿紫檀五絃琵琶」 中国 唐時代・8世紀 正倉院宝物



国家珍宝帳に載っている品で、前期の展示です。
頭部が真っ直ぐに伸びている、インド起源の五絃琵琶で、唐から伝来しています。
古代の品で現存するのは正倉院所蔵の1品のみとのことです。
紫檀の木地に夜光貝の螺鈿や玳瑁(たいまい)で見事な装飾がなされ、
螺鈿には毛彫りが施されています。
フタコブラクダの背に敷物を掛けて乗った人物が琵琶を奏でています。
よく見るとこちらは頭部が直角に折れた、イラン起源の四弦琵琶です。
正倉院の宝物の復元模造事業によって模造され、今年完成した螺鈿紫檀五絃琵琶も
一緒に展示されています。
「黄熟香」 東南アジア 正倉院宝物

蘭奢待(らんじゃたい)の別名があり、これは字の中に東・大・寺が入っているものです。
沈香(じんこう)という、焚くと良い香りのする香木で、古くから正倉院に納められています。
何十回か切り取られており、そのうち右から足利義政、織田信長、明治天皇による
切り取りを表す札が貼ってあります。
「伎楽面 酔胡王」 奈良時代・宝亀9年(778) 正倉院宝物

前期の展示です。
伎楽の中で、西方の王様と家来が酒宴を開き、酔っぱらって盛り上がるという、
まことに目出度い演目で使われます。
帽子をかぶった形で、鼻は大きく、ヒゲは動物の毛が付けてあります。
平成16年(2004)完成の色鮮やかな模造の面も一緒に展示されています。
会場の一部は撮影可能です。
明治32年(1899)模造の螺鈿紫檀五絃琵琶です。


実物大の正倉院が再現されていました。

学生時代に正倉院の前で記念写真を撮った時、文字通り高床式倉庫なのを見て
感心したことを思い出します。
正倉院の扉を模した撮影スポットもあります。

正倉院では収蔵品の塵芥(ゴミ)も集めて分類整理しているということで、
塵芥も展示されています。
奈良時代以来、長い期間にわたり、努力を重ねて文化財の保存管理や研究を
続けていることが分かります。
今年、宮内庁三の丸尚蔵館では「正倉院宝物を伝える―復元模造の製作事業と
保存継承」展が開かれていました。
「正倉院宝物を伝える―復元模造の製作事業と保存継承」展の記事です。
展覧会のHPです。
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上野の東京国立博物館平成館では御即位記念特別展、「正倉院の世界
―皇室がまもり伝えた美―」が開かれています。
会期は11月24日(日)までです。
11月4日までの前期と6日からの後期でかなりの展示替えがありますので、
展覧会のHPでご確認ください。

天皇陛下の即位を記念して、正倉院宝物と法隆寺献納宝物を同時に展示する展覧会です。
正倉院宝物は聖武天皇、光明皇后遺愛の品を東大寺に献納したものを中心にしたもので、
現在は宮内庁の正倉院事務所が管理しています。
「東大寺献物帳」(国家珍宝帳)(部分)
奈良時代・天平勝宝8歳(756年) 正倉院宝物

前期の展示です。
五巻ある献納品の目録の内の国家珍宝帳で、盧舎那仏に奉献すると記されています。
法隆寺献納宝物は孝謙天皇が献納した父聖武天皇の遺愛の品など、飛鳥・奈良時代の
宝物で、明治時代に法隆寺から皇室に献納され、現在は東京国立博物館の所蔵と
なっています。
「法隆寺献物帳」(部分) 奈良時代・天平勝宝8歳(756年) 東京国立博物館 国宝
前期の展示です。
孝謙天皇が献納した父聖武天皇の遺愛の品の目録です。
末尾には藤原仲麻呂や藤原永手らの自署もあります。
藤原仲麻呂は後に孝謙天皇が僧道鏡を寵愛したことに反発して、恵美押勝の乱(764年)を
起こし、敗死しますが、藤原永手は孝謙天皇に従っています。
「平螺鈿背円鏡」 中国 唐時代・8世紀 正倉院宝物


国家珍宝帳に載っている品で、前期の展示です。
螺鈿や琥珀で花鳥文を表し、間に小さなラピスラズリやトルコ石を埋めています。
単眼鏡で見ると、螺鈿には繊細な毛彫りが施されているのが分かります。
後期には似たデザインの「平螺鈿背八角鏡」が展示されます。
「螺鈿紫檀五絃琵琶」 中国 唐時代・8世紀 正倉院宝物



国家珍宝帳に載っている品で、前期の展示です。
頭部が真っ直ぐに伸びている、インド起源の五絃琵琶で、唐から伝来しています。
古代の品で現存するのは正倉院所蔵の1品のみとのことです。
紫檀の木地に夜光貝の螺鈿や玳瑁(たいまい)で見事な装飾がなされ、
螺鈿には毛彫りが施されています。
フタコブラクダの背に敷物を掛けて乗った人物が琵琶を奏でています。
よく見るとこちらは頭部が直角に折れた、イラン起源の四弦琵琶です。
正倉院の宝物の復元模造事業によって模造され、今年完成した螺鈿紫檀五絃琵琶も
一緒に展示されています。
「黄熟香」 東南アジア 正倉院宝物

蘭奢待(らんじゃたい)の別名があり、これは字の中に東・大・寺が入っているものです。
沈香(じんこう)という、焚くと良い香りのする香木で、古くから正倉院に納められています。
何十回か切り取られており、そのうち右から足利義政、織田信長、明治天皇による
切り取りを表す札が貼ってあります。
「伎楽面 酔胡王」 奈良時代・宝亀9年(778) 正倉院宝物

前期の展示です。
伎楽の中で、西方の王様と家来が酒宴を開き、酔っぱらって盛り上がるという、
まことに目出度い演目で使われます。
帽子をかぶった形で、鼻は大きく、ヒゲは動物の毛が付けてあります。
平成16年(2004)完成の色鮮やかな模造の面も一緒に展示されています。
会場の一部は撮影可能です。
明治32年(1899)模造の螺鈿紫檀五絃琵琶です。


実物大の正倉院が再現されていました。

学生時代に正倉院の前で記念写真を撮った時、文字通り高床式倉庫なのを見て
感心したことを思い出します。
正倉院の扉を模した撮影スポットもあります。

正倉院では収蔵品の塵芥(ゴミ)も集めて分類整理しているということで、
塵芥も展示されています。
奈良時代以来、長い期間にわたり、努力を重ねて文化財の保存管理や研究を
続けていることが分かります。
今年、宮内庁三の丸尚蔵館では「正倉院宝物を伝える―復元模造の製作事業と
保存継承」展が開かれていました。
「正倉院宝物を伝える―復元模造の製作事業と保存継承」展の記事です。
展覧会のHPです。
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10月下旬、かみさんと一泊二日で東京に行ってきました。
埼玉県の朝霞市で用事を済ませてから東武東上線で池袋に行き昼飯を食べたあと、上野の東京国立博物館で開催している正倉院展を見てきました。
1300年という時空を超えてなお輝き続ける宝物の美しさに大感動しました。 素晴らしい!!
「皇室が守り伝えた悠久の美、正倉院の至宝と法隆寺献納宝物の代表作を、前期・後期で大幅に...
【2019/11/14 17:56】
【2019/11/14 17:56】