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「三井家が伝えた名品・優品」展 三井記念美術館
三越前
chariot

日本橋の三井記念美術館では「三井家が伝えた名品・優品」展が開かれています。
会期は第1部の「東洋の古美術」が7月29日(水)まで、第2部の「日本の古美術」は
8月1日(土)から8月31日(日)までです。

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美術館のある三井本館7階に上がる前に、検温と名前・連絡先電話番号の申告があります。
自分でペンを持つことはありません。


中国、朝鮮などの古美術の展示です。

「青磁鴨香炉」 付:南鐐羽根火屋 元~明時代 14~15世紀
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展示室入口に置かれています。
南鐐とは精製した銀のことで、香木を燃やす部分を銀で作っています。

「唐物肩衝茶入 銘 遅桜」 南宋時代 12~13世紀
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高さ9cm弱で、肩衝茶入の特徴のきりっとした端正な姿をしています。
肩衝とは肩の部分が水平に張っていることをいいます。

足利義政の所蔵で、同じく義政の所蔵の「初花」より遅れて日本に渡来し、
義政によって命名されています。
金華集に載っている藤原盛房の歌に依った銘です。

  夏山の青葉まじりのおそ桜初花よりもめずらしきかな

「玳皮盞」 江西省吉州窯  南宋時代 12~13世紀
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玳皮盞(たいひさん)とは天目茶碗の一種で、外側にタイマイの甲羅(べっ甲)のような
模様の出ている物を言います。
この茶碗は見込に二羽の尾長鳥と蝶、底に梅花が描かれ、鸞天目(らんてんもく)
とも呼ばれています。
見込の細かい地模様の華やかな茶碗です。
小堀遠州の所持していた品です。

「祥瑞松竹梅花鳥文胴締水指」 明時代 17世紀
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祥瑞(しょんずい)は日本の茶人の注文で明末・清初に景徳鎮で焼かれた染付磁器です。
上段に松竹梅、下段に捻り文が描かれています。
寒さの中でも緑を失わない松や竹、花を咲かせる梅は中国では高潔な文人の象徴と
されていました。
それが日本に伝わると、目出度いものの代表となります。

「ととや茶碗 銘 かすみ」 朝鮮時代 16世紀
室町三井003

素朴ですが、すっきりした色と形をした茶碗です。
ととや茶碗は高麗茶碗の一種で、薄手でろくろ目が付き、薄く釉が
掛かっているのが特徴です。
「ととや」の意味は、境の豪商斗々屋が所持していたからとも、
千利休が魚屋で見付けたからとも言われています。

「粉引茶碗 三好粉引」 朝鮮時代 16世紀
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粉引茶碗は生地に白化粧をした上に釉をかけていて、粉を吹いたような肌をしています。
釉の掛け残しの火間(ひま)がくっきりと付いています。
戦国時代の武将、三好長慶(1522-1564)が所持していたので、この名があります。
粉引茶碗は作例が少なく、「三好粉引」「松平粉引」「津田粉引」が代表例とのことです。

「三島茶碗 二徳三島」 朝鮮時代 16世紀
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三島茶碗は細かい模様が伊豆の三嶋大社の配布していた三島暦に似ている茶碗です。
千利休が所持し、後に二徳という袋師が所持したことからこの名があります。
見込みには模様が入っていますが、胴の外側には横線が一本入っているだけです。

青井戸茶碗 「升屋井戸」 朝鮮時代 16世紀
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小振りで浅く、とても素朴な姿をしていて、元は日常雑器だったことを示しています。

御所丸茶碗 朝鮮時代 17世紀
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御所丸とは桃山時代の朝鮮との御用貿易船のことです。
日本の茶人の注文により朝鮮で焼かれ、朝鮮貿易船で運ばれた品と思われます。
楕円形で白釉と黒釉の掛かった片身替りと呼ばれる色合いになっています。
えぐるようなへらの削り跡も付いていて、個性の強い姿をしています。

「粉引偏壷花入」 朝鮮時代 16世紀
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偏壷は移動用に胴が扁平になった金属の水筒のことでしたが、やがて陶磁器で
作られるようになります。
粉引は黒褐色の土に白泥を化粧掛けし、透明感の強い釉を施したもので、
朝鮮時代の粉引は茶人に好まれています。
この壷は全羅南道の窯で焼かれていて、元は酒器だったようです。

「蓮燕図」 伝 牧谿筆 元時代 13世紀
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秋の頃でしょうか、燕が枯れた蓮に止まっています。
吹く風に寂しさを感じます。
松平不昧公の旧蔵で、初代嘉一郎が昭和2年(1927)に購入し、昭和7年に
売却しています。
その後、新町三井家が購入し、現在は三井記念美術館所蔵となっています。


所蔵する沈南蘋の「花鳥動物図」全11幅が展示されていて、今回の展示の
見所の一つとなっています。
全11幅が並ぶと、その画風がはっきり分かって、見応えがあります。

「枇杷寿帯図(花鳥動物図の内)」(部分) 沈南蘋 清時代 乾隆15年(1750)
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ビワの枝に止まるゴクラクチョウが描かれています。
草花の描き方は緻密で、まるで植物画のようです。
沈南蘋(しんなんぴん、1682~?)は浙江省徳清県生まれで、清の宮廷画家となり、
徳川吉宗の希望で徳川幕府に招かれ、長崎に来航し、1731年から1733年まで
滞在しています。
沈南蘋の伝えた写実的で細密な画風は南蘋派となって、円山応挙や伊藤若冲など
日本の画壇に大きな影響を与えたということです。


名筆の模刻の拓本を集めた法帖も10点以上展示されていて、こちらも今回の展示の
見所の一つとなっています。
初期の篆書・隷書から楷書・行書・草書へと進んでいく様が分かります。
王羲之の「蘭亭序」の拓本もあります。

「争坐位稿」(宋拓) 顔真卿 唐時代 広徳2年(764)
席次を乱したとされる大臣を顔真卿が非難した文書です。
中国の官名である、「右僕射」の字も見えます。

展覧会のHPです。


次回の展覧会は「敦煌写経と永樂陶磁」展です。
会期は9月12日(土)から11月18日(日)までです。

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【2020/07/03 19:49】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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