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「ルオーと日本展響き合う芸術と魂 - 交流の百年」展 パナソニック汐留美術館
新橋・汐留
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パナソニック汐留美術館では「ルオーと日本展響き合う芸術と魂 - 交流の百年」展が開かれています。
会期は6月23日(火)までです。

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ジョルジュ・ルオー(1871-1958)と日本の関係について紹介する展覧会です。
作品の一部は撮影可能です。

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ジョルジュ・ルオー 「日本の武士(武者絵)」 1928年頃 個人蔵
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小品で、紙に墨、パステル、油彩で描かれています。
美術評論家で収集家の福島繁太郎がパリに滞在中に、ルオーがこの絵を持参して訪問し、
出来栄えを尋ねたそうです。
ルオーは日本美術に興味を持っており、この絵も武者絵を写したらしく、武者の表情や
馬の足掻きを巧みに捉えています。
福島繁太郎は1920年代を中心に長くパリに滞在し、多くの作品を購入して日本にもたらして
おり、特にルオーと交流を深めています。

ジョルジュ・ルオー 「ブルターニュの風景」 1915年 パナソニック汐留美術館
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ルオーの父はブルターニュ出身のブルトン人で、ルオー自身もブルターニュの風景に惹かれ、
作品にしています。
厚く堅固に塗られた画面で、紺色の海の色が際立ち、何か精神的なものを感じます。

ジョルジュ・ルオー 「ピエロ」 1925年 個人蔵(ギャルリーためなが協力)
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何度も塗りと削りを重ね、深い色調を生み出しています。
ルオーはサーカスやピエロなどをよく描いていて、どれも憂い、哀愁を感じさせます。

ジョルジュ・ルオー 「女曲芸師(人形の顔)」 1925年頃 パナソニック汐留美術館
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ルオーの特徴のアーモンド型の目をした、くっきりとした肖像です。
目元や口元、髪飾りの赤に生命力を感じます。

ジョルジュ・ルオー 「キリストと漁夫たち」 1947年頃 パナソニック汐留美術館
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夕暮れの水辺の風景ですが、キリストも描かれていて、聖書によく出てくる
キリストと漁夫の話の場面になっています。
空と水の青色が深い精神性を表わしています。

ジョルジュ・ルオー 「エキソドゥス 道のりは長い」 1948年頃 パナソニック汐留美術館
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エキソドゥスは旧約聖書の出エジプトのことです。
ルオーは家族の苦難をよく題材にしています。

ジョルジュ・ルオー 「マドレーヌ」 1956年 パナソニック汐留美術館
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ルオー最晩年の作品で、サーカスの女道化師を描いています。
マドレーヌはマグダラのマリアのフランス名で、晩年のルオーは聖書の人物を
題名にすることが多いようです。


三岸好太郎 「道化」 1930-31年頃  北海道立三岸好太郎美術館
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三岸好太郎(1903-1934)はルオーの強い影響を受けており、画題や太い輪郭線などに
それが表れています。

松本竣介 「郊外」 1937年 宮城県美術館
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結婚して、東京郊外の家に移り住んだ頃の作品で、どことなく寂寥感があります。
松本竣介(1912-1948)もルオーの影響を受けています。

梅原龍三郎もパリ滞在中にルオーの家を訪問し、作品を購入しています。

他に、影響を受けた里見勝蔵、難波田龍起、舟越保武、マコトフジムラなどの作品も
展示されています。

ルオーはその深い精神性の故でしょうか、早くから日本人に注目されていたようです。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「和巧絶佳展 令和時代の超工芸」です。
会期は7月18日(土)から 9月22日(火・祝)までです。

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【2020/06/12 19:33】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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