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「聖徳太子と法隆寺」展 東京国立博物館
上野
chariot

上野の東京国立博物館では特別展、「聖徳太子と法隆寺」が開かれています。
会期は9月5日(日)までです。
8月9日までの前期と11日からの後期で一部展示替えがありますので、展覧会の
HPでご確認ください。

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今年は聖徳太子1400年遠忌ということで、太子が推古天皇15年(607)に創建したと
伝えられる奈良・法隆寺の数々の寺宝が展示されています。

「聖徳太子二歳像」 鎌倉時代・徳治2年(1307)
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聖徳太子(574ー622)が2歳のとき、東に向かって合唱し、南無仏と唱えると
掌から仏舎利が現れたという言い伝えに拠っています。
凛々しいお顔で、唇に紅色がかすかに残っています。

「聖徳太子孝養像」 室町時代・弘治2年(1556)
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父の用明天皇の病気平癒を祈る若い聖徳太子の像です。
聖徳太子孝養像は、みずらを結い、袈裟を着け、香炉を持った姿でよく描かれます。

「聖徳太子および侍者像」 平安時代・保安2年(1121) 法隆寺 国宝
謹厳な表情で笏を手に坐す聖徳太子像に対し、類縁の人とされる4人の侍者は皆、
ユーモラスな顔をしていて、その対比が面白いところです。

「天寿国繍帳」(部分) 奈良時代・推古天皇30年(622)頃 中宮寺 国宝
聖徳img121 (3)

前期の展示です。
聖徳太子の妃、橘大郎女(たちばなのおおいらつめ)が太子の死を悼んで
制作させた刺繡を施した帳(とばり)で、太子が阿弥陀浄土と思われる地に
居る様を表しています。
現在、断簡が中宮寺に保存されています。
飛鳥時代の服装の男女や雲、花、西方由来のパルメットなどが刺繍され、
浄土の麗しい情景が再現されています。

「菩薩立像」 飛鳥時代・7世紀 法隆寺 重要文化財
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小ぶりの金銅像で、飛鳥仏らしく左右対称、後の時代に比べると
お顔や立姿には硬さがあります。
お顔の鍍金がよく残っています。

「広目天像」 飛鳥時代・7世紀 法隆寺 国宝
国012

四天王像のうち、広目天と多聞天が展示されています。
クスノキの一木造で、彩色も一部残っています。
後の時代の四天王像と違って憤怒の相は見せず、動きの無い形で直立しています。
広目天に踏みつけられている邪鬼は台座にするのに丁度良い姿勢をしていて、
大きな歯を見せています。

「阿弥陀如来および両脇侍像」 奈良時代・7~8世紀 法隆寺 国宝
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橘夫人念持仏と伝えられる像で、茎の上の蓮華座に阿弥陀如来と観音菩薩、
勢至菩薩が乗っています。
光背も後ろの衝立も精巧なつくりで、技術の高さを窺わせます。
大きな厨子も共に展示されています。
橘夫人とは県犬養三千代(あがたいぬかいのみちよ)のことで、光明皇后の母です。

「天人(金堂天蓋附属)」 飛鳥時代・7世紀 国宝
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高さ約50㎝の木像で、琵琶や笛、太鼓で楽を奏する天人の
一人が蓮の花に乗ってシンバルのような楽器を持っています。
金堂再建後間もない頃の作で、金堂内陣の天蓋に取り付け
られていました。
創建時の法隆寺は一度火災で焼失しており、現在の伽藍は
再建されたものとされています。

「善光寺如来御書箱」 飛鳥時代・7世紀 法隆寺
聖徳太子が善光寺の阿弥陀如来に出した手紙への如来の返書が納められている
とされる箱で、筆箱ほどの大きさがあり、錦にしっかり包まれています。
かつて開けられたことが無いので、中に何が入っているのかは分からないそうです。

「孔雀明王像」 鎌倉時代・13世紀 法隆寺 重要文化財 
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孔雀は毒蛇を食べてしまうことから、孔雀明王は災厄や苦痛を取り除く功徳があるとされ、
また雨乞いの修法の本尊でもあります。
明王も孔雀も少し横を向いている珍しい姿で、動きを感じる図像です。

「蓮池図屏風」 鎌倉時代・13世紀 法隆寺 重要文化財
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岡倉天心は明治17年(1884)にフェノロサらとともに法隆寺など
関西の古社寺を調査しています。
秘仏とされた夢殿の救世観音に巻かれていた布がはずされたのは
この時ということです。
天心は奈良古社寺調査手録を残していて、この屏風を「大作妙品」と
高く評価しています。


会場の平成館の1階では法隆寺の秘宝、救世観音像と百済観音像を
8Kの3DCGで見せています。
細部までくっきりと見える見事な映像です。

数々の寺宝によって法隆寺1400年の歴史と太子信仰の様を見せてくれる、
とても見応えのある展覧会です。
仏像などもも飛鳥時代から平安時代まであって、変化していく様が分かります。
特に「天寿国繍帳」(前期展示)を観ることの出来る貴重な機会です。

展覧会のHPです。


東京国立博物館には法隆寺宝物館が併設されています。

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法隆寺に伝えられた宝物の一部が明治時代に皇室に献納され、戦後、
その一部が東京国立博物館で保管されることになったとのことです。
法隆寺宝物館は、それらの保存、展示のために建てられた施設です。
現在の建物は谷口吉生の設計で、1999年に開館しています。
「聖徳太子と法隆寺」展と一緒にご覧になるのもよいでしょう。

法隆寺宝物館の記事です。

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【2021/07/20 18:06】 美術館・博物館 | トラックバック(0) | コメント(0) |
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